FXニュース:米長期金利一時4.3%台

2024年10月29日
FXニュース: 米長期金利一時4.3%台

 

東西FXニュース – 2024年10月29日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 月末要因利益確定と調整
  • 日米政治影響と買い戻し
  • 中東情勢米原油先物下落
  • 米主要株価三指数が上昇
  • 日経平均株価も大幅続伸
  • 米国長期金利が反発上昇
  • 欧米経済軟着陸の可能性

今日2024年10月29日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円75銭付近から、円の安値でドルの高値の153円27銭付近の値幅約52銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円21〜22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円35〜36銭付近の前東京終値比では約14銭の円高ドル安であった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では米国長期金利の再上昇に伴い、今夜19時28分頃にはドルは円相場で一時153円48銭付近に反発上昇するなど、前東京終値比の円安ドル高にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の午後16時台の日本市場と欧州冬時間の欧州本土市場参入時の時間外の米国債券市場で一時4.296%付近に上昇後の米国長期金利がその後に上昇幅を縮小した影響があり、昨夜17時の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場は、英国冬時間入りにつき英国夏時間よりも約1時間遅れの東京終値の17時付近からの参入となり、米国長期金利反落時に伴う債券利回りを受けた金利差縮小時のドル売りが入り、月末要因の利益確定や持ち高調整も入りやすかったことでは、昨日の日本市場で一時153円88銭付近の高値を記録後のドルは円相場で上昇幅を縮小し、昨夜19時46分頃の英国市場のドル円は一時152円45〜46銭付近になっていた。

昨日の朝の世界市場やアジア・オセアニア市場では、先週日曜日の日本政府の衆議院選挙で自民党と公明党が大敗し議席数が過半数割れの日本版ハング・パーラメント(Hung parliament / 宙吊り議会)になったことから、2009年以来の日本政治の不透明感を受けた大幅な円安ドル高が進行したが、元祖とも言える過去の英国版ハング・パーラメントの経験を持つ英国市場では比較的反応薄になり、月末要因の持ち高調整で世界最大規模のロンドン市場の主要取引通貨であるドルの利益確定売りや持ち高調整が進む一因となっていた。

また、最近は米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待が続いていたが、昨日の欧州市場では。欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会メンバーのベルギー中央銀行のベルギー国立銀行 (BNB / 仏語:Banque Nationale de Belgique) のピエール・ウンシュ総裁が、「欧州ユーロ圏の経済は、依然としてソフトランディング(軟着陸)する可能性が高い」ことを指摘し、「金融緩和をさらに加速させる差し迫った必要性はない」と、市場での欧州大幅利下げ予想を牽制する様な発言をしたことも、対ドルでの欧州ユーロの買い戻しに影響を与えており、外貨影響として対ドル円相場に波及した。

加えて、昨夕の英国市場では、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、次回11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値が0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時96.9%付近と市場確定値と考えられている70%超えの優勢さを保っていた中で、一部の次回の米国金利据え置き予想値は一時3.1%付近に減少したこともこの時間の米国長期金利の一時反落に影響を与え、昨夜20時10分頃には欧州英国市場の時間外米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、一時4.257%付近に低下していた。

欧州や英国よりも米国のサマータイムの終了予定日は1週間ほど遅く、今年は今週末の11月3日日曜日までは米国夏時間にあたるため、今週から英国冬時間入りした英国市場とまだ米国夏時間の米国市場との市場時差が約1時間縮んでおり、世界最大規模の英国市場のこれらのトレンドの影響が続いていた昨夜21時から参入した米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円73銭付近で、昨夜21時20分頃にはドルは円相場で一時152円40銭付近と、英国市場および米国市場の高値でドルの安値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場では、同時進行中の欧州英国市場からの影響もあり、昨夜22時10分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.235%付近にまで低下したが、欧州経済のソフトランディングの可能性が意識されたことで欧州主要株価指数が上昇したことや、米国主要企業の決算報告シーズンが続く米国ニューヨーク株式市場でも、米国経済のソフトランディング期待により米国主要株価三指数が揃って上昇し、前日までは続落していた米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が大幅な反発上昇を見せて大幅高の終値に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も反発上昇して小幅高の終値に向け、世界的なハイテク企業比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も続伸の小幅高の終値に向けたことでは、欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円売りや安全資産の米国債売りで債券価格低下に伴う利回り上昇が起きて米国長期金利が反発上昇し、深夜24時30分の米国ニューヨーク債券市場の米国2年債の入札後の深夜24時55分頃には他の年度の米国債にも再び売りが入り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.300%付近と今年7月以来の高利回りを記録したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大の円売りドル買いと、主要通貨へのドルの買い戻しの影響も波及し、午前2時の米国5年債の入札後の午前3時37分頃にはドルは円相場で一時153円37銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、中東情勢のニュースでは、イスラエル軍が先日のイランのミサイル攻撃への報復でターゲットとしたのが石油施設ではなく軍事施設という話題を受けた米国原油先物価格が大幅に下落し、原油コスト高騰懸念緩和も安全資産売りや欧米株価上昇に影響を及ぼしていた。

ただし、米国市場では、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長ら高官達が金融政策決定時に重視する米国雇用統計などを含む最新米国重要経済指標の発表予定のイベントを控えており、今週の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合での日本の追加利上げ予想は日本の政治の混乱があり大きく後退しているものの、来週には11月5日の米国大統領選挙や11月6〜7日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) などのビックイベントへのイベントリスクも控えているため、安全資産の米国債の買い戻しや市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整はやや抵抗になった。

米国ニューヨーク債券市場では、今朝早朝のニューヨーク終値の頃の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.286%付近と、一時記録した4.300%付近の高利回りからは上昇幅を縮めていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の152円40銭付近から、円の安値でドルの高値の153円37銭付近の値幅約97銭で、今朝6時頃の米国夏時間のニューヨーク終値は153円29銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円31銭付近と比べると約98銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時30分には、日本の最新経済指標の発表があり、9月の日本の失業率は前回と市場予想の2.5%よりも堅調な2.4%で、完全雇用に近い状態が続く中で、9月の日本の有効求人倍率も前回と市場予想の1.23に対し1.24であった。

今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時153円13銭付近で、今朝の東京株式市場でも日経平均株価が一時反落しマイナス圏から始まったことを受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では、今朝9時の一時153円13銭付近の始値からの低リスク通貨の円の買い戻しが先行し、今朝9時3分頃には一時153円0銭付近と瞬時に152円99銭付近直前に円相場が反発したが、今朝9時半前頃から昨日と同様に円安を背景にした日本株買いが入り日経平均株価が反発してプラス圏に転じ始めたことでは、今朝9時26〜29分頃の数分間にかけてドルも円相場で一時153円24銭付近に反発した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要も入っていたが、その後には、月末に向けた円建て決算需要などがあり国内輸出企業の円買いドル売りが優勢になり、また投資系でも月末を控えたドルの利益確定売りと持ち高調整の円の買い戻しが入り始めたことでは、対ドルの円相場は一時152円台に向けた再反発を見せ始めた。

また、今朝のニュースでも日本政府の加藤勝信財務相が為替相場について、「投機的な動向も含め市場動向を緊張感を更に高めて注視したい」と円安牽制をした話題があり、為替介入への警戒感も再び燻り、利益確定や持ち高調整による円の買い戻しの一因になっていた。

今日の日本市場時間の時間外米国債券取引では、世界的な安全資産でもある米国債の買い戻しの影響で、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.267%付近にまで低下したことも、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りに影響を及ぼし、午後14時32分頃には対ドルの円相場は一時152円75銭付近にまで反発し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、前東京終値比の円高ドル安に転じていたが、ドルは円相場で底堅く下げ渋り反発を始めた。

午後15時台には今日の日経平均株価は、今朝までの米国主要株価三指数の上昇に続き、日本の政治混乱期の日銀追加利上げ予想の後退による金利警戒感緩和の影響もあり、大幅高で続伸の3万8903円68銭の終値をつけ、前日比298円15銭高で大引けしたため、日米欧株価上昇時のリスク選好のリスクオンでは、市場高値後の円相場では低リスク通貨の円売りが入り、今週から欧州冬時間で1時間ほど時差遅れの夕方から欧州本土市場が英国市場よりも先行して参入を始めると、今日の欧州主要株価も続伸してプラス圏で始まったことを受けた株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りや世界的な安全資産の米国債売りが入ったため、米国長期金利が反発上昇し一時4.286%付近に上昇した後も、再び4.3%台方向への上昇を見せ始めたことでは、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り始めて、今日の午後16時44分頃にドルは円相場で一時153円27銭付近と、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

今夜17時頃から英国冬時間の英国ロンドン外国為替市場が夏時間よりも遅い本格参入を見せると、米国長期金利はさらに上昇し、再び4.3%台に乗せ始めるのであるが、その前の今夜17時に東京終値をつけたため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円21〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円35〜36銭付近の前東京終値比では約14銭の円高ドル安になった。

しかし、今夜その後の18時台の英国ロンドン外国為替市場では、上昇トレンドになっていた米国長期金利が一時4.315%付近へと更に上昇したため、今夜19時28分頃にはドルは円相場で一時153円48銭付近に反発するなど、前東京終値比での円安ドル高に市場反転も見せており、今夜20時59分頃には一時153円67銭付近にも上昇しており、追記として、米国市場参入の今夜21時7分頃にはドル円は一時153円72銭付近も記録している。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に 9月の米国卸売在庫、今夜22時に8月の米国住宅価格指数と8月S&Pケース・シラー米国住宅価格指数、今夜23時には9月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と10月のコンファレンス・ボードの米国消費者信頼感指数、そして26時には米国7年債の入札予定などを控えている。

また、今週には前述の日銀会合や最新米国重要経済指標発表予定のイベントも控えており、世界の政治影響や中東情勢などの世界ニュースヤ、株式・債券・コモディティなどの市場の為替相場への影響なども、世界のFXトレーダー達が引き続き注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円64〜65銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の165円67〜69銭付近と比較すると、約3銭の小幅な円高ユーロ安であった。

ただし、今夜その後の欧州英国市場では、先述のドル円が円安ドル高に転じた外貨影響の波及もあり、ユーロ円も円安ユーロ高に転じている。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0810〜1.0812ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0802〜1.0804ドル付近と比較すると約0.08セントのユーロ高ドル安であった。

しかし、こちらも米国長期金利上昇の影響で円安ドル高に転じた外貨影響の波及があり、今夜20時台にはユーロ安ドル高への市場反転を見せている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は198円66〜72銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円83〜89銭付近と比較すると約17銭の円高ポンド安であった。

とはいえ、今夜その後の20時台の英国市場では、ドルや欧州ユーロ同様に、ポンド円も円安ポンド高への市場反転を見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月29日の日本時間(JST)20時58分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場では11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日が米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) になるため、2024年11月3日まではまだ米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっており、今週の世界市場では、欧州市場と英国市場はすでに冬時間であるが、米国市場はまだ米国夏時間である。)

通貨ペア JST 20:58の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 153.63 〜 153.64 +0.28 (円安)
ユーロ/円 165.87 〜 165.92 +0.20 (円安)
ユーロ/ドル 1.0798 〜 1.0800 −0.0004 (ドル高)
英ポンド/円 199.52 〜 199.58 +0.69 (円安)
スイスフラン/円 176.96 〜 177.02 +0.30 (円安)
豪ドル/円 100.81 〜 100.85 −0.35 (円高)

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