FXニュース:米最新重要経済指標控え
2024年10月30日東西FXニュース – 2024年10月30日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米JOLTS求人件数が減少
- 米消費者信頼感指数上昇
- 米大統領選インフレ警戒
- 二日間の日銀会合始まる
- 米金利据え置き予想後退
- 米大幅利下げ予想が復活
- 米長期金利上昇後の反落
今日2024年10月30日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の153円7銭付近から、円の安値でドルの高値の153円46銭付近の値幅約39銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円31〜32銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円21〜22銭付近の前東京終値比では約10銭の円安ドル高であった。
ただし、今夜その後の英国冬時間で時差遅れ参入になった英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時55分頃に時間外の米国債券市場で米国長期金利が一時4.224%付近に急落し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りでドルは円相場で一時152円80銭付近に下落するなど、前東京終値比で円高ドル安への市場反転も見せている。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では米国長期金利の上昇が続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は4.3%台に乗せた高利回りで上昇トレンドになっていたことから、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの円売りドル買いの影響でドルは円相場で153円台中盤を上抜けて一時153円台後半に差し掛かっていたため、昨夜21時から参入した米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時153円67銭付近で、昨夜21時35分頃には米国長期金利は一時4.324%付近に上昇し、この時間のドルは円相場で一時153円86銭付近の昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録していた。
昨夜22時には最新米国経済指標の8月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数の発表があり、前年同月比は前回の5.9%と市場予想の5.1%に対し5.2%と前回よりは鈍化したものの市場予想以上の米国住宅インフレの根強さを見せており、同時発表の8月の米国住宅価格指数の前月比では前回と市場予想の0.1%と前回修正の0.2%を上回る0.3%であったことでは、市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の抵抗が混ざる中でも、米国ニューヨーク債券市場では、米国金利先高感もあり発表後の米国長期金利が昨夜22時10〜25分頃にかけて一時4.334%付近でしばらく高止まりを見せるなど、更に上昇していたことでは、ドルは円相場で底堅い値動きを見せ、抵抗後も153円台後半の推移を続けていた。
しかし、今週金曜日の夜に予定されている米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長などの高官達が重視していることが知られている最新米国重要経済指標の10月の米国雇用統計の発表を控えている米国市場では、米国雇用市場に大幅な軟化が見られた場合には再び米国大幅利下げ予想の可能性が排除できなくなることが意識されており、昨夜23時に米国雇用関連の最新経済指標の9月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数が発表され、前回の804.0万件が前回786.1万件に下方修正されたほか、市場予想の800.0万件を下回る744.3万件に下振れしたことを受けた市場反応では、発表の昨夜23時の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時152円97銭付近に瞬時急落し、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、同時発表だった米国景気関連の最新経済指標の10月のコンファレンス・ボードの米国消費者信頼感指数は、前回の98.7が前回99.2に上方修正された上で、市場予想の99.5を上回る108.7に上振れしたことではすぐにドルは買い戻されて反発し、同じ昨夜23時の1分間の値動きの中で瞬時に一時153円36銭付近に戻し、その1分後の昨夜23時1分には一時153円55銭付近と、再び153円台後半に下げ渋って推移した。
米国ニューヨーク債券市場では、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待の安全資産の米国債売りに加えて、来週11月5日の米国大統領選挙を前にした米国インフレ再燃警戒の米国債売りなども入ったことから、米国雇用関連の経済指標発表時の抵抗の後にも米国長期金利は更に上昇し、深夜24時15分頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.339%付近と今年7月以来の高利回りを記録し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響が続いていた。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の上昇を受けた警戒感から金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が上昇後に反落を始めてマイナス圏に転じたことでは、一部株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債買い戻しや低リスク通貨の円買いの抵抗が入ったが、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) は小幅高の終値に向け、最近の米国主要企業の好調な決算報告の影響から世界的なハイテク企業の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は大幅続伸の終値に向けたことでは、米国主要株価三指数中の二指数は上昇しており、一部株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円売りも入ったことではドル円は揉み合いも見せていた。
米国ニューヨーク債券市場では、午前2時に米国7年債の入札が行われたが、今週の米国雇用統計や来週の米国大統領選と米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) などを控えたイベントリスクによる安全資産買いの影響もあり、好調だった入札結果の波及で他の年度の米国債にも買い戻しが強まり、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利も上昇後の反落が強まって急落し、今朝早朝の米国ニューヨーク終値時点には一時4.259%付近にまで上昇幅を失ったことでは、市場終盤のドルも円相場で一時153円台前半に向けて上昇幅を縮小していた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の153円86銭付近から、円の高値でドルの安値の152円97銭付近の値幅約89銭で、今朝6時頃の米国夏時間のニューヨーク終値は153円36銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円29銭付近と比べると約7銭の小幅な円安ドル高をつけていた。
早朝のアジア・オセアニア市場時間に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時153円26銭付近の始値であったが、今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場でも世界的な安全資産でもある米国債の買い戻しの影響で、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は今朝9時16分頃には一時4.249%付近に低下し、今朝9時18分頃にドルは円相場で一時153円7銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、円建ての月末決算を控えて日本国内の輸出企業の円買いドル売りが先行した影響もあったが、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、今日は30日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) にあたるため、日本企業の輸入実需の円売りドル買いも入ったことではドルは円相場で反発し、仲値決済後の今朝10時8分頃にはドルは円相場で一時153円31銭付近に買い戻されていた。
今日の東京株式市場では153円台の円安を追い風にした海外投資流入の影響もあり、日経平均株価が大幅に続伸し、午後15時台に3万9277円39銭の終値と、前日比373円71銭高で大引けしたことから、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでドル買いだけでなく、欧州ユーロや英国ポンドなども買われた外貨影響が対ドル円相場に波及したため、午後15時15分頃にドルは円相場で一時153円46銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、今日から明日にかけて日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合が開催されており、先日の日本政府の財務相達の円安牽制発言後には為替介入警戒感が燻っているほか、今夜この後の最新米国重要経済指標の10月の米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計や7〜9月第3四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 速報値などを控えたイベントリスクによる早期の利益確定や持ち高調整の影響などの抵抗も入り始めたが、欧州冬時間で夏時間よりも1時間ほど遅い夕方の欧州本土市場の参入に続く、東京終値直前からの英国ロンドン外国為替市場の市場影響が始まりかけた頃に今日の東京終値を迎えていた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円31〜32銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円21〜22銭付近の前東京終値比で約10銭の円安ドル高になった。
ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜17時55分頃に時間外の米国債券市場で米国長期金利が一時4.224%付近に急落したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響が続き、この時間にドルは円相場で一時152円80銭付近に売られるなど、前東京終値比で円高ドル安への市場反転も見せている。
この原因は、イベントリスクの安全資産の米国債買いに加えて、今日の夕方のこの時間には金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回11月6〜7日に開催される米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値が0.25%の米国小幅利下げ予想値は一時98.9%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢で推移を続けていた中で、前日に数%に低下していた次回の米国金利据え置き予想値が0%付近の圏外に後退した一方で、市場の一部では今週金曜日の米国雇用統計の結果次第では米国大幅利下げ予想が排除できないと一時1.1%付近に復活しいたことが影響を及ぼし、米国長期金利の低下と債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが入っていた。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時15分に米国雇用関連の最新重要経済指標の10月の米国ADP雇用統計に続き、今夜21時30分には米国景気関連の最新重要経済指標の7〜9月第3四半期の米国実質国内総生産 (GDP) と同四半期の米国GDP個人消費と米国四半期コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) の速報値、今夜23時に9月の米国住宅販売保留指数と米国中古住宅販売保留指数、今夜23時30分には週間の米国原油在庫などが発表されるほか、今朝の決算報告が市場予想以上だったグーグル (Google) 持ち株会社の米国アルファベット (Alphabet) 社に続き、明朝の米国株引け後にはフェイスブック (FaceBook) やインスタグラム (Instagram) などで有名な米国メタ・プラットフォームズ (Meta Platforms) 社と、ウィンドウズ (Windows) の巨大IT企業の米国マイクロソフト (Microsoft) 社の決算報告予定なども控えている。
明日の昼頃には日銀金融政策決定会合の結果発表に続き、午後に植田和男総裁の発言予定もあり、今週はこの後にも金曜日の米国雇用統計などの最新米国重要経済指標発表予定も控えており、世界の政治影響や中東情勢などの世界ニュースや、株式・債券・コモディティなどの市場の為替相場への影響などと共に、世界のFXトレーダー達が注視している。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円88〜90銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の165円64〜65銭付近と比較すると約24銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 高官の発言の影響もあり、米国経済のソフトランディング期待に続き、欧州経済にもソフトランディングの可能性が意識される中で、今日の午後15時30分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの7〜9月第3四半期の仏国内総生産 (GDP) の速報値は、前期比が前回の0.2%と市場予想の0.3%を上回る0.4%に上昇していた。
また、今日の日本市場では、日経平均株価の大幅続伸を受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。
このため、欧州と経済圏が近く、また英国がスターマー新政権になってから今日初の財務相予算案提出日の英国ポンドも円売りで買われており、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は199円50〜56銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の198円66〜72銭付近と比較すると約84銭の円安ポンド高であった。
ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利低下を受けてドル円が円高ドル安に市場反転した外貨影響の波及もあり、今夜20時台には明日の日銀イベントを前にした持ち高調整や為替介入警戒感なども燻り、ユーロ円やポンド円も前東京終値比では小幅な円高に転じている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0824〜1.0826ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0810〜1.0812ドル付近と比較すると約0.14セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、今日の夕方の欧州市場の参入では、イベントリスクもあり世界的な安全資産の米国債買いや、今夕の米国金利据え置き予想が後退した影響もあり、米国長期金利低下時のドル売りで欧州ユーロの買い戻しが入っていた。
なお、今夜18時の日本市場終了後の欧州市場でも、最新欧州重要経済指標の発表があり、欧州ユーロ圏主要国ドイツの7〜9月第3四半期の独国内総生産 (GDP) の速報値は、前期比が前回マイナス圏だった-0.1%と前回下方修正の-0.3%と市場予想の-0.1%に対しプラス圏の0.2%に好転し、前年同期比は前回の0.0%と前回下方修正と市場予想のマイナス圏の-0.3%に対し-0.2%と市場予想ほどは悪化せず、季調前の前年同期比では前回の0.3%と前回下方修正と市場予想の0.1%に対し0.2%と同じく市場予想よりはやや強かった。
続いて今夜19時の欧州ユーロ圏総合の7〜9月第3四半期の欧州域内総生産 (GDP) の速報値も、前期比が前回と市場予想の0.2%を上回る0.4%で、前年同期比も前回の0.6%と市場予想の0.8%を上回る0.9%で、欧州経済にもソフトランディングの可能性が意識されており、対ドルでの欧州ユーロの買い戻しに影響を与えている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月30日の日本時間(JST)20時45分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時45分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場では11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日が米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) になるため、2024年11月3日まではまだ米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっており、今週の世界市場では、欧州市場と英国市場はすでに冬時間であるが、米国市場はまだ米国夏時間である。)
通貨ペア | JST 20:45の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 152.97 〜 152.98 | −0.24 (円高) |
ユーロ/円 | 165.62 〜 165.63 | −0.02 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0826 〜 1.0828 | +0.0016 (ドル安) |
英ポンド/円 | 198.38 〜 198.44 | −0.28 (円高) |
スイスフラン/円 | 176.29 〜 176.35 | −0.52 (円高) |
豪ドル/円 | 100.59 〜 100.63 | +0.03 (円安) |
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