FXニュース:今週米英豪イベント控え
2024年11月04日東西FXニュース – 2024年11月04日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米大統領選とFOMC迫る
- 米NFP減天候スト影響か
- 10月米失業率ほぼ横ばい
- 米平均賃金はやや堅調に
- 米市場サマータイム終了
- トランプトレードの調整
- 日連休中の海外市場動向
- 週内に英豪の政策発表も
今日2024年11月4日月曜日の日本の東京外国為替市場は11月3日の「文化の日」の振替休日で休場ですが、今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の152円29銭付近から、円の高値でドルの安値の151円59銭付近の値幅約70銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は152円16〜18銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の152円61〜62銭付近の前東京終値比では約45銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜19時8分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国雇用統計発表前のイベントリスクの中でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.305%付近に再上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差トレードのドルの買い戻しで、ドルは円相場で一時152円84銭付近に買い戻された影響では、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円67銭付近の始値で、米国長期金利は先週金曜日の夜21時25分頃の一時4.317%付近に向けて上昇していたことでは、先週金曜日の夜21時23分頃にドルは円相場で一時152円83銭付近に買われていた。
しかし、先週金曜日の夜21時30分に世界的な注目を集めていた最新米国重要経済指標の10月の米国雇用統計の発表があり、今回は米国のハリケーンやストライキの影響が懸念されていたが、10月の米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-Farm Payrolls) の前月比は前回9月の25.4万人が前回22.3万人に下方修正されたことに加えて、今回10月分は市場予想の11.3万人を大幅に下回る1.2万人に下振れし、10月の米国失業率は前回と市場予想通りの4.1%のほぼ横ばいであったものの、四捨五入前の切り捨て小単位では前回9月分は4.05%で今回10月分は4.14%と0.09%の小幅な軟化を含んでいたことではやや弱く、10月の米国平均時給は前月比で前回0.4%が前回0.3%に下方修正されたものの今回は市場予想の0.3%を上回る修正前の前回と横ばいに近い0.4%で、前年同月比も前回の4.0%は前回3.9%に下方修正されたが今回は市場予想通りの4.0%とやや横ばいに近い堅調さであったことを受けては、安全資産の米国債が買われた影響から債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は先週金曜日の夜21時50分頃には一時4.227%付近に急落したため、債券利回りを受けた金利差トレードの円買いドル売りや主要通貨に対するドル売りが起き、先週金曜日の夜21時52分頃にドルは円相場で一時151円79銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国内では想像以上の10月の米国非農業部門雇用者数 (NFP) の単月の急減は、ハリケーンによる天災やストライキによる人災などの一時影響の可能性が指摘されたほか、米国失業率はほぼ横ばいで平均時給にはやや堅調さも見られたことでは、長期データを重視する米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今週11月6〜7日の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国小幅利下げの市場予想が優勢で、一部のタカ派の市場予想の金利据え置き予想も僅かに残っており、その一方で米国大幅利下げ予想は後退したままであったことから、債券価格上昇後の安全資産の米国債の利益確定売りとドルの買い戻しが入り始めてドルが反発を始めたところに、先週金曜日の夜22時45分に発表された最新米国景気指標の10月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値が前回の速報値と市場予想の47.8を上回る48.5に上方修正され、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待が高まり、先週金曜日の夜22時56分頃にはドルは円相場で一時152円49銭付近に反発していた。
先週金曜日の夜23時には最新米国重要経済指標の10月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 製造業景況指数の発表が続き、前回の47.2と市場予想の47.6を下回る46.5であったことは抵抗となったが、同時発表だった9月の米国建設支出は。前回マイナス圏の-0.1%だったものが市場予想の0.0%を上回るプラス圏の0.1%に改善されていた。
また、米国ニューヨーク株式市場では、前営業日には揃って下落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反発上昇し、特にダウとナズダックは大幅高の終値に向けていたことでは、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債や低リスク通貨の円が売られたほか、同時進行していた欧州英国市場でも欧州主要株価指数の独DAX (Deutsche Aktien Index) が大幅高の終値に向けており、英国FTSE (Financial Times Stock Exchange) 株価指数も上昇していたことから、欧米主要株価上昇時の世界的な安全資産の米国債売りによる米国長期金利の上昇と低リスク通貨の円売りの影響で、ドルは円相場で反発後の上昇を続け、先週土曜日の朝5時12分頃には、ドルは円相場で一時153円9銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
今年の米国夏時間最後の米国ニューヨーク債券市場では、先週土曜日の早朝の終値時点には米国長期金利は一時4.397%付近と、およそ4ヶ月ぶりの高利回りを記録しており、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響が強かった。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の151円79銭付近から、円の安値でドルの高値の153円9銭付近の値幅約1円30銭で、先週土曜日の朝6時頃の今年の米国夏時間最後のニューヨーク終値は153円1銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円3銭付近と比べると約98銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。
週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今週の米国大統領選挙と米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のビッグイベントのイベントリスクを控えた持ち高調整などが入り、週末も一部で開場していた中東バーレーン市場などでドルが売られた影響があり、今朝早朝の開場時には一時152円16銭付近と、窓開けで始まった。
今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は文化の日の振替休日で休場であったが、時間帯が近い世界FX市場は開場しており、アジアの大市場である東京休場中の市場流動性が低下する中で、今朝9時頃の東京始値相当時間の対ドル円相場は一時152円29銭付近で、この時間が今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値となり、日本市場は連休中で実需は少ないものの、世界市場でのイベントリスクのドル売りや低リスク通貨の円の持ち高調整の影響などで、対ドルの円相場が上昇した。
今日の東京株式市場は休場であったが、時間外の日経平均株価先物や米国ダウ先物などが軟調な推移を見せた影響もあり、低リスク通貨の円の買い戻しが入ったことでも円相場が上昇した。
また、米国関連のニュース報道では、明日11月5日に投票日が迫った米国大統領選挙で、「民主党のハリス副大統領の支持率が47%となり、共和党のドナルド・トランプ前大統領の44%を上回った」と、米国アイオワ州の有名ローカル紙のデモイン・レジスター (The Des Moines Register) 電子版が世論調査を発表したことが話題になり、以前のトランプ・トレードでは関税増税案などの影響で米国インフレ再燃への警戒のドル買いが起きた後であったため、買われたドルが調整売りされたことでもドルは円相場で下落し、今日の昼の12時40分頃にはドルは円相場で一時151円59銭付近の今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、今回の大統領選選挙では接戦が予想されているが、いずれの候補になった場合でも米国財政赤字拡大があれば米国長期金利上昇の可能性が指摘されていることや、市場安値後には世界的な流動性の高さでは安全資産でもあるドルの買い戻しも入り始めたことでは、ドルは円相場で反発を始めた。
午後15時過ぎには今週のイベントリスクによる世界的な安全資産の米国債買いの影響で、時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.309%付近に低下していたが、夕方からの欧州市場の参入が始まると反発も交えたことでは、午後16時30分過ぎに米国長期金利は一時4.315%付近に向けており、午後16時30分頃にはドルは円相場で一時152円27銭付近に買い戻されていた。
ただし、今日の夕方には、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今週11月6〜7日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値は一時99.7%付近と市場で確定値と考えられている70%超えの優勢で推移する一方で、一部のタカ派の次回の米国金利据え置き予想値は一時0.3%付近に減少していたもののまだ残っていたが、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場の参入後には一部のタカ派の米国金利据え置き予想値がさらに後退して一時0.0%付近の圏外値となった代わりに、一部のハト派の米国大幅予想値が僅かではあるが一時1.7%付近に再浮上してきた影響では、米国長期金利が再び低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り始めた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は152円16〜18銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の152円61〜62銭付近の前東京終値比で約45銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定と米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に9月の米国製造業新規受注指数と、27時に米国3年債の入札を控えている。
今週は、明日の11月5日の米国大統領選と開票に数日かかると言われる中で、翌日の6〜7日には米国連邦公開市場委員会 (FOMC) と定例記者会見での米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言などのビッグイベントを控えている。
また、世界の政治影響や、中東情勢などの世界ニュースに加え、決算報告期の米国株式・債券・コモディティなどの市場の為替相場への影響なども、世界のFXトレーダー達が注視している。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は165円72〜74銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の165円83〜85銭付近と比較すると約11銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、先述の主要通貨で基軸通貨でもあるドル売りの一方で、低リスク通貨に円が買われた影響で対ドルの円相場が上昇した影響が、他の主要通貨である欧州ユーロの円相場にも影響を与えたほか、欧州ユーロに対してもドルが売られた影響が波及していた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0890〜1.0891ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0865〜1.0866ドル付近と比較すると約0.25セントのユーロ高ドル安であった。
また、今夜の欧州市場では、東京終値後の市場相当時間になるが、欧州ユーロ圏の最新欧州経済指標の発表があり、今夜17時50分のフランスの10月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想通りの44.5の横ばいであったが、今夜17時55分の主要国ドイツの10月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想の42.6を上回る43.0に上方修正され、続いて今夜18時の欧州ユーロ圏総合の10月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の45.9を上回る46.0に上方修正された。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値相当時間は197円25〜31銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の196円76〜82銭付近と比較すると約1円51銭の大幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、先週金曜日の東京終値時点では先週の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想などを受けて英国ポンドは円相場で売られて前東京終値比で大幅な下落を見せていたが、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の今後の英国利下げペース予想を受けて英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利が一時4.5%台に再上昇し、債券利回りを受けた日英金利差トレードの低金利通貨の円売りと高金利通貨の英国ポンド買いの影響で、英国ポンドは円相場で大幅に反発して下げ幅を戻していた。
ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、ドル円やユーロ円で円相場が上昇した外貨影響の波及で、ポンド円でも円相場が上昇したことで、英国ポンドは円相場での上昇幅を失い、今夜から米国市場も米国夏時間となり世界市場への参入時間の調整がある中で、参入前の今夜21時台には小幅な円高ポンド安への市場反転も見せている。
なお、今週には米国イベントだけでなく、11月7日の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) による新英国政策金利発表イベント予定と、11月5日のオーストラリアの豪中央銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) の新豪州政策発表イベントも控えている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月4日の日本時間(JST)21時14分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の12時14分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、先週末の2024年11月3日に米国でもサマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の夏時間が終了し、今週の世界市場は欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間の時差になっている。
通貨ペア | JST 21:14の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 151.69 〜 151.70 | −0.92 (円高) |
ユーロ/円 | 165.39 〜 165.41 | −0.44 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0902 〜 1.0904 | +0.0037 (ドル安) |
英ポンド/円 | 196.67 〜 196.73 | −0.09 (円高) |
スイスフラン/円 | 175.75 〜 175.81 | +0.06 (円安) |
豪ドル/円 | 100.07 〜 100.11 | ±0.00 (レンジ) |
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