FXニュース:米大統領選のドル調整後

2024年11月05日
FXニュース:米大統領選のドル調整後

 

東西FXニュース – 2024年11月05日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 明日から米FRBのFOMC
  • 米製造業新規受注-0.5%
  • 米長期金利の金利差売買
  • 延長開始日経平均大幅高
  • 豪RBA維持とタカ派発言
  • 今週は英BoEのMPCも

今日2024年11月5日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円11銭付近から、円の安値でドルの高値の152円54銭付近の値幅約43銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円26〜27銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の152円61〜62銭付近の前東京終値比では約35銭の円高ドル安であるが、昨日の日本連休中も開場していた世界FX市場の前営業日同時刻の昨夜17時の152円16〜18銭付近と比較すると約45銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は連休であったが、昨日のアジア・オセアニア市場に続き、欧州冬時間で夕方から参入した欧州市場と英国ロンドン外国為替市場でも、今夜11月5日が投票日の米国大統領選挙を控え、接戦予想の中でも世論調査のニュースなどを受けて以前のトランプ・トレードで買われたドル売りの持ち高調整が進んだほか、イベントリスクの高まりによる世界的な安全資産の米国債買いの影響で米国債券価格上昇時の利回り低下が起きた影響と昨夜20時台の金利先物市場のデータで米国大幅利下げ予想値が一時僅かではあるが再浮上した時間があったため、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜20時55分頃には一時4.277%付近に低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、昨夜20時53分頃にドルは円相場で一時151円53銭付近の欧州英国市場および日通しの円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、その後の今日の翌英国市場に向けた金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、明日11月6日から翌日の7日にかけて二日間開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値は一時98.0%付近と市場で確定値と考えられている70%超えの優勢で推移を続ける一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値が復活し一時2.0%付近に向けた上昇を始めており、昨夜に一時1.7%に復活していた一部のハト派の米国大幅予想値は再び後退して0.0%の圏外値に向け始めた影響では、米国長期金利の反発時には債券利回りを受けた金利差トレードで世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルの買い戻しも入り始めたが、イベントリスクによる様子見や買い控えの抵抗も交えていた。

米国冬時間になり、日本時間の昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時151円80銭付近の始値であったが、今夜11月5日の米国大統領選や明日11月6日から始まる二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国現地時間の11月7日 (日本時間では時差で翌11月8日未明) の米国新政策金利イベントと米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントリスクが迫ってきたことで、イベントリスク回避の利益確定売りや持ち高調整の株売りが起き、昨夜の米国ニューヨーク株式市場では、前営業日には揃って上昇していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反落して始まったことを受けては、米国主要株価低下時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で再び安全資産の米国債が買われて米国長期金利が反落したほか、低リスク通貨の円が買われたことでは、昨夜23時19分頃にドルは円相場で一時151円62銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国ダウはマイナス圏で大幅下落に向けた推移を続けた中でも、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待が継続していたことでは、米国ナズダックとS&P500は一時反発してプラス圏に買い戻された時間もあり、米国市場では先ほどの欧州英国市場で記録した一時151円53銭付近を下抜けることはなく、テクニカル分析でサポート・レジスタンスとなる200日移動平均線の151円57銭手前付近に達する前に反発を始めて深夜前には一時151円96銭付近に買い戻されていたが、深夜24時に発表された最新米国経済指標の9月の米国製造業新規受注の前月比が前回の-0.2%が前回-0.8%に下方修正された上で、市場予想の-0.4%を下回る-0.5%であったことを受けては、一時反発後の米国ナズダックとS&P500が早期の利益確定の株売りで再びマイナス圏に戻すと、再び安全資産の米国債買いの影響で米国長期金利が深夜24時15分頃には一時4.267%付近にまで低下したため、この時間のドルの値動きは欧州英国市場終盤の持ち高調整の影響も続いており重いものとなった。

しかし、ドルのイベントリスクの様子見や買い控えは抵抗になったものの、米国ニューヨーク債券市場では、債券価格上昇後の利益確定売りの影響もあり、米国長期金利が反発して4.3%台に乗せて再上昇したため、債券利回りを受けた金利差トレードの影響のドルの買い戻しや、英国冬時間は日本時間で午前1時頃にあたる世界最大規模の英国ロンドン市場のロンドン・フィキシング (London Fixing) における主要取引通貨のドル需要があったことでは、午前1時6〜7分頃にはドルは円相場で一時152円15銭付近に反発した。

午前2〜3時頃には時差で先行していた欧州英国市場は終了したが、米国ニューヨーク債券市場では午前3時に米国3年債の入札があり、入札後に他の年度の米国債も売られた影響などで、午前3時20分頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.327%付近に上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いが為替相場に影響を及ぼし、午前3時32分頃と午前6時17〜18分頃にもドルは円相場で一時152円19銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国主要株価三指数が揃って下落の終値をつけたことでは、安全資産の米国債や低リスク通貨の円の買い戻しも入り、米国ダウは前日比で大幅安の終値でナズダックとS&P500は小幅安の終値で引けており、米国ニューヨーク債券市場では、今朝のニューヨーク終値時点の米国長期金利は一時4.289%付近になっていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の151円62銭付近から、円の安値でドルの高値の152円19銭付近の値幅約57銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値は152円13銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円1銭付近と比べると約88銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃からは祝日連休明けの今日の日本の東京外国為替市場が参入し、今朝9時頃の今日の日本市場の対ドル円相場の始値は一時152円28銭付近で、この時間にはまだ時間外の米国債券市場では米国長期金利が4.291%付近と4.3%台を下回っていたため、債券利回りを受けた日米金利差トレードの影響があり、今朝9時13〜14分頃にかけてドルは円相場で一時152円11銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日は5日で5と10が付く日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」にあたるため、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があり、ドルが円相場で上昇した。

ただし、今日の昼の12時30分にはオセアニア市場のオーストラリア中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) が新豪州政策金利を発表し、これまでと同じ4.35%に金利維持の据え置きを決定したが、午後13時30分頃からのミシェル・ブロック総裁の発言にはタカ派寄りの発言があり、「インフレ抑制の仕事の最後の部分は簡単ではない」ことから「豪州政策金利は、当面、景気抑制的に維持する必要がある」とし、「経済が予想以上に落ち込めば、行動する用意がる」としたものの、「インフレの上振れリスクは、まだある」と追加利下げに慎重な姿勢を見せたことから、主要通貨に対して豪ドルが買われた外貨影響が波及した時間はあった。

一方、日本の連休明けの今日の東京株式市場では今日から取引時間が半時間延長されることもあり、日本株の買い戻しが入り、日経平均株価がプラス圏の上昇トレンドで始まり、大幅な上昇に向けたことから、日本市場では日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが起きた影響から、午後14時20分頃に今日の日経平均株価が上昇幅を前営業日比で一時563円94銭高への拡大に向けていた午後14時18分頃には、ドルは円相場で一時152円54銭付近に上昇し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

年間の日照時間が安定している日本にはサマータイム制はないが、欧米市場は冬時間になり参入時間が夏季よりも1時間ほど遅れる中で、午後15時台には東京証券取引所が本日11月5日から取引時間を半時間延長し、東京株式市場終盤の利益確定や持ち高調整では一時の大幅な上昇幅をやや縮めたものの、午後15時30分頃の今日の日経平均株価は3万8474円90銭の終値をつけ、前営業日比421円23銭高の3営業日ぶりの大幅高で大引けした。

市場高値後のドルには、今夜の米国大統領選や明日からの米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントリスクの早期の利益確定売りや持ち高調整と買い控えに抵抗が入ったが、夕方からの欧州市場に続いて今夜17時頃に英国市場が参入すると、先述の通り、昨夕には一時再浮上していた一部のハト派の米国大幅利下げ予想が後退し、今日の夕方までに一部のタカ派の米国金利据え置き予想が復活した影響などで、今日の夕方の時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が英国市場参入後の今夜17時15分頃の一時4.324%付近に向けた上昇を始めたため、再びドルの買い戻しが入り始めていたところで、今夜17時の東京終値を迎えた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円26〜27銭付近と、日本市場の前営業日同時刻の先週金曜日の夜17時の152円61〜62銭付近の前東京終値比では約35銭の円高ドル安であるが、世界FX市場の前営業日同時刻の昨日の夜17時の152円16〜18銭付近と比べると約45銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では最新米国重要経済指標などの発表予定と米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に最新経済指標の9月の米国貿易収支、今夜23時45分に10月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) と10月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値と、深夜24時に最新米国重要経済指標の10月の米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数の発表があり、27時に利回りが米国長期金利の指標となっている米国10年債の入札予定を控えている。

今週は、今夜の11月5日の米国大統領選の投票日から数日かかると言われる開票結果発表までのイベントリスクに加えて、明日6日から7日に米国連邦公開市場委員会 (FOMC) が開催され、日本時間では8日未明にあたるFOMC結果発表後の定例記者会見における米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言などのビッグイベントが注目を集めている。

世界の政治影響や中東情勢などのニュース、そして株式・債券・コモディティ市場などの為替相場への影響なども、投資家やFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円79〜81銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の165円83〜85銭付近と比較すると約4銭の円高ユーロ安であったが、世界市場の前日同時刻の昨夜17時の165円72〜74銭付近と比べると約7銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日の日本市場休場中に海外市場で以前のトランプ・トレードで買われたドルが売られた外貨影響の波及が強かったが、今日は日本市場が再開し、時間延長の日経平均株価が大幅に上昇し、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでは、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0886〜1.0890ドル付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0865〜1.0866ドル付近と比較すると約0.21セントのユーロ高ドル安であったが、世界市場の前日同時刻の昨夜17時の1.0890〜1.0891ドル付近と比べると約0.04セントのドル高ユーロ安であった。

主な要因は、米国大統領選を控えたイベントリスクもあり、昨日はドル売りが進んだが、今日は米国長期金利の反発時にはドルの買い戻しが入った影響が見られた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は197円54〜60銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の196円76〜82銭付近と比較すると約78銭の円安ポンド高で、世界市場の前日同時刻の昨夜17時の197円25〜31銭付近と比べると約29銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、今週の11月7日に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) も新英国政策金利発表イベントの予定を控えているが、英国利下げペースの市場予想がより穏やかになる可能性が指摘されていた影響などで金利先高感があり、英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利が4.5%台に上昇した日英金利差トレードが影響を及ぼしており、今夜の英国市場でも一時4.546%付近の高利回りを見せている。

この一因には、今夜18時30分に発表された最新英国経済指標の10月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値が、前回の速報値と市場予想の51.8を上回る52.0に上方修正されたことも影響を与えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月5日の日本時間(JST)21時9分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の12時9分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、先週末の2024年11月3日に米国でもサマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の夏時間が終了し、今週の世界市場は欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間の時差になっている。

通貨ペア JST 21:09の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 152.08 〜 152.10 −0.08 (円高)
ユーロ/円 165.79 〜 165.80 +0.07 (円安)
ユーロ/ドル 1.0900 〜 1.0902 +0.0010 (ドル安)
英ポンド/円 197.49 〜 197.55 +0.24 (円安)
スイスフラン/円 176.48 〜 176.54 −0.76 (円高)
豪ドル/円 100.74 〜 100.78 +0.59 (円安)

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