FXニュース: 大統領選日米株高ドル高

2024年11月06日
FXニュース: 大統領選日米株高ドル高

 

東西FXニュース – 2024年11月06日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利の日米金利差
  • 米ISM非製造業予想以上
  • 米トランプトレード再燃
  • 日経平均株価が大幅続伸
  • 米長期金利上昇4.4%台
  • 今夜から二日間米FOMC

今日2024年11月6日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円28銭付近から、円の安値でドルの高値の154円38銭付近の値幅約3円10銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円1〜5銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の152円26〜27銭付近の前東京終値比で約1円75銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、昨夜22時前頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.332%付近に向けて上昇していた債券利回りの日米金利差拡大を受けた金利差トレードの低金利の円売りと高金利のドル買いの為替相場への影響があり、昨夜21時55分にドルは円相場で一時152円33銭付近に買われていたため、英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円29銭付近の始値で、昨夜22時10分頃に米国長期金利が更に一時4.335%付近に向けた上昇を見せていた影響では、昨夜22時3分頃に一時152円32銭付近の昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜22時30分には最新米国経済指標の9月の米国貿易収支が発表され、前回の-704億ドルが前回-708億ドルに下方修正されたほか、市場予想の-841億ドルに対し-844億ドルと貿易赤字が悪化したことを受けては、安全資産の米国債の買い戻しが入り始めたほか、昨夜11月5日が投票日の米国大統領選の結果発表を控え、今夜11月6日から米国現地時間の11月7日 (日本時間では時差で翌11月8日未明) の二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) による米国新政策金利イベントと米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントリスクでも、世界的な安全資産である米国債が安値から買い戻された時間があり、昨夜23時10分頃と23時35分頃の米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.320%付近に一時反落したため、昨夜23時36分頃にはドルも円相場で一時151円77銭付近に反落した。

昨夜23時45分に発表された最新米国経済指標の10月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値も、前回の速報値と市場予想の55.3に対し55.0に下方修正され、10月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の54.3に対し54.1と下方修正が続いたことでも、この時間のドルの値動きは米国大統領選挙日のイベントリスクの様子見や買い控えなどもあって、やや重いものとなっていた。

ただし、その後の深夜24時に発表された景気関連の最新米国重要経済指標の10月の米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数は、前回の54.9と市場予想の53.8を上回る56.0に上振れしたことを受けては、イベントリスクの中でもドルが買われて反発し、発表時にドルは円相場で一時152円23銭付近に上昇した。

とはいえ、小幅な上振れでは市場で優勢であった米国小幅利下げ予想が継続していたほか、米国大統領選挙日のイベントリスクの持ち高調整では、上昇後のドルに早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたことでは再びドルは円相場で下落したが、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は、深夜24時の米国重要経済指標の発表時に一時4.350%付近に反発上昇後もしばらく上昇を続け、昨夜24時40分頃の一時4.366%付近をピークに反落に転じたが、まだ高止まりしていた時間にはドルは円相場で152円台をタッチする値動きも見せていた。

一方、米国ニューヨーク債券市場では、午前3時に米国10年債の入札があったことでは、今週のドルのイベントリスクから安全資産の米国債が買われたため、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、今朝未明の午前4時50分過ぎには4.3%台を下回り始めたことから、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りや主要通貨に対するドル売りが起き、午前4時57分頃にはドルは円相場で一時151円33銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国ニューヨーク株式市場では、米国大統領選挙日に一部でトランプ・トレードの再燃があったことや、今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国小幅利下げ予想が依然として市場で優勢さを保っていたこと、そして、債券市場での米国長期金利の低下を受けて株の買い戻しが入っており、前日には揃って反落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反発上昇し、ダウとナズダックは前日比で大幅高の終値に向け、S&P500も高値の終値に向けたことでは、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円の利益確定売りが入ったことは市場高値後の円相場の抵抗になったが、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は午前5時35分頃には一時4.281%付近にまで低下していたことでは、日米金利差縮小時の円買いドル売りも入りこの時間の円売り抵抗幅は限られた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円32銭付近から、円の高値でドルの安値の151円33銭付近の値幅約99銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値は151円62銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円13銭付近と比べると約51銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時151円43銭付近の始値で、今朝9時3分頃に記録した一時151円28銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

主な原因は、今朝の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが優勢であったことに続き、今朝から昨夜の米国大統領選の開票が始まったことで、開票中継で激戦区での共和党のドナルド・トランプ元大統領の勝利のニュース速報が伝わると、米国への輸入関税強化策や財政拡張策や移民対策などの米国インフレ圧予想からドルや株が買われるトランプ・トレードが再燃したことで、今日の東京株式市場では今朝の米国主要株価の大幅高の影響もあり、今日の日経平均株価が上昇して始まり、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンで国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが起きたほか、時間外の米国債券取引では米国インフレ再燃への警戒感もあり米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び上昇したため主要通貨に対するドル買いの影響も対ドル円相場に波及し、ドルは円相場で大幅な上昇を見せ始めた。

今日の日本市場での大幅な円安ドル高の進行を追い風に、円安時に日本株を安く買う海外投資資金の流入もあり、今日の日経平均株価は昼の12時50分頃に前日比で一時1179円超の大幅高を記録するなど大幅続伸に向けたことでも低リスク通貨の円売りドル買いが勢いを増し、ドルは円相場で一時154円台前半に載せて上昇し、午後15時30分に今日の日経平均株価が3万9480円67銭の終値をつけ、前日比1005円77銭高の大幅高で大引けすると、午後15時43分頃にはドルは円相場で一時154円38銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国上院で共和党が多数派になったなどのニュース続報に続き、全票開票前でも過半数からの計算で共和党のドナルド・トランプ元大統領がカマラ・ハリス副大統領よりも優勢で勝利確定とのニュースや、早期の勝利宣言への海外からの反応が続いたことで、日経平均の大引け後にも米国主要株価先物が高騰するなど株価上昇のニュースが続いたことでも、低リスク通貨の円が売られた一方で、時間外の米国債券取引では米国のインフレ再燃への警戒感もあり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.467%付近に上昇後にも4.4%台の高利回りになっており、夕方からの欧州市場や英国ロンドン外国為替市場の参入後にも、ドナルド・トランプ元大統領の早期の勝利宣言演説のニュースを受けてトレンドが継続したことから、ドルは円相場で154円台付近の堅調な推移を続けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円1〜5銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の152円26〜27銭付近の前東京終値比では約1円75銭の大幅な円安ドル高になった。

なお、今日の夕方には、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今夜11月6日から明日7日にかけて二日間開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値は一時99.3%付近と市場で確定値と考えられている70%超えの優勢な推移を続ける一方で一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は一時0.7%付近であったが、その後に過半数で米国共和党のドナルド・トランプ元大統領の敗者復活の勝利が確実という世界ニュースが伝わった後の今夜20時過ぎには、米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時96.0%付近になった一方で、米国インフレ再燃警戒で一部のタカ派の米国金利据え置き予想値が一時4.0%付近に上昇している。

今夜この後の米国市場では最新米国経済指標などの発表予定と米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時に米国MBA住宅ローン申請指数と深夜24時30分に週間の米国原油在庫、27時に米国30年債の入札予定などを控えている。

接戦が予想されていた米国大統領選で、全票開票前に過半数票などで早期に優勢が確認されたトランプ政権の敗者復活が話題になっているが、市場では、今夜11月6日から米国現地時間の7日 (日本時間の8日未明) には、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) が開催され、FOMC結果発表後の定例記者会見における米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言の次のイベントが注目を集めて始めている。

また、世界の政治影響や中東情勢などのニュース、株式・債券・コモディティ市場などの為替相場への影響なども、投資家やFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円32〜33銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の165円79〜81銭付近と比べると約47銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、先述のトランプ・トレードのドル買いの影響や米国長期金利の上昇を受けて、大幅なユーロ安ドル高が進行した外貨影響が主要通貨に対するユーロ安としてユーロ円相場に波及した。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0732〜1.0734ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0886〜1.0890ドル付近と比べると約1.54セントの大幅なドル高ユーロ安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は198円6〜12銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の197円54〜60銭付近と比べると約52銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、明日11月7日の夜21時頃には、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が英国新政策金利発表イベントを予定しているが、英国利下げペース鈍化の市場予想の影響もあり、英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利が今夜の一時4.6%台付近に向けて上昇しており、低金利通貨の円を売って高金利通貨のポンドを買う日英金利差トレードがポンド円の為替相場に影響を及ぼしているが、明日のイベントリスクを控えている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月6日の日本時間(JST)20時40分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時40分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、先週末の2024年11月3日に米国でもサマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の夏時間が終了し、今週の世界市場は欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間の時差になっている。

通貨ペア JST 20:40の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 154.16 〜 154.18 +1.90 (円安)
ユーロ/円 165.17 〜 165.19 −0.62 (円高)
ユーロ/ドル 1.0713 〜 1.0715 −0.0173 (ドル高)
英ポンド/円 198.28 〜 198.34 +0.74 (円安)
スイスフラン/円 175.84 〜 175.90 −0.42 (円高)
豪ドル/円 101.12 〜 101.16 +0.49 (円安)

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