FXニュース:米財務長官指名に警戒感

2024年11月25日
今日2024年11月25日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の153円54銭付近から、円の高値でドルの安値の154円59銭付近の値幅約1円5銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円56〜58銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年11月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 地政学リスク回避円買い
  • 欧独仏PMI市場予想以下
  • 米総合PMI市場予想以上
  • 日米株価続伸リスクオン
  • 米長期金利反落後の反発
  • 欧米利下げ幅予想の違い

今日2024年11月25日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の153円54銭付近から、円の安値でドルの高値の154円59銭付近の値幅約1円5銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円56〜58銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の154円74〜75銭付近の前東京終値比では約18銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、ウクライナとロシアの戦闘激化を受けた地政学リスク回避により安全資産である欧米国債が買われた影響で、欧米国債利回りが指標となる欧米長期金利が低下し、債券利回りを受けた日米欧金利差縮小時の低リスク通貨の円買いで円相場がドルや欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対して上昇したが、欧州経済指標の発表による欧州景気懸念では欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の欧州追加利下げ予想が高まり、市場の一部では欧州大幅利下げ予想値が上昇した一方で、米国政治要因のインフレ警戒感などからは米国利下げ予想ペース鈍化予想の影響で次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値では金利据え置き予想値が一時47.3%付近に向けた上昇を見せていたことでは、欧州ユーロからは世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われており、ユーロドルが今年最大の欧州ユーロ安ドル高を更新した。

そのため、先週金曜日の夜18時47分頃と19時27分頃の英国ロンドン外国為替市場では、地政学リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いと、日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響により、ドルは円相場で一時154円25銭付近に下押ししたものの、その後の欧州ユーロや英国ポンドに対するドル買いの外貨影響の波及ではドルは円相場で反発しており、欧州英国市場後半にあたる先週金曜日の夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時154円49銭付近の始値とドルは円相場で下げ幅を一旦縮小していたが、地政学リスク回避が続く欧州市場では世界的な安全資産である米国債買いにより米国債券価格上昇に伴う利回り低下に影響がまだ続いていたことでは、先週金曜日の夜22時25分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.387%付近に低下し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの円買いドル売りによりドルは円相場で再び下押しし、先週金曜日の夜22時42分頃に一時154円19銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、その後の米国ニューヨーク債券市場では、債券価格上昇後の米国債の利益確定売りや持ち高調整が入って米国長期金利が反発し上昇し、先週金曜日の夜23時台からは4.4%台に乗せて上昇した影響では、債券利回りを受けた金利差売買で低金利通貨の円を売り高金利通貨のドルを買う日米金利差拡大時のドルの買い戻しが入り始めてドルは円相場で再び反発し、前東京終値付近の154円台後半に向けた上昇を始めた。

先週金曜日の夜23時45分に発表された最新米国経済指標の11月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の速報値は、前回の48.5よりも上昇の市場予想通りの48.8で、11月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回の55.0と市場予想の55.2を上回る57.0に上振れし、11月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の54.1と市場予想の54.3を超える55.3に上昇し、総合指数が不景気と好景気を隔てる景気ボーダーラインの50以上の好景気寄りの指標となったことでも、先週金曜日の夕方に先行して発表されていた欧州と英国の同経済指標には市場予想以下の弱さがあった一方で、米国経済指標には市場予想以上の強さがあったことでもドルが主要通貨に対して買われて上昇し、先週金曜日の夜23時48分頃にドルは円相場で一時155円2銭付近と、一時155円台に乗せた米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、続いて深夜24時に発表された11月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値は、前回の73.0と市場予想の73.7を下回る71.8に下方修正されたことでは、ドルの利益確定売りや持ち高調整が入り、深夜24時28分頃にはドル円は一時154円59銭付近にまで反落した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が続伸に向けていたことでは、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円が売られたほか、米国ニューヨーク債券市場でも安全資産の米国債売りが続いたことでは、米国長期金利は深夜24時30分頃には一時4.430%付近にまで上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響ではドルは円相場で再び反発上昇し、154円台後半の推移を続けた。

この日の米国市場では、金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時52.7%付近に低下した一方で、米国金利据え置き予想値が一時47.3%付近に上昇しており、米国政策金利の先高感の影響もあった米国ニューヨーク債券市場では、先週土曜日の朝のニューヨーク終値時点の米国長期金利は4.411%付近と、4.4%台の高利回りで引けており、米国市場ではドル円には日米金利差拡大時の影響が観測されていた。

このため、先週金曜日の夜22時頃から土曜日の朝6時55分頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の154円19銭付近から、円の安値でドルの高値の155円2銭付近の値幅約83銭で、先週土曜日の朝6時55分頃のドル円のニューヨーク終値は154円78銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円54銭付近と比べて約24銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。

先週末から週明けにかけて来年1月の任期に向けて米国共和党のドナルド・トランプ次期大統領が第二次トランプ政権の人事指名を発表したニュース報道やリークが話題になり、以前の一部報道では元米国連邦準備理事会 (FRB) 理事のケビン・ウォーシュが有力候補視されていた米国財務長官の重要人事に、米国ニューヨークの金融街ウォール・ストリートの投資家スコット・ベッセントを指名したと報道され、彼は以前にウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズと並ぶ世界三大投資家の一人のジョージ・ソロスの元で働いていた経験からも手法が知られていたが、米国大統領選ではトランプを支持し、演説用の経済データの協力をした経緯が伝えられたことで、世界市場では財政規律を重視する一方で米国財務省がトランプの演説時に口約していた米国国内産業の輸出競合力を高めるための米国輸出時のドル安の通貨政策を支持する可能性への警戒感が高まり、世界市場では大規模なドル売りが起き始めていたため、週末中にも世界市場に一部では中東バーレーン市場が開場していたことから、週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では大きな「窓開け」が観測され、ドルは円相場で一時154円7〜8銭付近に急落して始まった。

その米国政治要因の警戒感による影響から、今朝の時間外の米国債券取引でも米国長期金利が急落して始まったため、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円15銭付近の始値で、今朝9時16分頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.347%付近に低下し、日本市場でも今日は日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であることに加え、月末決算に向けていた影響などから輸出企業のまとまった円買いドル売りが入ったため、今朝11時39分頃にはドルは円相場で一時153円54銭付近と、一時153円台の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、日本企業の主要取引先である米国景気上昇の影響もあり、先週末に米国主要株価三指数が続伸していたことから、東京株式市場では今日の日経平均株価が前日比で一時743円高付近と大幅な続伸を見せた株価影響では、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が利益確定や持ち高調整もあり売られてドルは円相場で反発し、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が3万8780円14銭の終値をつけて前日比496円29銭高の大幅高で大引けすると、ドルも円相場で一時154円48 銭付近に買い戻された。

また、今日の午後には今朝までのドル売りや米国長期金利低下に影響を与えていた第二次ドナルド・トランプ政権の米国財務長官指名の人事ニュースの続報があり、米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) が次期米国財務長官指名のスコット・ベッセントのインタビューで、市場で警戒感が高まっていた米国通貨政策について、「世界の準備通貨としてのドルの地位を保つ」とインタビューで発言した報道が話題入りし、現状のドル高を容認する姿勢を示したと市場で受け止められたことから警戒感が緩和し、「優先事項は、トランプ大統領の様々な減税公約を実行すること」であるとも発言していたことから、今日の日本市場の時間外の米国債券市場では一時4.329%付近にまで低下していた米国長期金利が反発を始め下げ幅を今夜17時頃の一時4.345%付近へと縮小したことから、夕方の欧州市場に続いて今夜17時の東京終値の頃の英国ロンドン外国為替市場の参入時にはドルの買い戻しが進み、今夜17時0分の1分間の値動きの中でドル円は一時154円59銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、ドルは円相場で今朝の下げ幅を縮めていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円56〜58銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の154円74〜75銭付近の前東京終値比で約18銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、注目度が高い最新米国経済指標の発表予定は特にないものの、米国ニューヨーク債券市場で米国債の入札予定を控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、27時に米国2年債の入札がある。

また、米国市場では、今週28日は米国感謝祭 (Thanksgiving Day) の祝日休場予定を控えており、翌29日はブラックフライデー (Black Friday) でクリスマス前のホリデーとセールス時期にあたる。

世界の債券や株式とコモディティなどの市場影響や、世界の政治要因やウクライナや中東などを含めた世界情勢ニュースの為替相場への影響などにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円56〜58銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の162円28〜30銭付近と比べると約72銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、欧州ユーロ圏に隣接する地域のあるウクライナ情勢では、ロシアとの戦争激化のニュースによる地政学リスクが続いており、地政学リスク回避のリスクオフでも低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが欧州ユーロに対して買われやすい状況となっているが、先週金曜日に発表された欧州景気指標には市場予想以下のものが多かったことでも、欧州景気懸念により欧州経済下支えのための欧州中央銀行 (ECB) による欧州追加利下げ予想を受けた欧州ユーロ売りが為替相場に影響を与えている。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0451〜1.0453ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0485〜1.0487付近と比べると約0.34セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先週金曜日の夜18時に発表されていた欧州ユーロ圏総合の11月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回と市場予想の46.0以下の45.2に低下し、11月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回と市場予想の51.6を下回る49.2に下振れし、いずれも景気ボーダーラインの50以下の不景気寄りの欧州景気指標となっていたことで欧州景気減速懸念のユーロ売りがウクライナ情勢を受けた地政学リスク回避のユーロ売りに乗じたため、先週金曜日の夜の18時14分頃の欧州英国市場ではユーロドルは一時1.0331ドル付近と今年最大のユーロ安ドル高を更新し、ユーロ円も一時159円89銭付近のユーロ安が進行したが、週明けの今日はユーロの買い戻しも入ったものの、地政学リスク継続や欧州景気懸念の影響ではユーロの買い戻し幅は限られていた。

また、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の11月の独IFO (Information and FOrschung / Institute for Economic Research / 経済研究所) 企業景況感指数も、前回の86.5と市場予想の86.0を下回る85.7であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円35〜41銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の194円60〜66銭付近と比べると約25銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州連合 (EU / European Union) 離脱のブレグジット (Brexit) 後にも欧州と地理的・経済的に近い英国ポンドも欧州ユーロの影響を受けウクライナ情勢による地政学リスクの回避で低リスク通貨の円に対して売られていたほか、先週金曜日の夜18時30分に発表された11月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回の49.9と市場予想の50.0以下の48.6の不景気寄りの景気指標であったことも英国ポンド売りに繋がったが、11月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回と市場予想の52.0以下の50.0ではあったものの、欧州と比較するとかろうじて景気ボーダーライン50の不景気と好景気の中間値であったことではやや下げ渋る時間もあった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月25日の日本時間(JST)20時52分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時52分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 20:52の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 154.43 〜 154.44 −0.31 (円高)
ユーロ/円 161.85 〜 161.86 −0.43 (円高)
ユーロ/ドル 1.0477 〜 1.0481 −0.0008 (ドル高)
英ポンド/円 194.06 〜 194.12 −0.54 (円高)
スイスフラン/円 173.50 〜 173.56 −1.16 (円高)
豪ドル/円 100.45 〜 100.49 −0.21 (円高)

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