FXニュース:米国債買いで利回り低下

2024年11月26日
今日2024年11月26日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円41銭付近から、円の高値でドルの安値の153円54銭付近の値幅約87銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円0銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年11月26日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米人事国債増発予想後退
  • 中東報道で原油価格下落
  • 米ダウ工業株最高値更新
  • 米FRB高官が利下げ検討
  • トランプ関税強化再表明
  • 日経平均株安リスク回避
  • 中東情勢ユーロ買い戻し

今日2024年11月26日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円41銭付近から、円の高値でドルの安値の153円54銭付近の値幅約87銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円0銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の154円56〜58銭付近の前東京終値比では約57銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、昨日のアジア・オセアニア市場と日本市場で急落後の米国長期金利の一時反発を受けた債券利回りの金利差トレードによるドルの買い戻しの影響では昨夜17時46分頃にドルは円相場で一時154円72銭付近に反発したが、来年1月から始まる米国の第二次ドナルド・トランプ政権の次期米国財務長官に指名された投資家のスコット・ベッセントは、以前にウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズと並ぶ世界三大投資家の一人であり慈善家としても有名なジョージ・ソロスの下で働いていた経験を持つため、財政規律を重視し、減税を優先事項とする一方で、これまでの敏腕な経営手腕から米国における過度な財政拡張案による財政赤字悪化と米国債券増発を回避できる可能性が意識され始めたことでは、市場ではこれまでのトランプ・トレードで売られていた米国債の買い戻しが入り、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き始めたことでは、昨夜21時20分頃の一時4.371%付近をピークに米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び反落し、昨夜22時頃には米国長期金利は一時4.346%付近に低下したため、昨夜22時頃に始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時154円19銭付近の始値であった。

米国ニューヨーク債券市場では、米国財政拡張案を受けた米国財政赤字悪化による米国債券増発予想による米国債券価格低下懸念の一部後退により米国債の買い戻しが進み、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が続き、昨夜23時25分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.294%付近と、4.2%台への低下を見せ始めると、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響で対ドルの円相場が上昇し、昨夜23時30分頃にドルは円相場で一時153円62銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、米国のニュース専門チャンネルのCNN (Cable News Network) や米国新興ネットメディアのアクシオス (Axios) などを含めた複数のメディアが、米国政府が停戦案を提示していたイスラエルとレバノンを拠点とするイスラム教シーア派民兵組織のヒズボラが近日中に60日間の一時停戦に合意する見通しについて報道したニュースが市場で話題になり、まだイスラエル政府の承認待ちではあるものの、コモディティ市場では産油地域周辺の中東情勢の警戒感の緩和により原油価格が急落したことでも、米国債券価格が上昇トレンドにあった世界的な安全資産でもある米国債に買いが入ったことでも米国長期金利が低下していた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国ニューヨーク株式市場の著名投資家のスコット・ベッセントが米国財務長官に起用されることにより、今後の米国株高予想への期待感を受けた米国株買いが入り、米国長期金利低下を受けた企業ローンなどへの金利警戒感の緩和時にも買いが入りやすかった米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を更新したほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も大幅な続伸を見せ、米国中小企業株のラッセル2000指数も過去最高値を更新するなど、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円が売られて対ドルでの上昇幅を縮小し、午前1時46分頃にドルは円相場で一時154円52銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、午前3時に米国の政治要因で債券価格が変動しやすい米国2年債の入札があり、好調な入札結果の波及により他の年度の米国債にも買いが入りやすかったため、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は更に低下し、午前3時55分頃には一時4.267%付近を低下のピークに買い戻しが入るまでは債券利回りを受けた日米金利差トレードでは円買いドル売りが入りやすかったことでは、上昇後のドルは円相場で反落し、ニューヨーク終値の頃にも米国長期金利は一時4.279%付近と戻りが鈍く、前日比で米国長期金利低下して終えた影響では、ドル円も前日比で円高ドル安のニューヨーク終値に向けていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円62銭付近から、円の安値でドルの高値の154円52銭付近の値幅約90銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値は154円23銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円78銭付近と比べて約55銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国ブルームバーグ (Bloomberg) テレビに出演した米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、来月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における0.25%の米国追加利下げの可能性について、「私が現在、承知している状況をふまえると、12月に0.25%の米国追加利下げを検討することは妥当な議論」であり、「依然として妥当な合理的な検討事項」であるとしたことで、一時は上昇トレンドだった次回の米国金利据え置き予想値がやや低下に向けたことも日米金利差予想に影響を与えた円買いドル売りが入り、今朝8時6分頃に対ドル円相場は一時153円87銭付近と対ドルの円相場が一時上昇を見せていた。

しかし、今朝の世界ニュースではトランプ次期米国大統領が、米国関税強化案が警戒されていた中国に対し、ほぼ全ての輸入品に10%の追加米国関税をかけることを改めて表明したことから段階的な関税強化が警戒されたことに加えて、北米カナダや南米メキシコに対しても25%の関税を課す方針を明らかにしたことからドルなどの主要通貨に対してカナダドル売りとメキシコペソ売りが起きたほか、中国を主要貿易先に持つ欧州に対しても警戒感が高まった欧州ユーロ売りが波及し、米国を主要取引先に持つ日本企業にも米国関税強化案の影響への警戒感が意識されたため、対ドルでも円売りが起きた影響では、今朝8時53分頃には対ドル円相場は一時154円49銭付近に上昇し、その直後の今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円38銭付近の始値で、今朝9時8分頃に記録した一時154円41銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となった。

来年1月からトリプル・レッドにより政策案が米国上院下院議会を通過しやすくなる市場予想が優勢な第二次トランプ米国政権による米国関税強化案が段階的に明らかになるにつれて、日本の輸出企業の米国関税引き上げの影響による業績悪化を警戒した日本株売りが起き、今朝の東京株式市場では今日の日経平均株価が大幅な反落から始まり、その後も前日比で一時714円安付近にまで低下幅を広げたことでは、前日までは続伸していた日経平均株価の大幅な下落を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが起きたことでは主要通貨に対して円相場が上昇し、午後14時30分と34分頃にドル円も一時153円54銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

午後15時30分頃には今日の日経平均株価は3万8442円0銭の終値をつけ、前日比338円14銭安の大幅安で大引けしたが、今朝10時台の一時714円安よりは下げ幅を縮小していたことでは、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整も入っていたことでは、円相場でのドルの買いも入り、ドルは円相場での下げ幅を縮小し始めた。

一方、米国関税強化案の具体策を受けた米国での輸入品価格上昇により米国インフレ再燃への警戒感が意識されたことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発しており、今日の日本市場の時間外の米国債券取引でも一時4.297%付近に下げ幅を縮小したほか、夕方からの欧州市場の参入を受けては、午後16時55分頃の一時4.304%付近に向けて4.3%台に再上昇していたため、ドルも円相場で再び一時154円台に買い戻され、夕方の16時41分と43分頃に一時154円22銭付近とドルは円相場での下げ幅を縮小したが、今夜17時の英国ロンドン外国為替市場の参入時にはややドル売りが先行したことでは、一時154円付近の東京終値となった。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円0銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の154円56〜58銭付近の前東京終値比で約57銭の円高ドル安になっていた。

今夜の英国ロンドン外国為替市場でも、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的な有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、来月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時59.4%付近に上昇した一方で、米国金利据え置き予想値は一時40.6%付近に低下していたことを受けては、一時4.3%台に反発後の米国長期金利が一時4.29%付近への反落も見せた影響では、円相場でのドルの買い戻し幅が限られていた。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表や米国債入札と前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨公開予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に米国住宅価格関連の重要経済指標の 9月の米国新築住宅価格指数と、9月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数と7〜9月の四半期米国住宅価格指数が同時発表され、続いて深夜24時に10月の米国新築住宅販売件数と11月のコンファレンス・ボードの米国消費者信頼感指数と11月リッチモンド連銀製造業指数、27時に米国5年債の入札予定、そして28時に前回11月6〜7日開催分の米国連邦公開市場委員会(FOMC) 議事要旨と議事録が公表される予定である。

また、米国市場では、今週の28日は米国感謝祭 (Thanksgiving Day) の祝日休場予定を控えており、翌29日はブラックフライデー (Black Friday) でクリスマス前のホリデー時期とセール期間にあたることから米国ホリデー前特有の市場流動性にも注意が必要である。

加えて、世界の債券や株式とコモディティなどの各市場の影響や、世界の政治要因やウクライナや中東などを含めた世界情勢ニュースの為替相場への影響なども注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円30銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の161円56〜58銭付近と比べると約26銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、今日の日本市場では、日経平均株価の大幅な反落と下落を受けたリスク回避のリスクオフで、低リスク通貨の円が買われた一方で、リスク市場に弱いとされている欧州ユーロや英国ポンドには売りが入りやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は193円19〜20銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の194円35〜41銭付近と比べると約1円16銭の大幅な円高ポンド安であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0472ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0451〜1.0453ドル付近と比べると約0.21セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米国長期金利の低下を受けては欧米金利差トレードでは欧州ユーロに対するドル売りが起きており、今朝早朝のニューヨーク終値時点にもユーロ高ドル安に転じていた。

また、今夜の欧州市場では、中東情勢のイスラエルとレバノンでの一時停戦観測報道を受けた地政学リスク緩和の影響では、欧州ユーロの対ドルでの買い戻しが入っている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月26日の日本時間(JST)21時4分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の12時4分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 21:04の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 153.65 〜 153.66 −0.91 (円高)
ユーロ/円 161.53 〜 161.55 −0.03 (円高)
ユーロ/ドル 1.0512 〜 1.0513 +0.0061 (ドル安)
英ポンド/円 193.29 〜 193.35 −1.06 (円高)
スイスフラン/円 173.38 〜 173.44 −0.01 (円高)
豪ドル/円 99.73 〜 99.77 −0.84 (円高)

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