FXニュース:米PCE物価指数予想通り

2024年11月28日
今日2024年11月28日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円28銭付近から、円の安値でドルの高値の151円79銭付近の値幅約51銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円79銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年11月28日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米追加利下げ予想高まる
  • 米長期金利低下ドル売り
  • 月末と米感謝祭向け調整
  • 日経平均株価が大幅反発

今日2024年11月28日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円28銭付近から、円の安値でドルの高値の151円79銭付近の値幅約51銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円79銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円85銭付近の前東京終値比では約6銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、世界的な安全資産でもある米国債の買い戻しによる米国債券価格上昇時の利回り低下の影響や米国利下げ予想値の高まりなどにより、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の低下が続き、昨夜19時7分頃には米国長期金利は一時4.260%付近に低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きたことで対ドルの円相場が上昇幅を広げていたほか、欧州英国市場では月末要因による持ち高調整のドル売りで自国通貨の欧州ユーロや英国ポンドの買い戻しが入っていた外貨影響なども対ドル円相場に波及したことから、今夜19時7分頃にドルは円相場で一時151円22銭付近に下落し、円高ドル安が進行していた。

昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的な有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールにおいて、来月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時66.5%付近に上昇しており、それに対する一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は一時33.5%付近に低下したことから、次回の米国小幅利下げ予想が優勢であった一方で、昨日のニュースでは日本政府の石破茂首相が日本の経済界と労働界との政労使会議で、来年の春闘で大幅な賃上げが行われるよう協力を要請したことが話題になり、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が段階的な追加利上げのための判断基準として掲げていた賃金上昇を伴う2%のインフレ目標実現を日本政府がサポートする姿勢を示したことにより、市場では日銀の追加利上げ予想が改めて意識されたことも、日米金利差縮小予想による円買いドル売りの要因となっていた。

また、米国政治要因では、ドナルド・トランプ次期大統領が米国大統領選の演説で主張していた米国輸入関税強化案の公約実現に向けた具体的な関税引き上げ率についての発言をしていた影響もあり、その他の公約として移民対策に加えて、米国製品の輸出時に国際競合力を高めるための一時的なドル安政策などに関する発言もしていた経緯があることから、今回のトランプは公約をトリプル・レッドの共和党優勢の環境で実現していく姿勢であることへの市場での警戒感もあり、以前のトランプ・トレードで売られていた米国債の買い戻しが進むと共に、米国感謝祭 (Thanksgiving Day) のホリデー時期を前にしたポジション調整でロングのドル買いポジションの利益確定や持ち高調整のドル売りが進んだことも、米国では早期の休暇申請で市場流動性が低下し始めていた世界市場の為替相場における前日からの大幅な円高ドル安進行に影響を与えていた。

昨夜22時頃に始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時151円49銭付近の始値で、昨夜の米国市場では複数の最新米国重要経済指標の発表があった。

昨夜22時30分に発表された最新米国重要経済指標の7〜9月第3期四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前期比年率の改定値は前回の速報値と市場予想通りの2.8%であったが、同四半期の米国GDP個人消費の改定値は前回の速報値と市場予想の3.7%を下回る3.5%に下方修正され、同四半期の米国コアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) の改定値も前回の速報値と市場予想の2.2%をやや下回る2.1%に下方修正されたことでは、発表時のドルは円相場で一時151円40銭付近にやや下押しした。

ただし、昨夜22時30分に同時発表された10月の米国卸売在庫の前月比は前回マイナス圏だった-0.1%が改善され、市場予想の0.1%を上回るプラス圏の0.2%に上昇した一方で、10月の米国耐久財受注の前月比は前回の-0.8%と前回上方修正の-0.4%と市場予想の0.5%に対し0.2%と市場予想には届かず、輸送用機器を除くコアな前月比は前回の0.4%と市場予想の0.2%以下の0.1%と強弱混合であった。

また、同じく昨夜22時30分に発表されていた米国雇用市場関連の最新米国経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数は、前回修正の21.5万件と市場予想の21.6万件よりも堅調であった前回修正前と同じ21.3万件と強く、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の190.8万人が前回189.8万人に改善の修正がされたほか、市場予想の190.8万人よりもやや堅調な190.7万人であったことでは、この時間のドルの円相場での下げ幅は限定的な小動きに留まって一時反発し、昨夜22時35分後にはドルは円相場で一時151円62銭付近に買い戻されていた。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、世界市場のトレンドを引き継いだ米国債買いの影響が続き米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の低下が続いていたことでは、債券利回りを受けた金利差トレードによる日米金利差縮小時の円買いドル売りが再開し、昨夜23時30分前に米国長期金利が一時4.248%付近に低下したため、この時間のドルも円相場で一時150円99銭付近に下落し、一時150円台の円高ドル安が進行していた。

一時150円台にタッチしてストップロスを巻き込んだことからはドルの買い戻しの一時抵抗も入り、ドルは円相場で一時151円台に反発したが、昨夜23時45分に発表された最新米国経済指標の11月の米国シカゴ購買部協会景気指数が前回の41.6と市場予想の45.0を下回る40.2に低下していたことでは151円台前半に留まった。

深夜24時には、最新米国重要経済指標の中でも米国連邦準備制度理事会 (FRB) が毎回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国金融政策を決める際のインフレデータとして注視していることから市場での注目度が高かった米国個人消費支出 (PCE) の物価指数にあたる米国PCEデフレーターと、価格変動の激しい食品とエネルギー除いた物価基調で重視される米国PCEコア・デフレーターを含めた米国経済指標の同時発表のイベント時間があり、10月の米国PCEデフレーターの前年同月比は前回の2.1%に対し市場予想通りの2.3%と想定範囲内の上昇幅で、10月の米国PCEコア・デフレーターの前年同月比も前回の2.7%に対し市場予想通りの2.8%と想定通りの穏やかな上昇に留まり、前月比は前回と市場予想通りの0.3%と、いずれも市場予想通りの内容であったことから、市場予想で優勢になっていた次回の米国小幅利下げ予想が高まった。

ただし、同時発表だった10月の米国個人消費支出 (PCE) の前月比は、前回の0.5%が前回0.6%に上方修正されたほか、市場予想の0.3%を上回る0.4%であったことや、10月の米国個人所得の前月比が前回と市場予想の0.3%を上回る0.6%に上振れしていた影響では、米国PCEデフレーターも市場予想通りとはいえ前回よりは上昇した穏やかな米国インフレ鈍化で想定範囲内での米国インフレの根強さを見せたていたこともあり、米国長期金利が深夜24時15分頃には一時4.274%付近にまで反発上昇したため、ドル買いも円相場で上昇し、深夜24時17分頃にドルは円相場で一時151円80銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、深夜24時頃には米国インフレの中でも根強さが指摘されていた住宅市場関連の最新米国経済指標も同時発表されており、10月の米国住宅販売保留指数の前月比は前回の7.4%が前回7.5%に上方修正されたほか、市場予想の-2.0%を上回るプラス圏の2.0%であったことや、10月住宅販売保留指数は前年同月比では前回の2.2%と市場予想の0.2%を上回る6.6%に上振れしていたことも、発表後の深夜24時台の一時の円相場や主要通貨に対するドルの買い戻しの為替相場に影響を与えていた。

しかし、深夜24時30分には米国週間原油在庫に発表があり、前回プラス圏だった原油在庫が市場予想を大幅に下振れするマイナス圏に転じたことでは、安全資産の米国債買いの影響が再び優勢になったことでは、市場高値後のドルは利益確定や米国感謝祭のホリデー時期を前にしたポジション調整の売りなどで再び反落を始めた。

同時進行していた英国ロンドン外国為替市場でも、月末のロンドン・フィキシングと月末決算に向けたドル売りのフローが入ったため、米国感謝祭ホリデー前で最新米国重要経済指標発表後の米国市場での流動性低下により値幅が増幅したため、持ち高調整の影響に加えて、ストップロスも巻き込んだ変動幅になったことから、午前1時50分頃にドルは円相場で一時150円45銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場でも、午前3時に米国7年債の入札があったことから、他の年度の米国債にも買いが入り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は午前3時20分頃の一時4.231%付近に向けた急落を見せていたことでも、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが優勢であった。

さらに、米国ニューヨーク株式市場では、史上高値更新後の米国感謝祭のホリデー前の利益確定や持ち高調整の影響があり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反落した終値に向けた影響でも株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債が買われたほか、低リスク通貨の円が買われていた。

しかし、米国市場の終盤には、月末要因もあり自国通貨のドルの買い戻しも入ったことでは、午前6時35分と40分と43分頃にはドルは円相場で一時151円19銭付近まで買い戻されていたが、 米国長期金利低下に伴う大幅な円高ドル安が進行した後であったため、下げ幅を縮小するに留まった。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の151円80銭付近から、円の高値でドルの安値の150円45銭付近の値幅約1円35銭で、今朝7時頃のドル円のニューヨーク終値は151円9銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円8銭付近と比べて約1円99銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時151円34銭付近の始値で、今朝までの米国長期金利低下や次回の米国小幅利下げ予想の影響を受けては、今朝9時2〜3分頃にかけて対ドルの円相場は一時151円28銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済では、日本企業の輸入準備金を含めた円売りドル買いが入っていた影響では、今朝10時1分頃にドルは円相場で一時151円75銭付近に反発し、今朝までの下げ幅を縮小した。

また、東京株式市場では、大幅な続落後の安値からの日本株の買い戻しの影響などがあり、今日の日経平均株価が午前10時台後半から反発上昇してプラス圏に乗せ始め、大幅な上昇に向けたことでも低リスク通貨の円売りが入っており、午後15時30分に日経平均株価は3万8349円6銭の終値をつけ、前日比214円9銭高の大幅高で大引けしていた。

夕方からの欧州市場の参入では、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが再び高まるニュースがあり、ウクライナには欧州ユーロ圏と隣接する地域があり地理的に近いが、ロシアのプーチン大統領が、「今後のウクライナに対する報復攻撃の対象に首都キーウ (キエフ / Kyiv) の意思決定機関も含まれる可能性がある」と発言したことが話題となり、政府中枢への攻撃を示唆したことから、欧州ユーロに対しては世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルの買い戻しが入り始めた外貨影響の波及があり、夕方の円相場ではドルの上昇が続き、今夜17時の東京終値直前に英国冬時間で現地朝の英国ロンドン外国為替市場が参入すると、ドルは円相場で一時151円79銭付近に買われて今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録したが、今朝早朝までに大幅な円高ドル安が進行した後であったため、前東京終値比では小幅な円高ドル安の今夜17時の東京終値となった。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円79銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の151円85銭付近の前東京終値比で約6銭の円高ドル安になっていた。

今夜この後の米国市場は、米国感謝祭のホリデーにつき休場であるため、最新米国経済指標などの発表はないものの、世界の債券や株式とコモディティなどの各市場の影響や、世界の政治要因やウクライナ情勢なども含めた世界情勢ニュースの為替相場への影響なども注視されている。

また米国市場では明日の29日もブラックフライデー (Black Friday) でクリスマスシーズンに向けた大規模なセール日でホリデームードの短縮市場が続くことから、米国のホリデー時期に特有の世界市場全体の市場流動性の減少により平常時なら小さな値動きでも増幅されて拡大された荒い値動きが出やすくなることや、欧州英国市場などの他の開場中の世界市場では月末決算期であることにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は159円99銭〜160円0銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の159円46〜48銭付近と比べると約53銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価が反発上昇し大幅高で引けたことから、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られ、リスク選好市場で買われやすい欧州ユーロや英国ポンドが円相場で買われていたことや、月末要因の低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整で欧州英国市場の自国通貨の買い戻しが影響を及ぼした。

このため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円5〜11銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円19〜20銭付近と比べると約86銭の円安ポンド高になった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0539〜1.0541ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0495〜1.0497ドル付近と比べると約0.44セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、欧米ともに次回の小幅な追加利下げ予想が優勢になったことや、以前のトランプ・トレードの調整の米国債の買い戻しやドル売りの影響が続き、米国長期金利の低下による欧米金利差縮小時のドル売りでも月末要因がある欧州ユーロが買い戻されたが、ウクライナ情勢を受けて一時は欧州ユーロから世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドル買いが入る時間もあったものの、月末要因に加え米国感謝祭のホリデー時期で現地実需が減ることでは、ドルの利益確定や持ち高調整の売りの影響もあり買い戻し幅は限定的であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年11月28日の日本時間(JST)21時9分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の12時9分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 21:09の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 151.82 〜 151.83 −0.03 (円高)
ユーロ/円 160.13 〜 160.15 +0.67 (円安)
ユーロ/ドル 1.0546 〜 1.0548 +0.0051 (ドル安)
英ポンド/円 192.20 〜 192.26 +1.01 (円安)
スイスフラン/円 171.64 〜 171.70 −0.07 (円高)
豪ドル/円 98.61 〜 98.65 +0.13 (円安)

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