FXニュース:米長期金利反発受け調整

2024年12月02日
今日2024年12月2日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円80銭付近から、円の安値でドルの高値の150円75銭付近の値幅約95銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円26〜27銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年12月02日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧米国債買い利回り低下
  • 日銀追加利上げ観測報道
  • 米主要株価三指数が上昇
  • 年金積立運用目標+0.2%
  • 日経平均株価も買い戻し
  • 欧政治懸念のユーロ売り

今日2024年12月2日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円80銭付近から、円の安値でドルの高値の150円75銭付近の値幅約95銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円26〜27銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の150円1銭付近の前東京終値比では約25銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場では日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想が意識されていたことに対し、次回の米国小幅利下げ予想値の上昇を受けた米国長期金利低下に伴う大幅な円高ドル安が進行したが、日本市場終了後の先週金曜日の夜19時17分頃の英国ロンドン外国為替市場では、月末のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けて主要取引通貨としてのドルの買い戻しなどが入っていたことなどではドルは円相場で一時150円36銭付近に反発したが、米国市場が前日の米国感謝祭 (Thanksgiving Day) 明けのブラックフライデー (Black Friday) のホリデームードの短縮市場であったことでは現地でのドル実需見込みは減少し、世界的な安全資産である米国債買いの波及や欧米小幅利下げ予想の影響が続いていたことでは欧米国債利回りが低下しており、債券利回りを受けた金利差トレードの日米欧金利差縮小時の欧米通貨に対する円買いの影響では、先週金曜日の夜20時6分頃にドルは円相場で一時149円92銭付近に反落するなど、円相場が底堅い値動きを見せていた。

また、この日の金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的な有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時66.0%付近で推移していた一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は一時34%付近に後退しており、米国債買い戻しの影響により米国債券価格上昇に伴う利回り低下が続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は先週金曜日の夜18時55分頃に一時4.208%付近に低下した後でもあったため、それに対する日銀に早期の追加利上げ予想が意識されていたため、日米金利差縮小予想が為替相場に影響を及ぼしていた。

先週金曜日の夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場はブラックフライデーで、米国ニューヨーク債券市場と米国ニューヨーク株式市場とコモディティ (Commodity / 商品) 市場が短縮取引であったことから市場全体の流動性は低下していたが、この時間の債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.228%付近に向けた反発の抵抗を見せていたことでは、先週金曜日の夜22時頃のドルは円相場で一時150円15銭付近のニューヨーク始値となった。

しかし、先週金曜日の夜22時5〜15分頃にかけて一時4.228%付近に上昇後の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、再び世界市場での米国債買いの影響により反落し、先週金曜日の夜23時30〜55分頃にかけて一時4.200%付近に低下すると、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響があり、先週金曜日の夜23時45分頃と48分頃にもドルは円相場で一時149円87銭付近と、再び149円台に反落した。

ただし、同時進行していた世界最大規模の英国ロンドン市場では、英国冬時間で日本時間では午前1時の月末のロンドン・フィキシングでの主要取引通貨としてのドル買いが強まったことに加えて、深夜24時45分頃には米国長期金利も一時4.217%付近に再び反発し、1時10分頃にも一時4.214%付近で推移したことを受けては、午前1時31分頃にドルは円相場で一時150円53銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

とはいえ、この日の米国市場ではホリデー時期で最新経済指標などの発表や国内ニュースもクリスマス・ショッピング関連の話題以外が少ないかったため、国際ニュースで午前2時頃から日本経済新聞の電子版が11月28日収録の日銀 (BoJ) の植田和男総裁のインタビューでの発言と観測記事を公開し、日銀の追加利上げの時期について、「データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では、近づいているといえる」と発言したことを受けて、早ければ今月12月18~19日か2025年1月の日銀金融政策決定会合での日銀が早期の追加利上げに向ける可能性に言及した観測報道を報じたが、「植田総裁は国内賃金と米国経済を見極めたいとも主張し、拙速な利上げは避ける考えを強調」したものの、同時公開の別の記事では日銀総裁が、「インフレ率が2%を超え始めている時に一段の円安になれば、それは中銀にとってはリスクが大きい動きとして、場合によっては対応しないといけなくなる」と発言していたことも報じていたため、市場流動性の減少により小さなニュースでも円相場の値動きに影響が出やすくなっていたことから、これらの一部の観測報道を受けた世界市場では、午前2時頃から対ドルの円相場が一時急伸を始め、午前3時8分頃にはドルは円相場で一時149円46銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、短縮営業の米国ニューヨーク株式市場では、前営業日にはホリデー前の利益確定や持ち高調整などの影響もあり揃って反落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反発上昇し、ダウとナズダックは前営業日比で大幅高の終値になり、S&Pも小幅高と揃って上昇の終値に向けたことでは、米国主要株価上昇を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整の影響もあり、ドルは円相場で下げ止まりを見せ始めた。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、先日のトランプ・トレードの米国債売りの後の米国債の買い戻しが進んでおり、世界市場でも最近の世界情勢を受けて世界的な安全資産でもある米国債が買い戻されていた影響では、次回の米国小幅利下げ予想の影響もあり、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.175%付近に再低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りと、先述の日銀の植田総裁の発言を受けた早期の追加利上げ予想の観測記事の影響による日米金利差縮小予想の円買いドル売りの円高ドル安の影響が残った。

このため、先週金曜日の夜22時頃から先週土曜日の朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の150円53銭付近から、円の高値でドルの安値の149円46銭付近の値幅約1円7銭で、先週土曜日の朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は149円77銭付近と、前営業日同時刻の世界市場での前ニューヨーク終値相当時間の151円55銭付近と比べて約1円78銭の大幅な円高ドル安をつけて週末を迎えていた。

週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、時差遅れで先週末の日銀の早期の追加利上げの観測報道が意識されたことでは、今朝7時48分頃にドルは円相場で一時149円47銭付近と先週末のニューヨーク市場での円の高値でドルの安値の手前付近まで売られたものの、今朝の米国長期金利が反発に向けていたこともあり、下げ止まって反発を始めた。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時149円86銭付近の始値で、この今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時149円80銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となり、今朝の日本市場では月初めの仲値決済に向けた日本企業の円売りドル買い実需などのドル買いが優勢で、今朝の日本市場時間の時間外の米国債券市場でも米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が午前11時20分頃の一時4.226%付近に向けた反発上昇したため、ドルも円相場で反発上昇を始めた。

また、今日の東京株式市場では、日銀の早期追加利上げ観測報道を受けた国内金利上昇への警戒感からは今朝の日経平均株価が一時大幅下落したが、今朝発表されていた日本の最新経済指標では7〜9月の第3四半期日本法人企業統計調査のソフトウェア含む全産業設備投資額の前年同期比が前回の7.4%と市場予想の6.7%を上振れする8.1%に上昇するなど好調であったことや、昼頃のニュースで日本政府の厚生省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF / Government Pension Investment Fund)を通じた運用資産の利回りの目標を0.2%引き上げる方針を明らかにしたという報道などの影響で日本株の買い戻しが入り始めたことでは下げ幅を縮めた後にプラス圏の上昇に転じ、午後には前営業日比で大幅高に向けたため、日本株価の反発後の大幅上昇を受けたリスク選好のリスクオンでは国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りの影響が入った一方で、前述の米国長期金利の反発を受けたドルの買い戻しの調整も続いていたことから、午後14時17分頃と20〜22分頃にかけてドルは円相場で一時150円75銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

午後15時30分頃には、今日の日経平均株価は3万8513円2銭の終値をつけ、前営業日比304円99銭高の大幅高で大引けした。

夕方からの欧州市場の参入では、欧州ユーロ圏主要国ドイツの政治懸念に続き、フランスでの政治不安も高まっており、今日のニュースでは来年度の仏予算案でミシェル・バルニエ首相の政権と対立している仏極右政党の国民連合(RN / フランス語:Rassemblement National / 英語:National Rally)のジョルダン・バルデラ党首は「土壇場で奇跡が起きない限り、RNが数日中に内閣不信任案を支持する可能性が高い」と発言し、RN指導者で実質的に率いるマリーヌ・ル・ペンもバルニエ政権に対し、本日2日までに予算に関するR N側の要求を受け入れなければ数日中に内閣不信任案を支持する可能性があり、フランスの政権崩壊につながると警告したニュースが話題になったことでも、欧州ユーロ売りで低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われた影響が為替相場や債券市場に波及したことでは、米国長期金利の上昇幅の縮小を受けて、市場高値後のドルは円相場で150円台前半に上昇幅を縮小した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円26〜27銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の150円1銭付近の前東京終値比で約25銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定があり、日本時間での経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時45分に11月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値と、深夜24時に米国景気関連の最新米国重要経済指標の11月の米国ISM (Institute for Supply Management/ 全米供給管理協会) 製造業景況指数の発表と同時刻に10月の米国建設支出、29時15分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのクリストファー・ウォラー理事の発言予定などを控えている。

また、世界の債券や株式とコモディティなどの各市場の影響や、世界の政治要因や世界情勢ニュースの為替相場への影響なども引き続き注視されている。

これからの季節は、欧米のクリスマスの冬休み時期に向けて、ホリデーシーズンには世界市場の市場流動性の減少により、小さな値動きでも増幅された荒い値動きが出やすくなることなどにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は157円80〜82銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の158円74〜75銭付近と比べると約94銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、日銀追加利上げ予想に対し欧州追加利下げ予想を受けた日欧金利差縮小予想の円買いユーロ売りや、欧州政治懸念を受けた低リスク通貨の円買いや世界的な流動性の高さから欧州ユーロに対しては安全資産でもあるドル買いがユーロ安に影響を与えていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0501〜1.0502ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0580〜1.0582ドル付近と比べると約0.79セントのユーロ安ドル高になっていた。

また、今夜の東京終値後の欧州市場では、欧州ユーロ圏の最新経済指標の発表があり、今夜17時50分と55分に発表されたフランスとドイツの11月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値はいずれも前回と市場予想を下回る下方修正がされたが、今夜18時の欧州ユーロ圏総合の11月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想通りの45.2の景気ボーダーライン50以下の不景気側の横ばいで、今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の10月の欧州失業率も前回と市場予想一致の6.3%の横ばいだった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は190円51〜57銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の190円84〜90銭付近と比べると約33銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧米通貨と同様に、日銀追加利上げ予想に対して英国にも遅かれ早かれ追加利下げ予想が出ていることでは、日英金利差縮小予想が影響を及ぼしていた。

また、今夜18時30分に発表された最新英国経済指標の11月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は、前回と市場予想の48.6を下回る48.0に下方修正されていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月2日の日本時間(JST)21時1分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の12時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 21:01の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.11 〜 150.12 +0.10 (円安)
ユーロ/円 1.0522 〜 1.0524 −0.77 (円高)
ユーロ/ドル 1.0522 〜 1.0524 −0.0058 (ドル高)
英ポンド/円 190.80 〜 190.86 −0.04 (円高)
スイスフラン/円 169.54 〜 169.60 −0.69 (円高)
豪ドル/円 97.44 〜 97.48 −0.30 (円高)

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