FXニュース:米雇用統計の発表を控え

2024年12月06日
今日2024年12月6日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の150円27銭付近から、円の高値でドルの安値の149円76銭付近の値幅約51銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円12〜14銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年12月06日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米週間失業保険申請混合
  • 米津波警報時の警戒感も
  • 日米株価反落リスク回避
  • 仏予算案ユーロ買い戻し
  • 英増税案インフレ圧警戒

今日2024年12月6日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の150円27銭付近から、円の高値でドルの安値の149円76銭付近の値幅約51銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円12〜14銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円79銭付近の前東京終値比では約33銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜21時35分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏のフランスでミシェル・バルニエ元仏首相の辞任後にエマニュエル・マクロン大統領に対し政治圧を示していた仏国民連合 (RN / フランス語:Rassemblement National / 英語:National Rally) の実質的指導者のマリーヌ・ル・ペン前党首が、一定の条件を満たせば数週間中に2025年度の仏予算を成立させることが可能と示したニュースがあり、仏政治懸念がやや緩和された影響で欧州ユーロの買い戻しが入ると共に世界的な安全資産である米国債が売られたため、米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.222%付近に上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差拡大時の低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いが入り、昨夜21時32分と35分と52〜53分頃にドルは円相場で一時150円50銭付近に上昇していた。

その欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時150円40〜46銭付近の始値であったが、同米国市場からは翌市場にあたる今夜この後の最新米国雇用統計の発表イベントを控え、米国雇用関連の最新経済指標に敏感になりつつあった市場では、昨夜22時30分に発表された前週分の米国新規失業保険申請件数が前回21.3万件から前回21.5万件に修正されたほか、市場予想の21.5万件よりも軟調な22.4万件であったことでは、発表の瞬間にドルは円相場で一時150円19銭付近に瞬時下落したが、同時発表だった前週分の米国失業保険継続受給者数は前回190.7万人が前回189.6万人に修正された上で、市場予想の190.5万人よりも堅調な187.1万人であったことでは強弱混合となって、ドルは買い戻されて反発上昇した。

それに加えて、同時刻に発表された米国景気関連の最新経済指標の10月の米国貿易収支では、前回の-844億ドルが前回-838億ドルに上方修正され、市場予想の-750億ドルよりも赤字額が減少した-738億ドルと堅調であったことでは、米国債券市場でも欧州英国市場から続いていた世界的な安全資産でもある米国債売りが勢いを増し、米国長期金利が更に上昇し、昨夜22時50分頃には一時4.226%付近に達したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響が強まり、昨夜22時54分頃にドルは円相場で一時150円69銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国長期金利の上昇を受けた金利警戒感からは、米国ニューヨーク株式市場で前日には史上最高値を揃って更新していた米国主要株価三指数が反落を始めており、特に金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) は大幅安に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と世界的なハイテク企業株の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も利益確定売りや持ち高調整の影響もあり小幅安に向けるなど、米国主要株価三指数が揃って反落に向けた影響では、株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債の買い戻しと低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたことでは、市場高値後のドルは反落を見せ始めた。

また、日本時間の午前3時44分頃に、米国カリフォルニア州の北部沿岸を震源とするマグニチュード7程度と推定される大地震のニュースがあり、アメリカ海洋大気庁 (NOAA / National Oceanic and Atmospheric Administration) が、米国カリフォルニア州とオレゴン州の海岸線の一部などにおよそ500万人が対象となる津波警報を発令したニュースが話題となり、市場での警戒感の高まりによりリスク回避のリスクオフの動きが急速に強まったことでも、世界的な安全資産の米国債の買い戻しと低リスク通貨の円買いの勢いを強めたことなどから、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が更に続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、午前4時50分頃に一時4.178%付近と大幅に低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りと低リスク通貨の円買いの影響により、午前4時52分頃にドルは円相場で一時149円91銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、その頃には米国での津波警報が無事に解除に向かっていたため、米国債券価格上昇後の米国債売りの抵抗も入り始めたことでは、低リスク通貨の円にも市場高値後の利益確定売りや持ち高調整が入り、ドルは円相場で150円台前半に反発したが、米国主要株価三指数は米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が大幅安の終値をつけたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も小幅安の終値となったことでは、株価リスク回避では米国債買いの影響が残り、米国ニューヨーク債券市場では今朝早朝のニューヨーク終値時点の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一時4.183%付近と、まだ4.2%台を回復していなかったことでは、この時間の円相場でのドルの買い戻し幅は限られていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の150円69銭付近から、円の高値でドルの安値の149円91銭付近の値幅約78銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は150円10銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の150円59銭付近と比較すると約49銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、今日の日本市場に先行して日本の最新経済指標が発表され、厚生労働省の10月の日本毎月勤労統計調査の現金給与総額の前年同月比の速報値は、前回2.8%が前回2.5%に下方修正されたものの市場予想通りの2.6%の増加率で、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金上昇率は前年同月比で横ばいだが、最低賃金の賃上げの影響ではおよそ3ヶ月ぶりのマイナス脱却となり、同時発表の10月の日本全世帯家計調査の消費支出の前年同月比も前回の-1.1%と市場予想の-2.6%に対し-1.3%と、前回よりはやや節約傾向が見られたものの市場予想ほどは低下しなかった。

続いて、今朝8時50分には日本の最新経済指標の11月の日本外貨準備高が発表されたが、前回と同じ1兆2390億ドルの横ばいであった。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円12銭付近の始値であったが、今朝の市場ニュースは今夜この後に発表予定の11月の米国雇用統計では、米国でのハリケーンやストライキなどの一過性の要因により大幅に軟化した前回分の10月からの反動増が見込まれることから市場予想の中間値では米国非農業部門雇用者数の増加予想が優勢であった影響があり、今月12月17~18日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を前にしたイベント前の投資系の円からのドル買い一時が先行した影響では、今朝9時8〜9分と13分頃にドルは円相場で一時150円27銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、日本企業の主要取引先である米国企業を含めた米国主要株価三指数が今朝までの米国市場では揃って反落していた影響では、今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価が反落して始まり、時間帯が近いアジア市場でも韓国の尹錫悦 (ユン・ソンニョル) 大統領に対し与党代表が弾劾訴追案に賛成の意向を示すなど韓国政治懸念の韓国ウォン売りと韓国株売りのリスクオフムードがあったことも影響し、日経平均株価が低下幅を大幅安に拡大していった影響では、リスク回避のリスクオフが高まり、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて反発上昇し、日経平均株価が午前の部において大幅安で引けたことから、午後の部が始まるまでの昼休みトレードでは低リスク通貨の円相場が上昇幅を広げ、正午12時12〜14分頃に対ドルの円相場は一時149円76銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、今夜の米国雇用統計のイベントを控えた市場予想によるドルの買い戻しも再び入ったことではドルは円相場で反発し、日本市場では今夜のイベントリスクの様子見や買い控えもあったものの、夕方の欧州市場の参入後には、市場予想の影響などから金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的な有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今月12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時66.7%付近と市場で確定値と考えられていた70%を下回った一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値が一時33.3%付近に上昇しており、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発を始め、夕方16時38分頃の一時4.186%付近から今夜の欧州英国市場に向けた上昇トレンドを見せ始めたことでは、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大の円売りドル買いが入り、夕方の16時30分頃にはドルは円相場で一時150円17銭付近と150円台に反発上昇した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円12〜14銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の149円79銭付近の前東京終値比で約33銭の円安ドル高になった。

なお、今夜その後の19時22分頃の英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.198%付近に上昇した影響があり、今夜19時33分頃にはドルは円相場で一時150円70銭付近にも上昇しているが、この後の米国雇用統計発表のイベントリスクでは様子見の値動きも混ざっている。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表イベント予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜22時30分に米国雇用関連の最新米国重要経済指標の11月の米国雇用統計の11月米国非農業部門雇用者数変化と11月米国失業率と11月米国平均時給と11月米国製造業雇用者数などが発表されるイベント時間があり、続いて今夜23時15分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン理事の発言予定と、深夜24時には12月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値、26時頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国クリーブランド連邦準備銀行のベス・ハマック総裁の発言予定、27時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国サンフランシスコ連邦準備銀行のメアリー・デイリー総裁の発言予定などを控えている。

また、世界の債券や株式とコモディティ市場などや、政治要因や世界情勢の最新ニュースなどの為替相場への影響なども注視されており、今月12月の欧米のクリスマス・ホリデー・シーズンに向けた世界市場の流動性の減少傾向により、イベント時に限らず平常時よりも値動きが増幅された荒い値動きが出やすくなる場合があることなどにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は158円86〜88銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の157円77〜78銭付近と比べると約1円9銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の通り、欧州ユーロ圏のフランスの政治懸念がやや緩和されたことで、低リスク通貨の円や世界的に流動性が高いドルなどの主要通貨に対する欧州ユーロの買い戻しが進んだことが、今日のユーロ高と世界的な安全資産の米国債売りに影響を及ぼした。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0581〜1.0582ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0534〜1.0535ドル付近と比べると約0.47セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は191円60〜66銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の190円70〜84銭付近と比べると約90銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロ圏と地理的・経済的に近い英国ポンドも欧州ユーロの買い戻しに連れたほか、英国のキア・スターマー政権での増税案を受けて、企業が増税分を価格転嫁するインフレ圧への警戒などから英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が追加利下げに慎重になるのではないかという市場予想も影響を与えており、先日に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想で買われた円が売られ、日銀の追加利上げ先送り予想がある中で、英国ポンドが買い戻される値動きがあった。

なお、先日の一部の観測報道による日銀の早期の追加利上げ予想が後退しており、植田和男総裁や昨日の中村豊明審議委員の発言ではデータ次第とされたものの、早期でない場合でも日銀の追加利上げ先送り予想が出ていることでは、遅かれ早かれ日銀が追加利上げ方向を維持していることでは、日本市場では円相場の下値も堅かったことでは東京終値時点ではポンド円は小幅域に留まる抵抗も見せていたが、今夜の20時台の英国ロンドン外国為替市場では米国長期金利上昇を受けた円売りドル買いと欧州ユーロの円売りの買い戻しやスイスフランに対する円売りの外貨影響なども波及したことから、大幅な円安ポンド高に転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月6日の日本時間(JST)20時54分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時54分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 20:54の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.49 〜 150.50 +0.70 (円安)
ユーロ/円 159.29 〜 159.31 +1.52 (円安)
ユーロ/ドル 1.0584 〜 1.0586 +0.0050 (ドル安)
英ポンド/円 192.12 〜 192.18 +1.42 (円安)
スイスフラン/円 171.50 〜 171.56 +2.00 (円安)
豪ドル/円 96.55 〜 96.59 −0.01 (円高)

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