FXニュース:欧ECB小幅利下げを発表

2024年12月12日
今日2024年12月11日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の151円87銭付近から、円の高値でドルの安値の151円41銭付近の値幅約46銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場...

 

東西FXニュース – 2024年12月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米消費者物価指数想定内
  • 米小幅利下げ予想値上昇
  • 日銀利上げ見送り観測後
  • カナダBoCが大幅利下げ
  • スイスSNBも大幅利下げ
  • 米長期金利上昇4.3%台

今日2024年12月12日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の151円95銭付近から、円の安値でドルの高値の152円77銭付近の値幅約82銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円53〜54銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の151円63〜64銭付近の前東京終値比では約90銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜18時台の英国ロンドン外国為替市場では、来週の12月18〜19日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合における早期の追加利上げ見送りの可能性が市場で意識されていたが、昨夕に米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が、「一部の日銀関係者は、12月利上げも提案されれば反対しない」という観測報道に続き、「日本国内消費者物価上昇に加速感が見られず、追加利上げを急ぐ状況にはないと日銀は認識している」と報じたニュースの影響により、昨夜18時11分頃に対ドルの円相場は瞬時に150円98〜99銭付近に瞬時上昇後から大幅な反落を始め、昨夜19時10分頃には来週の日銀の追加利上げ予想の後退により、当面の間の日米金利差予想を受けた低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いで、対ドルの円相場は一時152円79銭付近に下落した。

欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、米国市場での最新米国重要経済指標のイベントリスクを控えていた時間であったことからは抵抗を交えた一時152円65銭付近の始値であったが、昨夜22時30分に米国インフレ関連の最新米国重要経済指標である注目の11月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントがあり、前月比は前回の0.2%に対し市場予想通り0.3%の上昇率で、前年同月比も前回の2.6%に対し市場予想通りの2.7%上昇率となり、市場予想通りではあるものの前回よりも上昇した米国インフレの根強さが示されたことを受けては、発表の瞬間の昨夜22時30分にドルは円相場で瞬時に一時152円84銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、いずれも市場予想通りと想定範囲内に留まっていたほか、天候条件などで価格変動が激しい生鮮食品などを除き物価基調を見る最新米国重要インフレ指標の11月の米国CPIコア指標では、前月比が市場予想通りに前回と横ばいの0.3%で、前年同月比も市場予想通りの前回と横ばいの3.3%と、いずれも市場予想通りの結果であったことから、市場予想で優勢であった来週12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国小幅利下げ予想が市場で確定値と考えられている70%を超えた80%台の推移を続けていたものが、90%台に更に上昇した一方で、一部で燻っていた次回の米国金利据え置き予想が一段と後退したため、米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜22時頃の一時4.251%付近への上昇後の反落を始め、昨夜23時35分頃には米国長期金利が一時4.209%付近にまで一時低下した影響では、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗が入り、昨夜23時42分頃にドルは円相場で一時151円91銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、昨夜23時45分には、米国と隣接する地域があり産油国でもある北米カナダの中央銀行のあたるカナダ銀行 (BoC / Bank of Canada) の政策金利発表があり、市場予想通りにこれまでの3.75%から0.50%の大幅利下げとなる3.25%のカナダの新政策金利を発表したが、声明では「今後は、追加利下げの是非について会合毎に判断していく」と慎重な姿勢も示したことでは、カナダドル買いが対ドルだけでなく対円でも入った外貨影響が波及した影響もあってドルは円相場で反発し、米国ニューヨーク債券市場でも、想定範囲内とはいえ米国インフレが根強さを示したことでは、次回の米国小幅利下げ予想は確定値超えに上昇したものの、今後の追加利下げの是非については、来年1月から米国で始まる第二次ドナルド・トランプ政権の米国関税強化案などの政策案による米国インフレへの警戒感が燻り、来年の米国追加利下げペースの鈍化予想なども出ていることから、米国ニューヨーク債券市場では、再び米国債売りのトレンドが再開し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反落後に深夜24時50分頃の一時4.254%付近に向けて反発上昇したため、ドルも円相場で152円台に反発を始めていた。

また、同時進行中だった昨夜の欧州英国市場からは翌市場にあたる今夜この後の22時15分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会を控えた欧州追加利下げ予想の影響もあり、来年度の欧州追加利下げ継続予想が優勢であった中で、来年の米国利下げペースには鈍化予想があったことなどから、欧州市場の終盤に対ドルで欧州ユーロが売られた外貨影響も対ドル円相場に波及していた。

米国ニューヨーク債券市場では、午前3時に米国10年債の入札があったが、米国債売りのトレンドの中では入札後には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が更に上昇し、午前4時20分頃の一時4.278%付近に向けて米国長期金利が上昇を続けていたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの円売りドル買いの影響で、午前4時1分頃にはドルは円相場で一時152円72銭付近に買い戻されていた。

また、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の上昇を受けて企業への貸付ローン金利などへの警戒感から連日で大幅続落後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が、市場予想通りの11月の米国消費者物価指数により来週の米国小幅利下げ予想が高まった影響では小幅続落の終値に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) は反発後もプラス圏の小幅高の終値に向け、世界的なハイテク企業株の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も反発上昇後には大幅高の終値に向けた影響もあり、米国主要株価三指数中の二指数の上昇を受けては、リスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債売りや、来週の日銀 (BoJ) の追加利上げ見送り予想の影響もあり、低リスク通貨の円売りが入りやすかった。

とはいえ、来週の米国小幅利下げ予想が高まった影響では、米国ニューヨーク債券市場では一時4.278%付近に上昇後の米国長期金利はやや横ばいに近い高止まり後に、ニューヨーク終値時点の一時4.275%付近にやや上昇幅を縮めたこともあり、市場終盤の利益確定売りや持ち高調整の抵抗も交えたことでは、ドルは円相場で152円中盤付近に留まった。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円84銭付近から、円の高値でドルの安値の151円91銭付近の値幅約93銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は152円45銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の151円95銭付近と比較すると約50銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、来週の米国小幅利下げ予想の上昇を受けた調整が入ったため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時152円26銭付近の始値で、今朝11時には来週の日米金融政策決定会合を控えた持ち高調整の円の買い戻しなども入り、ドルは円相場で一時151円95銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

本日付けの金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来週の12月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時98.6%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えて上昇した一方で、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は一時1.4%付近と大幅な後退を見せていた。

しかし、昨夜の米国ブルームバーグなどの一部報道に続き、英国ロイター通信 (Reuters) などの世界的な大手メディアも同様の来週の日銀 (BoJ) の追加利上げ見送り予想を高める観測報道を続けた今日のニュースの話題を受けては、日銀の早期の追加利上げ予想が後退しており、国内金利警戒感の緩和などにより、今日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に上昇し、午後15時30分頃の3万9849円14銭の終値に向けて大幅な続伸を見せていた国内株価影響では、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが対ドルでも入りやすかったことでは、午後15時19分頃にドルは円相場で一時152円77銭付近に上昇し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、夕方からの欧州市場の参入では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.293%付近と、今夜18時台の4.3%台に向けた更なる上昇を見せたことも、日銀 (BoJ) が追加利上げを急がないとの海外大手メディアの観測報道を受けた国内債券利回り低下の影響も相まって、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いに影響を及ぼしており、市場高値後の利益確定売りや持ち高調整の抵抗を交えながらもドルは円相場で152円台の推移を続けた一因となった。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円53〜54銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の151円63〜64銭付近の前東京終値比で約90銭の円安ドル高になった。

今夜17時30分には、スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) の政策金利発表があり、前回の1.00%と市場予想の0.75%に対し0.50%のスイス新政策金利へと市場予想を上回る0.5%の大幅利下げを発表したニュースを受けては、スイスフランが対ドルの主要通貨に対して売られた外貨影響なども円相場に波及している。

今夜の22時15分には、欧州市場で欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会による欧州政策金利発表のイベントがあり、続いて今夜22時45分頃からクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言予定を控えているため、日本市場では欧州ユーロの持ち高調整の買い戻しや様子見なども観測されていた。

今夜この後の米国市場でも、最新米国経済指標の発表予定と米国債の入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に米国インフレ関連の最新経済指標の11月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) と、米国雇用関連の最新経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が同時発表され、27時には米国30年債の入札も控えている。

なお、来週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控え、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の発言自粛のブラックアウト期間 (Black-out period) にあたるため、事前収録以外では公式な新規発言予定は入っていないが、世界の債券や株式とコモディティ市場などの影響や世界政治や世界情勢などの最新ニュースなどの為替相場への影響などは引き続き注視され、来週の日米金融政策会合後には12月の欧米のクリスマス・ホリデー・シーズンの冬休み時期を控えることから、世界市場全体の流動性の低下傾向により通常よりも増幅された荒い値動きが出やすくなる時間があることなどには注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は160円41〜42銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の159円11〜12銭付近と比べると約1円30銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、日銀が追加利上げに急がないとの海外大手メディアによる観測報道を受けた持ち高調整で円が売られたほか、今夜この後の欧州中央銀行 (ECB) 理事会では、欧州小幅利下げ予想が優勢で市場織り込み度が高まっていたため、今日の午後の欧州市場ではイベント控えた利益確定やポジション調整などで自国通貨の欧州ユーロの買い戻しが入っていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0515〜1.0516ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0492〜1.0494ドル付近と比べると約0.23セントのユーロ高ドル安であった。

なお、追記として、今夜22時15分に欧州中央銀行 (ECB) 理事会は欧州政策金利を発表し、市場予想通りにこれまでは3.40%だった欧州政策金利を3.15%へと、0.25%の欧州小幅追加利下げを決定した。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円76〜82銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の193円10〜16銭付近と比べると約1円66銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、今月の日銀の追加利上げ見送り予想が高まり主要通貨に対して低金利通貨の円が売られた影響があったほか、キア・スターマー英国新政権の増税案に対する企業負担額が価格転嫁されることから英国インフレ懸念が出ていた市場予想により、来週12月19日に開催予定の次回の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) では、英国利下げペース鈍化予想が浮上していた影響もあり、日英金利差予想が為替相場に影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月12日の日本時間(JST)20時24分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 20:24の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 152.28 〜 152.29 +0.65 (円安)
ユーロ/円 159.93 〜 159.94 +0.82 (円安)
ユーロ/ドル 1.0501 〜 1.0503 +0.0009 (ドル安)
英ポンド/円 194.04 〜 194.10 +0.94 (円安)
スイスフラン/円 171.80 〜 171.86 +0.48 (円安)
豪ドル/円 97.53 〜 97.57 +1.24 (円安)

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