FXニュース:米卸売物価指数予想以上

2024年12月13日
今日2024年12月13日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円55銭付近から、円の安値でドルの高値の153円8銭付近の値幅約53銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円81〜83銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2024年12月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 加瑞欧利下げ後米金利差
  • 日銀利上げ見送り予想も
  • 米新規失業保険申請数増
  • 米利下げペース鈍化予想
  • 米長期金利続伸4.3%台
  • 日企業製造業景況感上昇

今日2024年12月13日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円55銭付近から、円の安値でドルの高値の153円8銭付近の値幅約53銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円81〜83銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の152円53〜54銭付近の前東京終値比では約28銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円27銭付近の始値で、この時間には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.307%付近に上昇していたことや、昨夜22時15分に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が市場予想通り0.25%の欧州小幅追加利下げを発表し、声明文から以前の「必要な限り欧州金利を制限的に維持」という文章が削除されたほか、来年の欧州インフレ見通しを下方修正した影響があり、昨夜22時30分前にユーロドルが一時1.0470ドル付近のユーロ安ドル高になった外貨影響の波及もあり、ドルも円相場で昨夜22時30分頃の一時152円38銭付近に向けていた。

しかし、昨夜22時30分には最新米国経済指標の同時発表があり、米国インフレ関連の経済指標の11月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) は市場予想を上振れしたものの、米国雇用関連の経済指標である前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の22.4万件と前回修正の22.5万件と市場予想の22.0万件よりも弱い24.2万件に軟化し、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の187.1万人と市場予想の187.5万人よりも軟調な188.6万人であったことを受けては、安全資産の米国債が買い戻された影響により米国債券価格の反発に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が昨夜23時頃の一時4.274%付近に向けて一時反落したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りで、昨夜22時38分頃にドルは円相場で一時151円79銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、前述の米国インフレ関連の最新経済指標である11月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) では、前月比は前回0.2%が前回0.3%に上方修正された上で市場予想の0.2%を上回る0.4%に上振れしており、前年同月比も前回2.4%が前回2.6%に上方修正されたことに加えて市場予想の2.6%を上抜ける3.0%に上昇し、天候条件などで価格変動が激しい食品とエネルギーを除く物価基調である同月の米国PPIコア指数の前月比は、前回の0.3%に対し市場予想通りの0.2%と食品とエネルギー価格の上振れを示唆したものの、11月の米国PPIコア指数も前年同月比では前回3.1%が前回3.4%に上方修正されており、その上で市場予想の3.2%を上回り、前回上方修正後と同じ3.4%の高止まりを見せるなど、米国で来年1月からの第二次ドナルド・トランプ政権での米国インフレ警戒感が燻っていた中で、米国卸売価格のインフレの根強さを市場に意識させたことでは、来週の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国小幅利下げ予想が市場で優勢であるものの、来年の米国利下げペースの鈍化予想が高まり、米国長期金利が反落後の反発を見せた後に再び4.3%台に乗せて上昇したため、ドルも円相場で再び152円台に乗せた上昇に向けた。

昨夜22時45分頃から始まった欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言では、「基調的な欧州インフレ率は2%へ回帰する軌道にある」ことや、「欧州経済成長率の見通しのリスクは下方向」とハト派寄りの発言があったことでは、来年の欧州追加利下げ継続予想が優勢さを保ち、「欧州インフレについては、まだ使命は達成されていない」とやや慎重なタカ派寄りの発言もあり、今後の欧州追加利下げについては、「データ次第で、会合ごとに決定する」と中道的な発言もしていたが、一昨日のカナダ銀行の大幅利下げに続き、昨夜17時30分にはスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) も市場予想を上回る0.5%の大幅利下げを発表後であったため、0.25%の今回の欧州小幅利下げ後にも来年度の欧州追加利下げ継続予想が優勢であったことでは、米国長期金利上昇に伴う主要通貨に対するドル買いと、来週12月18〜19日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合での追加利上げ見送り観測報道を受けた円売りの影響もあり、ドルは円相場で昨夜23時38分頃には一時152円40銭付近に上昇していた。

米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の再上昇を受けて企業への貸付ローン金利などへの警戒感が再燃し、一時は反発していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が再び大幅な続落の終値に向け始めたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅安に向けてマイナス圏で推移し、世界的なハイテク企業株の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も大幅高の終値に向けて反落していた影響では、株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) では低リスク通貨の円買いの抵抗が混ざる時間もあったが、米国ニューヨーク債券市場では、来年の米国利下げペース鈍化予想の影響などが強く、トランプ政権に向けた米国債売りトレンドの影響も続いていた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、ニューヨーク市場終盤の午前6時25分頃の一時4.341%付近に向けた上昇トレンドをしていたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いと、来年も欧州利下げ継続予想の欧州ユーロなどの主要通貨に対する欧米金利差予想などでもドルが上昇していた影響が波及し、午前6時44分頃にドルは円相場で一時152円69銭付近と、今朝までの米国市場での円の安値でドルの高値を記録していた。

また、北米市場でも、前日のカナダの大幅利下げ後の金利差の影響に加えて、北米の産油国でもあるカナダ政府が、「ドナルド・トランプ次期大統領が米国関税をカナダに課す場合には、カナダは石油とウランに米国向けの輸出税を導入することを検討している」との一部報道が話題になり、北米の米国とカナダの貿易摩擦懸念による米ドルに対する加ドル売りが強まり、米ドルに対し一時1.4228カナダドルと2020年4月以来の今年最大の加ドル安米ドル高を記録していた外貨影響も、米国市場でのドル上昇圧として円相場に波及していた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の151円79銭付近から、円の安値でドルの高値の152円69銭付近の値幅約90銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は152円63銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円45銭付近と比較すると約18銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時50分には、今日の日本市場に先行して日本の最新重要経済指標の10〜12月第4四半期日銀短観の四半期大企業製造業業況判断が発表され、前回の13と市場予想の12を上回る14に上昇したことを受けては、市場予想以上に堅調な日本企業の景況感を背景とした円の買いの抵抗も入り、今朝8時51分頃に対ドルの円相場は一時152円45銭付近に反発した。

同時発表の10〜12月第4四半期日銀短観では、大企業製造業先行きも市場予想の11に対し13と市場予想を上回ったが前回の14よりはやや鈍化しており、同じく四半期大企業非製造業業況判断も前回の34と市場予想の32に対し33で、同四半期大企業非製造業先行きは前回と市場予想一致の28の横ばいであったが、同四半期大企業全産業設備投資の前年度比は前回の10.6%と市場予想の9.6%を超える11.3%と堅調であったことでは、来週の日銀の早期の追加利上げは見送られる観測報道が出ていたものの、景気要因のインフレ圧予想も浮上し将来的な日銀の追加利上げ予想が燻って円が買い戻される調整も入っていた。

そのため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時152円59銭付近の始値で、この今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時152円55銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となった。

しかし、今朝の日本市場の時間外の米国債券市場でも、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は4.3%台で高止まりした推移を続けており、債券利回りを受けた金利差トレードでは日米金利差拡大時の円売りドル買いが優勢で、午後13時32分頃にはドルは円相場で一時153円8銭付近と、一時153円台の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今日の東京株式市場では、今朝までの米国株式市場で日本企業の主要取引先などの米国主要株価三指数が揃って下落の終値をつけて引けていた影響の波及もあり、前日には大幅高で大引けしていた今日の日経平均株価が利益確定や持ち高調整の影響も相まって大幅に反落し、午後15時30分頃には3万9470円44銭の終値をつけ、前日比378円70銭安の大幅安で大引けするに至ったことでは、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しも入ったことでは、午後15時58分頃には対ドルの円相場は一時152円67銭付近と、円相場が下げ幅を縮めた時間もあった。

とはいえ、夕方16時頃からの欧州市場の参入の影響もあり、ドルは円相場で再び上昇に向けていたため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は152円81〜83銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の152円53〜54銭付近の前東京終値比で約28銭の円安ドル高になった。

今夜その後の20時22分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.344%付近に更に上昇したため、ドルは円相場で再び153円台に上昇しており、今夜20時24分頃には対ドル円相場は一時153円59〜60銭付近と、153円台後半にも差し掛かっている。

なお、今夜20時頃の欧州英国市場時間には、金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来週の12月17〜18日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時96.7%付近と、市場で確定値と考えられている70%を超えた推移を続けているが、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値は昨夜の一時1.4%付近からはやや反発した一時3.3%付近で燻っている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に11月の米国輸入物価指数と11月の米国輸出物価指数の発表を控えている。

なお、来週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控え、今週は米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の発言自粛のブラックアウト期間 (Black-out period) で、事前収録以外の新規の公式発言予定はないものの、世界の債券や株式とコモディティ市場などの影響および世界政治や世界情勢などの最新ニュースなどの為替相場への影響などは引き続き注視されており、来週の日米金融政策会合後には12月の欧米のクリスマス・ホリデー・シーズンの冬休み時期を控えることから、世界市場全体の流動性の低下傾向により平常時よりも増幅された荒い値動きが出やすくなる時間があることなどにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は159円79〜84銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の160円41〜42銭付近と比べると約62銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州小幅利下げの発表に続き、欧州景気先行きの下方修正などを受けて、来年の欧州追加利下げ継続予想が優勢であることから、来週の日銀の早期の追加利上げ予想は後退しているものの、今朝の市場予想以上に堅調な日本企業の景況感の先行きなどを受けて、来年の日銀追加利上げ予想も燻っており、日米株価下落時の低リスク通貨の円の買い戻しの影響もあり、前日比で円高ユーロ安の東京終値をつけていた。

しかし、今夜その後の欧州市場では、米国長期金利上昇に伴う低金利通貨の円売りが基軸通貨のドルに対して強まり、大幅になった外貨影響がクロス円の円相場にも波及したことでは、今夜20時台にはユーロ円は円安ユーロ安への市場反転も見せている。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0457〜1.0458ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0515〜1.0516ドル付近と比べると約0.58セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、来年の欧州追加利下げ継続予想が優勢であることに対し、昨夜の米国卸売 (生産者) 物価指数の市場予想に対する上振れや来年のトランプ政権でのインフレ警戒感などから、来年の米国利下げペース鈍化予想が浮上しており、今日の米国長期金利上昇に伴うドル買いでは、欧州ユーロが売られやすくなっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円96銭〜193円2銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の194円76〜82銭付近と比べると約1円80銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、今日の夕方16時に発表された最新英国重要経済指標の10月の英国月次国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前月比が、市場予想のプラス圏の0.1%に対して前回と横ばいのマイナス圏の-0.1%と市場予想を下振れし、英国ポンドが英国景気懸念により世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルや低リスク通貨の円に対して売られた影響が観測されていた。

なお、今夜20時台の欧州英国市場では、英国ポンドは円相場で一時の大幅な下落幅を縮小しているが、昨夕に市場予想を超える0.5%の大幅なスイス政策金利の利下げを発表後のスイスフランは、前東京終値比で大幅な円高フラン安の推移を見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月13日の日本時間(JST)20時25分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時25分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 20:25の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 153.58 〜 153.59 +1.05 (円安)
ユーロ/円 161.15 〜 161.16 +0.74 (円安)
ユーロ/ドル 1.0491 〜 1.0493 −0.0024 (ドル高)
英ポンド/円 194.30 〜 194.36 −0.46 (円高)
スイスフラン/円 171.84 〜 171.90 −1.11 (円高)
豪ドル/円 97.86 〜 97.90 −0.03 (円高)

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