FXニュース:米FOMCと議長発言控え
2024年12月18日東西FXニュース – 2024年12月18日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- イベント前の持ち高調整
- 米小売売上高は強弱混合
- 米ダウ工業株が9日続落
- 安全資産買いリスクオフ
- 日銀金融政策会合始まる
- 明日の英MPC金利発表も
今日2024年12月18日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の153円78銭付近から、円の高値でドルの安値の153円33銭付近の値幅約45銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円58〜59銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の154円4〜5銭付近の前東京終値比で約46銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜12月17日から米国現地時間の今夜18日 (時差先行の日本時間では19日未明) にかけて米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が開催する米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国政策金利と金融政策の発表のイベントに加えて、本日12月18日から明日の19日にかけての日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合に続き、明日19日に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) と日米英の金融政策決定会合のイベント前の利益確定と持ち高調整の影響があり、昨夕の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇を受けたドルは円相場で昨夜17時10分頃には一時154円16銭付近に上昇したが、その後には利益確定や持ち高調整で売られて反落し、昨夜20時19分頃には一時153円68銭付近に下落していたため、欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時153円81銭付近の始値であった。
昨夜22時頃の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.442%付近に上昇しており、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いの影響では、昨夜22時10分頃にドルは円相場で一時153円97銭付近に反発していたが、昨夜22時30分に米国景気関連の最新米国重要経済指標の11月の米国小売売上高が発表され、前月比は前回0.4%が前回0.5%に上方修正された上で市場予想の0.5%を上回る0.7%に上振れと堅調であったが、11月の米国小売売上高から自動車を除いたコアな前月比は前回0.1%が前回0.2%に上方修正されたものの市場予想の0.4%を下回る前回修正後と横ばいの0.2%に下振れしたため、昨夜22時31分頃にドルは円相場で一時153円65銭付近に下落した。
しかし、前日に発表されていた12月の米国総合・サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の速報値が市場予想以上であったことなどから、来年1月の第二次ドナルド・トランプ政権の米国関税強化案などのインフレ再燃警戒感も燻り、米国景気要因のインフレ圧が依然として意識されていた市場では、今月の米国小幅利下げ予想値が市場確定値超えの優勢さを保つ一方で、次回以降の来年の米国利下げペース鈍化予想が高まっていた影響では米国政策金利の先高観も燻り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.425%付近の高止まりを続けていた昨夜22時42分頃には債券利回りの日米金利差拡大の影響も続いておりドルは円相場で一時154円0銭付近に反発上昇し、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、イベントリスク回避の早期の利益確定や持ち高調整のよりドルは円相場で反落を始めたことに加えて、昨夜23時15分に発表された最新米国経済指標の11月の米国鉱工業生産が前回-0.3%から前回-0.4%に下方修正されたほか、市場予想の0.3%を下回るマイナス圏の-0.1%に下振れしており、同時発表の11月の米国設備稼働率も前回77.1%が前回77.0%に下方修正された上で市場予想の77.3%を下回る76.8%に低下し、深夜24時の12月の全米住宅建設業者協会 (NAHB / National Association of Home Builders) 住宅市場指数も市場予想の47を下回る前回横ばいであったことも円相場でのドル売りを進めた。
また、昨夜から米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の初日が始まり、イベントリスクの高まりにより、米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価三指数が揃って下落し、金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が9営業日連続の続落という1978年2月22日以来のおよそ47年ぶりと言われる軟調さが警戒されたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も反落したことから、市場では米国主要株価三指数の下落を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) ムードが高まり、世界的な安全資産の米国債の買い戻しが影響を及ぼしたことで米国債券価格反発に伴う利回り反落が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前2時5分頃の一時4.378%付近に向けて急低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時にはドルからでも買える低リスク通貨の円買いが入りやすくなり対ドルの円相場が反発上昇し、午前3時の米国20年債の入札後の午前3時42〜47分頃にかけて、ドルは円相場で一時153円16銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
とはいえ、市場安値圏になりながらも何分間も下抜けをしないドルの底堅さからは、世界的に流動性が高いことから欧州政治懸念の燻る欧州ユーロに対しては安全資産でもあるドルの買い戻しも入り始めたほか、米国ニューヨーク債券市場では米国債券価格上昇後の米国債売りの抵抗が入り始めたことでは、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利がニューヨーク終値の頃には一時4.405%付近と再び4.4%台に反発したことでは、午前6時1分頃にはドルは円相場で一時153円59銭付近に買い戻されて下げ幅を縮小した。
一方で、日本時間では明日未明にあたる今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国政策金利と金融政策の発表のイベントと、FOMCメンバーによる米国政策金利と経済見通し (SEP / Summary of Economic Projections) のドットプロット / ドットチャート (Dot plot / dot chart) の発表に続き、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の定例記者会見での要人発言のイベントが世界的な注目を集めており、イベントリスクがあることではドルの買い戻しの中でも持ち高調整の影響があり、積極的な新規の買いポジションが限られていたことでは、前ニューヨーク終値比では円高ドル安の終値に向けて円相場が久々の反発を見せていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の154円0銭付近から、円の高値でドルの安値の153円16銭付近の値幅約84銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は153円46銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の154円15銭付近と比較すると約69銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時50分には、日本の最新経済指標の発表があり、財務省の通関ベースの11月の日本貿易統計の速報値では輸出額から輸入額を引いた貿易収支が、季調前は前回の-4612億円と前回修正の-4621億円と市場予想の-6889億円に対し-1176億円と赤字額が減少していたが、季調済も前回の-3577億円と前回修正の-2292億円と市場予想の-4328億円に対し-3842億円と赤字幅は縮小したものの貿易赤字が5カ月連続で継続していたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時153円57銭付近の始値であったが、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けた日本の貿易企業の円売りドル買い需要に続き、今日から明日にかけて開催される日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合における日銀の早期の追加利上げ見送り予想による当面の間の日米金利差によるドル需要予想なども影響を及ぼし、日米英の金融政策決定会合のイベントを前にした円買いドル売りが今朝は先行したことでは、今朝10時47分頃と50分頃にドルは円相場で一時153円78銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、イベントリスクの高まりもあり、早期の利益確定や持ち高調整で低リスク通貨の円の買い戻しも入り始めたほか、今朝10時45分頃には一時はプラス圏付近に反発した日経平均株価が反落したため、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響も相まって円相場が反発し、午後15時30分に東京株式市場で今日の日経平均株価が3万9081円71銭の終値をつけ、前日比282円97銭安の大幅安で大引けすると、日本市場時間の時間外の米国債券取引における世界的な安全資産買いの影響もあり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午後15時47分頃には一時4.384%付近にまで低下したため、債券利回りを受けた円買いドル売りも入り、午後15時58分頃と欧州市場参入後の夕方16時34〜35分と40〜41分と45分と47分頃の複数回に渡って、対ドル円相場は一時153円33銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、東京終値の17時頃の英国ロンドン外国為替市場の参入に向けて、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発を始めたことでは、ドルも円相場で下げ幅を縮小し始めたが、その途中で今夜17時の東京終値を迎えていた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円58〜59銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の154円4〜5銭付近の前東京終値比では約46銭の円高ドル安になった。
その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発後の上昇を続け、今夜19時44分頃の一時4.412%付近に向けていたことでは、18時46分頃にはドルは円相場で一時153円74銭付近に買われたが、今夜のイベントリスクによる早期の利益確定と持ち高調整に加えての様子見や買い控えの抵抗もあることはドルの円相場での上値を重くさせていた。
なお、今夕の英国ロンドン外国為替市場では、金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今夜この後の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値は一時95.4%付近と市場で確定値と考えられている70%超えの優勢さを保った推移を続ける傍らで、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値も一時4.6%付近の燻りも見せている。
今夜この後の米国市場では、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国政策金利と声明と見通しの発表と、市場注目度が高い米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言イベントに加えて、最新米国経済指標の発表予定もあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に7〜9月第3四半期の米国経常収支と11月の米国住宅着工件数と11月の米国建設許可件数が同時発表され、28時にFOMC終了後の米国政策金利と声明と金利・経済見通し (SEP) 発表があり、28時30分頃からライブ中継でFRBのジェローム・パウエル議長の定例記者会見での要人発言予定とビッグイベントを控えている。
また、世界の債券・株式・コモディティ市場などの為替相場への影響や、世界政治や世界情勢などの最新ニュースなどの影響も注視されており、今週の日米英金融政策会合後に欧米のクリスマス・ホリデー・シーズンが本格化するため、イベント時の値動きに加えて、世界市場の流動性の減少により、通常よりも増幅された荒い値動きが出やすくなる時間があることなどにも注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円21〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時は161円70〜72銭付近と比べると約49銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、日米英金融政策会合のイベントリスクによる持ち高調整に加えて、日米欧株価下落時のリスク回避でも低リスク通貨の円が買い戻された影響が欧州ユーロにも波及した。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0495〜1.0497ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0496〜1.0498ドル付近と比べると約0.01セントの小幅なユーロ安ドル安であった。
主な要因は、欧州政治懸念が燻る中で、欧米景気指標を比較した欧州ユーロ売りドル買いの影響がやや残ったが、イベントリスクによるドルの利益確定売りや持ち高調整と様子見の買い控えなども入っていたことでは、今日のユーロドルは前東京終値比でやや横ばいに近い僅差の小幅域のユーロ安ドル高東京終値になっており、その後の欧州市場ではイベント前の持ち高調整の欧州ユーロの買い戻しにより、僅差の小幅域のユーロ高ドル安への市場反転なども見せている。
なお、今夜19時には欧州ユーロ圏総合のインフレ関連の最新欧州重要経済指標の発表があり、11月の欧州消費者物価指数 (HICP / 英語:Harmonised Indices of Consumer Prices / 米語:Harmonized Indices of Consumer Prices) の改定値は、前年同月比は前回と市場予想の2.3%を下回る2.2%に鈍化したが、同月の物価基調を見る欧州HICPコア指数の改定値は、前年同月比が前回と市場予想通りの2.7%の横ばいで、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) が目標とする2%を上回り続けていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円89〜95銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の195円63〜69銭付近と比べると約74銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、日本市場では日米英の政策金利発表を控えたイベントリスクの持ち高調整で円が買い戻されていた影響が波及していたが、今日の午後16時に発表された英国インフレ関連の最新英国経済指標の11月の英国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が、前月比は前回の0.6%に対し市場予想通りの0.1%に鈍化したものの、前年同月比では前回の2.3%に対し市場予想通りの2.6%に上昇し、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が目標とする2%を超えた英国インフレの根強さもやや意識されたが、11月の物価基調を測る英国CPIコア指数は前年同月比で前回の3.3%よりは上昇したものの市場予想の3.6%以下の3.5%に留まっており、明日の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) における英国金利据え置き予想は優勢であるものの、今後の日英金利差予想にはやや警戒感も燻った。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月18日の日本時間(JST)20時49分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時49分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。
通貨ペア | JST 20:49の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 153.64 〜 153.65 | −0.40 (円高) |
ユーロ/円 | 161.32 〜 161.34 | −0.38 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0498 〜 1.0500 | +0.0002 (ドル安) |
英ポンド/円 | 195.27 〜 195.33 | −0.36 (円高) |
スイスフラン/円 | 171.87 〜 171.93 | +0.06 (円安) |
豪ドル/円 | 97.01 〜 97.05 | −0.81 (円高) |
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