FXニュース:米長期金利上昇4.6%台
2024年12月24日東西FXニュース – 2024年12月24日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米主要株価三指数が続伸
- 日財務相の円安牽制続く
- 日経平均株価は大幅反落
- クリスマスイブの流動性
今日2024年12月24日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円39銭付近から、円の高値でドルの安値の156円88銭付近の値幅約51銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円13〜14銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の156円74銭付近の前東京終値比で約39銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧米のクリスマス・ホリデーを控えた市場流動性の減少により小さな値動きでも増幅されやすくなっていたところに、ホリデー前の利益確定や持ち高調整の米国債売りの影響が続き、時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発後の上昇を続けたため、昨夜21時35分頃には米国長期金利が一時4.550%付近の高利回りになり、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いなどにより、ドルは円相場で前東京終値比の円安ドル高に転じた後の昨夜21時52〜53分頃には一時157円18銭付近と、157円台に上昇していた。
その世界市場のトレンドの影響から、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場も一時157円14銭付近と157円台の始値であったが、昨夜22時30分に発表された最新米国経済指標の11月の米国耐久財受注の前月比が前回0.2%は前回0.8%に上方修正されたものの市場予想の−0.3%を下回る−1.1%に下振れし、輸送用機器を除くコアも前回0.1%は前回0.2%に上方修正されたが市場予想の0.3%以下の−0.1%とマイナス圏に転じたことでは、一時ドルが低リスク通貨の円に対して売られる抵抗が混ざったことでは発表時の昨夜22時30分にドルは円相場で一時157円10銭付近に下押ししたが、前回分の上方修正もあって来年の米国利下げペースの鈍化予想に影響を与えるほどの経済指標ではないとの市場での見解があり、ホリデー前の調整のドルの買い戻しも入って一時抵抗後にはすぐに反発し、債券市場での米国長期金利上昇を受けた日米金利差拡大の円売りドル買いが続いたことでは、昨夜22時40分頃にはドルは円相場で一時157円25銭付近に上昇していた。
続いて、深夜24時には最新米国重要経済指標の11月の米国新築住宅販売件数の発表があり、年率換算件数は前回61.0万件が前回62.7万件に上方修正される強さを示した一方で市場予想の66.5万件にやや届かない66.4万件で、前月比も−17.3%が前回−14.8%に上方修正されたものの市場予想の9.0%に対し5.9%であったが、前回のマイナス圏からプラス圏に転じたことでは前回分の上方修正もあり強弱入り混じったことでは市場影響は限定的で、同時発表のコンファレンス・ボードの12月の米国消費者信頼感指数も、前回111.7が前回112.8に上方修正された上で市場予想の113.0に届かない104.7であったものの、今後修正の可能性もあることでは為替相場への影響は限定的なものとなり、それよりも欧米トレンドの米国長期金利の上昇が続いていた日米金利差拡大の影響がドルの円相場に影響を及ぼしており、米国ニューヨーク債券市場で深夜24時15分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.572%付近の高利回りに乗せ始めると、日米金利差拡大や主要通貨に対するドル買いが勢いを増し、深夜24時19分頃にドルは円相場で一時157円26銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、時差が先行していた欧州市場と世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が終盤に向かうと、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたことでは、午前2時7分頃にはドルは円相場で一時156円98銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、欧州英国市場終了後も続く米国市場では、来年1月からの第二次ドナルド・トランプ米国政権による米国インフレ再燃への警戒感が燻る中で、先週末に来年の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) の高官達が不確実性に警戒し米国追加利下げに慎重姿勢を示したことなどを受けて、先週金曜日の11月の米国個人支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指数の米国PCEデフレーターなどの単月データの下振れだけでは、先週の米国FOMCで出てきたそれまでの市場予想よりもタカ派寄りの米国政策金利の見通しを修正するほどではないとのドルの買い戻しが入ったことでは、来年1月の次回のFOMCにおける米国政策金利の据え置き予想が優勢さを保っていた米国政策金利の先高観の影響もあり、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が更なる上昇を続け、米国長期金利は午前4時45分頃の一時4.600%付近と一時4.6%の高利回りに向けていたため、ドルは円相場で反発して再び157円台に戻し、午前3時18分頃と午前3時24〜25分頃にかけて一時157円20銭付近に再上昇した。
また、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場は、欧米のクリスマス連休を前にしたショッピング時期のホリデームードの景気を受けてブル・マーケット (Bull Market / 強気市場) になり、前日に続いて米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って上昇し、続伸の終値に向けたことから米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しなどが入り、ドルは円相場で157円台前半の推移を続けた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の157円26銭付近から、円の高値でドルの安値の156円98銭付近の値幅約28銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は157円17銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円31銭付近と比較すると約86銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、米国長期金利の上昇を受けた債券利回りの日米金利差時の金利差トレードの円売りドル買いが先行し、今朝8時18分頃にドルは円相場で一時157円24銭付近に上昇していた影響があり、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円18銭付近の始値と、前東京終値よりも円安ドル高から始まった。
今朝8時50分には、10月30〜31日開催分の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合議事要旨が公開された影響もあり、当面の間の日米金利差の拡大が続く可能性についての市場予想が意識されていた一方で、今朝9時5分頃の今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.601%付近に上昇しており、債券利回りの日米金利差拡大による円売りドル買いが先行したほか、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要もあったため、今朝9時54〜55分にかけてドルは円相場で一時157円39銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、仲値決済後には国内輸出企業の円買いドル売りの抵抗も入り始めたことに続き、今朝の閣議後会見で日本政府の加藤勝信財務相の発言があり、「為替はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要」で、「行き過ぎた動きには適切に対応していく」と、為替介入警戒感を高める円安牽制をした影響があり、市場高値後のドルの利益確定売りと持ち高調整の円の買い戻しが入り始めたことではドルは円相場で上昇幅を縮小し始めた。
また、今日の東京株式市場では、今朝は一時上昇していた日経平均株価が、その後の利益確定や持ち高調整の影響もあって大幅に反落してマイナス圏で推移したため、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円に買い戻しが入り、午後14時53分頃に対ドル円相場は一時156円88銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
午後15時30分頃には、日経平均株価の3万9036円85銭の終値をつけ、前日比124円49銭安の大幅安で大引けしたが、一時は前日比で160円超安であった下落幅はやや縮小したこともあり、債券利回りを受けた日米金利差拡大と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の次回の追加利上げ見送り予想も優勢であったため、当面の間の日米金利差予想の影響もあり再び早期の利益確定と持ち高調整などでドルが買われた影響では、午後15時41分と43分と45分頃にはドルは円相場で一時157円14銭付近と、再び157円台に買い戻されていた。
金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来年2025年1月28〜29日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利維持の据え置き予想値が一時91.4%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えて優勢の推移を続けており、一方で次回の0.25%の米国小幅追加利下げ幅の市場予想値は一時8.6%付近と劣勢の推移を見せていた影響などもあり、米国長期金利が高止まりを見せていた。
それに対して、来年2025年1月23〜24日に開催予定の次回の日銀金融政策決定会合では、先日の植田和男総裁の来年の春闘のデータ待ちのハト派発言を受けた次回の日銀の追加利上げ見送り予想が優勢で、当面の間の日米金利差予想も為替相場に影響を与えていた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円13〜14銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の156円74銭付近の前東京終値比で約39銭の円安ドル高になった。
今夜はクリスマス・イブということで、キリスト教国の多い欧米のクリスマスムードが世界市場で高まる中、今夜の欧州市場ではすでに欧州ユーロ圏主要国のドイツと北欧のスウェーデンとノルウェーやスイス市場などが休場し、オーストラリアと香港とフランスや英国と米国などが一部短縮取引となり、クリスマス・ホリデーに向けた世界市場全体の流動性低下時の影響が見られるが、今夜の米国市場では最新米国経済指標の発表予定と米国債入札予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に12月の米国リッチモンド連邦準備銀行製造業指数と、25時30分に米国5年債の入札予定を控えている。
世界の債券市場や株式市場およびコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界政治と世界情勢などの最新ニュースなどの影響も注視されているが、欧米クリスマス・ホリデー・シーズンの本格化による世界市場の流動性の減少時には、小さなニュースでも平常時よりも増幅された荒い値動きが出やすくなる可能性があることなどには注意が必要である。
なお、明日のクリスマス当日に開いている世界三大市場は、英国ロンドン外国為替市場と米国ニューヨーク外国為替市場の休場につき、東京外国為替市場が主体となる予定である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円21〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の163円24銭付近と比べて約3銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、欧州市場がクリスマスイブの休暇時期になっており大市場であるドイツ市場が休場し、欧州ホリデー時期の市場参加者の減少により市場流動性が低下しており、欧州ユーロの現地実需がない中で、今日の日経平均株価の大幅安を受けたリスク回避のリスクオフでは低リスク通貨の円が買い戻された影響により、基軸通貨のドルに対しての円相場は日米金利差拡大時の円安ドル高の外貨影響の波及では小幅域になったものの、欧州ユーロに対しては円相場が前日比でやや上昇した小幅な円高ユーロ安の東京終値を迎えた。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0391〜1.0393ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0412ドル付近と比べると約0.21セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米国長期金利の上昇を受けた主要通貨に対するドル買いの影響は対円だけでなく、来年の米国利下げペース鈍化予想が燻る中で、来年も欧州追加利下げ予想が続いていた欧州ユーロに対しても、欧米金利差予想により欧州ユーロ安ドル高の影響を与えていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は196円85〜91銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円84銭付近と比べると約1〜7銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、対ドルの円安と対ユーロの小幅な円高の外貨波及があったものの、今日の英国市場は短縮市場とはいえ、週末やクリスマスも営業するイスラム圏の中東市場周辺やアラブ諸国などのオイルマネーも流入する世界最大規模の英国ロンドン市場では一部短縮市場ながらもまだ営業中で投資実需があったことに加えて、今夜は英国10年債の利回りが市場となる英国長期金利も上昇し、一時4.65%台の高利回りに向けていたことから、債券利回りを受けた日英金利差トレードの日英金利差拡大も為替相場に影響を及ぼす要因となったが、短縮市場であることでは英国ポンドの現地実需も限定的で主要取引通貨にはドルも使われるため、その後の今夜20時台後半には前東京終値比で横ばいレンジ付近や小幅な円高ポンド安への市場転換を見せる時間も観測された。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月24日の日本時間(JST)20時48分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時48分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。
通貨ペア | JST 20:48の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 157.13 〜 157.14 | +0.39 (円安) |
ユーロ/円 | 163.23 〜 163.28 | −0.01 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0394 〜 1.0395 | −0.0018 (ドル高) |
英ポンド/円 | 196.82 〜 196.88 | ±0.00 (レンジ) |
スイスフラン/円 | 174.43 〜 174.49 | −0.74 (円高) |
豪ドル/円 | 97.88 〜 97.92 | −0.05 (円高) |
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