FXニュース:日銀総裁経済連講演発言
2024年12月25日東西FXニュース – 2024年12月25日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利上昇後の入札
- 米主要株価三指数は続伸
- クリスマスの流動性低下
- 日経平均株価反落後反発
- 欧米市場休場時の円相場
今日2024年12月25日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円35銭付近から、円の高値でドルの安値の156円96銭付近の値幅約39銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円15〜16銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の157円13〜14銭付近の前東京終値比で約2銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後のクリスマスイブの英国ロンドン外国為替市場では、同時進行中の欧州市場でドイツやスイスなどが休場する市場流動性低下の中でクリスマス・ホリデーを控えた持ち高調整の影響が続き、来年1月からの第二次ドナルド・トランプ米国政権を控えた米国インフレへの警戒感の燻りも継続していたことでは、先日に来年の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB/ Federal Reserve Board) の高官達が米国追加利下げに慎重姿勢を示したことなどから次回のFOMCにおける米国金利据え置き予想が優勢で、米国政策金利の先高観を受けた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.6%台に向けて上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いの影響で、昨日の東京終値直後の昨夜17時1分頃のドルは円相場で一時157円18銭付近に再上昇していた。
昨夕のこの時間には、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールが、来年の2025年1月28〜29日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利維持の据え置き予想値を一時91.4%付近と、市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さの推移を継続しており、それに対して次回の0.25%の米国小幅追加利下げ幅の市場予想値は一時8.6%付近であった。
英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時157円13銭付近で、この時間の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.615%付近に上昇していたが、昨夜22時20分頃に一時4.612%付近とやや抵抗が混ざったことでは、昨夜22時24分頃にドルも円相場で一時157円9銭付近への抵抗が入ったが、米国長期金利の反発上昇と共に反発上昇し、昨夜23時台に米国長期金利が一時4.628%付近に上昇すると、昨夜23時55分にはドルも円相場で一時157円30銭付近に上昇していた。
米国市場では、深夜24時に最新米国経済指標の12月の米国リッチモンド連邦準備銀行製造業指数の発表があり、前回の−14から市場予想通りに−10と下げ幅を縮小したことでも、クリスマス時期のホリデームードの米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価三指数が続伸していたブル・マーケット (Bull market / 強気市場) の影響もあり、リスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られたほか、安全資産の米国債売りトレンドが継続したため、午前1時5分頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は一4.630%付近と今年の春以来の高利回りに上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響が続き、午前1時24〜25分頃にドルは円相場で一時157円38銭付近と、昨日の日本市場で記録した157円39銭付近の市場高値に迫ったが、クリスマスホリデーを控えた一部短縮市場では利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めたことでは、ドルは円相場で日本市場での高値を上抜けせずに上昇幅を縮め始めた。
米国ニューヨーク債券市場では、午前1時30分に米国5年債の入札があり、他の年度の米国債にも安値圏からの入札買いの影響が波及したことでは、債券価格上昇に伴う利回り低下の影響により、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も反落し、入札時間に一時4.615%付近に低下したことに続き、米国債券市場などの一部市場が短縮営業であったことから終盤の最終買いの影響もあって、午前3時55分頃には一時4.589%付近と、4.6%台割れの4.5%台にまで急落し、米国債券市場の短縮営業につき戻すことなく4.589%付近で取引を終えたことも、ドルの利益確定売りと持ち高調整に影響を与え、市場終盤の午前6時34分頃にはドルは円相場で一時157円2銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国長期金利低下後の金利警戒感緩和により、米国主要株価三指数は続伸を続け、金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅高の終値に向け、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も前日比で小幅高の終値で、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も前日比で大幅高の終値に向けるなど、株式市場のリスク選好のリスクオンの影響では、株式市場終盤の午前4時7分頃にドルは円相場で一時157円38銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を再記録した時間もあったのであるが、米国長期金利低下時のドルの利益確定売りと持ち高調整の影響では再び日本市場の高値を上抜けせずに二度目の反落を見せたことでは、テクニカル分析的なダブルトップ (Double top) の毛抜き天井の売りサインが市場終盤の利益確定売りと持ち高調整を進めたことで、前述の午前6時34分頃の一時157円2銭付近のドルの市場安値を記録したが、市場終盤には市場高値後の低リスク通貨の円の利益確定売りと持ち高調整のドルの買い戻しも入り、ドルは円相場で再び反発して小幅な円安ドル高に向けた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の157円38銭付近から、円の高値でドルの安値の157円2銭付近の値幅約36銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は157円19銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円17銭付近と比較すると約2銭の小幅な円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では今日がクリスマスということで、欧米市場だけでなく、オセアニアのニュージーランドやオーストラリアとアジアのシンガポールとインドと香港と韓国なども現地の祝日で休場であったため、世界市場全体の流動性が低下し、世界三大市場の英国ロンドン外国為替市場と米国ニューヨーク外国為替市場も休場予定の中、日本の東京外国為替市場は平日営業であるため、円実需のある日本市場主体の取引日となった。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円6銭付近の始値であったが、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては日本企業や国内金融機関の円売りドル買い注文の影響があったため、世界市場全体の市場流動性減少の中で円相場の値動きが増幅されやすかったことから、午前9時54分頃に対ドル円相場は一時157円32銭付近とドルが円相場で上昇した。
しかし、今日の東京株式市場では、今朝早朝までに日本企業の主要取引先である米国の主要株価三指数が続伸した影響では、早朝には日経平均株価が一時上昇した前日比のプラス圏から始まったのであるが、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁が経済連で講演する要人発言イベント予定が時間未定で入っていたため、国内金利関係の発言への警戒感などのイベントリスク回避の早期の利益確定や持ち高調整が入り始めたことから日経平均株価が反落を始め、今朝9時55分頃の仲値決済の頃とほぼ同時にマイナス圏の底値をつけた影響もあり、仲値決済後の輸入企業の円買いドル売りと共に、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買い戻されたため対ドルの円相場は反発し、昼の13時9分頃には一時156円96銭付近と 日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
その後の昼下がりの13時台には、日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁の「2%物価目標の実現とわが国経済」という題の日本経済団体連合会審議員会での講演原稿が一般公開され、賃金上昇を伴う2%のインフレ目標と今後の日銀の金融政策運営に関連した2つのポイントを挙げ、第1のポイントは、「日本銀行は、2%目標の持続的・安定的な実現に向けた移行期にあたる現時点においては、景気・物価に中立的となる中立金利よりも政策金利を低くすることにより緩和的な金融環境を維持し、経済をしっかりとサポートしていく」ことで、デフレ・低インフレ環境に逆戻りすることを回避する意向であったことでは、先日に来年の春闘の賃上げデータ待ちの慎重なハト派寄りの姿勢を見せていたことに続き、次回1月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ見送り予想が高まると、同月の次回の米国金利据え置き予想の影響と相まって日米金利差予想の円売りドル買いの一因となり、午後14時13〜17分頃と14時32分と14時57〜58分頃にかけてドルは円相場で反発上昇し一時157円35銭付近と、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、同講演で植田和男日銀総裁は第2のポイントとして、「経済・物価情勢の改善が続いていくのであれば、それに応じて、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが必要になる」と、今後の日銀の追加利上げ方向を維持する発言もしていたことでは円の買い戻しが入ったが、来年の米国政権の不確実性や春闘結果とインフレデータなどを含めていずれも今後のデータ次第ではあったことでは以前に話していた内容に近く新規材料に欠けることでは為替相場への値動きへの影響は限定的であったが、夕方からの欧州英国市場がクリスマス休場で、世界市場全体の流動性が減少していた中では、日本市場での少しの値動きでも値幅が増幅されたため、円の買い戻しの影響では円相場も反発し、夕方の16時51分頃には対ドル円相場は一時156円96銭付近と、今日の日本市場での円の高値でドルの安値を再記録していた。
ただし、今朝の反落後に一時は前日比のマイナス圏で推移していた今日の日経平均株価が午後には植田和男日銀総裁の第1のポイントを受けて反発してプラス圏に向けており、午後15時30分には日経平均株価は3万9130円43銭の終値をつけ、前日比93円58銭高のプラス圏で大引けしたことでは、日本市場終盤には低リスク通貨の円売りの影響もあり、ドル円は再び157円台前半に戻していた。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円15〜16銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の157円13〜14銭付近の前東京終値比では約2銭の小幅な円安ドル高になった。
今夜この後の欧州英国市場と米国市場はクリスマスの祝日休場で、他にも北米カナダや南米メキシコやブラジルも休場し、南アフリカなども休場であるため、中東バーレーン市場などの一部の市場は開いているものの市場流動性が減少しており、世界政治と世界情勢などの最新ニュースなどの影響は注視されるものの、世界市場は全体的に休場が多いため、今夜は重要な最新経済指標の発表は特に予定されていない。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円46〜51銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の163円21〜22銭付近と比べて約25銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今日の欧州市場はクリスマス休暇で欧州ユーロの現地実需は少ないものの、今日の日本市場で次回の日銀金融政策決定会合での追加利上げ見送り予想が優勢さを保ち、日経平均株価もプラス圏で大引けしたことから低リスク通貨の円が売られた影響や、米国長期金利が反落して終えたことや米国主要株価三指数上昇によるリスク選好のリスクオンのユーロ買いドル売りなどの影響があった。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0401〜1.0405ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0391〜1.0393ドル付近と比べると約0.10セントのユーロ高ドル安であった。
また、欧州ユーロ同様にリスクオンの影響を受けやすい英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は197円6〜12銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円85〜91銭付近と比べると約21銭の円安ポンド高であった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月25日の日本時間(JST)17時0分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の8時0分頃) 設定の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっているが、今日はクリスマスのため、東京終値後にはチャート休止のため東京終値時までである。
通貨ペア | JST 17:00の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 157.15 〜 157.16 | +0.02 (円安) |
ユーロ/円 | 163.46 〜 163.51 | +0.25 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0401 〜 1.0405 | +0.0010 (ドル安) |
英ポンド/円 | 197.06 〜 197.12 | +0.21 (円安) |
スイスフラン/円 | 174.61 〜 174.67 | +0.16 (円安) |
豪ドル/円 | 98.13 〜 98.17/td> | +0.13 (円安) |
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