FXニュース:年末年始控え流動性低下

2024年12月31日
今日2024年12月31日火曜日の日本の東京外国為替市場は大晦日で休場であったが市場相当時間の世界市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円5銭付近から、円の高値でドルの安値の156円7銭付近の値幅約98銭で、...

 

東西FXニュース – 2024年12月31日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利急落4.5%台
  • 欧米株価下落リスクオフ
  • 米シカゴ購買部PMI悪化
  • 安全資産米国債と円買い
  • 英長期金利も大幅に反落

今日2024年12月31日火曜日の日本の東京外国為替市場は大晦日で休場であったが市場相当時間の世界市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円5銭付近から、円の高値でドルの安値の156円7銭付近の値幅約98銭で、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は156円22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円89〜91銭付近の前東京終値比で約1円67銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、年末を控えた市場流動性低下で値動きが増幅されやすい中でポジション調整が進み、欧州株式市場が利益確定や持ち高調整の株売りで軟調になる中で、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債買いによるリスク回避のリスクオフ (Risk-off) が起き、米国債券価格上昇に伴う利回り低下で昨夜19時40分頃に一時4.604%付近と4.6%台だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜21時45分頃に一時4.587%付近と4.5%台に低下し、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の海外市場をターゲットとした為替介入警戒感の燻りと共に続き、昨夜21時49分頃には対ドル円相場は一時157円49銭付近と、前東京終値比の円高ドル安市場に転じていた。

欧州英国市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時157円56銭付近で、現地実需のドルの買い戻しや世界最大規模の英国ロンドン市場の午前1時のロンドン・フィキシングに向けたドル買いが入った影響では、昨夜22時24分頃の一時157円65銭付近への一時反発が昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値となったが、債券市場で米国長期金利の急落が続いていたことでは再び反落した。

米国市場では、昨夜23時45分に最新米国経済指標の12月の米国シカゴ購買部協会景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) の発表があり、前回の40.2と市場予想の42.8を下回る36.9に下振れし、好不況と不景気を分ける景気ボーダーラインの50を大幅に下回り続けたほか、個別項目で新規受注や生産の悪化し、今年5月以来の低水準を記録したことから米国景気減速懸念でも安全資産の米国債買いが続き、昨夜22時頃に一時4.582%付近だった米国長期金利は、深夜24時頃には一時4.549%付近に急落していた。

深夜24時に発表された11月の米国住宅販売保留指数は、前月比は前回の2.0%が前回1.8%に下方修正されたものの、市場予想の0.8%を上回る2.2%に上昇したことでは、米国長期金利が一時4.550%付近に小反発したものの、前年同月比が前回の6.6%と前回下方修正の6.5%と市場予想の7.9%を下回る5.6%に下振れしたことでは、米国景気減速懸念の安全資産の米国債買いが再開した。

米国ニューヨーク株式市場でも、年末年始の冬休みのホリデー時期を控えた利益確定やポジション調整の株売りの影響が続いており、米国景気減速懸念を受けて持ち高調整の株売りが勢いを増し、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が深夜24時30分頃に一時前日比で717ドル46セント安の大幅下落を見せて大幅続落に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も同じ頃に急落してマイナス圏の推移を続け、米国主要株価三指数が揃って続落に向けたことでも、米国主要株価三指数下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債が買われていたため、深夜24時25分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.544%付近と大幅な急落を見せており、債券利回りを受けた金利差売買の日米金利差縮小時の円買いドル売りに加えて、低リスク通貨の円買いの影響で対ドルの円相場は157円台から156円台と大幅に上昇し、深夜24時31分頃に一時156円67銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

深夜24時30分頃に底値をつけた米国主要株価三指数が反発を始めたほか、同時進行していた世界最大規模の英国ロンドン市場で午前1時のロンドン・フィキシングの主要取引通貨であるドル需要のドル買いが入ったことでは午前1時3分頃にドルは円相場で反発して一時157円35銭付近に買い戻されていたが、 ロンドン・フィキシング後には再び売られ、年末を控えたホリデー時期の米株売り後の買い戻しは鈍く、米国主要株価三指数は前日比でマイナス圏の推移を続けたまま続落の終値に向けていたため、米国ニューヨーク債券市場で安全資産の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の反発域は午前2時30分頃の一時4.560%付近に留まり、米国長期金利低下時の債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りと欧米株安リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響は続き、対ドル円相場は反発後には再び156円台後半へと反落した。

また、米国主要株価三指数が揃って前日比で続落の終値をつけて引けたことに加えて、昨日の日本市場での今年最終取引の大納会を終えた後の時間外のナイト・セッションの日経平均株価先物も大幅に下落していたことも、低リスク通貨の円買いに影響を及ぼしていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国冬時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の157円65銭付近から、円の高値でドルの安値の156円67銭付近の値幅約1円20銭で、朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は156円84銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円87銭付近と比較すると約1円3銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場ではニュージーランド市場が休場し、世界市場全体の流動性の低下が続く中でも、オーストラリア市場や香港以外のアジア市場は開場し、来年2025年1月28〜29日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の金利据え置き予想値が今日の時点でも市場確定値超えの88.8%付近の優勢な推移を続けていることに対し、来年2025年1月23〜24日に開催予定の次回の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では日銀の追加利上げ予想は後退しており、日米共に次回の金利据え置き予想が優勢だったことからは、当面の間の日米金利差が拡大した状態が継続する可能性を意識した円売りドル買いの影響もやや燻っていたことでは、今朝8時17分頃にはドルは円相場で一時157円7銭付近に買い戻されていたため、今日の東京市場は大晦日で休場ではあったが、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場相当時間の世界FX市場での対ドル円相場は一時157円1銭付近の始値で、今朝9時1分頃には一時157円5銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今朝早朝の日経平均株価先物の下落だけでなく、今日のオーストラリアや韓国などの株式市場も軟調になったことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円買い需要があり、ドルや主要通貨に対して円相場が上昇した。

また、今日のアジア市場では、中国人民銀行 (PBC / People’s Bank of China) が人民元取引の基準値を市場予想よりも元高ドル安に設定したことも、外貨に対するドル安の円相場への波及として影響を及ぼしていた。

夕方からの欧州市場の参入では、主要国ドイツとスイスと北欧スウェーデンが休場で市場流動性低下は続いたものの、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債買いが再開すると、今朝7時頃には一時4.543%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、夕方からの欧州市場参入後の午後16時25分頃には一時4.517%付近と更なる急落を見せたため、米国長期金利低下の債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが再開し、日本市場休場時の市場流動性の低下による増幅された値動きにより対ドルの円相場が急進し、午後16時39分頃にドルは円相場で一時156円7銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は156円22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の157円89〜91銭付近の前東京終値比では約1円67銭の大幅な円高ドル安になった。

なお、今夜17時頃から始まった英国ロンドン外国為替市場時間にも、金利先物市場のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来年の2025年1月28〜29日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値が一時88.8%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さを継続しており、それに対して次回の0.25%の米国小幅追加利下げの市場予想値は一時11.2%付近の推移を続けており、来年1月の第二次ドナルド・トランプ米国政権を前にした不確実性への警戒感なども市場に影響を与えていたことでは、今夜17時25分頃にはドルは円相場で一時156円2銭付近と日本市場相当時間の安値を更新したが、その後にはドルの買い戻しが入り始めた。

米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も、今夜18時10分頃に記録した一時4.511%付近まで下げた後には、米国債券価格上昇後の利益確定や持ち高調整の米国債売りの影響もあり反発を始めたことでは、今夜19時20分頃に米国長期金利は一時4.526%付近へと下げ幅を縮め、今夜19時25分頃の英国ロンドン外国為替市場ではドルは円相場で一時156円97銭付近に買い戻され、大幅な下げ幅をやや縮小した時間も観測された。

しかし、今年2024年の対ドル円相場の年間の値動きレンジは、1月の一時140円84銭付近から始値まり、7月に一時161円95銭付近まで大幅な円安ドル高が進行後、9月には為替介入の影響などで一時139円58銭付近に一時急落したもののなど、12月には一時158円9銭付近の高値圏まで反発上昇するなど、年間を通しては円安ドル高が進行した年であったため、年末を控えた持ち高調整ではロングポジションの円売りドル買いポジションを解消しやすかったことや、年末年始の日本市場休場時の為替介入警戒感も燻っていたことでは、今日の日本市場相当時間の円相場は主要通貨に対して前日比で円高に傾いていた。

今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーの予定は、今夜23時に10月の米国住宅価格指数と10月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数の発表を控えている。

今夜は年末年始を控えた市場流動性の低下により、平常時よりも値幅が増幅されやすい世界市場であるため、世界の債券市場や株式市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や世界政治と世界情勢などの最新ニュースなどの影響には注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円66銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の164円69〜70銭付近と比べて約2円3銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、年末を控えた持ち高調整や利益確定の株売りが進み、米国主要株価三指数や日経平均先物などの下落を受けたリスク回避のリスクオフ市場では、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドに対して低リスク通貨の円や世界的に流動性が高いドルが買われやすかった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0407ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0427〜1.0428ドル付近と比べると約0.20セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は196円15〜21銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の198円56〜62銭付近と比べると約2円41銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、米国債買いによる米国長期金利急落の影響が英国債買いによる英国長期金利急落へと波及し、昨夜は一時4.693%台に上昇した英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利も急落し、今夜は一時4.596%台に向けた大幅な低下を見せたことから、日英金利差縮小時の円買いポンド売りに加えて、欧州ユーロ同様にリスク回避のリスクオフ市場では英国ポンドが低リスク通貨の円に対して売られやすかったことからより大幅安になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年12月31日の日本時間(JST)20時49分(チャート画像の時間帯は、10月最終日曜日に英国夏時間が終了し、来年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) になった英国ロンドン外国為替市場の英国冬時間 (GMT / JST-9) の11時49分頃) 設定の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場も11月の第1日曜日から来年3月の第2日曜日は米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、2024年11月3日に米国サマータイム (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) の米国夏時間も終了し、現在の世界市場では欧州市場と英国市場と共に米国市場も冬時間で日本との標準時差となっている。

通貨ペア JST 20:49の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.74 〜 156.75 −1.15 (円高)
ユーロ/円 163.18 〜 163.19 −1.51 (円高)
ユーロ/ドル 1.0407 〜 1.0409 −0.0020 (ドル高)
英ポンド/円 196.51 〜 196.57 −2.05 (円高)
スイスフラン/円 173.20 〜 173.26 −1.93 (円高)
豪ドル/円 97.33 〜 97.37 −1.11 (円高)

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