FXニュース:22年以来ユーロ安ドル高
2025年1月03日東西FXニュース – 2025年01月03日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米失業保険申請件数減少
- 米製造業PMIも上方修正
- 20日のトランプ米政権
- 年始市場流動性低下続く
- 米ISM製造業景況を控え
今日2025年1月3日金曜日の日本の東京外国為替市場も正月三が日で休場だったが、世界FX市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円46銭付近から、円の高値でドルの安値の157円4銭付近の値幅約42銭で、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は157円13〜15銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の156円66〜67銭付近と比べると約47銭の円安ドル高であった。
ただし、昨日も日本市場は休場であったことから、日本市場の前営業日同時刻にあたる2024年12月30日の夜17時の157円89〜91銭付近の前東京終値比では約76銭の円高ドル安となる。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の東京市場は休場であったが、世界FX市場の日本市場相当時間の欧州市場では、ロシア国営の天然ガス生産供給会社のガスプロムが欧州向けのウクライナ経由のロシア産天然ガスの供給を停止したニュースを受けて、欧州ユーロ圏のエネルギー安全保障懸念が高まり、世界的な安全資産の米国債が買われたことから、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りや低リスク通貨の円買いの影響で、夕方の16時45分頃に対ドル円相場は一時156円43銭付近と、昨日の日通しの円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、その後の昨夜17時頃からの英国ロンドン外国為替市場では、年明けのロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル買いフロー (Flow / 流れ) が観測され始めたことなどでは、昨夜17時25分頃に一時156円46銭付近からドルは円相場で反発を始め、昨夜20時46〜47分頃にはドルは円相場で一時157円29銭付近と157円台に上昇していたため、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時157円8銭付近の始値であった。
ただし、世界的な安全資産である米国債買いの影響による米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の低下はまだ続いており、昨夜22時25分頃に一時4.518%付近にまで低下していたことでは、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの円買いドル売りの抵抗も入ったことでは、昨夜22時26分頃にドルは円相場で一時156円82銭付近に反落したが、昨夜22時30分に発表された米国雇用関連の最新経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の21.9万件と前回修正の22.0万件と市場予想の22.2万件に対し21.1万件に減少し、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の191.0万人と前回修正の189.6万人と市場予想の189.0万人よりも強い184.4万人に改善されており、堅調な米国経済指標を受けたドルは円相場で昨夜22時33分頃に一時157円24銭付近に再び上昇し、低下後の米国長期金利も反発を始めたものの、まだ一時4.551%付近だった昨夜23時34分頃には157円台からの利益確定売りや持ち高調整の抵抗も混じり、ドルは円相場で一時156円64銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録していた。
続いて、昨夜23時45分に発表された米国景気関連の最新経済指標の12月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) 改定値も、前回と市場予想の48.3を上回る49.4に上方修正され、米国市場における堅調な米国経済指標を受けた安全資産の米国債の債券価格上昇後の利益確定売りの影響では、米国長期金利が反発後の上昇を続けたため、午前1時のロンドン・フィキシングのドル買いフローに乗って円相場で上昇し、午前2時20分頃に米国ニューヨーク債券市場で米国長期金利が一時4.601%付近と4.6%台に乗せたことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大による円売りドル買いと、今年1月20日から始まる第二次ドナルド・トランプ米国政権の米国関税強化案や財政案などによる米国政策金利の先高観による日米金利差予想の影響もあり、午前2時26分頃にドルは円相場で一時157円85銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
なお、午前1時の年始のロンドン・フィキシングのドル買いフローの影響では、ユーロドルもテクニカル分析的なサポートラインが意識されていた昨年2024年11月22日の一時1.0335ドル付近のユーロの安値圏を下抜け、一時1.0226ドル付近と2022年11月以来のおよそ2年2カ月ぶりのユーロ安ドル高を記録したほか、主要通貨全般に対するドルインデックス (ドル指数 / U.S. Dollar Index) も一時109.53と、2022年11月以来の高値を記録しており、外貨に対するドル高も対ドル円相場に波及していた。
一方、米国長期金利が一時4.6%台に上昇したことから金利警戒感が燻った米国ニューヨーク株式市場では、年始の株の買い戻しで開場時には一時は揃ってプラス圏から始まっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って反落してマイナス圏に転じたため、米国主要株価三指数反落時の株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債の買い戻しや低リスク通貨の円買いが入り始めことでは、米国ニューヨーク債券市場でも午前6時頃の一時4.563%付近に向けて米国長期金利が上昇幅を縮小し始めたため、ドルも円相場で上昇幅を縮小した。
米国政策金利の先高観の影響では、今年2025年1月28〜29日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の金利据え置き予想値が今日の時点でも市場確定値超えの88.8%付近の優勢のままであることに対し、今年2025年1月23〜24日開催予定の次回の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では日銀の追加利上げ予想が後退しており、日米共に次回の金利据え置き予想が優勢であるため、当面の間の日米金利差が拡大した状態が続く可能性を意識した日米金利差拡大予想も優勢であった。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円64銭付近から、円の安値でドルの高値の157円85銭付近の値幅約1円21銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は157円50銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円10〜17銭付近と比較すると約33〜40銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、年始につき世界市場全体の流動性の低下による増幅されやすい荒い値動きが続いており、今朝8時36〜37分頃に一時157円57銭付近に買われたドルには早期の利益確定や持ち高調整が入り、ドルは円相場で一時157円35銭付近に反落したため、昨日に続き本日も東京市場は正月三が日で休場であったが、時間帯が重なる世界FX市場や海外FXでは通常通りの取引が可能であったため、今朝9時頃の今日の東京外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時157円36銭付近であった。
日本市場の休場中には為替介入への警戒感が燻りやすいため、急な値動きにはやや慎重な様子見が入り始めたことではやや横ばいに近い値動きを見せている時間も観測されていたが、ドルの買い戻しも入り始めたことでは、昼の12時50分頃に対ドル円相場は一時157円46銭付近と今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
また、今日のニュースの話題では、今月2025年1月20日から米国大統領に復帰予定のドナルド・トランプ次期大統領が、ソーシャルメディアのX (エックス / 旧ツイッター) に投稿したツイートなどで、「関税は、アメリカを再び豊かにするだろう」などの呟きを見せており、米国関税強化案による米国インフレ再燃警戒感によるドル買いも入っていた。
しかし、今日の夕方からの欧州市場の参入では、前日に続き、世界的な安全資産の米国債買いから始まったことや、今朝未明にユーロドルが2022年以来のユーロ安ドル高を記録後であったほか、主要通貨全般に対するドルインデックスも2022年以来の高値を記録後であったため、持ち高調整では主要通貨に対するドルの利益確定売りが一時先行し、ドルは円相場で午後16時10分頃に一時157円4銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、今夜17時頃からは英国ロンドン外国為替市場が参入し、今夜のロンドン・フィキシングでも主要取引通貨のドル需要があることでは、ドルは円相場で反発したため、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は157円13〜15銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻の昨夜17時の156円66〜67銭付近と比べると約47銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では最新米国重要経済指標の発表予定や米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に12月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会 / 全米供給管理協会) 製造業景況指数の発表と、25時頃から米国リッチモンド連邦準備銀行のトーマス・バーキン総裁の発言予定を控えている。
昨日に続き、年始の世界市場全体の市場流動性の低下により、値幅が増幅されやすい取引時間があるほか、世界の債券市場や株式市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、政治と世界情勢などの最新ニュースなどの影響もFXトレーダー達に注視されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は161円61〜62銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の162円34〜35銭付近と比べて約73銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、前日に続き、ロシア産天然ガス供給停止による欧州エネルギー懸念のリスク回避のリスクオフで欧州ユーロが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルや低リスク通貨の円に対して売られやすく、今朝未明にも大幅なユーロ安が進行した影響が見られた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0284〜1.0285ドル付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0361〜1.0363ドル付近と比べると約0.77セントのユーロ安ドル高であった。
なお、今夜その後の欧州市場では、17時55分に欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標が発表され、12月の独失業者数の前月比は前回の0.70万人と前回修正の0.60万人と市場予想の1.50万人に対し1.00万人と、市場予想ほどではないものの前回よりも軟化したが、欧州ユーロ圏は域内の国境を超えた労働者の自由移動が認められているため、12月の独失業率は市場予想の6.2%に対し前回と横ばいの6.1%であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値相当時間は194円86〜92銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円26〜32銭付近と比べると約1円40銭の大幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、今日の夕方18時30分に発表されていた最新英国経済指標の12月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値が、前回と市場予想の47.3を下回る47.0に下方修正されたことから英国ポンドが反落を始めていたことに加えて、欧州エネルギー懸念のリスク回避のリスクオフでは欧州連合 (EU / European Union) 離脱後も経済圏が近い英国ポンドも欧州ユーロ同様に低リスク通貨の円に対して売られやすかった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月3日の日本時間(JST)20時19分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時19分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。
通貨ペア | JST 20:19の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 157.34 〜 157.35 | −0.55 (円高) |
ユーロ/円 | 161.93 〜 161.95 | −2.76 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0290 〜 1.0292 | −0.0137 (ドル高) |
英ポンド/円 | 195.17 〜 195.23 | −3.39 (円高) |
スイスフラン/円 | 172.97 〜 173.03 | −2.16 (円高) |
豪ドル/円 | 97.66 〜 97.70 | −0.60 (円高) |
※ 日本市場の連休につき前営業日は2024年12月30日
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