FXニュース:日本政府の円安牽制発言

2025年1月07日
今日2025年1月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の158円42銭付近から、円の高値でドルの安値の157円46銭付近の値幅約96銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円52〜53銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年01月07日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRB理事の発言の影響
  • 米トランプ報道後に否定
  • 米長期金利反落後の反発
  • 日経平均株価が大幅上昇

今日2025年1月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の158円42銭付近から、円の高値でドルの安値の157円46銭付近の値幅約96銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円52〜53銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円66〜67銭付近の前東京終値と比べると約14銭の円高ドル安であった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、円安ドル高への市場反転も見せている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の東京外国為替市場終了後の昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜17時25分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.642%付近に上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響などで昨夜20時7分頃にドルは円相場で一時157円96銭付近に上昇していたが、昨夜20時10分頃に米国ワシントンポスト紙 (The Washington Post) が「ドナルド・トランプ次期米国大統領が、重要な輸入品に一律の関税導入を検討している」と報道したニュースが話題になり、トランプ関税案が一部輸入品限定になる場合は米国インフレ圧が限定的になり米国政策金利の先高観が緩和されることからドルの利益確定売りや持ち高調整が入り、ドル急反落を受けて世界的な安全資産の米国債買いの影響で米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も低下し、米国長期金利が昨夜21時45分頃に一時4.585%付近に急落したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードのドル売りが勢いを増し、年始の世界市場全体の流動性の低下による増幅されやすい荒い値動きが続く中で増幅し、昨夜21時48分頃にドルは円相場で一時156円62銭付近へと大幅な反落を見せていた。

また、先週に2022年以来のユーロ安ドル高を記録後で、先週には主要通貨全般に対するドルインデックス (ドル指数 / U.S. Dollar Index) も2022年以来の高値を記録した後であったことから、ドルの利益確定売りや持ち高調整なども入りやすかった。

その影響から、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円79銭付近の始値で、昨夜22時28分頃にドルは円相場で一時156円24銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜のニュースでは、先日に米国のジョー・バイデン大統領が日本製鉄 (日鉄 / Nippon Steel Corporation) によるUSスチール (U.S. Steel) の買収案禁止を命じたニュースに対し、日本製鉄がUSスチール買収について不当な米国政府の介入があったとしてジョー・バイデン米国大統領達を提訴したと発表し、買収中止命令を無効にして再審査を求めたニュースも話題となり、米国鉄鋼会社クリーブランド・クリフス社の最高経営責任者(CEO)と全米鉄鋼労働組合(USW)会長も買収妨害行為で訴えたことなどから、149億円規模のドルが円から買われる可能性による市場予想が後退後に再びやや燻り始め、安値からのドルの買い戻しが入り始めていた。

また、昨夜23時15分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のリサ・クック理事の発言が始まると、堅調な米国経済を背景に米国インフレが従来の予想よりも上振れするリスクへの警戒感を示し、米国追加利下げに慎重になる可能性があると、米国ミシガン大学ロースクールの講演で語り、「米国労働市場はやや耐性を高めており、米国インフレは当時の私の想定よりも根強い。更なる追加利下げはより慎重に進めることができると考えている」ことや、「時間の経過と共に、米国政策金利をより中立的なスタンスに近づけることが適切になる可能性が高いとみている」と言及し、「緩和政策の初期段階にはより迅速に行動し、その後は政策金利が中立に近づくにつれて、より緩やかに緩和していくことを想定していた」としており、米国追加利下げペースがより穏やかになる可能性から、米国政策金利の先高観が再び高まり始めたことも、米国長期金利の反発上昇と主要通貨に対するドルの買い戻しに影響を与えた。

さらに、昨夜23時台にはドナルド・トランプ次期米国大統領が、「ワシントン・ポスト紙の記事は正確ではない」と否定し、「自分の米国関税強化案を後退させることはしない」と発言したことから、ドルの買い戻しが勢いを増し、昨夜23時42分頃にはドルは円相場で一時157円42銭付近に上昇した。

ただし、昨夜23時45分には最新米国経済指標の発表があり、12月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) の改定値は、前回と市場予想の58.5を下回る56.8に下方修正されたほか、12月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回の56.6に対し55.4に下方修正されたことを受けては、ドルの買い戻しに一時抵抗を交えたが、好景気と不景気を分けるボーダーライン (Borderline / 境界線) の50を上回る好景気寄りの景気指標であったことでは、抵抗は限定的なものとなった。

深夜24時25分頃の米国ニューヨーク債券市場では、反発後の米国長期金利が一時4.643%付近と大幅に上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の金利差トレードの低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いが続き、午前3時の米国3年債入札後にも米国長期金利が高利回りになったことなどから、午前3時4分と3時8〜10分頃にドルは円相場で一時157円67銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中でも特に金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が年始の新規ポジション形成による上昇後に米国長期金利の上昇を受けた反落を始めたことでは、市場高値後のドルには利益確定売りや低リスク通貨の円買いなどの持ち高調整の抵抗が混じり始めたが、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は揃ってプラス圏の堅調な推移を見せて前日比で高値の終値に向け、ナズダックは大幅安で引けたことでは、安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買い抵抗は限られた。

今朝早朝のニューヨーク終値の頃の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、一時4.623%付近と4.6%台であった。

今日の時点でも、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今月の2025年1月28〜29日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値が一時93.1%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さの推移を続けており、それに対する次回の0.25%の米国小幅追加利下げ幅の市場予想値は一時6.9%付近に留まっている。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円24銭付近から、円の安値でドルの高値の157円67銭付近の値幅約1円43銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は157円62銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円26銭付近と比較すると約36銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円74銭付近の始値で、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入ったほか、年始のNISA (ニーサ / 少額投資非課税制度) 利用の外国株投資信託などでも円売りドル買いが入り、先述の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のリサ・クック理事のタカ派発言やトランプ報道否定により米国政策金利の先高観が再燃したドル買いの影響も相まった一方で、今日の東京株式市場では日経平均株価が反発上昇し、プラス圏の大幅高に向け始めたことなどから日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りも入ったため、今朝10時36〜37分頃にドルは円相場で一時158円42銭付近と、158円台の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、円安進行を受けては、日本政府の加藤勝信財務相が午前中の閣議後記者会見で、「投機的な動向も含め、為替市場の動向を憂慮している。行き過ぎた動きに対しては、適切な対応を取りたい」と円安牽制発言をしたことでは、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) による為替介入への警戒感が高まり、市場高値後のドルの利益確定売りと持ち高調整の円の買い戻しが強まったことでは、ドルは円相場で反落を始めた。

日本市場時間の時間外の米国債券取引で、世界的な安全資産の米国債の買い戻しも入ったことでは、午後15時8〜19分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.609%付近にまで低下した影響もあり、夕方からの欧州市場でも円買いドル売りが先行したため、夕方の16時59分頃にはドルは円相場で一時157円46銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの高値を記録し、前東京終値比では小幅な円高ドル安に市場反転を見せていた。

ただし、今日の午後15時30分には、日経平均株価が4万83円30銭の終値をつけ、前日比776円25銭高の大幅高で大引けしたことでは、欧州ユーロや英国ポンドなどに対してはリスク選好のリスクオンによる円売り欧州ユーロ買いや英国ポンドの買い戻しが入っていたことはやや抵抗となり、ドルも円相場で157円台に留まる底堅さも見せていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円52〜53銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の157円66〜67銭付近の前東京終値比では約14銭の円高ドル安になった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国政策金利の先高観もあり、一時低下後の米国長期金利が反発上昇を始めたため、今夜18時頃にドルは円相場で一時157円37銭付近に売られた後には反発して下げ幅を縮小しており、今夜19時台には米国長期金利は一時4.649%付近に上昇しているため、今夜20時台の英国ロンドン外国為替市場では、前東京終値比で円安ドル高への市場反転も見せている。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表と米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に11月の米国貿易収支と、深夜24時に11月の米国雇用動態調査(JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、米国重要経済指標の12月の米国サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management) 非製造業景況指数の発表と、27時に米国10年債の入札などを控えている。

まだ年始の世界市場全体の市場流動性の低下がやや続いていることなどから、値幅が増幅されやすい取引時間があるほか、世界の債券市場や株式市場とコモディティ市場などの為替相場への影響に加えて、世界の政治や世界情勢などの最新ニュースなどの影響もFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円82〜84銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の164円6〜8銭付近と比べると約1円24銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、日経平均株価が大幅高の終値をつけたことなどでは、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでは、欧州ユーロや英国ポンドなどが買われやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値相当時間は197円70〜76銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の196円33〜39銭付近と比べると約1円37銭の大幅な円安ポンド高であった。

なお、今夜その後の18時30分には最新英国経済指標の12月の英国建設業購買担当者景気指数 (PMI) が発表されたが、前回の55.2と市場予想の54.4を下回る53.3であったものの、景気ボーダーラインでは50以上の好景気寄りの景気指標であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0414〜1.0416ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0326〜1.0328ドル付近と比べると約0.88セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、ドルに対しては日本政府と日銀の円買いドル売りの為替介入警戒感があった一方で、対円などで欧州ユーロが買われやすかったことなどが影響を及ぼした。

また、最新欧州経済指標の影響もあり、今日の午後16時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの12月の仏消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) 速報値の前月比が前回マイナス圏だった−0.1%から0.2%とプラス圏に上昇しており、市場予想の0.3%は下回ったものの、プラス方向の欧州インフレ圧がやや意識されたことも欧州ユーロの買い戻しに繋がった。

今夜19時には欧州ユーロ圏総合の最新重要インフレ指標の12月の欧州消費者物価指数 (HICP / 英語:Harmonised Index of Consumer Prices / 米語:Harmonized Index of Consumer Prices) の速報値も発表され、前年同月比は前回の2.2%に対し市場予想通りの2.4%に上昇した。ただし、欧州HICPコア指数の前年同月比では前回と市場予想一致の2.7%の横ばいであった。同時刻には11月の欧州失業率も発表されたが、前回と市場予想通りの6.3%であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月7日の日本時間(JST)20時29分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時29分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:29の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 157.80 〜 157.81 +0.14 (円安)
ユーロ/円 164.27 〜 164.28 +1.45 (円安)
ユーロ/ドル 1.0408 〜 1.0410 +0.0082 (ドル安)
英ポンド/円 197.85 〜 197.91 +1.52 (円安)
スイスフラン/円 174.09 〜 174.15 +0.51 (円安)
豪ドル/円 99.06 〜 99.10 +0.86 (円安)

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