FXニュース:ADP全米雇用報告下振れ

2025年1月09日
今日2025年1月9日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の158円33銭付近から、円の高値でドルの安値の157円76銭付近の値幅約57銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円20〜22銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年01月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利上昇4.72%台
  • 米FRBウォラー理事発言
  • 米FOMCインフレ警戒感
  • 国内長期金利上昇1.18%
  • 日経平均株価が大幅続落
  • 英財政懸念のポンド売り
  • 明日米雇用統計発表控え

今日2025年1月9日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の158円33銭付近から、円の高値でドルの安値の157円76銭付近の値幅約57銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円20〜22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の158円11〜12銭付近の前東京終値と比べると約9銭の円安ドル高であった。

ただし、今夜その後の20時台の英国ロンドン外国為替市場では、前東京終値比で円高ドル安にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の東京外国為替市場終了後の昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、米国ニュースチャンネルのCNN (Cable News Network) が複数の関係者情報として、今月1月20日に就任予定のドナルド・トランプ次期米国大統領が、去年の選挙期間中から表明していた一律で10%〜20%の米国輸入関税を課す米国関税措置の導入を考えており、同盟国と敵対国共に全ての輸入品に一律の関税を課すための法的根拠として国際緊急経済権限法 (IEEPA / International Emergency Economic Powers Act) に基づく国家経済の緊急事態宣言の発令を検討していると報じたため、関税が輸入品価格に上乗せされるなど米国インフレ再燃への警戒感が高まり、インフレ抑制のための米国政策金利の先高観が高まり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜20時半頃からは一時4.7%台に乗せて大きく上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時による金利差トレードの低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いの影響などで、昨夜20時34分と37分と40〜42分と21時37〜39分頃の複数回にかけてドルは円相場で一時158円55銭付近の高止まりを見せたほか、昨夜21時台には米国長期金利は一時4.728%付近と、昨年2024年4月25日以来の高利回りを記録していた。

金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでも、今月2025年1月28〜29日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値が一時95.2%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さの推移を強め、それに対する次回の0.25%の米国小幅追加利下げ幅の市場予想値は一時4.8%付近に後退しており、米国関税強化案のニュースを受けた米国インフレ警戒感により今年の米国利下げペース鈍化予想が市場で高まった。

そのため、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時158円51銭付近の始値であった。

しかし、昨夜22時頃から経済協力開発機構 (OECD / Organization for Economic Cooperation and Development) のイベントで次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のクリストファー・ウォラー理事の発言があり、「常に言っていることだが、追加の米国金融緩和の調整具合は2%のインフレ率に向けた進展のデータ次第だ。だが、ここで言いたいことは、さらなる利下げが適切になるだろうということだ」と、米国追加利下げペースなどについてはデータ次第ではあるものの、最終的には米国追加利下げ方向を支持し続けているというハト派寄りの発言があったことでは、米国長期金利が上昇幅を縮小し始めたため、ドルの利益確定売りや持ち高調整の円買いの抵抗が入り始めた。

また、昨夜22時15分の米国市場では、米国雇用関連の最新米国重要経済指標の12月の米国ADP (Automatic Data Processing / オートマチック・データ・プロセッシング) 雇用統計の発表があり、前回の14.6万人と市場予想の14.0万人を下回る12.2万人に下振れしたことでもドルが売られたが、昨夜22時30分には、前週分の米国新規失業保険申請件数の発表もあり、前回の21.1万件と市場予想の21.8万件よりも改善された20.1万件であったことではドルの買い戻しもやや混ざったが、前週分の米国失業保険継続受給者数が前回の184.4万人に対し市場予想通りの186.7万人であったことでは、昨夜23時1〜2分頃にドルは円相場で一時158円14銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、明日の夜22時30分に予定されているより重要度が高い米国雇用関連の最新米国重要経済指標の12月の米国雇用統計の発表イベントを控えていることもあり、市場安値後のドルには買い戻されて反発し、昨夜23時25分頃の米国ニューヨーク債券市場で一時反落後の米国長期金利が反発し、一時4.714%付近に向けて再上昇すると、昨夜23時37分頃にはドルは円相場で一時158円47銭付近に戻すなどの底堅い値動きを見せていた。

深夜24時に発表された米国景気関連の最新米国経済指標の11月の米国卸売売上高の前月比は、前回マイナス圏だった−0.1%と市場予想の0.0%を上回るプラス圏の0.6%に上昇しており、堅調な米国景気を背景としたインフレ圧が市場で意識されていたことは、米国長期金利上昇時もあって主要通貨に対するドルの底堅さにつながっていた。

とはいえ、米国ニューヨーク債券市場では、午前3時に米国30年債の入札があり、実施した米国財務省によると最高落札利回りは2.305%と2010年3月以来のおよそ15年ぶりの高利回りで、米国長期金利の高止まりを受けた債券価格低下により、入札は好調な結果となり、最小落札価格が市場予想を上回った影響では、他の年度の米国債にも一時買いが波及したことなどから、午前3時過ぎには米国10年債の利回りも一時4.687%付近と4.7%台から4.6%台に一時反落しており、入札前の午前2時43分頃に一時158円50銭付近に上昇していたドルも円相場で入札直後の午前3時3分頃には一時158円27銭付近に反落したが、入札終了からしばらく経つと市場への影響が緩和され、米国長期金利やドルは再び反発に向けていた。

午前4時には、前回2024年12月17〜18日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事録と議事要旨が公表され、「多くのFOMCメンバーは、今後数四半期で慎重なアプローチが必要だと認識している」ことや、「ほぼ全員が米国インフレの上振れリスクが高まった」と、昨夜の欧州英国市場から話題だった米国での第2次ドナルド・トランプ次期米国政権の米国関税政策によるインフレ圧の可能性などを踏まえ、「米国インフレの見通しが上振れするリスクが高まった」と判断されていたことが明らかになり、米国利下げペース鈍化予想と米国政策金利の先高観が市場予想で優勢で、午前4時頃には米国長期金利が再び一時4.710%付近など4.7%台に再上昇したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大による円売りドル買いや主要通貨へのドル買いの影響が円相場に波及し、午前4時1分頃にドルは円相場で一時158円52銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) 続落後の買い戻しで反発して前日比で高値の終値をつけ、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も反発して小幅高の終値をつけたものの、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は反落後に小幅安に留まったことでは、安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いの抵抗も入ったことでは、鳥は円相場で158円台中盤から前半に上昇幅を縮小した。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の158円14銭付近から、円の安値でドルの高値の158円52銭付近の値幅約38銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は158円35銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の158円5銭付近と比較すると約30銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今日の日本市場に先立って今朝8時30分に日本の最新経済指標の発表があり、厚生労働省の速報の11月の日本毎月勤労統計調査(従業員5人以上)の現金給与総額の前年同月比は前回2.6%と前回下方修正2.2%と市場予想の2.7%を上回る3.0%に上昇しており、基本給も+2.7%と約32年ぶりの高い上昇率を記録し、物価変動の影響を除く実質賃金はインフレにより前年同月比で−0.3%減と4カ月連続のマイナス圏ではあったものの市場予想ほどの低下は見せず、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が追加利上げの確度を高めるための「賃金上昇を伴う2%のインフレ目標」が市場で意識されたことでは円が買われたため、日本市場に向けた時間外の債券市場で米国長期金利が一時4.706%付近から4.697%付近に低下した影響による高値圏からのドルの利益確定売りや持ち高調整も入ったことなどでも円相場が反発し、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時158円19銭付近の始値になった。

しかし、今朝9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り、今朝9時53分頃には対ドル円相場は一時158円33銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、その後には国内輸出企業の円買いドル売りも入ったほか、午前中の国内債券市場では新発10年物の日本国債の利回りが指標となる国内長期金利が一時1.185%付近と、2011年5月以来の高利回りを記録したため、今朝の日本の最新経済指標を受けた「賃金上昇を伴う2%のインフレ目標」による今後の日銀の追加利上げ予想が燻る中で、国内長期金利上昇時の日米金利差縮小による円買いドル売りが入った。

一方、今日の東京株式市場では、国内長期金利上昇への警戒感による日本株売りなども入り、日経平均株価が大幅な下落を見せて昼の13時5分頃には前日比で一時591円7銭安の底値になり、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて円相場が上昇したほか、世界的な安全資産でもある米国債にも買いが入り、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では米国債券価格上昇時の利回り低下の影響により、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午後14時58分頃の一時4.664%付近に向けた低下を始めていたため、午後13時25分頃に対ドル円相場は一時157円76銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、今日は日銀の全国支店長会議があり、1月の地域経済報告のさくらリポートがまとめられており、全体的な国内雇用や賃金について、「構造的な人手不足のもと、最低賃金の引き上げもあって、継続的な賃上げが必要との認識が、幅広い業種・規模の企業に浸透してきているとの報告が多かった」が、企業の価格設定行動については、「人件費の価格転嫁については、なお難しいとする企業の声はある」とも指摘されていたことなどでは、今月1月23〜24日の日銀金融政策決定会合における追加利上げ予想は後退したままであった。

年明けの新規ポジション形成もあって安値からの株の買い戻しの抵抗なども入り、その後の日経平均株価は一時の大幅な下げ幅を縮小し、午後15時30分に今日の日経平均株価は3万9605円9銭の終値をつけ、前日比375円97銭安で大引けしたことでは、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整も入り始めており、夕方からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入により、時間外の米国債券市場でも米国長期金利が東京終値の今夜17時頃には一時4.683%付近に反発して下げ幅を縮小したため、ドルも円相場で158円台前半に反発し、今夜17時3分頃の一時158円29銭付近に向けていた。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円20〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の158円11〜12銭付近の前東京終値比では約9銭の円安ドル高になった。

ただし、今夜その後の20時台の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利の反落や英国ポンドなどに対する低リスク通貨の円買いの影響の波及などもあり、前東京終値比で円高ドル安に転じている時間も観測されている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは、今夜21時30分に12月の米国チャレンジャー人員削減数、今夜23時5分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ボストン連邦準備銀行のスーザン・コリンズ総裁の発言予定、27時30分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国カンザスシティ連邦準備銀行のジェフリー・シュミッド総裁の発言、27時35分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのタカ派代表のミシェル・ボウマン理事の発言予定などを控えている。

また、米国市場では明日の夜の最新米国雇用統計も注目を集めており、最新経済指標や要人発言などのイベント時には値幅が増幅されやすい取引時間が出てきやすく、世界の債券市場や株式市場とコモディティ市場などの為替相場への影響に加えて、世界の政治や世界情勢などの最新ニュースなどの影響もFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円86〜88銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の163円41〜42銭付近と比べると約55銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、国内長期金利上昇や日経平均株価の大幅続落などによるリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われた一方で、リスク市場に弱い欧州ユーロが売られていたほか、今日の午後には英国財政不安やインフレ懸念により英国ポンドが低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対して下落した影響の波及により、経済圏が近い欧州ユーロも連れ安になっていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0293〜1.0295ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0334〜1.0336ドル付近と比べると約0.41セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円0〜6銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の197円14〜20銭付近と比べると約3円14銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、英国労働党キア・スターマー政権の財政不安とインフレ懸念の影響で英国ポンドが売られる中で、前日にも英国債が売られて英国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利が一時4.8%台に上昇していたが、今日は一時4.9%台に乗せるなど、英国10年債の利回りは2008年以来、英国30年債の利回りは1998年以来の高利回りに上昇後であったことから、英国ポンドには主要通貨に対する利益確定や持ち高調整が入り、低リスク通貨の円に対しても大幅に下落していた。

また、英国ポンドは対ドルでは2023年11月以来の一時1.2253ドルに下落したほか、ユーロポンドも昨年2024年11月以来の一時0.8399ポンド、ポンド円も一時は193円75銭付近まで円高ポンド安が進行していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月9日の日本時間(JST)20時58分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:58の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 157.89 〜 157.91 −0.22 (円高)
ユーロ/円 162.65 〜 162.67 −0.76 (円高)
ユーロ/ドル 1.0299 〜 1.0301 −0.0035 (ドル高)
英ポンド/円 194.03 〜 194.09 −3.11 (円高)
スイスフラン/円 173.09 〜 173.15 −0.51 (円高)
豪ドル/円 97.88 〜 97.92 −0.58 (円高)

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