FXニュース:日銀氷見野副総裁の発言

2025年1月14日
今日2025年1月14日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の157円7銭付近から、円の安値でドルの高値の158円2銭付近の値幅約95銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円44〜45銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年01月14日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米欧英市場予想の違い
  • 日経平均株安リスクオフ
  • 欧ECBの利下げ継続予想
  • 明日の米CPI発表を控え

今日2025年1月14日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の157円7銭付近から、円の安値でドルの高値の158円2銭付近の値幅約95銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円44〜45銭付近と、世界市場の昨日17時の157円47〜48銭付近と比べると約3銭の円高ドル安で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の158円39銭付近の前東京終値と比べると約95銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜17時台の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、先週金曜日の12月の米国雇用統計の上振れや今月1月20日から始まる第二次ドナルド・トランプ米国政権の米国関税案の影響などから米国政策金利の先高観が市場予想で高まり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.803%付近に向け2023年11月以来の一時4.8%台への上昇を見せ始めたことで、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いが起き、ドルは円相場で昨夜17時37分頃に一時157円67銭付近に上昇したが、その後の欧州株式市場の下落を受けた世界的な安全資産の米国債の買い戻しなどが入り始めた影響では米国債券価格反発に伴う利回り反落が起きて米国長期金利が上昇幅を縮小し、昨夜21時台に米国長期金利が一時4.768%付近と4.7%台に低下したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りと低リスク通貨の円買いの影響などで円相場が反発し、昨夜21時55〜56分頃にかけてドルは円相場で一時156円93銭付近に反落していた。

しかし、昨夜の金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今月2025年1月28〜29日に開催される次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値が一時97.3%付近と市場で確定値と考えられている70%を大幅に超えた優勢さを見せた一方で、次回の0.25%の米国小幅追加利下げ幅の市場予想値は一時2.7%付近に後退しており、市場予想では今年年内の米国小幅利下げ回数が約1回程度に低下するなどのタカ派予想が出るなど、米国政策金利の先高観は為替相場におけるドルの底堅さに影響を与えており、156円台後半からはドルの買い戻しが入りやすかった。

そのため、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時157円3銭付近の始値で、昨夜22時24分頃にも一時156円91銭付近と米国市場での円の高値でドルの安値に再度下押ししたドルは下抜けせずに円相場で反発上昇を始め、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) の反発を受けた安全資産の米国債売りの影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前1時15分頃の一時4.806%付近に向けて再上昇した日米金利差の円売りドル買いの影響と、世界最大規模の英国市場における午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に絡む主要取引通貨のドル買いフローの影響などもあり、ドルは円相場で午前1時22分頃に一時157円79銭付近に上昇した。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が前日の下落後の買い戻しなどで反発上昇し、前日比での大幅高の終値に向けていたことや、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も反発上昇し小幅高の終値に向けた一方で、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は続落ではあるものの小幅安に向けたことを受けては、前日の株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で買われた安全資産の米国債の利益確定売りや低リスク通貨の円売りが起き、午前4時45分頃の米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.802%付近と再び4.8%台に上昇したため、午前4時59分頃にもドルは円相場で一時157円82銭付近に上昇し、米国市場での円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、先週にドルは円相場で一時158円88銭付近と2024年7月以来の円安ドル高を記録後で、円安牽制発言などのあった日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) による為替介入への警戒感も海外市場で燻っていたことでは、早期の利益確定や持ち高調整も入りやすく、対ドルの円相場が反発し、ドル円は157円台中盤付近のニューヨーク終値に向けた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円91銭付近から、円の安値でドルの高値の157円82銭付近の値幅約91銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値のドル円は157円48銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円73銭付近と比較すると約25銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも利益確定や持ち高調整もあり低リスク通貨の円買いが入った影響では、今朝8時34分と8時38分頃に対ドル円相場は一時157円12銭付近と円相場の上昇が観測されたほか、今朝8時50分には日本の最新経済指標の11月日本国際収支の貿易収支が発表され、前回マイナス圏だった−1557億円と市場予想の−346億円に対しプラス圏の979億円と赤字から黒字に転じていたため、今朝9時頃から始まった連休明けの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円31銭付近の始値と、今朝早朝までの米国ニューヨーク終値時点よりも小幅な円高ドル安から始まった。

今朝の連休明けの東京株式市場では、先物から下落を見せていた日経平均株価がマイナス圏で始まった後に大幅な下落を見せ始めたことでも、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入ったため、今朝9時7分頃には対ドル円相場は一時157円12銭付近に円相場が上昇していた。

今日の日本市場では、横浜の金融経済懇談会の講演で日銀の氷見野良三副総裁の要人発言があり、発言開始の今朝10時30分頃にはイベントリスクによる低リスク通貨の円買いが強まり、対ドル円相場は一時157円7銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、氷見野良三副総裁の今朝の講演での発言では、日銀の追加利上げのタイミングについては、「判断が難しく、かつ重要」と言及した程度で、来週の1月23〜24日に開催予定の次回の日銀金融政策決定会合における早期の追加利上げの可能性については、特に市場予想を高めるような発言内容でなかったことでは、米国利下げ鈍化予想の影響が続いていたドルの市場安値後の買い戻しが起きて円相場で反発し、今朝10時32分頃にドルは円相場で一時158円2銭付近と今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、日銀の氷見野良三副総裁は、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)をもとに利上げを行うかどうか、政策委員の間で議論し、判断したい」と示唆したことを受けては、先日に米国ブルームバーグ通信などが国内物価見通しのコアコアCPIの上方修正の可能性についての報道をしていた影響による日銀の追加利上げ予想の燻りによる円の買い戻しも入り、ドル円は157円台中盤付近に戻していた。

午後にも氷見野良三副総裁の記者会見での再発言があり、来週の次回の日銀金融政策決定会合における金融政策判断について、「見通しが今後も実現すれば、昨年3月と7月に続いて政策金利を引き上げる」ことや、経済と物価情勢は「おおむね見通しに沿って進んでいる」ことなど、より前向きな姿勢も見せており、以前に植田和男総裁が春闘賃上げの様子見のデータ次第の中道的な姿勢を示していたことと比較すると、日銀が追加利上げ判断で重視する春闘賃上げについても、「2024年度に続き、強い結果を期待できる」との見解を示していたことや、「賃上げは注目点だが、経済・物価の全体を評価した上で利上げの判断をしてゆく」と春闘まで待たなくても追加利上げの可能性があることを示唆したほか、「円安による輸入物価の上昇、影響をよく見ていく必要がある」などと円安警戒感も示したことなどでは円相場が再び上昇し、一方で国内金利警戒感もあり日経平均株価が大幅下落を続け、午後15時30分に3万8474円30銭の終値をつけ、前日比716円10銭安の大幅安で大引けすると低リスク通貨の円買いが強まったため、午後16時18分頃に対ドル円相場は一時157円30銭付近と、157円台前半に上昇した。

夕方からの欧州市場の参入では、昨夜に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のフィリップ・レーン専務理事が、欧州利下げは積極的すぎず、かつ慎重にもなりすぎないようにする必要があるが、方向性は「明確」であると欧州追加利下げを示唆した発言が話題になっていたことや、ECB理事会メンバーのフィンランド中銀のオッリ・レーン総裁も米国経済ニュースチャンネルのブルームバーク・テレビ (Bloomberg TV) のインタビューで、「欧州利下げ継続は理にかなう」と欧州追加利下げの継続を示唆していた欧米金利差予想では対ドルでの欧州ユーロ安や英国ポンド安が進行していた外貨影響などもあり、ドルは円相場でも下げ幅を縮め始めたが、今夜17時から始まった英国ロンドン外国為替市場で今夜18時過ぎのドルの買い戻しが本格化する前に、今夜17時の東京終値を迎えた。

そのため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円44〜45銭付近で、世界FX市場の昨日17時の157円47〜48銭付近と比べると約3銭の小幅な円高ドル安で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の158円39銭付近の前東京終値と比べると約95銭の円高ドル安になっていた。

今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に12月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) も発表予定と、深夜24時頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国カンザスシティ連邦準備銀行のジェフリー・シュミッド総裁の発言予定、28時に12月の米国月次財政収支と、29時0分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官である米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定などを控えている。

また、明日の夜には最新米国重要インフレ指標である12月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表のイベントを控えていることも、世界的な注目を集めており、イベント前の持ち高調整や様子見の値動きも混ざり始めている。それに加えて、世界情勢や政治などを含めたファンダメンタルズのニュースの影響や、世界の債券と株式とコモディティ市場などの各市場の為替相場への影響なども、FXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値161円43〜45銭付近で、昨夜17時の世界市場の160円86〜88銭付近と比べると約57銭の円安ユーロ高であるが、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の163円8〜10銭付近の前東京終値と比べると約1円65銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、前日の世界市場では米国主要株価三指数下落などの株安リスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われたことに対し、リスク市場に弱い欧州ユーロが大幅な下落を見せ、欧州ユーロが対ドルで2022年11月以来のユーロ安値を更新するなど外貨影響も円相場に波及していたが、今朝までの米国ダウが反発するなど一部の買い戻しも入り始めたことでは、日経平均株価も下落したものの円相場で欧州ユーロは下げ幅をやや縮小した。

ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0253〜1.0254ドル付近で、昨夜17時の世界市場の1.0215〜1.0217ドル付近と比較すると約0.38セントのユーロ高ドル安に買い戻しが入ったものの、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0296〜1.0298ドル付近の前東京終値と比べると約0.43セントのユーロ安ドル高であった。

また、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円21〜27銭付近で、昨夜17時の世界市場の191円8〜14銭付近と比較すると約1円13銭の円安ポンド高に買い戻しが入ったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の194円64〜70銭付近の前東京終値と比べると約2円43銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、前市場でも話題になっていたキア・スターマー英国政権の英国財政懸念の影響による英国ポンド売りが世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルや低リスク通貨の円に対して入った円高ポンド安の進行後に、利益確定や持ち高調整で買い戻されたほか、債券市場では英国債売りの影響が続き、英国10年債の利回りが指標となる英国長期金利が4.9%台で上昇しており、今夜19時台には一時4.946%付近に向けるなど、日英金利差予想の影響も債券利回りを受けた金利差トレードでの買い戻しなどに円相場に影響を与えていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月14日の日本時間(JST)20時36分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時36分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:36の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 157.87 〜 157.88 −0.50 (円高)
ユーロ/円 161.98 〜 161.99 −1.10 (円高)
ユーロ/ドル 1.0259 〜 1.0261 −0.0037 (ドル高)
英ポンド/円 192.39 〜 192.45 −2.25 (円高)
スイスフラン/円 172.33 〜 172.39 −1.25 (円高)
豪ドル/円 97.62 〜 97.66 −0.47 (円高)

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