FXニュース:米関税見送り報道後発言

2025年1月21日
今日2025年1月21日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円23銭付近から、円の高値でドルの安値の154円78銭付近の値幅約1円45銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年01月21日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 英独株価指数最高値更新
  • 日銀金融政策財務相期待
  • 日経平均続伸リスクオン
  • 米長期金利低下後の反発

今日2025年1月21日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円23銭付近から、円の高値でドルの安値の154円78銭付近の値幅約1円45銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円66〜68銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円98〜99銭付近の前東京終値と比べると約32銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日に続き英独主要株価指数が史上最高値を更新に向けるなど、リスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りで欧州ユーロや英国ポンドの買い戻しが進んだ外貨影響やドルの買い戻しの影響などがあり、昨夜17時3分頃に一時155円95銭付近だった対ドル円相場は、昨夜20時11分と29分と21時47分頃に一時156円46銭付近にドルが円相場で買い戻されていた。

昨夜の米国市場は米国連邦祝日のキング牧師記念日 (Martin Luther King Jr. Day) で休場であったが、欧州英国市場の後半と時間帯が近い世界市場では、昨夜22時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の始値相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は一時156円38銭付近で、昨夜22時30分頃には一時156円47銭付近にまでドルが円相場で買い戻されて、昨夜の米国市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録していた。

しかし、米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) の電子版が、日本時間で深夜1時30分頃からの米国大統領就任式のイベントを控えていたドナルド・トランプの関税政策について、「トランプ大統領、通商ビジョンを提示―しかし新たな関税はまだ課さない」と、米国への輸入品への米国関税強化案実施時期について、大統領就任日第1日目からの実施を見送る見通しであるとした観測報道が市場で話題になり、市場が警戒してドルを買い戻していた米国大統領就任初日の関税案実施が見送られることで、輸入関税上昇に伴う急激な米国インフレ再燃への警戒感が緩和され、主要通貨に対するドルの利益確定売りや持ち高調整が入ってドルは円相場で急落し、昨夜23時44分頃には一時155円41銭付近と、米国市場時間の円の高値でドルの安値を記録した。

日本時間の深夜1時30分頃からの米国大統領就任式が始まり、米国大統領の宣誓後の午前2時頃から「米国の黄金時代が始まる」というアメリカ第一主義 (America First) を掲げたドナルド・トランプ大統領の就任演説が始まったことでは、選挙時から語ってきた国境非常事態による不法移民への強固姿勢と、自国民からの税金ではなく他国からの関税による米国財源確保や、米国の地下に眠るエネルギー資源採掘案、環境問題のパリ協定離脱などについても語り、トランプ・トレードのドルの買い戻しが一時入ったことでは、午前2時25分頃にドルは円相場で一時156円5銭付近に反発したが、この日に米国大統領として公務を行うための必要書類などにサインしたものの、観測報道通りに米国大統領就任日第1日目からの米国関税政策の即時実施は見送られ、外交的な交渉の余地がある様な慎重姿勢も見られたことに加えて、米国インフレ抑制への発言などもあったことでは、米国インフレ再燃への過度な警戒感が緩和され、ドルには再び利益確定売りや持ち高調整が入り、午前5時14分頃に対ドル円相場は一時155円49銭付近と、ドルが円相場で反落を見せていた。

一方、米国大統領就任初日に対日関税実施が始まらなかったことや交渉余地の可能性からは、市場での混乱が起きない限り、今週1月23〜24日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合で追加利上げ予想の織り込み度が市場予想で高まっていたことも、日米金利差縮小予想の対ドルでの円買いの一因となっていた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の156円47銭付近から、円の高値でドルの安値の155円41銭付近の値幅約1円6銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値相当時間には155円62銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の156円30銭付近と比較すると約68銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、米国就任日初日からドナルド・トランプ大統領が関税実施を見送ったほか、中国やメキシコとカナダに対し不公正な貿易慣行や通貨政策の調査を命じる慎重姿勢に関するニュース報道もあった影響から、中国を主要貿易先に持つオセアニア市場のオーストラリアなどでも米国関税強化案による米国インフレ再燃への警戒感などがやや緩和していたことでもドルが売られたほか、今朝早朝の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が今朝8時40分頃の一時4.651%付近から4.5%台に向けた急落を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小予想もあり、今朝8時53分頃に対ドル円相場は一時155円16銭付近に円相場が上昇していた。

その影響などから、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円28銭付近の始値で、今週1月23〜24日の日銀金融政策決定会合での追加利上げ予想による円買いの影響などもあり、今朝9時21分頃には時間外の米国債券市場で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が急落後に一時4.544%付近に低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの円買いドル売りも入り、今朝9時21分頃に対ドル円相場は一時154円90銭付近と、円相場が更に上昇した。

しかし、今朝のニュースでは英国ロイター通信 (Reuters) などが、ドナルド・トランプ米国大統領が、メキシコとカナダからの不法移民や違法薬物の流入への対策として、「メキシコとカナダに25%の関税を課すことを考えている。2月1日に施行すると思う」と発言したという報道の影響があり、米国関税への警戒感の急速な再燃によりドルが円相場で買われて大きく反発を見せたことでは、この時間には今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りも入りやすかった時間であったことから大幅な一時急伸となり、今朝9時56分頃にドルは円相場で一時156円23銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

先週末の米国主要株価三指数の上昇や、昨日の日経平均株価上昇に続き、昨夜には英独主要株価指数が市場最高値更新を見せるなど、ブル・マーケット (Bull market / 強気市場) になっていたことに加えて、今朝の東京株式市場でも今日の日経平均株価が上昇していたが、米国関税警戒感から一時反落し、今朝10時頃には前日比で一時200円近いマイナス圏への急落を見せた影響では、国内第一安全資産である低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めて対ドルの円相場が反発し、今朝11時頃から日経平均株価がプラス圏に戻し始めて昼の12時台後半に午後の部が開始されて前日比で再び大幅高に戻すまでは、対ドルでの低リスク通貨の円買いによるリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の影響が続いていたことなどでは、世界的な安全資産の米国債買いによる米国債券価格上昇時の利回り低下の影響により米国長期金利も低下していたため、正午12時15分と17分と23分頃にドルは円相場で一時154円78銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録していた。

また、今朝の国内ニュースでは、日本政府の加藤勝信財務相が、今週の日銀金融政策決定会合を控え、「適切な金融政策運営がなされることを期待している」と発言していたことも話題となり、日銀の追加利上げを日本政府が期待している容認姿勢の受け止めから、市場での織り込み度が進み、金融市場に混乱なく日経平均株価がプラス圏から大幅高に転じたことでも、正午12時23分頃に米国長期金利が一時4.534%付近まで低下していたこの時間には、日米金利差予想と債券利回りを受けた日米金利差縮小により円が買われやすかった。

ただし、その後の米国長期金利が反発して下げ幅を縮小し始めたことでは、市場安値後のドルには買い戻しが入り始めたほか、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が3万9027円98銭の終値をつけ、前日比125円48銭高の大幅高で続伸して大引けすると、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整によりドルは円相場で下げ幅を縮小し、夕方からの欧州市場の参入でもドルの買い戻しが入り始め、時間外の米国債券取引でも米国長期金利が夕方の16時58分頃の一時4.573%付近に向けた上昇トレンドであった影響もあり、午後16時56〜57分頃にはドルは円相場で一時155円75銭付近に買い戻されていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円66〜68銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円98〜99銭付近の前東京終値と比べると約32銭の円高ドル安であった。

なお、今夜17時頃からの英国ロンドン外国為替市場では、その後にも米国長期金利が4.58%台に向けた再上昇を続け、今夜19時59分頃には一時156円0銭付近と、前東京終値比で円安ドル高への一時は市場反転も見せた時間なども観測されていたが、その後の今夜20時台には小幅な円高ドル安にも戻している。

この要因には、今夜19時台の英国市場でも、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、来週1月28〜29日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国政策金利据え置き予想値は一時99.5%付近と市場で確定値と考えられている70%超えに上昇したままの優勢で、それに対する0.25%の米国小幅追加利下げ予想値は一時0.5%付近に後退したままと、米国インフレ圧への市場警戒感が継続していた。

今夜この後には祝日連休明けの米国市場が再開するが、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールでは今日は市場注目度の高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、昨夜の就任後のドナルド・トランプ米国大統領の動向が世界的な注目を集めているほか、今夜の米国ニューヨーク株式市場の株引け後の明日向けの時間になる予定だが、米国主要株価の決算報告予定があり、米国ネットフリックス (NFLX / Netflix) の決算報告などを控えている。

また、世界の株式市場に加えて、債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、世界情勢や政治要因などを含めたファンダメンタルズのニュースの影響なども、世界のFXトレーダー達は注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値161円44〜45銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の160円91〜96銭付近の前東京終値と比べると約53銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨夜の英独主要株価最高値の更新後で、今日の日経平均株価の大幅高も受けた株価リスク選好のリスクオン市場では、低リスク通貨の円が売られやすく、欧州ユーロや英国ポンドなどが買われやすかった影響が、今日も為替相場に影響を与えていた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は190円90〜96銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の190円52〜58銭付近の前東京終値比では約38銭の円安ポンド高であった。

なお、今日の午後16時には最新英国経済指標の発表があり、12月の英国失業保険申請件数は前回の0.03万件と前回分の大幅改善修正の-2.51万件に対し、今回は0.07万件とやや弱かったが、国際労働機関 (ILO / International Labour Organization) 方式の11月の英国失業率は前回の4.3%に対し市場予想通りの4.4%で、12月の英国失業率は前回と横ばいの4.6%だった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0370〜1.0372ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0315〜1.0316ドル付近の前東京終値と比べると約0.55セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、株価リスク選好のリスクオン市場では、欧州ユーロが低リスク通貨の円だけでなく、世界的に流動性が高いことから欧州通貨に対する安全資産でもあるドルに対しても買い戻されやすかったことに加えて、今日の時間外の米国債券取引で米国長期金利低下時のドル売りが入った時には、先日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会メンバーのタカ派発言の影響の燻りもあり、欧州ユーロが買われる値動きも入っていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月21日の日本時間(JST)20時35分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時35分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:35の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 155.94 〜 155.96 −0.04 (円高)
ユーロ/円 161.35 〜 161.36 +0.44 (円安)
ユーロ/ドル 1.0345 〜 1.0347 +0.0030 (ドル安)
英ポンド/円 190.75 〜 190.81 +0.23 (円安)
スイスフラン/円 171.09 〜 171.15 +0.12 (円安)
豪ドル/円 96.95 〜 96.99 −0.10 (円高)

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