FXニュース:今夜から明日の米FOMC
2025年1月28日東西FXニュース – 2025年01月28日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米株DeepSeekショック
- 低リスク通貨円相場上昇
- 欧米AI株安も米ダウ反発
- 米長期金利下げ幅を縮小
- 米トランプ追加関税発言
- 日経平均株価も大幅続落
- 明後日は欧ECB理事会も
今日2025年1月28日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の154円80銭付近から、円の安値でドルの高値の155円98銭付近の値幅約1円18銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円88〜89銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の155円89〜91銭付近の前東京終値と比べると約1〜2銭の小幅な円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、中国新興企業ディープシーク (DeepSeek) の最新人工知能 (AI / Artificial Intelligence) が、低コストかつ低スペック環境で稼働することから、米国AI半導体大手のエヌビディア (Nvidia) 株やAI関連の欧米ハイテク株が大幅に急落するなど米国主要株価先物の下落に続き、欧州主要株価も下落した影響から欧米株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円買いが起き、世界的な安全資産の米国債買いの影響で米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起きて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.501%付近に低下し、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りや低リスク通貨の円買いと主要通貨に対するドル売りの影響などで、対ドル円相場は昨夜20時30〜31分頃にかけて一時153円71銭付近と、前東京終値比で大幅な円高ドル安に円相場が上昇し、2024年12月18日以来の今年最大の円高ドル安を記録した。
また、昨日には米国のドナルド・トランプ大統領が、コロンビア政府に対して米国外交交渉上の取引ディールに米国高関税強制を提示した後に相手国側の譲歩により即日撤回した影響などもあり、先週の対中の米国関税慎重発言に続き、米国側のディール交渉条件に譲歩すれば高関税や米国インフレが回避できる可能性が市場で意識され、米国政策金利の先高観が一時後退したことも、昨夕の米国長期金利低下と債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円売りドル売りに影響し、低リスク通貨の円相場の上昇が一時加速していた。
しかし、今夜この後から米国現地時間の明日にかけての1月28〜29日には米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の開催する予定があり、イベントリスクが高まる中でも米国政策金利据え置き予想値が今日の時点でも一時97.3%付近と、市場で確定値と考えられている70%を大幅に超えた優勢さを増しており、対する米国小幅利下げ予想値は一時2.7%付近と後退するなど米国政策金利の先高観は根強く、また明後日の1月30日に開催される欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会では、欧州追加利下げ予想が優勢である影響などもあって、昨夜その後の英国ロンドン外国為替市場の時間外の米国債券取引では米国債券価格上昇後の利益確定売りや持ち高調整で利回りの下げ幅に縮小が起き始め、主要通貨に対するドルの買い戻しが入り始めたことでは、昨夜21時45分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.525%付近に反発し、米国市場やロンドン・フィキシングに向けたドル需要の押し目買いも入り、昨夜21時46分頃にドルは円相場で一時154円23銭付近に反発して下げ幅を縮小し始めていた。
そのため、昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時154円4銭付近で、昨夜22時2分頃に再び一時下押しした153円90銭付近が昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値となり、その後のドルは円相場で下げ幅を縮小し続けた。
昨夜の米国市場では、重要度が高い住宅関連の最新米国経済指標の発表があり、深夜24時の12月の米国新築住宅販売件数は、年率換算件数が前回の66.4万件と前回上方修正の67.4万件と市場予想の67.0万件を上回る69.8万件に上昇し、前月比は市場予想の5.4%には届かない3.6%であったものの、前回5.9%が前回9.6%に大幅に上方修正された影響からは、堅調な米国景気を受けたドルの買い戻しが続き、米国長期金利が反発後にも深夜24時には一時4.556%付近と、前日までの4.6%台から4.5%台に低下していた影響から金利警戒感が緩和された影響もあり、米国主要株価三指数の中でも特に金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が反発上昇し、前営業日比でプラス圏に転じて大幅高の終値に向け始めたことでも、低リスク通貨の利益確定や持ち高調整などでドルの買い戻しが入った。
米国ニューヨーク債券市場でも、安全資産の米国債売りの影響から深夜24時40分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.563%付近に下げ幅を縮小したため、深夜24時41分頃には債券利回りを受けた金利差トレードでドルが円相場で買い戻されて、一時154円69銭付近と154円台後半に下げ幅を縮小した。
ただし、米国ニューヨーク債券市場では、その後の午前1時30分に米国2年債入札があり、続いて午前3時にも米国5年債入札があった影響では、他の年度の米国債にも一時は国債買い入れが波及し、午前3時10分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時4.532%付近に反落したが、金利に敏感な米国ダウ工業株が上昇幅を拡大し、午前4時30分頃に前日比290ドル超の高値に上昇したことでは、午前4時35分頃の一時4.545%付近に向けて米国長期金利が反発を見せたため、午前4時33分頃に対ドル円相場は一時154円72銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中では、米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) のみ前営業日比で289ドル33セント高と+0.65%の上昇のプラス圏の終値をつけたものの、米国主要企業の決算報告シーズンの影響などもあり、先述のディープシーク (DeepSeek) ショックの影響でハイテク株価比率の高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は前日比で612ドル47セント安と−3.07%の大幅安の終値をつけたほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も前日比88ドル96セント安と−1.46%と安値の終値をつけた影響からは、低リスク通貨の円買いの影響が残り、安全資産の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利も今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値の頃には一時4.541%付近と、前日比で-0.079と低下していた影響では、先日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合の政策金利の追加利上げ後の影響もあり、債券利回りの日米金利差縮小時の金利差トレードによる円買いドル売りの影響は残っていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円90銭付近から、円の安値でドルの高値の154円72銭付近の値幅約82銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は154円51銭付近と、前営業日同時刻の156円0銭付近の前ニューヨーク終値比では約1円49銭の大幅な円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、米国のドナルド・トランプ大統領が指名したスコット・ベッセント氏の米国財務長官就任が賛成68対反対29の賛成多数で承認されたニュースと共に、英紙フィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) が4人の関係者筋情報ではスコット・ベッセント米国財務長官が2.5%の税率を皮切りに新たな米国一律関税を推進する構えであると報じ、それによれば米国関税率は毎月2.5ポイントずつ引き上げられ、ドナルド・トランプ大統領が昨年の米国大統領選で公約していた最大20%に引き上げられる可能性があると指摘したほか、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) もドナルド・トランプ大統領が米国への全輸入品に課すと公約してきた米国一律関税について、その「2.5%より大幅に高く設定したい考えを示した」と報道し、さらにドナルド・トランプ大統領が「半導体産業への米国関税を近く導入する」と発言したニュースなどが話題になり、米国関税強化案による米国インフレ圧が最意識された影響から、米国政策金利の先高観が再燃し、今朝8時27分頃には対ドル円相場は一時154円98銭付近と、主要通貨に対するドルの買い戻しが入った。
今日のアジア市場では中国と韓国が祝日休場で市場流動性の減少が予想されたが、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円91銭付近の始値で、今朝9時2分頃の一時154円80 銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となり、昨夜の年内安値を記録後のドルには押し目買い意欲も強く、ドルの買い戻しが優勢になったことでは、ドルは円相場で反発上昇し、下げ幅を更に縮小し始めた。
ただし、前述のディープシーク (DeepSeek) ショックを受けた米国ハイテク株の大幅下落を受けては、今日の東京株式市場でも関連の日本企業を含む日経平均株価が大幅に下落した影響では、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しはやや抵抗になったが、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が3万9016円87銭の終値をつけ、前日比548円93銭安と−1.39%の大幅安で大引けした後には、夕方の時間外の米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が今夜17時頃の一時4.567%付近に向けた再上昇を見せた影響で、午後16時53分頃には債券利回りを受けた金利差トレードのドルの買い戻しが入り、ドルは円相場で一時155円98銭付近と今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録し、一時は前東京終値比で小幅な円安ドル高に転じていたが、日本市場終盤の利益確定や持ち高調整が入ったことでは、前東京終値比で横ばいレンジ圏に近い僅差1銭付近の円高ドル安に戻していた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は155円88〜89銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の155円89〜91銭付近の前東京終値比では約1〜2銭の僅差の円高ドル安になった。
今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国株式指数先物のダウ先物がプラス圏でナスダック100先物も堅調な推移を見せており、様子見の小幅域から始まった欧州主要株価も上昇に向け始めたことから、今夜18時25分頃には時間外の米国債券市場で安全資産の米国債売りが入り、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.577%付近に上昇したが、今夜から始まる明日の夜の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の米国新政策金利発表のイベントを前としたイベントリスクの様子見や持ち高調整とドルの買い控えなどはやや抵抗となり、その後に安全資産の買い戻しで米国長期金利が上昇幅を縮小し始めると、今夜19時45分頃にはドルは円相場で一時155円21銭付近に再び下落している。
今夜この後の米国市場では、日本時間では時差で明後日未明に結果発表とジェローム・パウエル議長の要人発言が予定されている今夜から明日の夜にかけての2日間の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の1日目が開始されるイベントのほか、最新米国経済指標の発表予定や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に12月の米国耐久財受注、今夜23に11月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数と11月米国住宅価格指数、深夜24時1月の米国消費者信頼感指数と1月の米国リッチモンド連銀製造業指数、27時に米国7年債入札予定などを控えている。
また、欧米や世界の株式市場の為替相場への影響や、世界の債券市場やコモディティ市場などの影響と、世界情勢や政治要因や最新経済指標データなどを含むファンダメンタルズの影響に加えて要人発言なども、世界のFXトレーダー達が相場予想で注目を続けている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円62〜63銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の163円3〜4銭付近の前東京終値と比べると約41銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨夜の欧米株価下落に続く、今日の日経平均株価の大幅安の株価リスク回避のリスクオフでは、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対して低リスク通貨の円が買われやすく円相場が上昇していた影響が観測されたが、今夕の欧州株式市場や米国株価先物が堅調であった影響では、夕方の欧州ユーロは小幅域に留まり、英国ポンドは小幅な反発も東京終値の頃には一時見せていたが、その後の今夜の英国ロンドン外国為替市場では、今夜21時過ぎには低リスク通貨の円買いの影響でユーロ円は大幅な円高ユーロ安とポンド円は小幅な円高ポンド安と、いずれも円高に転じている。
そのため、英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は193円83〜89銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の193円69〜75銭付近の前東京終値比では約14銭の円安ポンド高であったが、今夜その後の20時台などには前東京終値比で円高ポンド安への市場反転を見せている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0431〜1.0433ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0456〜1.0458ドル付近の前東京終値と比べると約0.25セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、今週は欧米の金融政策決定会合のイベントを控えており、今夜から明日の夜にかけての米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) では、米国政策金利の先高観への警戒もあり、米国政策金利の据え置き予想が優勢であるが、明後日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会では、欧州追加利下げ予想が優勢であった欧米金利差予想がユーロドルの為替相場に影響を及ぼしていた。
また、日米株価リスク回避のリスクオフでは、低リスク通貨の円だけでなく、世界的に流動性が高いことから欧州ユーロにとっては安全資産でもあるドルも、米国長期金利が下げ幅を縮小すると欧州ユーロに対しては買い戻されやすくなっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年1月28日の日本時間(JST)21時1分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の12時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。
通貨ペア | JST 21:01の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 155.39 〜 155.40 | −0.50 (円高) |
ユーロ/円 | 161.98 〜 161.99 | −1.05 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0423 〜 1.0425 | −0.0033 (ドル高) |
英ポンド/円 | 193.06 〜 193.12 | −0.63 (円高) |
スイスフラン/円 | 171.42 〜 171.48 | −0.52 (円高) |
豪ドル/円 | 97.07 〜 97.11 | −0.79 (円高) |
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