FXニュース:今夜最新米雇用統計控え
2025年2月07日
東西FXニュース – 2025年02月07日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 英中銀利下げハト派寄り
- 米失業保険申請件数悪化
- 日銀利上げ予想と日株安
- 日米首脳会談イベントも
今日2025年2月7日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円96銭付近から、円の安値でドルの高値の151円89銭付近の値幅約93銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円83〜84銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の152円50銭付近の前東京終値比で約67銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場では、前日の日本の実質賃金上昇と日本政府の赤沢亮正経済財政・再生相のインフレ発言に続き、昨日には加藤勝信財務相もインフレ発言をしていたところに、昨日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の中でもタカ派で知られる田村直樹審議委員の市場予想以上のタカ派発言があった影響で、賃金上昇を伴う2%のインフレ目標の日銀の早期の追加利上げ予想が高まり主要通貨に対する円高が進行した一方で、先日のメキシコとカナダへの米国関税がドナルド・トランプ大統領のディール交渉で延期された米国インフレ再燃への警戒感の緩和を受けて、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.4%台に低下したことに対し、債券市場では日本国債の利回りが上昇し、債券利回りの日米金利差縮小でも円高ドル安が進行したが、昨夜17時の日本市場終了後の昨夜18時15分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国債券価格上昇後の利益確定売りなどの抵抗が入ったことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.454%付近と下げ幅を縮小したため、昨夜18時22分頃にドルは円相場で一時152円90銭付近にまで買い戻されていた。
しかし、昨夜18時30分に発表された最新英国経済指標や昨夜19時に発表された最新欧州経済指標に市場予想以下のデータがあった影響もあり、世界的な安全資産の米国債の買い戻しが入ると再び米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、昨夜20時55分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.433%付近の再低下に転じたことでは、ドルは円相場で昨夜21時16分頃の一時152円27銭付近に向けて反落を始めた。
昨夜21時には、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が英国新政策金利と声明を発表し、以前の4.75%から市場予想通りに4.50%へと0.25%の英国追加利下げを決定し、9人中7人の委員が0.25%の英国小幅利下げに賛成した多数決で決定していたが、少数派の2人は0.5%のハト派の英国大幅利下げを支持していたことが話題になり、2025年の英国経済成長率見通しが下方修正された影響もあり、ハト派寄りの英国追加利下げだった一方で、昨日の日銀の田村直樹審議委員のタカ派発言の影響による日銀の追加利上げ予想の影響が続き、日英金利差予想で英国ポンドが円相場で大幅に下落した外貨影響も波及した。
ただし、英国ポンドに対しては世界的に流動性が高いドルも買われて上昇した外貨影響の波及や、昨夜22時頃には米国長期金利が一時4.456%付近に反発した影響もあり、ドルも円相場で反発し、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円37銭付近の始値となり、昨夜22時3分頃にはドルは円相場で一時152円53銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、昨夜の米国市場では最新米国経済指標の発表があり、今夜この後の最新米国重要経済指標1月の米国雇用統計の発表を控えて米国雇用関連データが注目されていたところに、昨夜22時30分の前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の20.7万件と前回修正の20.8万件と市場予想の21.3万件よりも弱い21.9万件に悪化し、前週分の米国失業保険継続受給者数も前回の185.8万人と前回修正の185.0万人と市場予想の187.4万人よりも軟化した188.6万人であったため、発表を受けた安全資産の米国債の買い戻しが入り、昨夜22時50頃には米国長期金利が一時4.426%付近に低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが再び入り始めた。
また、昨夜22時30分に同時発表されていた10〜12月の第4四半期の米国非農業部門労働生産性の前期比の速報値も、前回の2.2%と前回修正の2.3%と市場予想の1.4%を下回る1.2%に低下しており、同四半期の米国単位労働コストの前期比年率の速報値も、前回の0.8%と前回下方修正の0.5%よりは改善されたものの市場予想の3.4%には届かない3.0%と、この日に発表された米国経済指標がいずれも市場予想以下であったことから、日銀のタカ派の追加利上げ予想による日米金利差縮小予想の昨日の円高に加えて、低リスク通貨の円に対するドル売りが続いたため、ドルが円相場で再び下落し、午前4時33分頃に対ドル円相場は一時151円24銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
米国ニューヨーク債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前1時55分頃に一時4.462%付近に反発したことは金利差トレードによるドルの円相場での一時抵抗になったが、午前3時45分頃には安全資産の米国債買いの影響で米国長期金利が一時4.427%付近に反落したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入り、前述の午前4時33分頃のドルの円相場での市場安値に影響を与えていた。
とはいえ、午前4時30分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のクリストファー・ウォラー理事の発言が始まり、基軸通貨のドルと価格が連動した仮想通貨のデジタルトークンのステーブルコインについて、明確なルールや規制は必要だが準備資産としての米国ドルの地位を強化する可能性が高いとして支持する姿勢を示したことでは、同日に米国政府のスコット・ベッセント財務長官も米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) のインタビューで、米国はドナルド・トランプ大統領の下でも「強いドル」政策を続けると表明しており、「強いドル政策はトランプ大統領によって完全に維持されている」と発言したほか、「我々はドルが強いことを望んでいる。我々が望まないのは他の国が自国の通貨を弱くすることや、貿易を操作することだ。我々は公正な貿易を望んでいる。ドルと貿易の条件に関して強い立場をとることは、その一環だ」と説明しており、「強いドル」は、今朝5時59分頃には一時151円54銭付近まで下げ幅を縮小した。
また、今朝未明の午前4時頃には、南米メキシコ中央銀行のメキシコ銀行 (Banco de México / 英語:Bank of Mexico) が新政策金利と声明を発表し、これまでの10.00%から市場予想通りの9.50%へと0.5%の大幅利下げを発表し、今回の利下げ幅は昨年2024年3月にメキシコ政策金利を過去最高の11.25%から下げ始めて以来の最大の利下げ幅となったが、声明では、「インフレ環境により更なる追加利下げが可能」で、「0.5%の追加利下げの可能性」など市場予想以上のハト派であったことから、発表後にペソが主要通貨に対して売られたほか、世界的に流動性が高いドルに対してドルペソがペソ安ドル高になった外貨影響も円相場に波及していた。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、この日の市場予想以下の米国経済指標の影響もあり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) は前日までの続伸後の利益確定売りや持ち高調整もあって反落し、大幅安の終値に向けていたことでは一部の株価リスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円買いも入ったが、米国主要企業の決算報告シーズンの影響などもあり、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は小幅高ながらも続伸の終値に向けていたことはやや抵抗になっていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円53銭付近から、円の高値でドルの安値の151円24銭付近の値幅約1円29銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は151円41銭付近と、前営業日同時刻の152円61銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円20銭の大幅な円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、日銀の早期の追加利上げ予想の影響による日本の国内金利上昇への警戒感の日本株売りの影響で、日経平均株価の先物下落と大幅下落予想を受けた低リスク通貨の円買いが先行し、今朝8時47分頃には対ドル円相場は一時151円17銭付近に円相場が上昇したため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場も一時151円17銭付近の始値となり、今朝の東京株式市場で先物から下落していた今日の日経平均株価が市場予想通りの大幅安で始まると、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが勢いを増し、今朝9時28分頃に対ドル円相場は一時150円96銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの高値を記録し、昨年2024年12月10日以来の今年最大の円高ドル安を更新した。
また、国内債券市場でも、日本の政策金利の影響を受けやすい新発2年物の国債利回りがおよそ16年4カ月ぶりと言われる歴史的な高水準に上昇したため、日銀の追加利上げ観測を受けた日米金利差縮小予想による円買いドル売りも入っていたことで、世界的に流動性が高いドルだけでなく他の主要通貨に対しても円高になっていた外貨影響も波及していた。
しかし、日本市場では今朝9時55分の仲値決済に向けて、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り始めたこと続き、今夜この後には米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長なども重視していることで知られている最新米国重要経済指標の1月の米国雇用統計の発表予定や日米首脳会談などのイベントを控えているため、イベント前の早期の利益確定で市場高値後の円の持ち高調整の抵抗が入り、市場安値後のドル買い意欲も強かったことでは、ドルは円相場で反発を始めた。
午後15時30分頃に、今日の日経平均株価は3万8787円2銭付近の終値をつけ、前日比279円51銭安の大幅安で大引けしたが、今朝9時25分頃の底値時の約300円安よりは午後に下げ幅を縮小していたことでは、低リスク通貨の円買いの影響は限定的になった。
また、夕方16時頃からの欧州市場の参入を受けては、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.457%付近に上昇したため、債券利回りを受けた金利差トレードによるドルの買い戻しも入り、夕方16時20分頃にドルは円相場で一時151円89銭付近に下げ幅を縮め、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円83〜84銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の152円50銭付近の前東京終値比では約67銭の円高ドル安になった。
今夜この後には1月の米国雇用統計の発表イベントや、日本政府の石破茂首相と米国政府のドナルド・トランプ大統領の初の日米首脳会談のイベントを控える中で、イベントリスクにより低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整とドルの買い戻しが続き、今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、今夜20時9分頃にドルは円相場で一時152円17銭付近と更に下げ幅を縮小している。
今夜この後には、最新米国重要経済指標の発表予定と日米首脳会談に加えて、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などもあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に1月の米国雇用統計の1月米国非農業部門雇用者数、1月米国失業率、1月米国平均時給、1月米国製造業雇用者数などの重要指標の発表イベント時間があり、続いて、今夜23時25分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン理事の発言予定と、深夜24時に2月米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値と12月米国卸売売上高、26時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのアドリアナ・クーグラー理事の発言予定と、29時頃に12月米国消費者信用残高を控えているほか、終了の時間は未定だが日本よりも時差遅れの今夜この後の米国現地時間の本日付けで米国のワシントンで日本政府の石破茂首相と米国政府のドナルド・トランプ大統領の初の日米首脳会談のイベントも控えており、日米関税案などが注目されている。
また、米国主要企業の決算報告シーズンの影響も続いており、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、米国関税ディール政策や中東情勢などが注視される中で、世界情勢や政治要因や最新経済指標データなどを含めたファンダメンタルズの影響や要人発言なども世界のFXトレーダー達が注目している。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は157円71〜76銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の158円33〜35銭付近の前東京終値と比べると約62銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、日銀の早期の追加利上げ予想による円高の影響が続いたほか、日経平均株価が大幅安になったことからリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いも影響を与えていた。
また、今日の夕方16時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の12月の独鉱工業生産が前月比と前年同月比共に、前回と市場予想よりも低下してマイナス圏になった景気要因でも、欧州ユーロが低リスク通貨の円に対して売られやすかった。
ただし、今夜この後の日米首脳会談を控え、イベントリスクがあったことでは円の利益確定売りやドルの利益確定売りと持ち高調整で欧州ユーロが買い戻されたことでは、小幅域になる抵抗も見せていた。
そのため、ユーロドルも、欧州ユーロが小幅に上昇し、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0387〜1.0389ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0379〜1.0380ドル付近の前東京終値と比べると約0.08セントのユーロ高ドル安であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は188円91〜97銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の190円15〜21銭付近の前東京終値比では1円24銭の大幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、先述の日銀の追加利上げ予想による主要通貨に対する円高の波及に加え、昨夜の英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) のハト派寄りの英国利下げを受けて、日英金利差縮小予想により大幅な円高ポンド安が進行したが、今夜その後の20時台の英国市場では日米首脳会談のイベントリスクもあり、円の利益確定売りと持ち高調整で英国ポンドの買い戻しも入っていることでは英国ポンドは円相場で下げ幅を小幅域に縮小している。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年2月7日の日本時間(JST)20時57分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時57分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。
通貨ペア | JST 20:57の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 152.14 〜 153.15 | −0.36 (円高) |
ユーロ/円 | 157.96 〜 157.98 | −0.37 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0381 〜 1.0385 | +0.0002 (ドル安) |
英ポンド/円 | 189.44 〜 189.50 | −0.71 (円高) |
スイスフラン/円 | 167.77 〜 167.83 | −1.06 (円高) |
豪ドル/円 | 95.56 〜 95.60 | +0.07 (円安) |
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