FXニュース:今夜最新米CPI発表控え

2025年2月12日
FXニュース:今夜最新米CPI発表控え

 

東西FXニュース – 2025年02月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 独英株価指数最高値続伸
  • 米FRB議長利下げ急がず
  • 米長期金利上昇4.5%台
  • 日総裁利上げ幅情勢次第
  • 日政府米関税除外申入れ
  • 欧EU対米報復関税25%

今日2025年2月12日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の152円73銭付近から、円の安値でドルの高値の153円81銭付近の値幅約1円8銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円79銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円97銭付近と比べると約1円82銭の大幅な円安ドル高で、日本市場の祝日前の前営業日同時刻にあたる一昨日月曜日17時の152円17〜19銭付近の前東京終値比でも約1円62銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は祝日休場であったが、昨夕の欧州市場では米国に輸入される鉄鋼やアルミニウム製品への25%の米国関税には欧州も対象となることから、欧州連合 (EU / European Union) のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長などが「断固として制裁措置を取る」と発言し、米国から欧州への鉄鋼とアルミニウム製品の25%に報復関税を表明したことでは、欧米貿易摩擦の警戒感のリスク回避により低リスク通貨の円が買われた時間があり、昨夜17時31分頃に対ドルの円相場は一時151円65銭付近に上昇したが、米国インフレ再燃警戒では米国政策金利の先高観の影響もあり、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、債券利回りを受けた日米金利拡大によりドルは円相場で反発上昇を始めた。

昨夜21時台の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の欧州ディスインフレ発言などによる欧州金利警戒感緩和の影響が続き、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien IndeX) が連日で史上最高値に向け、英国主要株価指数の英国FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 index) も最高値続伸に向けるなどの好調な欧英株式市場を背景にしたリスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じ、世界的な安全資産の米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇が続き、昨夜21時45分頃には米国関税インフレ警戒による米国政策金利先高観の影響も続いたことで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.538%付近と4.5%台に乗せて上昇してドルが買われたほか、欧州や英国の国債利回りも米国債に連れて上昇したことから債券利回りを受けた金利差トレードで低金利通貨の円売りが起き、欧英株価影響の低リスク通貨の円売りでも欧州ユーロや英国ポンドが買い戻された影響が対ドル円相場に波及したため、前東京終値比で円安ドル高に市場反転を始めていたドルは円相場で昨夜21時52〜53分頃に一時152円41銭付近に上昇していた。

その影響から欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円37銭付近の始値であったが、昨夜の米国ニューヨーク株式市場が始まると、米国関税インフレ再燃への警戒感や米国政策金利先高観による金利警戒などの影響により、前日には揃って高値で終えていた米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が反落してマイナス圏から始まったほか、開場時には米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も揃って反落して始まったため、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円買いも起きたことは抵抗になり、昨夜23時55分頃に対ドル円相場は一時152円23 銭付近と、昨夜の米国市場での円の高値でドルの安値を記録したが、その後には米国主要株価三指数には欧州英国株価上昇の影響もあって下げ幅を縮小し始めて、米国ダウが小幅高に向けたほか、S&P500とナズダックも買い戻されて下げ幅を縮めたためドルは底堅く反発した。

深夜24時頃から半期に1度の米国議会証言で上院銀行委員会の公聴会における米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム(ジェイ)・パウエル議長の要人発言が始まり、「経済は強さを維持しており、政策スタンスの調整を急ぐ必要はない」と米国追加利下げを急がない姿勢を示し、「金融政策による景気抑制度合いの追加利下げが速過ぎもしくは行き過ぎれば、米国インフレ抑制の進展を妨げる可能性がある。一方で、遅過ぎもしくは少な過ぎれば、経済活動と雇用を過度に弱めかねない」と調整時期についてのリスクバランスについてもデータ重視の慎重さを保ち、今夜この後に発表予定の最新米国重要インフレ指標の1月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントに注目が集まったほか、今週の最新米国重要景気指標の米国小売売上高などの最新経済データの発表が意識される中でも、前回の米国政策金利据え置きを決定したFOMC後の記者会見でも見せていた米国追加利下げを急がない姿勢を改めて表明したことから、米国政策金利の先高観により米国長期金利が深夜24時40分頃の一時4.546%付近に向けて更に上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差拡大時の円売りドル買いが起き、深夜24時37〜38分頃にドルは円相場で一時152円60銭付近と152円台後半に上昇した。

なお、ドナルド・トランプ米国政権の関税政策については、「貿易政策についてコメントすることは、我々FRBの役目ではない」と言及を控えたが、市場では米国関税影響のインフレ再燃への警戒感などもデータ重視の慎重姿勢に影響を与えていることは意識されていた。

米国ニューヨーク債券市場では、深夜3時に米国3年債の入札があり、他の年度の米国債買いの影響が波及したことがやや抵抗になったが、米国主要企業の決算報告シーズンが続く米国ニューヨーク株式市場では、米国第一主義の第二次トランプ政権の国内産業保護の影響などでも一部の買いが入っていた米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が反発上昇して前日比で小幅高の終値に向け、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も一時の大幅な下げ幅は縮小して前日比で小幅安の終値に向けており、一時の米国株価下落時のリスク回避のリスクオフで買われた低リスク通貨の円が米国市場終盤に向けた利益確定や持ち高調整で売られてドルが買い戻されると、米国長期金利上昇による日米金利差拡大時の円売りドル買いの勢いが増し、午前5時33分頃にはドルは円相場で一時152円61銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円23銭付近から、円の高値でドルの安値の152円61銭付近の値幅約38銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は152円49銭付近と、前営業日同時刻の152円0銭付近の前ニューヨーク終値比で約49銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、昨夜に米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長が米国追加利下げを急がない慎重な姿勢を示したことを受けた米国長期金利上昇に伴う円売りドル買いが先行し、今朝8時59分頃にドルは円相場で一時152円77銭付近に上昇していたため、日本の祝日休場明けの今朝9時頃の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時152円77銭付近で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録していた一時152円73銭付近が今日の日本市場での円の高値でドルの安値となり、その後の今日の日本市場ではドルが円相場で上昇を続けた。

日本市場では、今朝9時55分の仲値決済に向けて、祝日休業明けの日本企業の輸入実需の円売りドル買いがあったほか、昨夜に市場注目度が高い米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長が、米国追加利下げを急がずに慎重な当面の間の金利維持の姿勢を示した米国政策金利の先高観により、今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場でも米国長期金利が一時4.556%付近と更なる上昇を続けたため円売りドル買いが優勢になり、テクニカル分析の200日移動平均線を円安ドル高に上抜けて、ドルは円相場で153円台に上昇した。

一方、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言もあり、今日の衆院財務金融委員会で、「今後の利上げ幅はその時々の経済・物価情勢次第」と発言していたが、影響は限定的だった。

今日の国内ニュースでは、先日2月10日付けでドナルド・トランプ米国大統領が大統領令に署名し、米国現地時間3月12日から通商拡大法232条に基づき米国追加関税を適用される25%の鉄鋼とアルミニウム製品について、日本政府の武藤容治経済産業相は今朝の閣議後記者会見で、「米国政府に措置対象から日本企業を除外するように申し入れた」と公表し、また日本企業が米国関税の対象になる場合には日本政府が全額出資する日本貿易保険(NEXI / Nippon Export and Investment Insurance)の保険金支払いの対象とする方針も示した。

これまでにも米国関税ディール政策で知られるドナルド・トランプ米国大統領は、オーストラリアでは飛行機移動が必要でたくさん購入するからと例外措置の継続に向けた協議を検討しているが、前回の第1次トランプ政権時代の2018年3月に発動された鉄鋼とアルミニウム製品への米国追加関税の時には、日本政府の交渉により一定量までは追加関税なしで輸入できる関税割当の例外措置を受けていた日米間の経緯があり、企業からの申請により適用する除外制度もあったのであるが、今回の第2次トランプ政権の新大統領令ではこれらの例外措置がなくなることへの警戒感を示し、日本時間の本日2月12日付けで日本を除外するように政府が申し入れたことでは、今日の東京株式市場では日経平均株価が午後15時30分頃に3万8963円70銭の終値をつけ、前営業日比162円53銭高の大幅高で大引けし、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンでも低リスク通貨の円が売られて、米国長期金利上昇による円売りドル買いの勢いが増したことでもドルが円相場で上昇していた。

夕方からの欧州市場の参入でも、今朝の欧州主要株価もプラス圏で始まり、リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りの影響が残り、米国長期金利上昇時のドル買いの影響も続いていたことから、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入時の今夜17時0分の1分間の値動きの中で、ドルは円相場で一時153円81銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は153円79銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の151円97銭付近と比べると約1円82銭の大幅な円安ドル高になり、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日の夜17時の152円17〜19銭付近の前東京終値比でも約1円62銭の大幅な円安ドル高になった。

また、今夜その直後の17時1分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時153円89銭付近と日本市場の高値を上抜けたが、この理由として今日の日本市場の円安ドル高トレンドを受けて、今夜17時頃のロンドン開場時には円売りが先行していた。

今夜この後には、最新米国重要経済指標の発表予定のイベントがあり、また昨夜に続き今夜にも米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定が続くほか、米国債入札予定などもあり、日本時間の経済指標カレンダーは、今夜22時30分に最新米国重要インフレ指標の1月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) と、深夜24時頃からFRBのジェローム・パウエル議長の半期に1度の米国議会証言で今夜は下院銀行委員会における要人再発言予定があり、深夜24時30分には週間米国原油在庫と、27時には米国10年債の入札予定、28時に1月の米国月次財政収支なども控えている。

また、今週にはその他にも明日木曜日の最新米国インフレ指標の1月の米国生産者 (卸売) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) や、明後日金曜日の1月の米国小売売上高などの経済データの発表予定が続くほか、米国主要企業の決算報告シーズンが続いているため、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、米国関税ディール政策や中東情勢などが注視される中で、世界情勢や政治要因や最新経済データなどを含めファンダメンタルズの影響や要人発言なども世界のFXトレーダー達が注目している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は159円44〜45銭付近で、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円58銭付近と比べると約2円86銭の大幅な円安ユーロ高で、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の156円92〜93銭付近の前東京終値比でも約2円52銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨夜に独英主要株価が史上最高値を続伸し、欧英株価上昇によるリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが売られて欧州ユーロや英国ポンドが買われたほか、今日は日経平均株価上昇によりリスクオンでも低リスク通貨の円売りが欧州ユーロに対して入り、債券利回りを受けた金利差トレードでも米国や欧英債券の利回り上昇により低金利通貨の円が売られやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は191円51〜57銭付近で、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の187円49〜55銭付近と比べると約4円2銭の大幅な円安ポンド高で、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日の夜17時の188円75〜81銭付近の前東京終値比でも約2円76銭の大幅な円安ポンド高であった。

また、昨夜の英国市場では、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) で前回0.25%の英国小幅利下げ時にハト派寄りの0.5%の英国大幅利下げを支持したキャサリン・マン委員が、「当面は制約的な金融政策を維持する必要がある」と連続利下げに反意を示し、英国金利維持を示唆するタカ派寄りの発言をしたことが市場で話題となり、英国長期金利の先高観から英国ポンドも買い戻されたことで、円相場での反発上昇がより大幅域になっていた。

ユーロドルも、リスク選好のリスクオンの欧州ユーロの買い戻しの影響が波及し、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0373〜1.0375ドル付近で、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0304ドル付近と比べると約0.69セントのユーロ高ドル安で、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日の夜17時の1.0310〜1.0312ドル付近の前東京終値比では約0.63セントのユーロ高ドル安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年2月12日の日本時間(JST)21時20分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の12時20分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 21:20の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 153.61 〜 153.63 +1.44 (円安)
ユーロ/円 159.36 〜 159.37 +2.44 (円安)
ユーロ/ドル 1.0372 〜 1.0374 +0.0062 (ドル安)
英ポンド/円 191.28 〜 191.34 +2.53 (円安)
スイスフラン/円 168.58 〜 168.64 +1.53 (円安)
豪ドル/円 96.42 〜 96.46 +0.96 (円安)

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