FXニュース:米消費者物価指数上振れ
2025年2月13日
東西FXニュース – 2025年02月13日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利上昇4.6%台
- 米年内利下げ予想が後退
- 露宇停戦交渉ユーロ買い
- 欧EU米関税協議に向け
- 日国内企業物価指数上昇
- 日欧株価続伸リスクオン
今日2025年2月13日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の154円67銭付近から、円の高値でドルの安値の153円95銭付近の値幅約72銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円27銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円79銭付近の前東京終値比で約48銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien IndeX) が連日の史上最高値に向けて続伸し、英国主要株価指数の英国FTSE 100 (Financial Times Stock Exchange 100 index) も最高値続伸に向けるなど、欧英株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で、世界的な安全資産の米国債が売られて米国債券価格低下時の利回り上昇により、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.5%台の上昇を続けており、債券利回りの金利差トレードで日米金利差拡大による円売りドル買いに対し、低リスク通貨の円が欧州英国通貨に対して売られていた外貨影響の円安圧が波及し、昨夜17時1分頃にドルは円相場で一時153円89銭付近と昨日の日本市場の高値を上抜けたが、最新米国重要経済指標の発表を控えていたイベントリスクではイベント前の利益確定や持ち高調整のドル売りで欧州英国通貨が買い戻された抵抗もあり、昨夜21時58分頃にドルは円相場で一時153円39銭付近に上昇幅を縮小していた。
欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時153円56銭付近の始値で、昨夜22時30分の最新米国重要経済指標でインフレデータとして注目を集めていた1月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表直前にはイベントリスクで一時153円27銭付近と昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を瞬時記録したが、発表された1月米国消費者物価指数 (CPI) は前月比が前回の0.4%と市場予想の0.3%を上回る0.5%に上振れし、前年同月比も前回と市場予想の2.9%を超える3.0%に上昇し、物価基調の重要経済指標の1月米国CPIコア指数も前月比が前回の0.2%と市場予想の0.3%以上の0.4%で、前年同月比も前回の3.2%と市場予想の3.1%を上回る3.3%に上昇するなど、いずれも市場予想を上回る最新米国インフレデータとなったことから、発表時の昨夜22時30分の1分間の値動きの中で、ドルは円相場で一時154円34銭付近と154円台に急伸し、米国インフレ抑制のための米国金利据え置き予想が高まって米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も4.5%台から4.6%台に急上昇し、昨夜22時35分頃には一時4.636%と急伸した。
深夜24時頃からは、前日の米国上院銀行委員会に続き、この日は米国下院金融サービス委員会の公聴会において、半期に1度の米国議会証言で今年の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達の中でも市場への影響力が大きいジェローム(ジェイ)・パウエル議長の要人発言が始まり、昨日にも米国利下げを急がないデータ重視の慎重な姿勢を見せ、「金融政策による景気抑制度合いの追加利下げが速過ぎもしくは行き過ぎれば、米国インフレ抑制の進展を妨げる可能性がある」と話していたが、先ほど発表された1月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の最新インフレデータを受けて、「インフレ目標は近いが、まだ到達していないことを示している」と指摘したことに続き、「米国関税を理由に米国政策金利を変更せざるを得なくなる可能性」についても言及したことから、今年年内の米国利下げ予想が後退した金利維持予想だけでなく、米国関税によりインフレ再燃が起きれば再利上げの可能性も否定できないことから、米国政策金利の先高観などにより、深夜24時15分頃の米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.660%付近と更に上昇し、債券利回りの日米金利差拡大による円売りドル買いや、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いも起き、また同時進行していた世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場でも午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) の主要取引通貨のドル需要があり、午前1時37分頃にドルは円相場で一時154円80銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、欧州市場が終盤を迎え、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整で欧州ユーロが買い戻される抵抗が入り始めたことに加えて、米国のドナルド・トランプ大統領が、「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話協議をし、ロシアとウクライナの停戦交渉を直ちに始めることで合意した」とソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS / Social Networking Service)で発言したニュース報道が話題になり、「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とも話したが、彼も和平実現を望んでいる」とSNSに投稿したため、欧州連合 (EU / European Union) の欧州ユーロ圏と地理的に隣接する地域があるウクライナへのロシア侵攻に伴う地政学リスクが緩和された影響でも欧州ユーロが低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対して買い戻されて上昇し、ユーロドルが一時1.0417ドル付近のユーロ高ドル安になった外貨影響が対ドル円相場に波及したことはドルの円相場での上値を抑え、ドルは円相場で上昇幅を縮小した。
また、先日には鉄鋼とアルミニウム製品に対する25%の米国関税に対し、25%の報復関税を主張していた欧州連合(EU)が、米国との交渉による解決策を模索している観測報道を米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などが伝えた影響もあり、また米国債券利回りに連れる形で欧州債券利回りも上昇したことなどでも、欧州ユーロの買い戻しが入っていた。
米国ニューヨーク株式市場では、米国政策金利の先高観を受けた金利警戒感などから、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が大幅に下落し、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も続落したが、世界的な国際ハイテク企業比率の高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は一時の下落後に反発して小幅高の終値に向けたが、米国主要株価三指数中二指数の下落により、米国株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では安全資産の米国債買いの影響により米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇幅を縮小し始めたこともあり、低リスク通貨の円買いは円相場の抵抗となったが、上昇幅を縮小後の今朝7時頃のニューヨーク終値の頃にも米国長期金利は一時4.629%付近と、4.6%台に留まっていたことでは、債券利回りの日米金利差拡大時の円安ドル高の影響は残っていた。
このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円27銭付近から、円の安値でドルの高値の154円80銭付近の値幅約1円53銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は154円42銭付近と、前営業日同時刻の152円49銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円93銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
今朝8時50分のアジア・オセアニア市場では、今日の日本市場を前に発表された日本の最新経済指標の1月日本国内企業物価指数は、前月比は市場予想通りの0.3%であったが前回分の0.3%が前回0.4%に上方修正されており、前年同月比も前回3.8%が前回3.9%に上方修正された上で市場予想の4.0%を上回る4.2%に上振れしたことを受けては、賃金上昇を伴う2%のインフレ目標による日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想が再び意識された円の買い戻しが入ったことでは、今朝8時54分頃に対ドル円相場は一時154円19銭付近と、円相場がドルに対して反発して下げ幅を縮小した。
今朝9時頃からの東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時154円23銭付近であったが、日本市場では今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需のドル需要の円売りドル買いがあったほか、昨夜の最新米国重要インフレ指標の1月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の上振れや米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の発言を受けた米国政策金利の先高観により、日銀が追加利上げをしても米国が金利据え置きや米国関税影響のインフレ再燃時には追加利上げの可能性も否定できない様な状況にあることでは、時間外の米国債券取引でも今日の日本市場時間にも米国長期金利は4.6%台の高利回りの推移を続けており、当面の間の日米金利差予想による円売りドル買いも入り、今朝10時3分頃にドルは円相場で一時154円67銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、今日の東京株式市場では、円安を追い風にした海外投資流入などの影響もあり、日経平均株価が大幅に続伸し、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られやすかったことも円相場に影響を及ぼしており、午後15時30分頃に今日の日経平均株価は3万9461円47銭の終値をつけ、前日比497円77銭高の大幅高で大引けした。
夕方からの欧州市場の参入を受けては、先述の欧州連合(EU / European Union)の米国関税協議への期待感や、ロシアとウクライナ停戦協議による地政学リスク緩和の影響が続き、低リスク通貨の円だけでなく欧州ユーロが世界的に流動性の高い安全資産でもありドルに対して買い戻された外貨影響が対ドル円相場に波及したため、午後16時1分頃にドルは円相場で一時153円95銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
それに加えて、午後16時に発表された最新英国重要経済指標の12月の英国月次国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前月比が前回と市場予想の0.1%を上回る0.4%に上振れし、10〜12月第4四半期の英国国内総生産 (GDP) の速報値も前年同期比の前回0.9%が前回1.0%に上方修正された上で市場予想の1.1%を上回る1.4%に上昇し、英国ポンドも円だけでなくドルに対しても買い戻された外貨影響が対ドル円相場に波及していた。
ただし、時間外の米国債券市場では、夕方にも米国長期金利は上昇幅を縮小時にも4.6%台の高利回りの推移を続けており、米国政策金利の先高観による日米金利差を受けた円安ドル高の影響では、ドルは円相場で再び154円台に戻すなど底堅い値動きを見せており、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円27銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円79銭付近の前東京終値比では約48銭の円安ドル高になった。
今夜この後にも最新米国経済指標の発表予定があり、今夜22時30分にも米国インフレ関連データの1月米国生産者 (卸売) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が同時発表され、27時には米国30年債入札予定なども控えることでは、イベント前にはイベントリスクによるドルの利益確定や持ち高調整の影響なども観測されている。
また、明日の金曜日には最新米国重要景気指標の1月の米国小売売上高などの経済データの発表予定が続き、米国株式市場で米国主要企業の決算報告シーズンの影響も続くことなどから、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響と、米国関税ディール政策や中東情勢なども注視される中で、世界情勢や政治要因と最新経済データなどを含めたファンダメンタルズや要人発言なども、世界のFXトレーダー達が注視している。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は160円82〜84銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の159円44〜45銭付近の前東京終値比で約1円38銭の大幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、独英主要株価が最高値を続伸し、日経平均株価も大幅高と日欧株価リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りが入りやすかったことに加え、欧州の米国関税協議へのニュースや地理的に近いウクライナ情勢がロシアとの停戦協議合意に向けた地政学リスクの緩和でも欧州ユーロが円だけでなくドルにも買われて上昇した。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0424〜1.0426ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0373〜1.0375ドル付近の前東京終値比では約0.51セントのユーロ高ドル安であった。
先述の最新英国重要経済指標の英国GDPの上振れでも買われていた英国ポンドも、地理的に近い欧州同様にウクライナ情勢の地政学リスクの緩和による買い戻しも入ったことで、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円91〜97銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円51〜57銭付近の前東京終値比で約1円40銭と大幅な円安ポンド高になっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年2月13日の日本時間(JST)20時24分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。
通貨ペア | JST 20:24の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 153.61 〜 153.63 | +0.01 (円安) |
ユーロ/円 | 160.31 〜 160.32 | +0.80 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0422 〜 1.0423 | +0.0049 (ドル安) |
英ポンド/円 | 192.15 〜 192.21 | +0.64 (円安) |
スイスフラン/円 | 169.59 〜 169.65 | +1.09 (円安) |
豪ドル/円 | 96.40 〜 96.44 | −0.28 (円高) |
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