FXニュース:日銀総裁と石破首相会談

2025年2月20日
今日2025年2月20日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の151円24銭付近から、円の高値でドルの安値の149円95銭付近の値幅約1円29銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円24銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年02月20日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米輸入車関税「25%程度」
  • ウクライナ情勢不透明感 
  • 米FOMC議事要旨の影響
  • 日銀早期追加利上げ予想
  • 日経株価下落リスク回避

今日2025年2月20日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の151円24銭付近から、円の高値でドルの安値の149円95銭付近の値幅約1円29銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円24銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の151円64銭付近の前東京終値比で約1円40銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言による米国政策金利維持予想に加え、ドナルド・トランプ米国大統領が4月頃に予定の米国への輸入自動車の追加関税について「25%程度になるであろう」と発言したことや、半導体や医薬品の追加関税検討などのニュース報道が話題になり、米国インフレ警戒感などの影響で、昨夜20時45分頃に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.575%付近に上昇し、債券利回りの金利差トレードでドルが買い戻されて、昨夜20時39分頃にドルは円相場で一時151円96銭付近への下げ幅を縮小した。

一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、米国とロシア政府高官達による欧州不在のウクライナ停戦交渉に異論を投じ、初の会談があったサウジアラビアへの訪問を3月10日に延期し、欧州と地理的に隣接する地域もあるウクライナ情勢の不透明感が高まり、地政学リスクによる欧州ユーロ売りでもドルの買い戻しが入る中で、欧州とウクライナ不在となった階段で、米国とロシア政府がウクライナで早期に大統領選を実施するよう促す政治圧を与え、ドナルド・トランプ米国大統領も同意していると伝わり、地政学リスク回避のリスクオフにより欧州主要株価の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が下落したため、欧州ユーロ売りでは低リスク通貨の円も買われていた外貨影響も波及し始めていた。

そのため、欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時151円91〜92銭付近で、この時間が昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値となり、昨日には日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の高田創審議委員のタカ派発言の影響による日銀追加利上げ予想の影響もあり、買われやすくなっていた低リスク通貨の円相場が上昇した。

米国市場では最新経済指標の発表もあり、昨夜22時30分の1月米国住宅着工件数は、年率換算件数が前回の149.9万件は前回151.5万件に上方修正されたものの市場予想の139.0万件を下回る136.6万件に下振れし、前月比も前回プラス圏だった15.8%は前回16.1%に上方修正されたが市場予想の-7.3%を更に下回るマイナス圏の-9.8%に低下していたこともドルの下落圧となったが、同時発表の1月米国建設許可件数は年率換算件数が前回の148.2万件と市場予想の146.0万件を上回る148.3万件に上昇し、前月比も前回マイナス圏だった-0.7%と市場予想の-1.5%を超えるプラス圏の0.1%に改善していたことはやや抵抗になっていた。

しかし、同時進行中の欧州株式市場で欧州主要株価指数の独DAXが大幅安の終値に向ける中で、米国ニューヨーク株式市場でも米国主要株価三指数がマイナス圏への下落から始まったことでは、リスクオフの低リスク通貨の円買いが強まり、また世界的な安全資産の米国債の買い戻しも入り始めたことで米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国ニューヨーク債券市場でも昨夜22時台に一時4.574%付近に上昇後の米国長期金利が反落し、深夜24時台には一時4.547%付近に低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円売りドル買いや主要通貨に対するドル売りと、欧米株価リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いが入り、深夜24時3分頃と深夜24時11分頃に対ドル円相場は一時151円25銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、地政学リスクの燻る欧州市場と比べて、米国市場では米国長期金利の反落を受けた金利警戒感の緩和などにより、米国主要株価三指数が反発を始めたことでは、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しの抵抗も入り、午前3時14分頃にはドルは円相場で一時151円83銭付近に反発していた。

午前4時には、1月28〜29日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の議事要旨が公開され、米国インフレの上振れリスクが指摘されており、多くのメンバーが追加政策調整に慎重なアプローチが適切と見ていたことが明らかになったが、先日からの米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言通りであったことでは当面の間の米国政策金利維持は市場予想通りでドルの買い戻しは限られたものの、その一方で、米国債などの資産のバランスシートを縮小する量的引き締め(QT / Quantitative Tightening)の一時停止や減速が適切という複数の意見があったことが明らかになり「債務上限問題の解決まで、バランスシート縮小の一時停止や減速が必要になる公算」との内容を受けては、低下後も一時は下げ幅を縮小していた米国長期金利が再び急落して午前4時20分頃の一時4.533%付近に向けたため、米国長期金利低下時の債券利回りの日米金利差縮小を受けた円買いドル売りの影響により、午前4時16分と20分頃にドルは円相場で一時151円39銭付近に再び下落した。

米国市場の終盤には、米国長期金利低下時の金利警戒感緩和の影響があり反発上昇後の米国主要株価三指数が揃って前日比でプラス圏の小幅高の終値で引けたことでは、低リスク通貨の円の利益確定売りや持ち高調整のドルの買い戻しの抵抗も混ざったが、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響では、前日比で円高ドル安のニューヨーク終値に向けた。

このため、昨夜22時頃から今朝7時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の151円92銭付近から、円の高値でドルの安値の151円25銭付近の値幅約67銭で、今朝7時頃のニューヨーク終値は152円47銭付近と、前営業日同時刻の152円6銭付近の前ニューヨーク終値比では約59銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のオセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった東京外国為替市場の対ドル円相場は一時151円22〜24銭付近の始値であったが、米国市場と同様にこの始値付近が今日の日本市場での円の安値でドルの高値となり、円相場が上昇を始めた。

原因はまず、昨日に続く日銀追加利上げ予想を受けた円買いに続き、今朝の東京株式市場では日経平均株価が前日比で大幅安のマイナス圏から始まり、更に下げ幅を拡大し始めたことによる株価リスク回避のリスクオフでも、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて上昇した。

また、今朝9時55分の仲値決済は、今日が20日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く「五十日」 (ごとおび / ゴトーび) であったことから、国内輸出企業のまとまった円買いドル売りが入り、対ドルの円相場は150円台に上昇した。

更に、今日の昼に日銀の植田和男総裁と石破茂首相が会談したニュース報道が話題となり、会談後に植田和男総裁は「経済金融動向について、一般的な意見交換をした」と発言したが、市場では日本政府同意の日銀の早期追加利上げ観測報道を受けた市場予想が高まり、ドルだけでなく主要通貨に対して円が買われて円相場が更に上昇を続けた。

午後15時30分頃には、今朝から下落していた今日の日経平均株価が3万8678円4銭の終値をつけ、前日比486円57銭安の大幅安で大引けすると、低リスク通貨の円買いの勢いが増したことでも円相場が上昇した。

加えて、今朝未明に公表された前述の米国連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、米国債などの資産のバランスシートを縮小する量的引き締め(QT)の一時停止や減速が適切との見解があったことを受けて、今朝までの米国市場でも米国長期金利が低下したが、今日の日本市場時間の時間外の米国債券取引でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下を続け、夕方16時台には一時4.512%付近に向けていたため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りの影響もあり、欧州市場参入後の夕方16時2〜3分と7分頃にドルは円相場で一時149円95銭付近と、一時149円台の今年最大の円高ドル安を記録した。

市場高値後の円の利益確定売りと持ち高調整と共に市場安値後のドルには買い戻しの抵抗も入り一時150円台にしたが、日銀追加利上げ観測の円買いと米国長期金利低下時のドル売りの影響では、前東京終値比で大幅な円高ドル安の東京終値に向けた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円24銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の151円64銭付近の前東京終値比で約1円40銭の大幅な円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を有する米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分に2月米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が同時発表され、今夜23時35分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー総裁の発言予定と、深夜24時に1月米国景気先行指標総合指数、26時に週間米国原油在庫、26時5分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国セントルイス連邦準備銀行のアルベルト・ムサレム総裁の発言予定、そして28時30分頃からFRBのマイケル・バー副議長の発言などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、世界情勢などの政治ニュースや要人発言なども世界のFXトレーダー達が注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は156円69〜71銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の158円51銭付近の前東京終値比で約1円82銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、ウクライナ情勢の不透明感を受けて、欧州の地政学リスクや軍事費増加による財政圧迫懸念などが意識され、欧州ユーロがドルや円に売られる中で、今日の日本政府と日銀の会談のニュースを受けて、日銀追加利上げ予想の主要通貨に対する円買いが強まり、日経平均株価の大幅下落でも低リスク通貨の円が買われたことが為替相場に影響を及ぼした。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0431〜1.0433ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0452ドル付近の前東京終値比で約0.21セントのユーロ安ドル高であった。

ただし、昨夜の欧州市場では、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のイザベル・シュナーベル専務理事が、「欧州利下げを一時停止、または停止すべきかもしれない局面に近づきつつある」とインタビューで答えていた英国経済紙のニュース記事が話題になった時には、欧州長期金利が一時上昇して欧州ユーロに買い戻しが混ざる時間もあったこともあり、米国長期金利低下時の円買いドル売りの外貨影響の波及では、欧州ユーロはユーロドルではユーロ円ほどの大幅な下落は見せていなかった。

英国ポンドも、経済圏が近い欧州ユーロと同様に今日は円に対して大きく売られ、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円16〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円36〜42銭付近の前東京終値比で約2円20銭の大幅な円高ポンド安になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年2月20日の日本時間(JST)20時34分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時34分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:34の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.13 〜 150.14 −1.51 (円高)
ユーロ/円 156.71 〜 156.73 −1.80 (円高)
ユーロ/ドル 1.0436 〜 1.0438 −0.0016 (ドル高)
英ポンド/円 189.31 〜 189.37 −2.05 (円高)
スイスフラン/円 166.33 〜 166.39 −1.44 (円高)
豪ドル/円 95.67 〜 95.71 −0.83 (円高)

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