FXニュース:米主要株価下落時円買い

2025年2月24日
今日2025年2月24日月曜日の日本の東京外国為替市場は祝日休場であるが、世界FX市場における日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円85銭付近から、円の安値でドルの高値の149円55銭付近の値幅約70銭で、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は149円47〜48銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年02月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米関税や経済指標に警戒
  • 米サービスPMIが下振れ
  • 米消費者態度指数も低下
  • 米長期金利一時4.41%台
  • 独連邦議会選挙政権交代

今日2025年2月24日月曜日の日本の東京外国為替市場は祝日休場であるが、世界FX市場における日本市場相当時間の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円85銭付近から、円の安値でドルの高値の149円55銭付近の値幅約70銭で、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は149円47〜48銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の150円55銭付近の前東京終値比では約1円8銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜22時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時150円48銭付近の始値で、時間外の米国債券取引でそれまでは4.4%台後半で推移していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が先週金曜日の夜22時台に一時4.510%付近と、短時間ではあったものの一時4.5%台にタッチする動きを見せたことを受けては、先週金曜日の夜22時2分頃にドルは円相場で一時150円51銭付近と、米国市場における円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国主要企業の決算報告シーズンの影響もあり、米国景気や今後の企業決算の先行き見通しなどに市場の関心が高まる中で米国関税政策への警戒感が燻り、また世界情勢のニュースなどを受けても米国主要株価が先物から下落しており、中国でコウモリから新たな新型コロナウィルスが見つかり将来的なパンデミックの可能性への警戒感からワクチン製造会社などの一部の医療株などには上昇銘柄はあったものの、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数が揃って前日比でマイナス圏に向けて始まるなど市場での警戒感が高まっていたところに、米国景気関連の最新米国経済指標の発表が始まった。

先週金曜日の夜23時45分に発表された2月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) 速報値は前回の52.7と市場予想の53.2を下回る50.4に下振れし、2月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回51.2と市場予想の51.5を上回る51.6ではあったものの、2月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の52.9と市場予想の53.0を下回る49.7に下振れし、好景気と不景気を分ける景気ボーダーラインの50をも下回る想定外の不景気指標となったことから、米国景気減速懸念で米国主要株価三指数が揃って大幅な下落に向け、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われて上昇し、また安全資産の米国債買いの影響で債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利低下時のドル売りも入り、ドルは円相場で150円台から149円台に急落した。

続いて、深夜24時に発表された2月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値も、前回と市場予想の67.8に対し64.7に下方修正され、2023年11月以来の低水準であった。

同時発表だった1月の米国中古住宅販売件数も、年率換算件数が前回の424万件と前回上方修正の429万件と市場予想の413万件を下回る408万件と弱く、前月比では前回プラス圏だった2.2%と前回上方修正2.9%と市場予想の-2.6%を下回るマイナス圏の-4.9%に悪化していた。

その影響から市場警戒感や週末を控えた株売りが続き、米国主要株価三指数が揃って大幅安の終値に向けたため、低リスク通貨の円が買われて上昇を続けたほか、世界的な安全資産の米国債買いの影響に加えて、先日に米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が公表した前回1月分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨では米国債などの保有資産のバランスシート縮小の量的引き締め(QT / Quantitative Tightening)の「一時停止や減速が必要になる公算」でも米国債が変われやすくなっており、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が続き、米国長期金利は一時4.4%台後半から前半へと低下し、先週土曜日未明の午前3時13分頃に一時4.412%付近に急低下した後にも、午前4時台にも一時4.416%付近の低利回りとなり、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが強まり、先週土曜日の午前4時29分頃には対ドル円相場は一時148円92銭付近と、この日の米国市場の円の高値でドルの安値を記録し、またこの時点での今年最大の円高ドル安も更新していた。

また、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続く中で、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米国投資会社バークシャー・ハザウェイが2024年度の営業利益を前年比27%増の474億4千万ドルと3年連続で過去最高益を更新し、第4四半期の営業利益は前年同期比71%増と過去最高であったことを発表しており、株主達への手紙には、できれば現金保有するよりも米国株を中心とした株式への投資が望ましく、日本の5大商社への投資拡大の可能性などにも言及したが、現時点では株売却の利益確定後の現金保有が増えていることなどもあり、週末前の株式市場では長期保有株の利益確定売りも混ざった。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って前日比で大幅安の終値をつけて引けており、低リスク通貨の円買いの影響が残った円高ドル安市場になっていた。

ただし、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー総裁の発言もあり、米国ニューズネーション (NewsNation) テレビに対し、先ほど発表された2月の米国ミシガン大学消費者態度指数のデータについて、「数字は素晴らしくはなかった。とはいえ、1カ月分のデータでしかない。考慮に入れるには、少なくとも2カ月か3カ月は必要だ」としていたこともあり、元々はハト派で知られる高官が長期データ重視の早期の金利調整に慎重な発言をしたことでは市場安値後のドルに買い戻しが入り始めたほか、米国長期金利も下げ幅を縮小し始めた。

また、米国ミシガン大学がリサーチしている米国消費者の長期のインフレ期待のデータは、米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) が金融政策を決定する上で重要な要因であるために注目されているが、この日の5〜10年先のインフレ期待は3.5%と、米国関税への警戒感などもあって約30年ぶりの高水準になっていたことも市場で意識され、149円台へのドルの買い戻しと米国長期金利の反発に影響を及ぼした。

同日には、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を有する米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のフィリップ・ジェファーソン副議長の発言もあったが、人工知能 (AI / Artificial intelligence) に関する話題が中心で、人工知能 (AI / Artificial intelligence) 導入の取引方法が投資家達に採用するに連れてFOMCの金融政策声明やFRBの発言に対する市場の反応速度が加速していることを指摘し、「米国金融政策に関する情報を資産価格に反映する速度に影響を与えていることが研究から分かっているが、加速化に伴い経済全体への金融政策の伝達がより迅速になるかについては更なる研究が必要だ」と述べ、また投資家だけでなく一般家庭も金融政策に注目して反応を示している研究結果から、「金融政策担当者は不確実性を増大させることがない様に、可能な限り明確なコミュニケーションを図る必要がある」と発言していた。

先週金曜日の夜22時頃から土曜日の朝6時55時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の150円51銭付近から、円の高値でドルの安値の148円92銭付近の値幅約1円59銭で、先週土曜日の朝6時55分頃のニューヨーク終値は149円27銭付近と、前営業日同時刻の149円64銭付近の前ニューヨーク終値比では約37銭の円高ドル安をつけて週末を迎えていた。

週末中には、昨日23日にドイツの総選挙があり、ドイツ連邦選挙管理官による暫定集計では保守系野党の独キリスト教民主・社会同盟 (CDU・CSU / Christian Democratic Union of Germany and Christian Social Union in Bavaria) が勝利する見通しとのニュースを受け、独連立協議を主導する見通しのCDUのフリードリヒ・メルツ党首は2カ月以内の早期組閣を目指す考えを示し、欧州ユーロ圏主要国ドイツの政治懸念で売られたユーロの買い戻しが入ったが、投資家期待ではドイツ新政府が純借り入れの限度額の債務ブレーキを解除あるいは改革することへの一部期待もあったものの債務ブレーキは憲法に明記されており、憲法改正には議員の3分の2以上の賛成が必要だがCDU・CSUを含む主要政党の獲得議席数はこれに満たない見通しであることでは、ウクライナ情勢を巡る国防費増加予想の中で欧州景気対策の財政的警戒感も燻ったことでは、欧州ユーロの上昇幅は限定的なものとなった。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続く今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は、昨日の天皇誕生日の祝日の振替休日で休場であったが、時間帯が近い世界市場でも米国長期金利低下時のドル売りや低リスク通貨の円買いによる週末市場の値動きの影響が残っており、今朝9時頃の今日の東京外国為替市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時149円39銭付近の始値となり、平日なら朝9時55分頃までに日本企業の輸入実需の円売りドル買い期待が世界市場であるところが、今日は日本の休日でなかったことや世界株価の影響も燻りアジア株価も軟調な銘柄が増えると、世界FX市場では今朝9時55分と57分頃に対ドル円相場は一時148円85銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録し、先週末の米国市場で記録した今年最大級の円高ドル安を再び更新した。

しかし、世界的に流動性が高い基軸通貨でもあるドルには安値後の買い戻しも入り、円相場で下げ幅を縮小し始めた。

また、夕方からの欧州市場の参入により、今日は日本が連休で円実需がないこともあり、ドルの買い戻しが円相場で進み、時間外の米国債券取引では米国長期金利も夕方16時18分頃に一時4.45%付近と下げ幅を縮小したため、債券利回りを受けた円売りドル買いも入り、夕方の16時47分と49分頃にドルは円相場で一時149円55銭付近と、今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録し、今朝のより大幅な下げ幅を縮小していた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の対ドル円相場は149円47〜48銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の150円55銭付近の前東京終値比で約1円8銭の大幅な円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、特に重要度が高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、27時に米国2年債の入札予定などを控えている。時間は未定だが、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を有する米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言もある可能性がある。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響に加え、世界情勢などの政治ニュースや要人発言なども世界のFXトレーダー達が注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間の今日のユーロ円相場は156円81〜82銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の157円95〜96銭付近の前東京終値比で約1円14銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、先週土曜日早朝の米国主要株価三指数の大幅下落を受けたリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響では、円相場がドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨に対し大きな上昇を見せた影響が残っていたが、ドイツ総選挙後のユーロの買い戻しの抵抗も入ったことでは、欧州ユーロの下げ幅は英国ポンドよりも狭かった。

その英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値相当時間の英ポンド円相場は188円96銭〜189円2銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の190円69〜75銭付近の前東京終値比では約1円73銭の大幅な円高ポンド安になった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間には1.0490〜1.0492ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0491〜1.0492ドル付近の前東京終値比では、ほぼ横ばいレンジ圏から約0.01セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先週発表された欧米経済指標比較では米国よりも欧州景気懸念があったこともあり、先週の米国市場では米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りはあったものの、リスク回避市場では欧州ユーロも売られやすく、また今日の夕方の欧州市場では米国長期金利が下げ幅を縮小した時間もあり、ドルがユーロに対しても買われたため、前東京終値比では横ばいに近く、ややユーロ安ドル高に傾くドルの反発をユーロ相場で見せていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年2月24日の日本時間(JST)20時24分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。米国市場も2024年11月の第1日曜日から2025年3月の第2日曜日まで米国冬時間 (EST / Eastern Standard Time / GMT-5 / JST -14) にあたるため、現在の世界市場では欧州・英国・米国市場共に冬時間で日本と標準時差になっている。

通貨ペア JST 20:24の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 149.68 〜 149.69 −0.87 (円高)
ユーロ/円 156.71 〜 156.72 −1.24 (円高)
ユーロ/ドル 1.0468 〜 1.0470 −0.0023 (ドル高)
英ポンド/円 189.15 〜 189.21 −1.54 (円高)
スイスフラン/円 166.38 〜 166.44 −1.23 (円高)
豪ドル/円 95.24 〜 95.28 −0.96 (円高)

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