FXニュース:今夜米CPI発表を控え

2025年3月12日
今日2025年3月12日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の147円85銭付近から、円の安値でドルの高値の148円65銭付近の値幅約80銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円64銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年03月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米JOLTS求人数上振れ
  • 独財政拡張案ユーロ高
  • 米加関税貿易摩擦交渉
  • 宇30日間停戦案合意
  • 米ウクライナ支援再開
  • 国内企業物価指数鈍化
  • 鉄鋼アルミ25%米関税
  • 日経平均株価は小幅高

今日2025年3月12日水曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の147円85銭付近から、円の安値でドルの高値の148円65銭付近の値幅約80銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円64銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円93銭付近の前東京終値比で約1円71銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、前日には欧州ユーロ圏主要国ドイツで独中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU / Christian Democratic Union of Germany and the Christian Social Union in Bavaria / The Union Parties)と独中道左派の社会民主党(SPD / Social Democratic Party)が提案した軍事費増額のための大規模財政拡大政策に独環境政党の同盟90/緑の党 (Bündnis 90/Die Grünen)が現状のままでは支持しないとしたことで不透明感があったが、この日の続報で同盟90/緑の党のフランシスカ・ブラントナー共同党首が「CDU/CSUと防衛費について交渉の用意があり、週内にも合意の可能性がある」と発言し、交渉成立の期待感の高まりから世界的な安全資産の米国債売りで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.1%台から4.2%台へと上昇し、昨夜20時58分頃に対ドル円相場は一時147円94銭付近と、前日比の円安ドル高に転じていた。

欧州ユーロが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルに対して年内高値を更新する中で、低リスク通貨の円に対しても上昇していた外貨影響が波及していたため、欧州英国市場後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国夏時間の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は147円77銭付近の始値で、この時間の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.243%付近に上昇していたため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大による円売りドル買いの影響があったほか、昨日の朝の日本市場でドル円が一時146円54銭付近と今年最大の円高ドル安を記録後であったことから円の利益確定売りと持ち高調整のドルの買い戻しも現地でのドル実需と同時に入ったため、昨夜21時6分頃にドルは円相場で一時148円12銭付近と一時148円台に上昇し、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国市場では、昨夜23時に米国雇用市場関連の最新米国経済指標の1月米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数の発表があり、前回の760.0万件と前回修正の750.8万件と市場予想の763.0万件を上回る774.0万件に上振れしたことを受けてもドルは円相場で再び一時148円12銭付近の昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を再記録したが、前回修正分が大幅な下方修正であったことでは、米国ニューヨーク債券市場で安全資産の米国債の買い戻しが入り、深夜23時25分頃の一時4.204%付近に向けて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時反落したため、ドルは円相場で二度目の市場高値を上抜けできず、テクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井の売りサインとなり、利益確定売りや持ち高調整で反落した。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、前日に米国と隣接する地域のあるカナダのオンタリオ州政府が米国向け電力に25%の追加料金を課すと発表したニュースを受けて、自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) のトゥルース・ソーシャル (Truth Social) に「カナダからの鉄鋼とアルミニウムに対する米国関税にさらに25%追加し、50%とするよう商務長官に指示した」と投稿し、「カナダ産の鉄鋼とアルミニウムへの米国関税は12日に発動」との発言も話題になり、報復関税や追加料金などによる米加貿易摩擦への警戒感が高まり、米国ニューヨーク株式市場では前日にもトランプセッションへの警戒感などにより大幅安で引けていた米国主要株価三指数が再び大幅な続落を見せた時間があったことも、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による低リスク通貨の円の買い戻しを強めたため、午前1時23分頃に対ドル円相場は一時147円2銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、その後のニュース続報では、カナダのオンタリオ州政府のダグ・フォード首相が、「米国向け電力への追加料金を一時停止することを、米国政府のハワード・ラトニック商務長官と合意した」と報じられ、それに対してドナルド・トランプ大統領もカナダからの鉄鋼やアルミニウムへの追加関税撤回について「今、考えている。恐らく、そうするだろう」と発言したディール交渉が伝わると、米国ニューヨーク株式市場では株の買い戻しが入り、米国主要株価三指数が下げ幅を縮小し、安全資産の米国債にも米国債券価格上昇後の利益確定売りや持ち高調整が入って米国長期金利が反発上昇し、低リスク通貨の円にも利益確定売りや持ち高調整が入って、ドルは円相場で反発した。

さらに、米国政府とウクライナ政府の両政府がサウジアラビア西部ジッダで開いた高官協議後の共同声明を発表し、ロシアのウクライナ侵攻について米国が提示した30日間の停戦案をウクライナが受け入れたとのニュースもあり、ロシアとウクライナの停戦交渉に向けたウクライナ政府の姿勢を米国政府は評価したと一時停止していたウクライナへの米国の軍事支援や機密情報共有を再開するとしたことで、今後のロシア側の動きが注目される中でも、欧州の地政学リスク緩和を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) ムードが高まり、米国ニューヨーク債券市場では、世界的な安全資産である米国債が売られて利回りが上昇し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は午前3時45分頃の一時4.290%付近に向けて上昇したため、債券利回りの金利差トレードの円売りドル買いと低リスク通貨の円売りなどの影響で、午前2時56分頃にドルは円相場で一時147円92銭付近に反発した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、金利に敏感な米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) は前日比478ドル23セント安の続落となったものの、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は小幅安に下げ幅を縮小していた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円12銭付近から、円の高値でドルの安値の147円2銭付近の値幅約1円10銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円78銭付近と、前営業日同時刻の147円27銭付近の前ニューヨーク終値比で約51銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時50分のアジア・オセアニア市場時間には、今日の日本市場に先行して日本の最新経済指標の発表があり、2月日本国内企業物価指数は、前月比が前回の0.3%と市場予想の−0.1%に対し0.0%と市場予想ほどではないものの前月よりも鈍化しており、前年同月比では前回の4.2%に対し市場予想通りの4.0%に低下したことでは、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想が後退した円売りが入り始めた。

今朝8時50分に同時発表の1〜3月第1四半期の日本法人企業景気予測調査も、大企業全産業業況判断指数 (BSI / Business Survey Index) が前回5.7から2.0に低下したほか、大企業製造業業況判断指数 (BSI) も前回6.3から−2.4のマイナス圏に転じたことでも、円売りが先行したため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時148円5銭付近の始値と、ドルは円相場で一時148円台に上昇していた。

日本市場の今朝の仲値決済では、日本企業の輸入実需の円売りドル買いの後に国内輸出企業のまとまった円買いドル売りが優勢となったほか、日銀の植田和男総裁が今朝の衆院財務金融委員会で、最近の上昇トレンドの国内長期金利について「市場の見方と私共の見方に、大きな齟齬はない」と発言し、国内長期金利上昇を特に牽制しなかったこともあり、今朝10時頃には国内長期金利が一時上昇した円買いドル売りが入った時間があり、今朝10時15〜16分と10時29分頃に対ドル円相場は一時147円85銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、東京株式市場では、今朝早朝には一時マイナス圏から始まっていた今日の日経平均株価が、反発上昇してプラス圏の推移を見せ始めたことから、株価上昇時のリスク選好のリスクオンで国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りドル買いが入り始めた。

ただし、本日12日の日本時間の午後13時1分 (時差で米国東部時間では12日の午前0時1分) から、日本も対象となる全ての国から米国に輸入される鉄鋼とアルミニウム製品への25%の米国追加関税が予定通り発動されたことでは、これまで日本が認められてきた追加関税なしで一定数量まで輸入できる「関税割当」の例外措置の廃止により、日経平均株価が一時上昇幅を縮小した時間もあった。

午後15時30分頃には、今日の日経平均株価が3万6819円9銭の終値をつけ、前営業日比で25円98銭高の終値の小幅安で大引けした。

また、世界市場でもウクライナ停戦合意のニュースを受けた地政学リスク緩和による欧州ユーロ買いに対しても低リスク通貨の円売りが入っていた外貨影響の波及などがあり、今週後半には日本で春季労使交渉 (春闘) の集中回答日が予定されていることや、来週の日銀金融政策決定会合のイベントを控えた利益確定や持ち高調整の円売りも見られて、ドルは円相場で反発後に上昇を続けており、その要因として日銀の植田日銀総裁の発言も市場に影響を及ぼし、「基本的な物価上昇率は、現時点でまだ2%を下回っている」ことや、「海外の経済・物価動向を巡る不確実性を非常に心配している」などを受けて、今朝の経済指標の影響もあって今月の日銀の早期追加利上げ予想が後退し、金利据え置き予想が意識されていた。

ただし、今夜この後の米国市場では、最新米国重要インフレ指標の2月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えているイベントリスクもあることでは安全資産の米国債買いで米国長期金利が上昇幅を一時縮小したものの、その後には再び反発も見せ始めたことでは、欧州ユーロに対してドルも低リスク通貨の円も売られる中でもドルは円相場で再び148円台後半に向けた上昇を見せていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円64銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円93銭付近の前東京終値比では約1円71銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今週から米国夏時間のサマータイムに変更に伴い今夜21時30分に市場注目度が高い最新米国重要インフレ指標の2月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) とコア指数などの発表イベントがあり、今夜23時30分に米国週間原油在庫と、26時に米国10年債入札予定、27時には2月米国月次財政収支などが発表される予定である。

また、今夜22時45分頃には北米カナダの中央銀行にあたるカナダ銀行 (BoC / Bank of Canada) の政策金利発表も予定されている。

加えて、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税政策やウクライナ情勢などを含む世界情勢などの政治ニュースと要人発言なども世界のFXトレーダー達が注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円97〜98銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の159円96〜98銭付近の前東京終値比で約2円1銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先述の通り、独財政拡大政策の交渉成立への期待感や、ウクライナの30日間の停戦合意のニュースによる米国支援再開で地政学リスク緩和への期待感も高まり、欧州ユーロが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルや低リスク通貨の円に対して上昇した。

また、来週の日銀金融政策決定会合のイベントを控え、最近の経済指標の影響などで、今月の日銀の早期追加利上げ予想がやや後退した金利据え置き予想も円売りに影響を及ぼした。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0900〜1.0901ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0889〜1.0890ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ高ドル安であった。

欧州ユーロに連れやすい英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円10〜16銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の189円66〜72銭付近の前東京終値比で約2円44銭の円安ポンド高であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月12日の日本時間(JST)20時41分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time) の英国ロンドン外国為替市場時間 (GMT / JST-9) の11時41分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間のサマータイム (Summer Time) に日本との時差が調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイムに1時間変更の (BST / JST-8) に時差調整がされることには注意が必要ある。

通貨ペア JST 20:41の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 148.61 〜 148.63 +1.68 (円安)
ユーロ/円 162.02 〜 162.04 +2.06 (円安)
ユーロ/ドル 1.0901 〜 1.0903 +0.0012 (ドル安)
英ポンド/円 192.50 〜 192.56 +2.84 (円安)
スイスフラン/円 168.43 〜 168.49 +1.29 (円安)
豪ドル/円 93.48 〜 93.52 +1.15 (円安)

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