FXニュース:米消費者物価指数は鈍化

2025年3月13日
今日2025年3月13日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円37銭付近から、円の安値でドルの高値の147円58銭付近の値幅約79銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円76銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年03月13日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米関税インフレに警戒感
  • 欧対米報復関税に米対抗
  • 世界的な米報復関税合戦
  • 加銀も利下げ後慎重姿勢
  • 春闘大企業満額回答多数
  • 日銀総裁の今後の見通し
  • 日銀追加利上げ予想再燃

今日2025年3月13日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円37銭付近から、円の安値でドルの高値の147円58銭付近の値幅約79銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円76銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の148円64銭付近の前東京終値比で約88銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日から米国に輸入される鉄鋼とアルミニウム製品に対する25%の米国追加関税が日本を含めた全ての国に対して発動され、米国関税インフレへの警戒感が高まる中で、独財政拡張政策への期待感とウクライナの30日間の停戦合意のニュースを受けた地政学リスク緩和により、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) 上昇に伴うリスク選好のリスクオン (Risk-on) で世界的な安全資産の米国債売りや低リスク通貨の円売りが起き、欧州ユーロへの大幅な円安ユーロ高の外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜19時50分にドルは円相場で一時148円77銭付近に上昇していた。

この欧州市場の値動きの影響の中で、欧州と英国では今月3月下旬まではまだ現地冬時間であるが、米国では先週末から米国夏時間のサマータイム (Summer Time) に移行したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は147円73銭付近の始値で、この時間の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.304%付近と4.3%台に上昇していたため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響も加わり、昨夜21時24分頃にドルは円相場で一時148円87銭付近に上昇した。

しかし、昨夜21時30分の米国市場では、最新米国重要経済指標で重要インフレ指標でもある2月米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が発表され、前月比は前回の0.5%と市場予想の0.3%を下回る0.2%に下振れし、前年同月比も前回の3.0%と市場予想の2.9%以下の2.8%に鈍化し、物価基調の2月米国CPIコア指数も、前月比が前回の0.4%と市場予想の0.3%よりも低下した0.2%で、前年同月比も前回の3.3%と市場予想の3.2%に対し3.1%に低下したことを受けては、昨夜21時30分の発表時の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時148円14銭付近に瞬時に急落した。

ただし、2月の米国CPIの前年同月比の上昇率は、昨年2024年9月の2.4%から今年2025年1月の3.0%まで4カ月連続の加速を見せた後に2.8%とやや落ち着いたものの、米国関税インフレへの警戒感も根強く、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) は単月データよりも長期データを重視することが知られているため、この日には米国関税に対し北米カナダや欧州連合 (EU / European Union) などが米国への報復関税を表明したことに対し、米国政府のドナルド・トランプ大統領が「EUの報復関税に対し報復しますか?」という質問に対し「もちろん対抗する」と答えたと報じられた話題があり、世界的な米国関税報復合戦による米国インフレ警戒により米国政策金利の先高観が意識され、昨夜22時頃の一時4.326%付近に向けて米国長期金利が更に上昇し、債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響でドルは円相場で反発上昇し、昨夜21時59分頃には一時149円20銭付近と、一時149円台の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

昨夜22時45分には、北米カナダの中央銀行にあたるカナダ銀行 (BoC / Bank of Canada) が新政策金利を発表し、これまで3.0%だった加政策金利を市場予想通り2.75%へと0.25%の加追加利下げを決定したが、関税によるインフレ警戒感もあり金利据え置きも検討されたなどと、ティフ・マックレム総裁が今後の追加利下げに慎重な姿勢を示していた。

先行していた欧州株式市場では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が大幅高の終値に向けていたが、米国ニューヨーク株式市場では、金利に敏感な米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が一時大幅な下落を見せた影響や、第二次ドナルド・トランプ政策に起因する米国景気後退懸念の米国トランプセッション (Trumpcession / Trump + Recession) 警戒感で米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も一時揃って反落した時間があったことでは、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で安全資産の米国債の買い戻しによる米国長期金利の上昇幅縮小と低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗が入り始めたことでは、一時149円台の市場高値を記録後のドルにも利益確定売りや持ち高調整が入り、ドルは円相場で一時148円台に向けて反落した。

また、午前3時に発表された最新米国経済指標の2月の米国月次財政収支が前回の−1286億ドルと市場予想の−3032億ドルよりも赤字額が増大した−3070億ドルであった影響なども為替相場に影響を与え、午前3時頃に対ドル円相場は一時148円11銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中では米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) は続落となったものの一時の大幅な下げ幅を縮小した小幅安の終値に向け、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) は小幅高に反発し、世界的なハイテク企業の比率の高い米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は大幅高に反発上昇した終値に向けたことでは、ドルの買い戻しも入り、午前3時48分頃にはドルは円相場で一時148円42銭付近に反発していた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の149円20銭付近から、円の高値でドルの安値の148円11銭付近の値幅約1円9銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円25銭付近と、前営業日同時刻の147円78銭付近の前ニューヨーク終値比で約47銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円30銭付近の始値で、今朝の日本市場時間の時間外の米国債券取引でも米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.3%台に上昇していた債券利回りの日米金利差を受けては円売りドル買いが入ったほか、今朝の東京株式市場で日経平均株価がプラス圏に上昇して始まると、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りの影響もあり、今朝9時13分頃に対ドル円相場は一時148円37銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、今日は国内債券市場でも新発10年物の日本国債利回りが指標となる国内長期金利も連れ高となって1.5%台で上昇したことでは、世界貿易戦争警戒感などで世界的な安全資産である米国債買いが入り始めると、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りで円相場が反発を始めた。

今日の日本のニュースでは、昨夜12日の日本市場終了の頃に集中回答日の回答が集まり始めていた今年2025年の春闘 (春季労使交渉) の話題があり、大企業のトヨタ自動車や日立製作所や三菱重工とNECなどの主要製造業の約6割が労働組合の賃上げ要求に対して満額または満額以上の回答をするなど、多くの企業で連合が掲げていた賃上げ率の5%以上の要求方針を上回る満額以上の回答があった一方で、日産自動車や三菱電機とパナソニックHDなどは組合要求を下回る回答を示し、中小企業の動向が注目されていた。

そこに、今日の参院財政金融委員会における日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言の影響があり、「人手不足の強まりで、賃金・物価が上がりにくい慣行に変化」という日銀の追加利上げの指標となる「賃金上昇を伴う2%のインフレ目標」が再び意識され、「輸入インフレが収まり、他方で賃金上昇率の強い姿が続いている」との見方も示した一方で、今後の物価見通しについては、「景気の緩やかな回復のもと、徐々に2%に向けて高まっていく」ことや、「今後、実質賃金や消費について良い姿が見込まれる」などと発言したこともあり、日銀の追加利上げ予想が再び上昇し、前日に債券市場での国内長期金利上昇に対する抑制姿勢も特に見せなかった影響もあり、債券利回りの国内長期金利が2009年11月以来の高利回りに上昇時し、日米金利差縮小時と日米金利差縮小予想の円買いドル売りが入って円相場が上昇し、午後15時20分頃に対ドル円相場は一時147円58銭付近と、147円台の円高ドル安の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

国内金利警戒感を受けては、今朝は一時大幅な上昇を見せた日経平均株価が反落してマイナス圏に転じ、午後15時30分頃に今日の日経平均株価は3万6790円3銭の終値をつけ、前営業日比29円6銭安の小幅安の終値で大引けし、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買い戻されたことから、市場安値後のドルの買い戻しの抵抗を交えながらも、対ドル円相場は147円台後半の東京終値に向けた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円76銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の148円64銭付近の前東京終値比で約88銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に米国インフレ関連の最新米国経済指標の2月米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) と同米国PPIコア指数の発表と同時に、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が発表され、26時には米国30年債の入札予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国を含めた各国の関税政策やウクライナ情勢などを含む世界情勢などのニュースと、要人発言などにも世界のFXトレーダー達が注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は160円56〜58銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円97〜98銭付近の前東京終値比で約1円41銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨夕には独財政拡大政策の期待感やウクライナの30日間の停戦合意のニュースで地政学リスク緩和の欧州ユーロ買いで大幅な円安ユーロ高であったが、今日は世界的な貿易戦争への警戒感や国内金利上昇への警戒感で日経平均株価が午後に反落し、リスク回避のリスクオフによる低リスク通貨の買い戻しや、日銀の追加利上げ予想の円買いを受けて欧州ユーロに対して円相場が大幅に反発し、前日比で円相場が上昇した東京終値で引けた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0865〜1.0867ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0900〜1.0901ドル付近の前東京終値比で約0.35セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場では、今朝は一時4.3%だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、今日の午後には一時4.288%付近と4.2%台に低下後に反発し、今日の夕方には再び4.3%台に戻した欧米金利差の影響があり、世界貿易戦争への警戒感ではリスク市場に弱い欧州ユーロにリスク回避の売りが入った一方で、世界的な流動性の高さから対ユーロでは安全資産でもあるドルが買われた影響があり、また低リスク通貨の円に対する欧州ユーロ下落の外貨影響もユーロドルに波及した。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円41〜47銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円10〜16銭付近の前東京終値比で約69銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州と地理的に近く経済圏も近い英国ポンドも、欧米報復合戦の世界関税戦争への警戒感では低リスク通貨の円に対して売られたものの、欧州ユーロ圏主要国のドイツの対米黒字と比較すると、英国には対米赤字があった影響もあり、より限定的になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月13日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時17分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時17分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time) に日本との時差が調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:17の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 148.06 〜 148.07 −0.58 (円高)
ユーロ/円 160.91 〜 160.93 −1.06 (円高)
ユーロ/ドル 1.0867 〜 1.0869 −0.0033 (ドル高)
英ポンド/円 191.72 〜 191.78 −0.38 (円高)
スイスフラン/円 167.73 〜 167.79 −0.57 (円高)
豪ドル/円 93.07 〜 93.11 −0.36 (円高)

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