FXニュース:英政策金利4.5%を維持

2025年3月21日
今日2025年3月21日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円59銭付近から、円の安値でドルの高値の149円67銭付近の値幅約1円8銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円34銭付近と、昨日の日本市場が祝日休場だった世界FX市場の昨日17時の148円55銭付近と比較すると約79銭の円安ドル高であったが、...

 

東西FXニュース – 2025年03月21日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧ECB総裁関税景気懸念
  • 米経済指標は予想比堅調
  • 日消費者物価上昇率3%
  • 日家計金融資産過去最高
  • 日米欧主要株価安値引け

今日2025年3月21日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円59銭付近から、円の安値でドルの高値の149円67銭付近の値幅約1円8銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円34銭付近と、昨日の日本市場が祝日休場だった世界FX市場の昨日17時の148円55銭付近と比較すると約79銭の円安ドル高であったが、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の149円34銭付近の前東京終値比では横ばいレンジ圏であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場は春分の日で祝日休場だったが、昨夜17時台の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州と経済圏が近いスイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) が政策金利を0.25%利下げしたことで欧州通貨がドルに対して売られた影響に続き、欧州議会で欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁が、「通商に関する不確実性が高い」ことや、「米国関税と欧州連合 (EU / European Union) の対抗措置が欧州経済を下押しする」と発言したことを受けた欧州ユーロ売りでも世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われた外貨影響の円相場への波及では、昨夜18時51分頃にドルは円相場で一時148円78銭付近に上昇した。

ただし、米欧関税報復合戦の欧州経済への影響の懸念では、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) も大幅に下落したため、欧州株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では、欧州ユーロ売りでドルだけでなく低リスク通貨の円も買われた影響では対ドルの円相場が反発したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は148円46銭付近の始値であった。

同時進行中だった英国ロンドン外国為替市場では、昨夜21時に英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が英国政策金利を発表し、市場予想で優勢であった通りに英国政策金利を現状の4.5%で据え置きする金利維持を発表し、今回は委員9人中の8人の賛成票で決まり、小幅利下げを主張し反対票を投じたハト派寄りの委員はわずか1人だけと市場予想よりも少数だったことでは、今後の英国追加利下げにも慎重姿勢の想定よりもややタカ派寄りの金利維持である可能性が市場で意識され、英国ポンドが世界的に流動性の高い基軸通貨のドルに対して買われた外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜21時27分頃にドルは円相場で一時148円40銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国市場では最新米国経済指標の発表が始まり、昨夜21時30分に発表された2024年10〜12月第4四半期の米国経常収支は、前回の−3109億ドルと前回修正の−3103億ドルと市場予想の−3300億ドルよりも赤字額が改善した−3039億ドルで、同時発表の3月米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数も前回の18.1と市場予想の8.5に対し12.5と市場予想比では堅調で、前週分の米国新規失業保険申請件数も前回の22.0万件と前回修正の22.1万件と市場予想の22.4万件に対し22.3万件と、いずれも市場予想よりも強い米国経済指標となったことでは、ドルが主要通貨に対して買われて反発上昇し、昨夜21時45分頃に対ドル円相場でも一時148円70銭付近に上昇した。

ただ、同じく発表されていた前週分の米国失業保険継続受給者数は前回187.0万人が前回185.9万人に改善の修正はされたものの、市場予想の188.7万人よりもやや軟調な189.2万人であったことはやや抵抗になった。v

また、米国債券市場では、同時進行中の欧州市場の欧州主要株価下落などを受けて、世界的な安全資産の米国債が買われていた影響から、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜22時25分頃の一時4.179%付近に向けて低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りも入っていたことでは、昨夜22時7分頃にドルは円相場で一時148円45銭付近に下押ししたが、その後の米国長期金利が反発上昇の兆しを見せ始めたことや、マイナス圏から始まった米国主要株価三指数が一時プラス圏に向け始めたこともあり、ドルは円相場で再び148円台後半に向けた反発上昇を始めた。

続いて、昨夜23時に発表の最新米国経済指標では、2月米国景気先行指標総合指数の前月比の前回−0.3%が前回−0.2%に上方修正されたものの、市場予想の−0.2%に対し−0.3%とやや弱かったが、同時発表の2月米国中古住宅販売件数は、年率換算件数の前回408万件が前回409万件に上方修正された上で市場予想の395万件を上回る426万件に上昇し、前月比も前回マイナス圏だった−4.9%が−4.7%に上方修正された上で市場予想の−3.2%を上回るプラス圏の4.2%に改善されたことでもドルが主要通貨に対して買われて上昇し、深夜24時47分頃と午前1時9分頃に対ドル円相場は一時148円96銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、米国ニューヨーク債券市場で米国長期金利が反発上昇したことなどを受けて、一時は揃ってプラス圏に上昇した米国主要株価三指数が反落を始めて前日比でマイナス圏に向けたことでは、米国主要株価三指数下落時のリスク回避の英スクオフで低リスク通貨の円が買われたことなどが抵抗となり、ドルが円相場で市場2回目の高値を上抜けできずにテクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の売りサインを見せると、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めた。

また、先日19日のトルコの政治不安を受けたトルコリラ急落を受けて、トルコ中央銀行 (トルコ語:TCMB / Türkiye Cumhuriyet Merkez Bankası / 英語:CBRT / The Central Bank of the Republic of Turkey) が緊急会合を開き、リラ相場を支えて一時11%付近だった通貨急落がインフレ見通しに及ぼす影響を緩和する目的として、翌日物金利を44%から46%に利上げし、政策金利の1週間物レポ金利は42.5%で据え置きしたが、リラ相場の変動を抑えるために必要であれば追加措置も講じると表明したため、トルコリラが世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルや低リスク通貨の円に対して買い戻された外貨影響の波及もあった。

米国ニューヨーク債券市場では、世界的な安全資産の米国債が債券価格上昇後の利益確定売りなどで売られた影響もあり、午前2時10分頃に米国長期金利が一時4.249%付近へと上昇した債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、午前2時20分頃にはドルは円相場で一時148円93銭付近に再上昇したが、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数が揃って前日比で小幅安の終値に向けたことでは、低リスク通貨の円買いの抵抗も混ざりドルの上値を抑えたが、米国長期金利上昇時のドルは底堅さも見せた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の148円40銭付近から円の高値でドルの安値の148円96銭付近の値幅約56銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円78銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の148円69銭付近の前ニューヨーク終値比では約9銭の小幅な円安ドル高であった。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間にあたる今朝8時30分には、今日の祝日明けの日本市場に先行して最新日本重要経済指標でインフレ指標の2月日本全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) が発表され、前年同月比は前回の4.0%と市場予想の3.5%に対し3.7%と前回よりはインフレ上昇率が鈍化したものの市場予想以上で、天候条件などで価格変動が激しい生鮮食料品を除く物価基調の2月の日本全国コアCPIの前年同月比も前回の3.2%と市場予想の2.9%に対し3.0%と同様で、生鮮食料品とエネルギーを除く2月の日本全国コアコアCPIの前年同月比は前回の2.5%に対し市場予想通りの2.6%と、日本政府の電気・ガス代補助の再開の影響があり、上昇は42カ月連続であったが4カ月ぶりに伸び率は縮小した。一方、米価格は80.9%増と比較可能なデータがある1971年1月以来で最大の上昇率となっていたが、天候条件による不作による高騰の要因が大きかった。

一方、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が今朝発表した2024年10〜12月期の資金循環統計の速報では、2024年12月末時点の日本の家計の金融資産残高は、9月末と比較して2.3%増の2230兆円と過去最高を記録した。要因としては、少額投資非課税制度の新NISA (Nippon Individual Savings Account) などで貯蓄から投資に資金が移り、円安を背景とした株高により、株式や投資信託の時価上昇が影響を与えたほか、外貨建て資産の円相当額が増加し、日本円建ての計算で総合的な資産残高が上昇したことなどが影響した。

今朝9時頃からの祝日明けの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円62銭付近の始値で、今朝発表の最新の2月日本全国消費者物価指数のコアCPIが3%であったことでは、日銀の今後の追加利上げ予想が意識され、今朝9時5分頃に一時148円59銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、祝日明けの今日の日本市場では、今朝の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り始めたことでは、ドルは円相場で反発上昇を始めた。昨日20日が祝日であったため、日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) が持ち越された様な値動きも入っていた。

今日の日本市場時間の時間外の米国債券取引でも米国長期金利が上昇した影響があり、投資系でも先日の日米金融政策会合のイベント経過後でイベントリスク緩和による円売りドル買いが入ったことなどから、ドルは円相場で149円台に向けて上昇した。

また、今日の東京株式市場では、今朝にマイナス圏から始まった日経平均株価が一時反発上昇してプラス圏の推移を続けた時間が長くあったことから、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入った時間があったことも為替相場に影響を与えたが、市場終盤には利益確定売りや持ち高調整で小幅に反落し、午後15時30分に日経平均株価は3万7677円6銭の終値をつけ、前営業日比74円82銭安の-0.2%の小幅安で大引けしたことはやや抵抗になった。

ただし、夕方からの欧州市場の参入が始まる直前に、日本市場時間の時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.259%付近に上昇していた影響では、債券利回りを受けた金利差トレードの円売りドル買いが入り、午後16時1分頃に対ドル円相場は一時149円67銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円34銭付近で、昨日17時の世界市場の148円55銭付近と比較すると約79銭の円安ドル高で、日本市場の祝日前の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の149円34銭付近の前東京終値比では横ばいレンジ圏となった。

今夜この後の米国市場では、特に注目度の高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時5分頃から米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券やコモディティ市場などの為替相場への影響に加えて、欧米を含む各国の政策影響とウクライナ情勢やイスラエルやトルコなどを含む中東情勢などの世界情勢などのニュースと要人発言なども、FXトレーダー達の市場予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円91銭付近で、世界FX市場の前営業日同時刻の昨日17時の161円65〜66銭付近と比べると約26銭の円安ユーロ高だったが、日本市場の祝日前の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の162円72〜74銭付近の前東京終値比では約81銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、欧州ユーロ圏の景気懸念や欧州周辺の地政学リスクの影響が燻った影響などでは欧州ユーロが低リスク通貨の円に対して売られた時間があったが、日米金融政策会合のイベント経過後のイベントリスク緩和を受けては、円売りで外貨ポジション買いも入った。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0841ドル付近で、世界FX市場の前営業日同時刻の昨日17時の1.0881〜1.0882ドル付近と比べると約0.40セントのユーロ安ドル高で、日本市場の祝日前の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の1.0895〜1.0897ドル付近の前東京終値比では約0.54セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米欧関税報復による貿易摩擦で欧州ユーロ圏の経済への影響が懸念される中で、昨夜の欧州主要株価が大幅下落した影響があった一方で、米国経済指標に堅調さが見られ、米国長期金利上昇時のドル買いも入ったことで、ユーロ安ドル高の東京終値だった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円23銭付近と、世界FX市場の前営業日同時刻の昨日17時の192円70〜76銭付近と比べると約53銭の円安ポンド高だったが、日本市場の祝日前の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の193円57〜63銭付近の前東京終値比では約34銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、日銀が金利据え置きと共に追加利上げ方向の維持を示唆したことでは円買いが入ったが、その後の昨夜の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の金融政策委員会 (MPC) の4.5%の英国政策金利据え置きに今後の追加利下げに慎重な姿勢が意識されたことでは、イベントリスク経過後の円相場で英国ポンドが買い戻された影響が見られた。

なお、今夜その後の20時台の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜のスイス国立銀行 (SNB) の0.25%への追加利下げを受けて円相場が上昇し、スイスと経済圏が近い欧州ユーロも円相場で下げたため、欧州と地理的に近い英国ポンドも円相場で下げている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月21日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時33分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時33分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:33の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 149.01 〜 149.02 −0.33 (円高)
ユーロ/円 161.52 〜 161.53 −1.20 (円高)
ユーロ/ドル 1.0839 〜 1.0840 −0.0056 (ドル高)
英ポンド/円 192.83 〜 192.89 −0.74 (円高)
スイスフラン/円 169.09 〜 169.15 −1.19 (円高)
豪ドル/円 93.71 〜 93.75 −0.86 (円高)

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