FXニュース:米相互関税の柔軟性発言

2025年3月24日
今日2025年3月24日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円46銭付近から、円の安値でドルの高値の149円96銭付近の値幅約50銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円63銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年03月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 仏EUに米報復関税検討
  • 独上院基本法改正を承認
  • 米FRB高官利下げ急がず
  • 米相互関税景気懸念緩和
  • 米主要株価指数買い戻し
  • 米露高官ウクライナ協議
  • 日銀政府発言同姿勢維持
  • 欧英米景気指標PMI発表

今日2025年3月24日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円46銭付近から、円の安値でドルの高値の149円96銭付近の値幅約50銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円63銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の149円34銭付近の前東京終値比で約29銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏のフランスなどが、第二次ドナルド・トランプ米国政権が米国関税政策を利用した不当なディールを迫る場合には、欧州連合 (EU / European Union) に「反威圧措置」(ACI / Anti-Coercion Instrument) という貿易等を通じ経済的威圧をかける国に対し反撃するための最も強力な報復措置を検討する様に求めているというニュースが話題になり、過去に発動されたことがない前例のない反威圧手段であることから、警戒感による欧州ユーロ売りと欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) の下落があり、世界的な流動性の高さからユーロに対する安全資産であるドルだけでなく低リスク通貨の円が買われた影響が対ドル円相場の為替相場に波及していた。

一方、欧州ユーロ圏主要国のドイツでは、独連邦参議院 (上院) で国防費の増額などのための財政出動に必要とされる基本法 (日本における憲法に相当) の改正案を承認し、数日前に独連邦議会 (下院) も通過していたことでは欧州ユーロの買い戻しも入ったが、市場では独連邦参議院で可決される予想が優勢で織り込み度が高かったことではやや限定的となった。

欧米報復関税警戒による欧州株式市場下落の影響を受けた米国主要株価の先物も一時下落したため、米国市場に向けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) ではドルからでも買える低リスク通貨の円買いや安全資産の米国債買いが先行したため、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は148円89銭付近の始値で、先週金曜日の夜21時40分頃に4.205%付近にまで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入り、先週金曜日の夜22時3分頃にドルは円相場で一時148円60銭付近と、この日の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、先週金曜日の夜22時5分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言があり、第二次ドナルド・トランプ政権の米国関税政策の影響について、ある程度の情報は得られたものの、今後の展開についての不確実性はなお高いと指摘し、物価への影響や経済情勢に左右されるとしたほか、「米国の経済成長に対する下向きリスクと、インフレに対する上向きリスクは共に極めて高い」と警戒感を示し、FRBには金融政策の方向性を決定するための時間があると「FRBは急いでいない」と米国追加利下げを急がない慎重な姿勢を見せたことでは、当面の間の米国政策金利の先高観から米国長期金利が反発し、市場安値後のドルが買い戻されて円相場で反発を始めた。

ただし、米国ニューヨーク株式市場では、先物から下落していた米国主要株価三指数が市場前半にはマイナス圏から始まって推移したことでは、米国主要株価下落時のリスク回避のリスクオフでは低リスク通貨の円が買われる抵抗が混ざったが、米国政府のドナルド・トランプ大統領が4月2日から導入予定の米国相互関税について、「柔軟性がある」と発言したというニュースが市場で話題となり、投資家達のリスク回避が緩和すると株の買い戻しが入り、米国主要株価三指数が下げ幅を縮小してプラス圏に転じると、低リスク通貨の円売りドル買いによりドルも円相場で反発後の上昇に向けた。

米国市場終盤には、米国主要株価三指数が揃って前営業日比の小幅高の終値をつけて引けており、安全資産の米国債も売られた影響では米国長期金利が一時4.258%付近に向けて上昇したため、債券利回りの金利差トレードも相まった低リスク通貨の円売りドル買いの影響があり、週末を控えたドルの買い戻しも入っていた先週土曜日の朝5時26分頃にドルは円相場で一時149円37銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円60銭付近から円の安値でドルの高値の149円37銭付近の値幅約77銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は149円32銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の148円78銭付近の前ニューヨーク終値比では約54銭の円安ドル高をつけて週末を迎えていた。

日程は未定であるが、ドナルド・トランプ米国大統領は「中国の習近平国家主席と関税について協議する」とも発言しており、米国相互関税について「柔軟性がある」というニュースに続き、週末に米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などの一部観測報道が、4月2日に発動予定の米国相互関税について、ドナルド・トランプ大統領の側近や協力者達が、「一斉射撃ではなく、より的を絞ったものとなりそうだ」と明らかにしたとし、「全面的な関税戦争への市場の不安が和らぐ可能性もある」と報じたことでも、オセアニアのオーストラリアの飛行機免税予想など一部の国の柔軟な免税への期待感が高まり、週明け早朝のオセアニア市場で低リスク通貨の円売りでドルが買われほか、本日予定されている米露高官らのウクライナ協議への期待感などもあり、欧州ユーロも低リスク通貨の円に対して買い戻された外貨影響が波及し、週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続いて今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時149円67銭付近の始値であった。

一方、日本市場では、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁が参院財政金融委員会に出席して発言する予定があったことから日銀の追加利上げ予想への一部警戒感が燻り、週明けの東京株式市場で今朝9時に世界的な米国相互関税影響への警戒感の緩和などを受けて前営業日比プラス圏から始まった日経平均株価が反落し、マイナス圏に向けたことでは、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフにより国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入ったことは抵抗になり、今朝9時19分頃に対ドル円相場は一時149円46銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けて、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り始めたことなどではドルは円相場で反発上昇し、米国相互関税の柔軟性への期待感による米国景気懸念緩和のドルの買いの影響なども続いていたため、ドルは円相場で反発上昇し、今朝10時53分頃にドルは円相場で一時149円96銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今日の参院財政金融委員会では、日銀の植田和男総裁が「基調的な物価上昇率が2%に向けて高まる見通しが実現していくとすれば、それに応じて金融緩和度合いを調整する」と、これまでと同じ日銀の追加利上げ方向を維持した発言を繰り返したことでは、円の買い戻しも入ったが、特に新規予想材料となるタカ派発言がなかったことでは対ドル円相場では限定的な抵抗となり、対ドル円相場は149円台後半から中盤手前付近に留まった。

同じく、今日の参院財政金融委員会では、日本政府の加藤勝信財務相の発言もあり、為替相場について「行き過ぎた動きに対しては、適切な対応を取りたい」と、以前と同じ為替介入示唆する円安牽制をしたが、これまでにも繰り返されていた内容であったことから、こちらもやや限定的な値動きとなっていた。

一方、今日の日経平均株価は小幅安となり、午後15時30分に3万7608円49銭の終値をつけ、前営業日比68円57銭安で大引けしたことでは低リスク通貨の円買いが入り、午後15時38分頃に対ドル円相場は一時149円53銭付近と、149円台中盤に円相場が反発したが、夕方からの欧州市場の参入に向けて、週末の米国関税柔軟性をめぐる観測ニュースの影響では、欧州現地の週明け早朝の低リスク通貨の円売りドル買いと、今夜17時15分〜18時に発表される3月の欧州ユーロ圏のフランスとドイツと欧州総合の購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値も市場予想で改善が見込まれていた期待感による低リスク通貨の円売りと欧州ユーロ買いの外貨影響の波及では、午後16時18分頃にドルは円相場で一時149円85銭付近と、再び149円台後半に戻していた。

続いて、欧州ユーロが対ドルでも買い戻された外貨影響も波及したことでは、ドルは円相場で上昇幅を縮小したが、欧州市場参入の夕方の時間外の米国債券取引では、世界的な安全資産である米国債売りの影響などで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.294%付近に上昇していたことでは、前東京終値比で円安ドル高の東京終値に向けた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円63銭付近で、前営業日同時刻の先週金曜日の夜17時の149円34銭付近の前東京終値比で約29銭の円安ドル高となった。

なお、日本市場終了後の今夜17時15分に欧州市場で発表されたフランスの3月仏製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は、前回の45.8と市場予想の46.4を上回る48.9に改善され、3月仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の45.3と市場予想の46.3以上の46.6で、今夜17時30分に発表されたドイツの3月独製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の46.5と市場予想の47.0を超える48.3に改善されたが、3月独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の51.1と市場予想の51.6を下回る50.2であったものの景気ボーダーラインの50以上の好景気寄りではあり、今夜18時の欧州ユーロ圏総合の3月欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の47.6と市場予想の48.2を上回る48.7に景気ボーダーライン50以下の不景気側ではあるものの市場予想よりも改善され、3月欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の50.6と市場予想の51.0を下回ったものの50.4と好景気寄りと、全体的には改善の傾向が目立ったことでは、欧州景気懸念がやや緩和した欧州ユーロ買いがあった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時45分頃から3月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と3月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と3月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値の発表と、28時10分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バー理事の発言予定などを控えている。

また、世界の株式市場と債券やコモディティ市場などの為替相場への影響に加え、欧米を含めた各国の政策などの影響やウクライナ情勢と中東情勢などの世界情勢などのニュースと、各国の要人発言なども、FXトレーダー達の今後の値動きの市場予想材料となっている。

一方、先述の欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円22銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の161円91銭付近の前東京終値比では約31銭の円安ユーロ高であった。

また、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0842ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0841ドル付近の前東京終値比では約0.01セントの僅差ではあるがユーロ高ドル安であった。

地理的・経済的に近い欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円79銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の193円23銭付近の前東京終値比では約56銭の円安ポンド高であった。

なお、今日の東京終値後の今夜18時30分に発表された最新英国経済指標の3月英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の46.9と市場予想の46.4を下回る44.6であったが、3月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の51.0と市場予想の50.9を上回る53.2に上振れする強弱混合であった。

この後の27時頃からは、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のアンンドリュー・ベイリー総裁の発言予定も控えている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月24日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の20時30分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時30分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されることには注意が必要である。

通貨ペア JST 20:30の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 149.70 〜 149.72 +0.36 (円安)
ユーロ/円 162.35 〜 162.36 +0.44 (円安)
ユーロ/ドル 1.0843 〜 1.0845 +0.0002 (ドル安)
英ポンド/円 193.97 〜 194.03 +0.74 (円安)
スイスフラン/円 169.90 〜 169.96 +0.82 (円安)
豪ドル/円 94.29 〜 94.33 +0.28 (円安)

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