FXニュース:米相互関税景気懸念緩和

2025年3月25日
今日2025年3月25日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円95銭付近から、円の安値でドルの高値の150円41銭付近の値幅約54銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円76銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年03月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧米PMI米長期金利上昇
  • 米関税「多くの国に猶予」
  • 米主要株価三指数大幅高
  • 日経平均4日ぶりの反発
  • 月末を控えた五十日決済

今日2025年3月25日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の150円95銭付近から、円の高値でドルの安値の150円41銭付近の値幅約54銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円76銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円63銭付近の前東京終値比で約1円13銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜17時15分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の3月の購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値が製造業とサービス部門共に前回と市場予想以上に改善され、欧州ユーロが低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産のドルに対して買われたが、続いて昨夜17時30分に発表されたドイツと昨夜18時の欧州ユーロ圏総合の同経済指標では製造業は市場予想以上であったもののサービス部門が市場予想以下であったことでは、上昇後の欧州ユーロの利益確定売りと円やドルの買い戻しが入った外貨影響の波及があり、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円76銭付近の始値であった。

欧州英国市場時間の時間外の米国債券取引でも、欧州や英国の景気関連の経済指標に市場予想以上の指標があった影響や、欧州の一部の市場予想以下の指標でも景気ボーダーラインの50を上回り続けていた好景気寄りのものがあったことでは欧州英国景気懸念の緩和により、世界的な安全資産である米国債売りの影響があり、昨夜20時35分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.303%付近と4.3%台に上昇していたが、昨夜21時頃に一時4.299%付近と4.2%台に戻す米国債買いの抵抗が混ざったことでは、昨夜21時2分頃にドルは円相場で一時149円70銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、その後の米国長期金利が再び4.3%台に反発したことではドルも円相場で反発上昇に向けた。

米国市場でも昨夜22時45分に3月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 速報値の発表があり、前回の52.7と市場予想の51.8に対し49.8に低下したが、欧州ユーロ圏総合の48.7と比較するとより堅調で、同時発表の3月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値が前回の51.0と市場予想の50.8を大きく上回る54.3に上振れしたことでは、欧州の50.4や英国の53.2と比較して強く、3月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値も前回の51.6に対し53.5に上昇と、総合的にも欧州や英国と比較した米国景気の堅調さを示したことでは、米国相互関税政策に「柔軟性がある」ことへの期待感が高まっていた米国景気後退懸念の緩和もあり米国主要株価三指数が上昇し、安全資産の米国債売りの影響で米国長期金利が上昇する主要通貨に対するドル買いの中で、低リスク通貨の円売りドル買いが進み、午前1時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル需要も重なり、深夜24時56分頃にドルは円相場で一時150円76銭付近と150円台に乗せ、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、米国相互関税政策について、前回の「柔軟性がある」発言に続き、この日に「関税で多くの国に猶予を与えるだろう」と発言し、柔軟性がある減免措置や多くの国に猶予期間を与える可能性を示唆したという観測報道が話題になり、医薬品や自動車などへの米国関税の導入についても「近い将来」になるとの発言が伝わり、米国相互関税政策が対象国の的を絞る可能性や自動車や半導体などの米国追加関税 について予定されていた4月2日よりも猶予期間がある可能性などの観測報道を欧米の複数のメディアが報じ続けたことで、米国関税政策による米国景気後退のトランプセッション (Trumpcession / Trump + Recession / トランプ不況) への過度な懸念が緩和され、米国ニューヨーク株式市場では米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が揃って前日比で大幅高の終値に向けた。

米国ニューヨーク債券市場でも、米国主要株価三指数の上昇を受けた安全資産の米国債売りの影響があり、米国市場終盤の米国長期金利は一時4.346%付近に上昇しており、低リスク通貨の円売りドル買いや債券利回りの日米金利差拡大時の円売りドル買いが続いたことでは、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗の後にもドルは円相場で150円台の推移を続けた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円70銭付近から円の安値でドルの高値の150円76銭付近の値幅約1円6銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は150円70銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の149円32銭付近の前ニューヨーク終値比では約1円38銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でもドル買いが続き、今朝8時41分頃にドルは円相場で一時150円87銭付近に買われていたが、今朝8時50分には日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が1月23〜24日開催分の日銀金融政策決定会合議事要旨を公表し、「経済・物価の見通しが実現すれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことが適当」などの主な意見があったことでは、円の買い戻しもやや入っていた。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円79銭付近の始値で、日本企業の主要取引先の米国で今朝早朝に米国主要株価三指数が大幅高で引けた影響があり、今朝の東京株式市場で日経平均株価が大幅高で始まり国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りがあったことや、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けては日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く五十日 (ごとおび / ゴトーび) で日本企業による輸入実需のまとまった円売りドル買いの需要があり、今朝9時27分頃にドルは円相場で一時150円95銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、日本の輸入企業による円売りドル買いの後には、輸出企業による円買いドル売りや市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整による抵抗も入り始めたことや、今朝9時45分頃には前日終値比で一時490円以上も上昇した日経平均株価にも利益確定売りや持ち高調整が入り始めて午後に上昇幅を縮小すると、ドルも円相場で上昇幅を縮小し、午後15時3分頃に対ドル円相場は一時150円41銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、東京株式市場の終盤には買い戻しも入ったため、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が3万7780円54銭の終値をつけ、前日比172円5銭高で大引けすると、再びリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りドル買いが入ったことに続き、夕方からの欧州市場の参入では時間外の米国債券取引で米国長期金利が再び上昇し、今夜17時の東京終値の頃には一時4.357%付近の高利回りであったことでは、ドルは円相場で150円台後半の前日比で大幅な円安ドル高の東京終値に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円76銭付近で、昨夜17時の149円63銭付近の前東京終値比で約1円13銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時40分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのアドリアナ・クーグラー理事の発言予定と、今夜22時に1月米国住宅価格指数と1月米国S&Pケース・シラー住宅価格指数の発表、今夜22時5分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定、今夜23時にコンファレンス・ボード (CB / Conference Board / 全米産業審議会) の3月米国消費者信頼感指数と、2月米国新築住宅販売件数と3月米国リッチモンド連銀製造業指数の同時発表があり、26時には米国2年債の入札予定なども控えている。

世界の株式市場と債券やコモディティ市場などの為替相場への影響に加えて、欧米を含めた各国の政策などの影響やウクライナ情勢と中東情勢などの世界情勢などのニュースと、各国の要人発言なども、FXトレーダー達の今後の値動きの市場予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円63銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円22銭付近の前東京終値比では約41銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州英国経済指標の影響や米国関税政策に対する欧米関税報復合戦の過度な警戒感が緩和されたことや、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオン市場では低リスク通貨の円が欧州ユーロや英国ポンドなどに対して売られやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は194円60銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の193円79銭付近の前東京終値比では約81銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0788ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0842ドル付近の前東京終値比では約0.54セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨夜に発表された欧州と米国の購買担当者景気指数 (PMI) 速報値などで欧州と比較した米国景気の強さが観測されたことで、欧州ユーロに対しドルが上昇していた。

なお、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の3月独IFO (Information and FOrschung) 企業景況感指数は、前回の85.2に対し市場予想通りの86.7であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年3月25日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時54分(チャート画像の時間帯は2025年3月最終日曜日まで日本から時差9時間遅れの英国冬時間の標準時間 (GMT / Greenwich Mean Time / JST-9) の英国ロンドン外国為替市場時間の10時54分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されることには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:54の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.20 〜 150.22 +0.57 (円安)
ユーロ/円 162.53 〜 162.54 +0.31 (円安)
ユーロ/ドル 1.0819 〜 1.0821 −0.0023 (ドル高)
英ポンド/円 194.49 〜 194.55 +0.70 (円安)
スイスフラン/円 170.24 〜 170.30 +0.64 (円安)
豪ドル/円 94.83 〜 94.87 +0.68 (円安)

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