FXニュース:米トランプ関税対日24%
2025年4月03日
東西FXニュース – 2025年04月03日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 欧対米関税打撃支援準備
- 米ADP雇用報告予想以上
- 米関税一律10% EU20%
- 米25%自動車関税日対象
- 米対中34%関税に中対抗
- 米関税世界貿易摩擦警戒
- 日経平均株価が大幅下落
- 米長期金利一時4.0%台
- トランプショックドル安
今日2025年4月3日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円34銭付近から、円の高値でドルの安値の146円81銭付近の値幅約1円53銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円23銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円62銭付近の前東京終値比で約2円39銭の大幅な円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夕の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国相互関税政策の発表に先駆けて、「欧州連合 (EU / European Union) 執行機関である欧州委員会が、打撃を受ける恐れがある経済分野を対象に緊急支援策を準備している」という米ブルームバーグ (Bloomberg) ニュースを受けて、米国関税政策の世界景気影響への警戒感による世界的な安全資産の米国債買いに伴う米国10年債の利回り低下による米国長期金利の低下時の円買いドル売りに加えて、欧州ユーロの買い戻しが入った外貨影響が対ドル円相場に波及し、昨夜20時58分頃にドルは円相場で一時149円19 銭付近に下落していた。
その影響から、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円22銭付近の始値であったが、昨夜21時15分に発表された最新米国重要経済指標の3月米国ADP (Automatic Data Processing) 全米雇用統計が前回の7.7万人と前回上方修正の8.4万人と市場予想の12.0万人を上回る15.5万人に上振れしたことでは、発表時の昨夜21時15分頃にはドルは円相場で一時149円41銭付近に反発した。
しかし、米国債券市場では、米国関税政策の影響による海外市場を中心とした世界景気への警戒感が続き、世界的な安全資産の米国債買いが続いていた影響では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の更なる低下が続いており、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りが為替相場に影響を与えており、昨夜21時30〜31分頃にかけてドルは円相場で一時149円10銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したほか、米国長期金利も昨夜22時25分頃に一時4.113%付近と4.1%台で低下していた。
ただし、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の2月米国製造業新規受注の前月比も、前回の1.7%と前回上方修正の1.8%と市場予想の0.5%に対し0.6%と市場予想以上であったこともあり、米国ニューヨーク株式市場では昨日の早朝に投資家としても有名な米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、米国関税について「提示されるのは最高税率の上限 (Cap) で、各国はその上限から税率を下げるための措置を講じることができる」と発言していた影響もあり、マイナス圏から始まっていた米国主要株価三指数が下げ幅を縮小して揃ってプラス圏に転じ始めて、米国主要株価三指数は揃って前日比で高値の終値に向けた。
米国ニューヨーク債券市場でも、米国主要株価三指数の反発上昇を受けて、米国債券価格上昇後の安全資産の米国債の利益確定売りや持ち高調整が入り始めて米国長期金利が反発上昇し、午前1時45分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.226%付近と、一時4.2%台にまで上昇したことを受けて、債券利回りの金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いと、米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りでもドルが買い戻され、午前1時49分頃にドルは円相場で一時150円25銭付近と、一時150円台に反発上昇した。
今朝5時頃から米国政府のドナルド・トランプ大統領の米国相互関税についての発表発言が始まり、米国現地時間の同日4月2日を「米国解放の日」と称し、年1.2兆ドル (約179兆円) 以上の米国貿易赤字や国内産業空洞化を「国家緊急事態」と認定し、国際緊急経済権限法 (IEEPA / International Emergency Economic Powers Act) に基づき「相互関税(Reciprocal Tariffs)」を大統領権限で発動することを宣言した。
ドナルド・トランプ大統領は、まずは現時点で交渉中のメキシコとカナダを除く「全ての国に一律10%の関税を課した上で、各国が米国製品に課している関税と非関税障壁を考慮して同等またはそれ以上の関税を課す」と発表し、関税発動のスケジュールは一律10%部分が米国現地時間の4月5日の午前0時1分からで、次に国別の相互関税が4月9日の午前0時1分に発動するという発言を受けては、当初予想されていた全世界一律20%が10%と市場予想以下であったことでは、米国関税景気懸念の一時後退により午前5時14分頃にドルは円相場で一時150円49銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、ドナルド・トランプ大統領の発言と国別の相互関税率のボードを携えたパフォーマンスはさらに続き、中国が34%、欧州連合 (EU) が20%、そして日本は24%と、主要国の中でも低関税の英国でも10%で、高関税の対象国ではベトナムが46%でカンボジアが49%などと、軒並み高い米国相互関税率が示されたことでは米国関税政策による世界経済への影響への警戒感が再燃し、世界的な安全資産の米国債買いが再開し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前6時頃のニューヨーク終値の頃の一時4.127%付近と4.1%台に向けて急落したため、午前5時38分頃にはドルも円相場で一時149円24銭付近に急落した。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円10銭付近から、円の安値でドルの高値の150円49銭付近の値幅約1円39銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は149円28銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の149円61銭付近の前ニューヨーク終値比で約33銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、米国関税政策の世界景気への影響の警戒感が続き、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債買いに伴う米国長期金利低下時のドル売りと低リスク通貨の円買いが進行し、今朝8時46分頃には対ドル円相場は一時147円69銭付近と147円台に円相場が上昇していたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円88銭付近の始値であった。
日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが先行した影響では、今朝9時25分頃にドルは円相場で一時148円34銭付近に反発し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今日の東京株式市場では、今朝早朝に日本に対する米国相互関税が24%と発表されたことへの警戒感に加えて、本日4月3日からの25%の自動車関税に日本も対象国として含まれて発動されることが強調された影響などがあり、今日の日経平均株価がマイナス圏から急落して始まり、今朝9時10分頃には日経平均株価は前日比で一時1538円41銭安の大幅下落を見せたことから、日本株価下落時の国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが優勢になり、時間外の米国債券取引でも世界的な安全資産の米国債買いで米国長期金利が更に低下して一時4.0%台に向けたため、債券利回りのヴ米国長期金利低下時の円買いドル売りと低リスク通貨の円買いの影響により、円相場が対ドルで再び上昇トレンドになった。
また、時間帯が近いアジア市場では、今朝早朝に発表された米国相互関税の高関税率に対して、中国政府が断固反対の対向姿勢を表明したことでも、米国貿易摩擦への市場警戒感が高まり、米国関税景気懸念もあり主要通貨に対するドル売りの一方で、低リスク通貨の円相場が上昇した。
午後14時56〜58分頃には、世界貿易戦争への警戒感もあり、時間外の米国債券取引で世界的な安全資産の米国債買いが続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.046%付近に低下したことでも、債券利回りを受けたドル売りが続き、ドルは円相場で一時147円台から146円台に向けていた。
午後15時30分には、今日の日経平均株価は今朝のトランプ関税ショックとも言える一時の大幅な下げ幅は縮小したものの、3万4735円93銭の終値をつけて前日比989円94銭安の-2.77%の大幅安で大引けし、低リスク通貨の円買いの影響が続いた。
また、今夜の米国主要株価先物も下落を見せたことも、株価影響による低リスク通貨の円買いの為替相場に影響を与えていた。
午後15時頃からの欧州市場と夕方16時からの英国ロンドン外国為替市場の参入でも米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りの影響が続き、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入時の夕方16時頃に対ドル円相場は一時146円81銭付近と、今日の日本市場における円の高値でドルの安値を記録した。
夕方16時50分から17時にかけて発表された欧州ユーロ圏のフランスとドイツと欧州ユーロ圏総合の3月サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 改定値が、軒並み前回の速報値と市場予想以上に上方修正されたことでも欧州ユーロがドルに対して買われたため、外貨影響の波及でもドルは円相場で下落を続け、このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円23銭付近で、昨夜17時の149円62銭付近の前東京終値比で約2円39銭の大幅な円高ドル安になった。
今夜その後の英国ロンドン外国為替市場でも、欧州ユーロや英国ポンドに対するドル売りの外貨影響の対ドル円相場への波及などが続き、今夜19時22分頃にドルは円相場で一時146円26銭付近と、今年3月11日の年内最安値の146円54銭を下抜けて今年最大の円高ドル安の記録を更新し、ユーロドルやポンドドルも年内最大のドル安を更新している。
今夜この後には、最新米国重要経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜20時30分に米国市場に先駆けた3月米国チャレンジャー人員削減数と、今夜21時30分に2月米国貿易収支と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数、今夜22時45分に3月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) と3月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値、今夜23時に重要経済指標の3月米国ISM (Institute for Supply Management / 米国サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数、25時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのフィリップ・ジェファーソン副議長の発言予定と、27時30分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのリサ・クック理事の発言予定などを控えている。
また、世界株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、主要国の政策などの影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円56銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円48銭付近の前東京終値比では約8銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、昨夜の米国関税対策の報道を受けた欧州ユーロの買い戻しに続き、今日の米国長期金利低下時のドル売りでも欧州ユーロが買われており、また今日の夕方の欧州経済指標が市場予想以上であったことで、欧州ユーロがドルだけでなく円相場でも上昇していた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0974ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0792ドル付近の前東京終値比で約1.82セントの大幅なユーロ高ドル安であった。
なお、今夜20時30分には、3月6日開催分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の議事要旨の公表を控えている。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の193円20銭付近の前東京終値比で約24銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、昨日の時点でも英国は米国との貿易摩擦に関する懸念は少ないと考えられていたが、主要国の中では英国への米国相互関税が10%と低く、欧州連合 (EU) に対する20%や日本に対する24%に比べて景気影響が少なくなることが意識され、今夜には対ドルで低リスク通貨の円や欧州ユーロだけでなく英国ポンドも年内最高値を更新していた。
ただし、今夜その後の17時30分に発表された最新英国経済指標の3月英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 改定値では、前回と市場予想の53.2に対し52.5に下方修正されている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月3日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時18分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時18分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JJST 19:18の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 146.42 〜 146.43 | −3.20 (円高) |
ユーロ/円 | 162.65 〜 162.67 | +1.17 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1108 〜 1.1110 | +0.0316 (ドル安) |
英ポンド/円 | 193.22 〜 193.28 | +0.02 (円安) |
スイスフラン/円 | 170.19 〜 170.25 | +1.02 (円安) |
豪ドル/円 | 93.00 〜 93.04 | −1.31 (円高) |
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