FXニュース:米対中関税合計145%に

2025年4月11日
今日2025年4月11日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円14銭付近から、円の高値でドルの安値の142円60銭付近の値幅約1円54銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年04月11日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米中貿易摩擦米景気懸念
  • 米最新CPI市場予想以下
  • 米国債売りのトリプル安
  • 日米株価下落リスクオフ
  • 中政府対米追加報復関税
  • 年初円高ドル安142円台
  • ドル売りで欧ユーロ高値

今日2025年4月11日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の144円14銭付近から、円の高値でドルの安値の142円60銭付近の値幅約1円54銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円68銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円23銭付近の前東京終値比で約3円55銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨夜20時31分頃には米国と中国の貿易摩擦への警戒感などでドルは円相場で一時145円34銭付近に下落していたため、米国市場に向けた実需のドルの買い戻しの抵抗が入ったものの昨夜21時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時145円53銭付近の始値で、昨夜21時8分頃の一時145円60銭付近が昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値となった。

昨夜21時30分には最新米国重要経済指標でインフレ指標でもある3月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表があり、前月比は前回の0.2%と市場予想の0.1%に対し−0.1%に鈍化し、前年同月比も前回の2.8%と市場予想の2.6%を下回る2.4%で、同月の米国CPIコア指数も前月比が前回の0.2%と市場予想の0.3%以下の0.1%で、前年同月比も前回の3.1%と市場予想の3.0%を下振れする2.8%に低下したことでも主要通貨に対してドルが売られて、発表時に一時144円87銭付近に急落した。

ただし、同時発表だった前週分の米国新規失業保険申請件数は、前回の21.9万件に対し市場予想通りの22.3万件で、前週分の米国失業保険継続受給者数は前回の190.3万人と前回修正の189.3万人と市場予想の188.2万人よりも堅調な185.0万人であったことでは、ドルの買い戻しの抵抗も交えた。

しかし、米国ホワイトハウスが、ドナルド・トランプ米国大統領が「125%」と言っていた対中報復関税の追加税率について、「3月までに課した20%の追加関税と合わせて、合計145%の関税率になる」と説明したことを受けて、米中貿易摩擦による米国経済の影響への警戒感や米国政府に対する不信感が高まり、米国通貨安だけでなく米国株式や米国債券価格がトリプル安になり、主要通貨に対するドル売りと低リスク通貨の円買いが強まった。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が一時前日比で1100ドル以上も下落して-2.49%の終値に向けたほか、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) も-3.46%下落の終値に向け、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も-4.30%下落と揃って大幅安の終値に向けたため、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いが続き、深夜24時49分湖に対ドル円相場は一時144円1銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、低リスク通貨の円相場だけでなく、欧州ユーロなどの主要通貨に対してもドル売りが優勢で、ユーロドルも一時1.1241ドル付近になり、この時点での2023年7月以来の今年最大のユーロ高ドル安を更新し、主要通貨全般に対するドル指数のドルインデックスも一時100.70付近と、昨年2024年10月以来の今年最大の安値を更新した。

一方、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言では、ミシェル・ボウマン理事が「今後の米国政策の行方を見守る中で、経済的な影響を理解していく」とし、「経済政策の動向は分からないため、現時点では不透明だ」と慎重な様子見の姿勢を見せたほか、米国カンザスシティ連邦準備銀行のジェフリー・シュミッド総裁は、米国関税政策により、「物価上昇圧が再燃する可能性があることから、インフレに対する信認を維持するためには、いかなるリスクも冒したくない」としたが、雇用とインフレのリスクバランスについて、「インフレ見通しをしっかり注視していくつもり」とインフレ重視の姿勢を見せており、まだ米国関税インフレの影響が出ていないこの日の米国消費者物価指数 (CPI) の下振れよりも先行きのインフレデータの様子見を示唆したことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、市場安値後のドルの買い戻しも入った。

午前3時に発表された最新米国経済指標の3月米国月次財政収支は、前回の−3070億ドルと市場予想の−2366億ドルに対し−1605億ドルに赤字額が改善されていた。

米国ニューヨーク債券市場では、米国債売りの影響で米国債券価格は低下した一方で、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は市場終盤の一時4.436%付近に向けて上昇しており、債券利回りの金利差トレードによるドルの買い戻しの一因となったが、米中貿易摩擦懸念の影響による世界的なドル売りトレンドの中ではドルの買い戻しは鈍く、午前4時28分頃の一時145円13銭付近に留まり、再び反落に転じ始めた。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の145円60銭付近から、円の高値でドルの安値の144円1銭付近の値幅約1円59銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円45銭付近と、前営業日同時刻の147円76銭付近の前ニューヨーク終値比で約3円31銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場でもドル売りが続いたため、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円75銭付近の始値で、米国主要株価三指数大幅安を含む米国トリプル安の影響があり、今朝の東京株式市場でも日経平均株価がマイナス圏で急落して始まり、今朝9時台後半に前日比で一時1982円42銭安の大幅下落の底値に向けた影響では、株価下落時のリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いが勢いを増し、今朝9時33分や41分頃にドルは円相場で一時142円88銭付近に下落し、一時142円台の今年最大の円高ドル安を更新し始めた。

ただし、時間外の米国債券市場では、米国売りとも言える米国債売りが続いていた影響では米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.490%付近に上昇し、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの抵抗も入った影響では、日経平均株価が今朝の大幅な下げ幅を市場後半に縮小し、午後15時30分頃に3万3585円58銭の終値をつけて前日比1023円42銭安の-2.96%で大引けした後の調整の影響もあって、午後15時41分頃にドルは円相場で一時144円14銭付近に反発し、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、午後からの欧州市場に続き、夕方に世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入が始まると、「中国政府が、米国相互関税政策への報復関税措置として米国から中国への輸入品にかける関税を84%から125%に引き上げる」と複数の海外メディアが報じ始めたことを受けて、米中貿易摩擦の報復関税合戦への警戒感が再燃し、主要通貨に対するドル売りと低リスク通貨の円買いが再開し、今日の東京終値に向かう今夜17時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時142円60銭付近が、今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、この時点での今年最大の円高ドル安も更新した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円68銭付近で、昨夜17時の146円23銭付近の前東京終値比では約3円55銭の大幅な円高ドル安になった。

また、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、さらに円高ドル安が進行し、今夜18時51分頃には対ドル円相場は一時142円5銭付近と、今年最大の円高ドル安の記録を更新している。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に3月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の発表予定、今夜23時に4月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値、同じく今夜23時頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国セントルイス連邦準備銀行 (連銀) のアルベルト・ムサレム総裁の発言予定と、深夜24時頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定など控えている。

また、米国株式市場でも、今夜20時頃から米国金融大手のJPモルガン・チェースの決算報告予定や、今夜21時頃から米国モルガン・スタンレーの決算報告予定などがあり、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国相互関税ディール交渉を含めた政治影響に加えて世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料となっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円17銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円28銭付近の前東京終値比で約89銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、主要通貨に対するドル売りの中で、欧州ユーロがドルに対して買われて大幅高になった外貨影響がユーロ円相場にも波及した。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1367ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1029ドル付近の前東京終値比で約3.38セントの大幅なユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は186円36銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の188円29銭付近の前東京終値比で約1円93銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、英国財政懸念で売られていた英国ポンドは、今日の午後15時に発表された最新英国重要経済指標の2月の英国月次国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前月比は、前回マイナス圏だった−0.1%が前回0.0%に上昇修正された上で、市場予想の0.1%を上回るプラス圏の0.5%であったことでは反発したが、米国相互関税政策で一部国への90日間の一時停止による米国関税ディール交渉への猶予期間ができたもののベースとなる10%の米国関税は課税されることへの警戒感がある中で、同時発表された2月の英国商品貿易収支や同月の英国貿易収支の赤字額が市場予想よりも悪化しており、反落した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月11日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時6分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時6分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:06の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 142.67 〜 142.68 −3.56 (円高)
ユーロ/円 162.21 〜 162.24 +0.93 (円安)
ユーロ/ドル 1.1368 〜 1.1370 +0.0339 (ドル安)
英ポンド/円 186.70 〜 186.76 −1.59 (円高)
スイスフラン/円 174.17 〜 174.23 +2.10 (円安)
豪ドル/円 88.82 〜 88.86 −1.31 (円高)

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