FXニュース:米FRBウォラー理事発言

2025年4月15日
今日2025年4月15日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の143円59銭付近から、円の高値でドルの安値の142円85銭付近の値幅約74銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円22銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年04月15日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米欧英株価リスクオン
  • 米国長期金利上昇幅縮小
  • 米関税ディール不透明感
  • 米中貿易摩擦警戒感再燃
  • 明日の日米関税交渉控え

今日2025年4月15日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の143円59銭付近から、円の高値でドルの安値の142円85銭付近の値幅約74銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円7銭付近の前東京終値比では約15銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、米国相互関税の先行き不透明感を受けたドル売りで欧州ユーロや英国ポンドが買い戻された一方で、欧州主要株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) と英国主要株価指数の英FTSE (Financial Times Stock Exchange) が揃って上昇した欧州英国株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円が欧州ユーロや英国ポンドに対して売られた外貨影響の波及があり、昨夜20時58分頃に対ドル円相場は一時143円36銭付近になっていたため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円24銭付近の始値であった。

米国市場でも、第二次ドナルド・トランプ米国政権が4月11日に米国相互関税から中国製造のあるApple Inc. (アップル) 社のiPhone (アイフォーン) などのスマートフォンや半導体電子装置等を一部除外した後に、ハワード・ラトニック米国商務長官が4月13日に新たな半導体関税を表明したため米国相互関税の先行き不透明感があったものの、4月14日には自動車関税で救済措置を検討する考えを示し、米国主要企業の決算報告が続く米国ニューヨーク株式市場では、前日に米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ボストン地区連邦銀行 (連銀) のスーザン・コリンズ総裁が米国金融市場の機能性の健全さと必要時のFRBの市場支援を示唆したことなどから市場警戒感はやや緩和しており、米国Apple株などの米国主要株価がプレマーケットから上昇した欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響では、昨夜22時28分頃にドルは円相場で一時144円8銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク株式市場でも、欧州英国主要株価に続き、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って上昇して始まり、プラス圏の推移を続けて前営業日比で高値の終値に向けた。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では、前米国市場では一時4.5%台に上昇後の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.4%台に低下して始まっており、さらに昨夜22時35分頃には一時4.399%付近と一時4.3%台への低下も見せたことなどでは、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗も入って対ドルの円相場が反発し、午前1時12分頃にドルは円相場で一時142円78銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

午前2時頃からは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官のクリストファー・ウォラー理事の発言が始まり、「新たな米国関税政策は、米国経済に影響を与える数十年に一度の最大級の衝撃の一つ」であると指摘し、「今後の米国関税政策とその潜在的な影響は依然として極めて不透明なため、先行きも極めて不透明であり、金融当局は幅広いシナリオを念頭に、柔軟な対応が求められる」とし、想定される「2つの異なるシナリオ」を提示し、それぞれの場合について金融当局がどう対応するべきかを述べたことが市場で話題になり始めた。

FRBのクリストファー・ウォラー理事の発言の「第1の想定シナリオ」では、平均25%程度の米国関税が一定期間維持される「大規模関税シナリオ」で、この場合には経済成長がほぼ停滞するほど鈍化し、失業率も大幅上昇する可能性が高く、企業が関税によるコストを価格転嫁した場合にはインフレ率は数カ月で年率換算約5%に達する高インフレの可能性があると述べたが、それでも消費者のインフレ期待が抑制されればインフレ率は2026年にはより落ち着いた水準に戻るとし、「2021年に始まった米国インフレ上昇が、私自身や他の金融政策担当者の当初の想定よりも長引いたことは事実だが、米国関税によるインフレ上昇は一時的なものになると予想している」とし、「もしも、米国景気減速が深刻化して、リセッション (Recession / 景気後退) の脅威が出た場合は、米国政策金利を従来の想定よりも早くかつ大幅に利下げすることを支持することになるだろう」と、ハト派寄りの発言をした影響では、米国長期金利が一時4.368%付近に向けて低下し、一時143円台に反発していたドルは円相場で再び一時142円台に反落した。

ただし、FRBのクリストファー・ウォラー理事の発言の「第2の想定シナリオ」では、一律10%程度の米国関税を残しながら、それ以外の部分は各国とのディール政策で徐々に撤廃されていくという「小規模関税シナリオ」で、その場合には、「米国インフレ率への影響ははるかに小さく、年率換算約3%程度になると予想しており、米国経済と米国雇用の成長率への悪影響はあるものの、第1の想定シナリオよりは影響は小さいであろう」としたことでは、米国長期金利の一時4.392%付近に向けた反発に伴い、ドルも円相場で再び一時143円台に戻したが、米国相互関税ディール政策には不透明感が強く、また米国長期金利があまりに上昇する場合には介入の可能性も意識されており、低リスク通貨の縁に対するドル買いは午前5時37分頃の一時143円19銭付近までに留まって反落した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の144円8銭付近から、円の高値でドルの安値の142円78銭付近の値幅約1円30銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は143円6銭付近と、前営業日同時刻の143円54銭付近の前ニューヨーク終値比で約48銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円22銭付近の始値であったが、今日は15日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であったため、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いの影響では、今朝9時54分頃にドルは円相場で一時143円59銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

続いて、国内輸出企業の円買いドル売り需要もあったことでは、市場高値後のドルは円相場で一時反落したが、昨夜の欧州英国主要株価上昇と今朝早朝までの米国主要株価三指数上昇に続き、今朝の東京株式市場で日経平均株価も上昇して始まり、プラス圏の推移を続けた株価影響では、株価影響によるリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が再び売られてドルが反発し、今朝10時42分頃にドルは円相場で再び一時143円59銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を再記録した。

また、今朝のニュースでは、米国アトランタ連邦準備銀行のラファエル・ボスティック総裁の発言が報じられ、「経済の具体的な着地点は、政策の着地点の詳細により大きく異なる。今はまだそれが分からないため、どんな方向であれ、あまり大胆に政策を動かすことは現時点では賢明ではないと感じる」と金利維持を示唆したほか、「米国のインフレ率は依然として目標を大きく上回っている」ことや、「米国関税は物価上昇圧として作用するため、インフレ目標達成の時期が延期される可能性がある」ことが話題になっていた。

しかし、今日の日本市場の時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.343%付近に向けた低下を見せた時間があり、ドルは円相場で2度目の高値を記録後に上抜けはできず、テクニカル分析的なダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井を打つ形の「売りサイン」となって反落し、明日からの日米関税交渉控えて円安是正問題も論じられる可能性でも円買いが入ったことでは、対ドル円相場は午後15時3分頃に一時142円85銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、午後15時30分頃には、今朝からプラス圏の推移を続けていた今日の日経平均株価が3万4267円54銭の終値をつけて前営業日比285円18銭高で大引けした影響では、再び日米株価影響のリスク選好のリスクオンで国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入ったほか、午後からの欧州市場の参入でも今日の欧州主要株価指数が独DAX続伸して始まり、続いて夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入でも英国主要株価の英FTSEが続伸しながら始まったため、夕方に世界的な安全資産の米国債売りに伴い米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の一時4.397%付近に反発上昇したため、夕方16時30分頃にドルも円相場で一時143円51銭付近に反発上昇した。

その後には、上昇後の米国長期金利が反落して上昇幅を縮小し始めたことでは、ドルも円相場で上昇幅を縮小したが、今夜17時頃の米国長期金利は一時4.373%付近であったことでは、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円22銭付近で、昨夜17時の143円7銭付近の前東京終値比では約15銭の円安ドル高となった。

なお、今夜17時頃に、中国政府が国内航空会社に米国ボーイング機の受け取り停止を指示したという報道が話題になり始めると、米国ボーイング社の株価が急落し、一時は欧州主要株価に連れて上昇していた米国ダウ先物が反落し、米中貿易摩擦警戒感が再燃したことでは、ドルだけでなく欧州ユーロなどの主要通貨に対しても低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたほか、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利低下が進んだ影響によるドル売りで、今夜18時26分頃にドルは円相場で一時142円68銭付近に下落し、対ドル円相場は前東京終値比の円高ドル安にも転じている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4月米国ニューヨーク連銀製造業景気指数と、3月米国輸入物価指数と3月米国輸出物価指数が同時発表される予定である。

また、米国株式市場でも、今夜23時頃から世界展開をしている米国金融グループのシティグループ (Citigroup) の決算報告予定などがあり、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国相互関税ディール交渉を含めた政治影響に加えて世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円71銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円91銭付近の前東京終値比で約20銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、今夜の日本市場終了後の米中貿易摩擦警戒感からは欧州ユーロに対する低リスク通貨の円の買い戻しも入っているが、今日の夕方には日欧株価上昇時の低リスク通貨の円売りの影響があったほか、前日のユーロ買い後の利益確定売りや持ち高調整が対ドルで入っていた外貨影響がユーロ円相場に波及していた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1361ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1388ドル付近の前東京終値比で約0.27セントのユーロ安ドル高であった。

また、今日の午後15時に発表された最新欧州経済指標では、欧州ユーロ圏主要国ドイツの3月独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比が、前回の0.6%から−0.2%に低下していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円39銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の188円31銭付近の前東京終値比で約1円8銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨夜や今夕の英国主要株価指数の英FTSEの上昇時のリスク選好のリスクオンでも低リスク通貨の円に対して買われやすかった英国ポンドだが、今日の午後15時に発表された最新英国経済指標の3月英国失業保険申請件数で前回4.42万件が前回1.65万人に修正されたことに加えて、1.87万人と大幅な改善を見せた影響などがあった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月15日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の18時42分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の10時42分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 18:42の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 142.78 〜 142.79 −0.29 (円高)
ユーロ/円 162.03 〜 162.04 −0.88 (円高)
ユーロ/ドル 1.1347 〜 1.1348 −0.0041 (ドル高)
英ポンド/円 189.10 〜 189.16 +0.79 (円安)
スイスフラン/円 175.15 〜 175.21 +0.34 (円安)
豪ドル/円 90.65 〜 90.69 +0.23 (円安)

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