FXニュース:欧ECB理事会追加利下げ

2025年4月18日
今日2025年4月18日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円19銭付近から、円の安値でドルの高値の142円44銭付近の値幅約25銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円39銭付近と、...

 

東西FXニュース – 2025年04月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧米貿易摩擦景気警戒感
  • 米トランプFRB議長に圧
  • 日米交渉期待日経株続伸
  • 円安問題議論の可能性も
  • 欧米イースターホリデー

今日2025年4月18日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円19銭付近から、円の安値でドルの高値の142円44銭付近の値幅約25銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円39銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の142円84銭付近の前東京終値比で約45銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.327%付近に上昇し、債券利回りの日米金利差を受けた米国長期金利上昇時の円売りドル買いの影響により、昨夜17時24分頃にドルは円相場で一時143円9銭付近と欧州英国市場と日通しの円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜21時15分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会を控えたイベントリスクもあり、安全資産の欧米国債買いの影響により、債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、上昇後の米国長期金利が反落を始めるとドルも円相場で反落したため、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時142円60銭付近の始値となった。

欧州市場では、昨夜21時15分頃に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会が欧州政策金利を発表し、市場予想で優勢であった通りにこれまでは2.65%だった欧州政策金利を2.40%に0.25%の追加利下げを発表し、声明では「欧州インフレ抑制のプロセスは軌道に乗っている」とした一方で、「景気抑制的」との文章が削除され、欧州経済の成長見通しについては、米国相互関税政策の影響による「通商問題の緊張により悪化」に言及したことや、昨夜21時45分頃からの定例記者会見におけるクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言でも、「欧州経済成長は下方向へのリスクが増している」ことや、「欧州経済見通しは、異例の不確実性により不透明になっている」としており、「通商の争いが、物価見通しの不透明性を増している」などの欧州景気の先行きへの警戒感を示し、市場ではややハト派寄りと利下げ継続予想が意識され、安全資産の欧米債券買いで欧米長期金利が低下した。

同時進行中の米国市場でも、昨夜21時30分に最新米国経済指標の発表があり、3月米国住宅着工件数は年率換算件数が前回の150.1万件と前回下方修正の149.4万件と市場予想の142.0万件を下回る132.4万件に下振れし、前月比も前回プラス圏だった11.2%と前回下方修正の9.8%と市場予想の−5.4%を下回るマイナス圏の−11.4%に悪化したほか、4月米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数が前回の12.5と市場予想の2.0を下回るマイナス圏の−26.4と大幅に下振れしたことでも米国長期金利が低下し、発表時のドルは円相場で一時142円38銭付近に下落した。

ただし、同時発表だった3月米国建設許可件数は、年率換算件数が前回の145.6万件と市場予想の145.0万件を上回る148.2万件に上昇し、前月比も前回マイナス圏だった−1.2%と市場予想の−0.6%を上回るプラス圏の1.6%に改善されたことや、前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の22.3万件と前回修正の22.4万件と市場予想の22.5万件よりも堅調な21.5万件であったことではドルの買い戻しが混ざった。

しかし、同じく発表された前週分の米国失業保険継続受給者数は前回の185.0万人と前回修正の184.4万人と市場予想の187.2万人に対して188.5万人と弱く強弱混合であったことでは、昨夜21時50分頃の一時142円54銭付近から、米国長期金利低下時の円買いドル売りの影響もあってドルは円相場で下落した。

また、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、欧州中央銀行 (ECB) が6会合連続の欧州利下げを決定したことを例に挙げて、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) は「遅すぎる」として、再び米国利下げ要求を示唆するコメントをソーシャルメディアに投稿し、前日に「政治圧に屈さず、やるべきことをやる」とタカ派寄りの発言していたFRBのジェローム・パウエル議長に対し、「一刻も早く解雇するべきだ」と非難したことが話題になり、米国長期金利低下時のドル売りと共に米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) や米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も株売りで下落した時間であったため、低リスク通貨の円が買われて上昇し、昨夜23時25分頃に対ドル円相場は一時141円90銭付近と、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

とはいえ、「彼を辞めさせたいと思えば、即座にそうできる」と主張するドナルド・トランプ大統領に対し、2026年5月までが任期の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の解任には米国上院の承認が必要であり、FRBの独立性という法的概念もあることから政治圧に疑問視がある中で、FRBのケビン・ウォーシュ元理事や米国政府のハワード・ベッセント財務長官はジェローム・パウエル議長の解任に反対したことが話題になり、昨日の早朝8時35分頃のオセアニア市場で記録していた今年最大の円高ドル安の141円61銭付近の手前がサポートラインとして意識されたドルの買い戻しが入り始めてドルは円相場で反発し、今日の欧米のグッドフライデー (Good Friday) から来週月曜日のイースターマンデー (Easter Monday) までのキリスト教の春の復活祭のイースター (Easter) 休暇時期を前にした一部短縮市場の影響もあり、高値後の円の利益確定売りと持ち高調整のドルの買い戻しが入り、午前3時11分頃に対ドル円相場は一時142円72銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

一方で、「データ次第」と米国利下げに慎重なジェローム・パウエル議長に対し、「トランプ大統領はパウエル議長の解任について非公式に協議」などの一部報道もあり、金融市場が不安定な上に国内問題の懸念もあり、市場安値後の低リスク通貨の円が買い戻される値動きも混ざった。米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) も、「トランプ大統領がFRBのパウエル議長の更迭を検討している」と報じていた。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅安の終値をつけ、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) は前日比で小幅高の終値であったものの、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が前日比で小幅安の終値と、米国主要株価三指数中の二指数が安値で引けたことでは米国は株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いの影響も見られたが、 欧米のイースタホリデー前の利益確定の影響があったことや短縮営業だった米国ニューヨーク債券市場で米国長期金利は4.330%付近で終えていたこと昨日の朝の今年最大の円高ドル安を記録後の円の利益確定売りでホリデー前のドルの買い戻しがあった。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の141円90銭付近から、円の安値でドルの高値の142円72銭付近の値幅約82銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は142円43銭付近と、前営業日同時刻の141円88銭付近の前ニューヨーク終値比では約55銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝の世界市場では、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアが聖金曜日グッドフライデ~の祝日休場で、アジアの香港やシンガポールも祝日休場となり、イースターホリデー時期の世界市場における全体的な市場流動性の減少が観測されていたが、今朝8時30分には、日本の最新重要経済指標でインフレ指標でもある3月日本全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表があり、前年同月比は前回と市場予想の3.7%を下回る3.6%に鈍化したが、天候条件などで変動が激しい生鮮食料品を除く物価基調のコアCPIの前年同月比は前回の3.0%に対し市場予想通りの3.2%に上昇し、生鮮食料品とエネルギー除くコアコアCPIの前年同月比は前回の2.6%に対し市場予想通りの2.9%に上昇した。

米国相互関税の不透明感からは、最近の金融市場に混乱が見られていた影響もあり、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想がやや後退していたことでは為替相場への影響は限定的ではあったが、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時141円33銭付近の始値であった。

日本市場の今朝のニュースでは、欧米イースターホリデーの連休明けの来週4月22日に、米国首都ワシントン D.C.において日本政府と米国政府が日米財務相会合を開催する方向で調整に入ったと報じられたことを受けて、先日は議論されなかったが、再び円安是正などが議論される可能性を指摘した一部観測報道を受けて、市場流動性が減少していた中での円買いが影響を及ぼし、今朝9時16分頃に対ドル円相場は一時142円19銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、欧米イースターホリデーの休暇時の市場流動性減少の中でも日本市場は通常営業のため、日本企業などの一定のドル需要はあり、今朝の仲値決済に向けた円売りドル買いの影響ではドルは円相場で反発し、今朝10時24分頃に対ドル円相場は一時142円44銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) の欧州利下げが、欧州景気懸念を示唆したややハト派寄りであった影響では、欧州ユーロに対して低リスク通貨の円が買われた外貨影響が対ドル円相場に波及し、対ドルの円相場も反発した。

一方、今日の東京株式市場では、日米関税交渉期待の影響が続き、日経平均株価が今朝の一時反落後に反発上昇し、米国相互関税の日本への見直し期待などの影響もあり、午後15時30分に3万4730円28銭の終値をつけて前日比352円68銭高の+1.03%の大幅高で大引けしたことでは、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りも入った。

なお、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁は、「為替相場は、経済・金融のファンダメンタルズに沿って安定推移が重要」で、「為替相場の水準や評価には、コメントしない」としながらも、「基調的な物価上昇率が2%に向けて高まっていくとの見通しが実現していくか、予断持たず点検していく」と発言したことが報じられていた。

午後からの欧州市場や夕方からの英国ロンドン外国為替市場もグッドフライデーなどのイースター関連の祝日休場であったが、今日の午後に米国での日米協議から羽田空港に帰国した日本政府の赤沢亮正経済再生相が、「日米交渉は最終的にパッケージがまとまった時に合意するため、現時点で言えることはほとんどない」と発言し、米国の閣僚達と合意した月内の次回の協議日程についても、「調整するのでお待ちいただきたい」と述べたが、米国相互関税政策の高関税については、「関税は認められないなど、言うべきことは言ってきた」と語り、「日米双方の経済が強くなる包括的な合意を要請した」ことや、「何が日本にとって、効果的か考え抜いて優先的に取り組む」などと述べていた。

前回は議論せずであった日米関税交渉の中でも、今後、円安是正問題が論じられる可能性もあることでは、日米関税ディール交渉に向けた観測報道などを受けた円買いも再び入った影響では、欧米休場時にも開場中の日本市場における円実需の影響もあり、やや横ばいに近い小幅な値動きの中でも前東京終値比で小幅な円高ドル安の今日の東京終値に向けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円39銭付近で、昨夜17時の142円84銭付近の前東京終値比では約45銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場も聖金曜日グッドフライデーで休場予定のため、最新米国経済指標の発表予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定は特に予定されていないが、キリスト教圏以外の世界市場には開場中の一部市場もある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円86銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円51銭付近の前東京終値比で約65銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会が欧州追加利下げを発表し、米国相互関税政策の不透明感の影響もあり、欧州景気先行きの見通しの下向きリスクを発表したことで、欧州ユーロ売りで低リスク通貨の円や世界的に流動性が高いドルが買われて上昇した。

その影響から、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1370ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1380ドル付近の前東京終値比で約0.10セントのユーロ安ドル高であった。

また、経済圏が近く欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は188円87銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の189円15銭付近の前東京終値比で約28銭の円高ポンド安であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月18日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時50分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時50分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:50の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 142.36 〜 142.38 −0.48 (円高)
ユーロ/円 161.89 〜 161.92 −0.62 (円高)
ユーロ/ドル 1.1372 〜 1.1374 −0.0008 (ドル高)
英ポンド/円 188.91 〜 188.97 −0.24 (円高)
スイスフラン/円 173.90 〜 173.96 −0.79 (円高)
豪ドル/円 90.75 〜 90.79 +0.04 (円安)

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