FXニュース:今年最大の日欧英ドル安
2025年4月21日
東西FXニュース – 2025年04月21日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米トランプ中銀圧警戒感
- 中対米関税報復不買報道
- 日米協議の円安是正警戒
- 欧英イースターマンデー
今日2025年4月21日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の141円58銭付近から、円の高値でドルの安値の140円54銭付近の値幅約1円4銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円57銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の142円39銭付近の前東京終値比で約1円82銭の大幅な円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場は春の復活祭のイースターホリデー (Easter Holidays) の始まりの聖金曜日のグッドフライデー (Good Friday) の祝日休場で、米国市場でも株式と債券とコモディティ市場が休場となり、時間帯が近い北米カナダなども祝日で世界市場全体の流動性が減少する中で、先週金曜日の夜21時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界市場の対ドル円相場は一時142円31銭付近の始値で、市場前半の小幅な値動きの中でも基軸通貨として取引されたドルは先週金曜日の夜22時25分頃と23時頃の一時142円36銭付近が米国市場相当時間の円の安値でドルの高値となっていた。
しかし、前日などにも米国政府のドナルド・トランプ大統領が、自身の利下げ要求に応じないことから「政治的駆け引きをしている」と非難し、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長について、「一刻も早く解任すべきだ」と発言するなど、米国中央銀行制度の独立性に対する政治的圧力や不信感を感じさせる行動などへの市場警戒感が高まっていたが、この日のニュースでも米国ブルームバーグ (Bloomberg) や英国ロイター (Reuters) 通信などが、米国家経済会議(NEC / National Economic Council)のケビン・ハセット委員長が、「FRBのジェローム・パウエル議長を解任できるかどうか、ドナルド・トランプ大統領とそのチームが検討し続けている」と発言したことを受けて、ドルの信頼性の揺らぎを警戒したドル売りが起き始めた。
米国NECのケビン・ハセット委員長は、2021年の著書で「FRBの独立性などの信任を損なうとドルの信頼性が揺らぎ、米国株式市場が暴落する可能性」について指摘していたことも話題になり、「当時の法律的な分析について言及したもので、新たな法律的な分析によって異なる見解が出る場合には、対応を見直す必要がある」と説明していたものの、ドナルド・トランプ米国政権が米国独立行政機関である全米労働関係委員会の民主党系幹部2名を解雇した件の妥当性について米国連邦最高裁で審理中であることもあって、ドルの信任性についての警戒感からドルが主要通貨や低リスク通貨の円に対して売られた影響では、対ドル円相場は先週金曜日の午前1時30分頃に一時142円12銭付近と、米国市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録していた。
ただし、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国サンフランシスコ連邦準備銀行 (連銀) のメアリー・デイリー総裁は、「現時点ではなお今年年内に複数回の米国利下げ予測が妥当であるものの、米国インフレリスクの高まりにより米国利下げ回数を減らす必要が出てくるかもしれない」と発言した一方で、ドナルド・トランプ米国政権の新政策がもたらす影響がもっとはっきりしてくるのを見極める余裕があるとしており、米国追加利下げを急がない姿勢が報じられたことはドルの買い戻しに繋がった。
メアリー・デイリー総裁は、「米国経済は私達が望む地点、つまり米国政策金利を中立水準に戻せる場所へ持続的な軌道で向かいつつある」と発言し、自身の推計では米国中立金利は3%付近であるとし、「当然、課題の1つとなるのは、物価上昇率がまだ私達の目標を上回っていることで、1年前に比べ米国インフレのリスクが高まったので、従来の想定よりも政策金利をより長くより金融引き締め的にしなければならないかもしれない」とも述べた。
このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の142円36銭付近から、円の高値でドルの安値の142円12銭付近の値幅約24銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は142円18銭付近と、前営業日同時刻の142円43銭付近の前ニューヨーク終値比で約25銭の円安ドル高をつけて、週末を迎えていた。
週末のニュースでは、米国との関税報復合戦が激化している中国が、米国産の大豆やとうもろこしなどの穀物の買い付け予約を停止し、南米ブラジルなどからの安定供給を増やしていることなどが報じられた米中貿易摩擦警戒感によるドル売りや、今週4月23日から米国ワシントンD.C.で開催予定のG20 (20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議で、日本政府の加藤勝信財務相と米国政府のハワード・ベッセント財務長官が財務相会談で日米の為替政策などを議論する可能性が再意識され、翌日4月24日には日米会談の方向で調整しているというニュースなどが話題となり、米国が自国の輸出企業に有利となり、日本の輸出企業に価格競争で不利になりかねない円安是正を求める可能性について観測報道があり、今朝早朝の週明けの世界市場は欧州や英国などでイースターマンデー (Easter Monday) の祝日が続く市場流動性減少の中で円買いドル売りが先行し、ドルは円相場で141円台に急落した。
その影響から、今朝早朝のアジア・オセアニア市場ではニュージーランドとオーストラリアと香港などが祝日休場であったが、開場中の世界市場では円買いドル売りが優勢で、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時141円58銭付近の始値となり、この時間が今日の日本市場の円の安値でドルの高値で、今日の日本市場ではドルに対して円相場が上昇を続けた。
また、今日の東京株式市場では、朝から日経平均株価がマイナス圏に低下して始まり低下幅を大幅に広げていったことでも、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが起き、今日の午後15時30分に、日経平均株価は3万4279円92銭の終値をつけ、前営業日比450円36銭安と-1.30%の大幅安で大引けした。
午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場はイースターマンデーの祝日休場であったが、時間帯が近い世界市場でも、先週末のドナルド・トランプ大統領がFRBのジェローム・パウエル議長の解任を検討などのニュースを受けて、米国中央銀行の独立性が脅かされかねないドル不信任感への警戒感も米中貿易摩擦予想に加えての主要通貨に対するドル売りとなったため、今日の日本市場では一時140円台に下落したドル円が今年最大の円高ドル安に向かうと同時に、ユーロ円やポンド円も今年最大のドル安に向けた。
今日の日本市場終盤の夕方16時57分頃には、ドルは円相場で一時140円54銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、この時点での今年最大の円高ドル安を記録した。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円57銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の142円39銭付近の前東京終値比では約1円82銭の大幅な円高ドル安になった。
また、その後の世界FX市場でも、今夜18時21分頃に対ドル円相場は一時140円46銭付近と、今年最大の円高ドル安を更新している。
今夜この後の米国市場は開場予定のため、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定や最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分頃から次回のFOMC投票権を持つ米国シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー総裁の発言予定と、今夜23時に3月米国景気先行指標総合指数などを控えている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円45銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の161円86銭付近の前東京終値比で約59銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今日の主要通貨に対するドル売りの中でも、ドルに続いて世界的に流動性が高い欧州ユーロが買われた影響から、ユーロドルで欧州ユーロがドルに対して大幅高となり、今年最大のユーロ高ドル安を更新した外貨影響がユーロ円相場に波及した。
その影響から、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1557ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1370ドル付近の前東京終値比で約1.87セントの大幅なユーロ高ドル安であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は188円55銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の188円87銭付近の前東京終値比で約32銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、英国ポンドも対ドルでは買われてポンドドルは今年最大の英国ポンド高ドル安を更新したが、日本市場での取引量の多さでは欧州ユーロや日本円よりも英国ポンドは少なかったことから、今日の欧州英国市場がイースターマンデーの祝日休場で、英国ポンド実需が少なかったこともあり、小幅な円高ポンド安の東京終値となっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月21日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時1分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時1分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:01の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 140.64 〜 140.66 | −1.75 (円高) |
ユーロ/円 | 162.37 〜 162.38 | +0.51 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.1543 〜 1.1545 | +0.0173 (ドル安) |
英ポンド/円 | 188.48 〜 188.54 | −0.39 (円高) |
スイスフラン/円 | 174.51 〜 174.57 | +0.63 (円安) |
豪ドル/円 | 90.36 〜 90.40 | −0.30 (円高) |
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