FXニュース:米ドル株債券トリプル安
2025年4月22日
東西FXニュース – 2025年04月22日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日米財務会談前為替警戒
- 米政治圧中銀独立性懸念
- 米トランプ経済減速言及
- 対主要通貨ドル指数低下
- 米主要株価三指数大幅安
- 中対米関税報復投資離れ
- 日経平均株価は小幅安に
- 米長期金利一時4.440%
今日2025年4月22日火曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の141円17銭付近から、円の高値でドルの安値の139円88銭付近の値幅約1円29銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円28銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の140円57銭付近の前東京終値比で約29銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場では今週の日米財務相会談を前にした為替議論で円安是正問題が論じられることへの警戒感などから大幅な円高ドル安が進行したが、昨夕の東京外国為替終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場はイースターマンデー (Easter Monday) の祝日休場で、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時140円79銭付近の始値であった。
欧米のイースターホリデー時期にあたるため、米国市場も半ば連休明けのムードで世界市場全体の流動性は減少していたが、米国市場再開に伴うドル需要があったことや、昨夜21時頃には米国債売りの影響により米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起きており、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.409%付近に上昇していたことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りとドルの買い戻しも入り、昨夜22時35分頃にドルは円相場で一時141円4銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、自身のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS / Social Networking Service) のトゥルース・ソーシャル (Truth Social) に、「今すぐ金利を引き下げない限り、経済は減速する可能性がある」と投稿し、再び米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長に即時の利下げを要求したことから、米国中央銀行の独立性を脅かすドルの信認低下が懸念され、米国金融市場の不安定化への警戒感が高まり、低リスク通貨の円や主要通貨に対するドル売りが起き、米国債や米国株式市場にも売りが波及する米国売りのトリプル安に向け始めた。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って大幅に下落し、前営業日比で大幅安の終値に向けたが、本来ならば安全資産でもある米国債にもドナルド・トランプ大統領の発言を受けた米国信用リスクを受けた買い控えや米国売りが起きたため、ドル売りで低リスク通貨の円や欧州ユーロや英国ポンドなどの主要通貨が買われ、また主要通貨全般に対するドルインデックス (ドル指数) も低下し、午前4時3分頃に対ドル円相場は一時140円55銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
米国相互関税政策への報復関税や不買運動の観測報道が起きていた中国が、米国投資も控えているとの観測報道などがあった中で、市場では警戒感が高まるリスク回避のリスクオフ (Risk-off) が観測され、そこにドナルド・トランプ大統領が自らの関税政策などが引き起こしかねない「経済の減速」の可能性に言及したこともあり、米国景気減速懸念が意識され、また米国相互関税の影響などで米国製品や米国株式や米国債券などへの投資の需要が低下すればドル需要も低下するとの観測記事などもあり、主要通貨に対するドル指数は一時一時97.92付近と、2022年3月以来の今年の最低水準を更新した。
市場安値後のドルには買い戻しが入ったものの、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の141円4銭付近から、円の高値でドルの安値の140円55銭付近の値幅約49銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は140円86銭付近と、前営業日同時刻の142円18銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円32銭の大幅な円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時140円87銭付近の始値で、日本市場の今朝9時55分頃の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いや、今朝の東京株式市場で日経平均株価が今朝9時15分頃に一時プラス圏に反発上昇した時間があった影響では、低リスク通貨の円売りが入った時間があったため、今朝9時37分頃にドルは円相場で一時141円17銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、続いては国内輸出企業の円買いドル売り需要が強くなったことや、一時反発上昇していた日経平均株価が米国主要株価三指数下落後の影響もあって再び反落してマイナス圏に転じると、株価リスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いと主要通貨に対するドル売りが再開したため、ドルは円相場で再び下落を始めた。
今日のニュースでは、英国経済紙のフィナンシャル・タイムズ (FT / Financial Times) 紙が、「中国が米国のプライベート・エクイティ (PE / Private Equity) への新規投資を停止している」と報じたほか、米国経済紙のウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) は、「ドナルド・トランプ米国大統領が、景気後退の責任を米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) ジェローム・パウエル議長に押し付けるための布石を敷いている」と報じたことなどが話題になり、米国の中央銀行制度にあたる「FRBの独立性の危機」について懸念されたことで主要通貨に対するドル売りが再燃し、午後14時48分頃にドルは円相場で一時139円88銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録し、昨年2024年9月16日以来の今年最大の円高ドル安を更新した。
午後からはキリスト教の春の復活祭のイースター (Easter) の連休明けの欧州市場が参入した影響もあり、午後15時頃にも主要通貨に対するドル売りが入り、ドルは円相場で再び一時139円89銭付近と今日の日本市場の安値圏近くに下落したが、時間外の米国債券市場で米国債も売られていた影響では、今日の午後に米国長期金利が一時4.440%付近に上昇後であったこともあり、ドルが円相場で二度目の市場安値圏を下抜けしなかったことでは、テクニカル分析的なダブルボトム (Double bottom) の二番底付近からのドルの買い戻しも入り始めて、ドルは円相場で140円台に向けて下げ幅を縮小し始めた。
午後15時30分頃には今日の日経平均株価が下げ幅を縮小し、3万4220円60銭の終値をつけて前日比59円32銭安の-0.17%の小幅安で大引けした影響や、夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の再開を控えて主要取引通貨のドルの買い戻しが安値後に入ったと、米国ダウ工業株の先物に買い戻しが見られた時間があったことなどでは、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は140円28銭付近で、昨夜17時の140円57銭付近の前東京終値比で約29銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の発言予定と最新米国経済指標の発表予定や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRBのフィリップ・ジェファーソン副議長の発言予定と、今夜23時に 4月米国リッチモンド連銀製造業指数、26時に米国2年債入札予定を控えるほか、今夜から明日の朝の米国株式市場の株引け後の時間になると伝えられているが、イーロン・マスクの米国テスラ (Tesla) の決算報告なども控えている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円39銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円45銭付近の前東京終値比で約1円6銭の円高ユーロ安であった。
主な要因は、主要通貨に対するドル売りの中で、米国主要株価下落や日経平均株価下落を受けた低リスク通貨の円買いがあったほか、今週の日米財務相会談で円安是正などの為替問題について議論される可能性への市場警戒感による円買いの影響なども燻っていた。
なお、この後の欧州市場では、今夜23時頃に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定を控えている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1506ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1557ドル付近の前東京終値比で約0.51セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米国債売りの影響では今日の午後に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が4.4%台に上昇しており、夕方のドルの買い戻しの影響では今年最大のユーロ高ドル安を記録後の欧州ユーロには対ドルで利益確定売りや持ち高調整が入りやすかった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は187円64銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の188円55銭付近の前東京終値比で約91銭の円高ポンド安であった。
主な要因は、主要通貨に対するドル売りの影響で英国ポンドドルも今年最大のポンド高ドル安を記録後で、その後のドルの買い戻しなどで利益確定売りや持ち高調整が入りやすかった外貨影響があった一方で、低リスク通貨の円相場は上昇後の下げ幅がより限定的であったことでは円高ポンド安の東京終値になっていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月22日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の18時42分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の10時42分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 18:42の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 140.43 〜 140.45 | −0.14 (円高) |
ユーロ/円 | 161.48 〜 161.50 | −0.97 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1497 〜 1.1499 | −0.0060 (ドル高) |
英ポンド/円 | 187.76 〜 187.82 | −0.79 (円高) |
スイスフラン/円 | 173.31 〜 173.37 | −1.36 (円高) |
豪ドル/円 | 89.95 〜 89.99 | −0.47 (円高) |
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