FXニュース:日米交渉通貨目標求めず

2025年4月24日
FXニュース:日米交渉通貨目標求めず

 

東西FXニュース – 2025年04月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米車関税一部免除を検討
  • 米対中関税引き下げ検討
  • 日米円安是正観測が後退
  • 米FRBの独立性と政治圧
  • 中対米関税まだ協議せず

今日2025年4月24日木曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の143円34銭付近から、円の高値でドルの安値の142円55銭付近の値幅約79銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円58銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の140円78銭付近の前東京終値比で約1円80銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、英国経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT / Financial Times)が、「ドナルド・トランプ米国大統領が自動車メーカーに対し、関税の一部免除を検討している」と報じたことで円売りドル買いが入った時間があったことでは、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時141円66銭付近の始値で、やや下押しした昨夜21時2分頃の一時141円57銭付近が昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値となり、ドルが円相場で上昇した。

米国現地時間の4月22日にドナルド・トランプ米国大統領が米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長を「解任する意向は持っていない」と発言していたことから、米国の中央銀行制度であるFRBの独立性の懸念が後退していたことでも主要通貨へのドルの買い戻しが入っていたことに加え、この日には米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) が、「米国政府は貿易戦争の緩和に向けて対中関税の引き下げを検討」し、「対中関税は50〜65%に引き下げられる可能性」などと報じたニュースを受けて米中貿易摩擦緩和への期待感が市場で高まり、米国主要株価三指数が上昇して始まると、低リスク通貨の円売りドル買いが優勢になった。

昨夜22時45分に発表された米国景気関連の最新米国経済指標の4月米国製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値は、前回の50.2と市場予想の49.0を上回る50.7と堅調であったが、4月米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は前回の54.4と市場予想の52.5を下回る51.4で、4月米国総合購買担当者景気指数 (PMI) 速報値) も前回の53.5と市場予想の52.2を下回る51.2であったが、好景気と不景気を分ける景気ボーダーラインの50は上回る好景気側の景気指標に留まっていた。

続いて、昨夜23時に発表された最新米国重要経済指標の3月米国新築住宅販売件数は、年率換算件数が前回の67.6万件と前回上方修正の67.4万件と市場予想の68.5万件を上回る72.4万件に上昇し、前月比も前回の1.8%と前回上方修正の3.1%と市場予想の1.3%を大きく上振れする7.4%であったこともドルの買い戻しに繋がり、発表時の昨夜23時頃にはドルは円相場で一時142円79銭付近と、142円台後半に上昇した。

また、米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、「米国は引き続き強いドル政策を維持」と発言し、「日米関税交渉で特定の通貨目標を求める考えはない」ことや、「日本が先進7カ国 (G7) の合意を尊重することを期待」と発言したことが報じられ、今週の日米財務相会談で円安是正の為替問題について議論されることへの警戒感が後退し、円売りドル買いが勢いを増し、ドルは円相場で143円台に向けて上昇した。

午前3時には、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が最新版の米国地区連銀経済報告のベージュブック (Beige Book) を公表し、「経済活動は前回の報告からほとんど変化がなかった」が、「物価は全ての地区で上昇し、6地区は控えめで6地区では緩やかであった」と報告し、「国際貿易政策についての不確実性には全体的な広がりが見られた」と総括していた。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) が揃って大幅な続伸を見せ、前日比の大幅高で終値をつけたため、低リスク通貨の円売りの影響があり、午前5時35分頃に対ドル円相場は一時143円57銭付近と米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の141円57銭付近から、円の安値でドルの高値の143円57銭付近の値幅約2円0銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は143円45銭付近と、前営業日同時刻の141円57銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円88銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) などが、「ドナルド・トランプ米国大統領が中国に対する新たな関税率を今後2〜3週間で発表する考えを示した」と報じたニュースがあった一方で、ドナルド・トランプ米国大統領が米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が利下げしないことについて、「間違っている」と発言し、以前に「ジェローム・パウエル議長を解任する意向はない」と言った後にも、「電話するかもしれない」などとコメントし、引き続きジェローム・パウエル議長に圧力をかける可能性が示唆されたことでは円買いドル売りも入っていた。

今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円19銭付近の始値で、昨夜の日本市場終了後に米国政府のスコット・ベッセント財務長官が、「米国は引き続き強いドル政策を維持」し、「日米関税交渉で特定の通貨目標を求める考えはない」と発言していた今朝のニュースを受けて、日米関税交渉で米国政府が日本政府に円安是正を要求する可能性について連日の観測報道の影響が後退し、米中貿易摩擦への警戒感も緩和されていた時間であったことでは、今朝の東京株式市場では日経平均株価が前日比の大幅高で始まったため、低リスク通貨の円売りとドル買いが再開し、今朝9時8分頃にドルは円相場で一時143円34銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、「米国売り」が収まってきたことでは、時間外の米国債券取引では米国債が買い戻された影響があり、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は以前の一時4.4%台から4.3%台に低下しており、最近の円高を受けた警戒感からドルの高値圏からは日本の輸出企業のまとまった円買いドル売り注文が入りやすかったことでは、ドルは円相場で142円台へと反落を始めた。

また、今日の午前の部では一時は大幅に上昇していた日経平均株価が、午後には上昇幅を縮小したことでも株価影響で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買い戻された値動きもあったが、今日の日経平均株価は午後15時30分に3万5039円15銭の終値をつけ、前日比170円52銭高の+0.49%で大引けした。

午後からの欧州市場の参入では、15時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の4月仏消費者信頼感指数が市場予想の91以上の前回と同じ92であったことなどで欧州ユーロ買いドル売りが入った。

夕方のニュースでは、中国外務省が「中国と米国は、まだ関税について協議していない。必要であれば、関税戦争も辞さない」と表明したと報じられた話題でも一時後退していた米中貿易戦争懸念が意識されたドル売りが入ったほか、夕方からの世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場参入時には米国長期金利低下時のドル売りの影響もあり、午後16時5分頃にドルは円相場で一時142円55銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今夜17時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の4月独IFO (Information and Forschung) 企業景況感指数が、前回の86.7と市場予想の85.2を上回る86.9であったことで、欧州ユーロ買いドル売りの外貨影響も波及したことから、今夜17時0分の1分間の値動きの中でも瞬時にドルは円相場で一時142円55銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、前東京終値比では、今朝までに一時143円台の大幅な円安ドル高の進行後であった影響では、今日の日本市場ではドルに対して円相場が下落幅を縮小したものの、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は142円58銭付近となり、昨夜17時の140円78銭付近の前東京終値比では約1円80銭の大幅な円安ドル高になっていた。

今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利低下時のドル売りの影響が続き、今夜18時57分頃にはドルは円相場で一時142円43銭付近と日本市場で記録した円の高値でドルの安値を下抜けしている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に3月米国耐久財受注と、前週分米国新規失業保険申請件数と前週分米国失業保険継続受給者数が同時発表され、続いて今夜23時に3月米国中古住宅販売件数や26時の米国7年債入札予定などを控えている。

また、明日早朝の米国株式市場の株引け後の時間になるがグーグル (Google) の持ち株会社である米国アルファベット社 (Alphabet Inc.) の決算報告予定などがあり、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国相互関税ディール交渉を含めた政治影響に加えて世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円47銭付近の前東京終値比で約87銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、日本よりも時差遅れの米国現地時間で本日24日にあたる今夜この後の日本政府の加藤勝信財務相と米国政府のスコット・ベッセント財務長官などの日米財務相会談では、米国側が円安是正を求めるとの観測が後退し、円安ドル高が進んだ外貨影響が他の主要通貨にも円安圧として波及し、ユーロ円やポンド円も前東京終値比で円安になっていた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円61銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の188円69銭付近の前東京終値比で約92銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1386ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1388ドル付近の前東京終値比で約0.02セントの小幅なユーロ安ドル高であった。

主な要因は、ドナルド・トランプ米国大統領が米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長の解任を否定したことでは、米国の中央銀行制度の独立性をめぐる懸念が緩和されたドルの買い戻しが起きたが、今日の夕方の欧州ユーロ圏の最新経済指標を受けた欧州ユーロ買いや、一時は後退していた米中貿易摩擦懸念が再燃したことでは欧州ユーロは下げ幅を縮小した小幅安の東京終値をつけていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月24日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時18分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時18分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:18の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 142.39 〜 142.40 +0.61 (円安)
ユーロ/円 162.16 〜 162.17 +0.69 (円安)
ユーロ/ドル 1.1387 〜 1.1389 ±0.0000 (レンジ)
英ポンド/円 189.55 〜 189.61 +0.86 (円安)
スイスフラン/円 172.59 〜 172.65 +0.12 (円安)
豪ドル/円 90.88 〜 90.92 −0.04 (円高)

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