FXニュース:日米財務相為替議論なし

2025年4月25日
今日2025年4月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円82銭付近から、円の安値でドルの高値の143円85銭付近の値幅約1円3銭で、...

 

東西FXニュース – 2025年04月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRBウォラー理事の発言
  • 米トランプ発言中会談期待
  • 日米主要株価が大幅続伸
  • 東京都区部CPI予想以上
  • 中外務省「詳細把握せず」

今日2025年4月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の142円82銭付近から、円の安値でドルの高値の143円85銭付近の値幅約1円3銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円41銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の142円58銭付近の前東京終値比で約83銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧米メディアが、「中国外務省が、中国と米国はまだ関税について協議していない。必要であれば、関税戦争も辞さないと表明した」と報じたニュースに続き、「中国商務省の報道官も、関税などに関する米国との交渉は実施されていない」、「米国が問題を解決したいのであれば、一方的な対中関税を完全に撤回するべきとのコメントがあった」と報じた影響で米中貿易戦争懸念のドル売りが入り、昨夜19時35分頃にドルは円相場で一時142円30銭付近に下落したが、米国市場に向けた買い戻しも入ったことでは、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時142円59銭付近の始値であった。

米国市場では、昨夜21時30分に最新米国経済指標の発表があり、3月米国耐久財受注は、前月比が前回の0.9%と市場予想の2.0%を上回る9.2%に上昇したが、輸送用機器を除くコアの前月比では、前回の0.7%と市場予想の0.3%を下回る0.0%と強弱混合であったが、同時発表の前週分米国新規失業保険申請件数は、前回の21.5万件と前回修正の21.6万件に対し市場予想通りの22.2万件で、前週分米国失業保険継続受給者数は前回の188.5万人と前回修正の187.8万人と市場予想の187.5万人よりも堅調な184.1万人であったことでは、発表時のドルは円相場で一時142円64銭付近であった。

しかし、昨夜22時台のニュースでは、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国クリーブランド連邦準備銀行のベス・ハマック総裁が、米国CNBCテレビで、「米国関税の影響を見極めるには、忍耐が必要」と5月の米国追加利下げを急がない姿勢を見せていたものの、「6月までに説得力あるデータを得られれば、FRBが動くことはある」と利下げの可能性も示唆し、米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入っていた。

また、昨夜23時に発表された3月米国中古住宅販売件数は、年率換算件数が前回の426万件と前回修正の427万件と市場予想の413万件に対し402万件と弱く、前月比も前回の4.2%と前回修正の4.4%と市場予想の−3.1%を下回る−5.9%に下振れしたことでは、昨夜23時11分頃にドルは円相場で一時142円28銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のクリストファー・ウォラー理事も、米国経済チャンネルのブルームバーグテレビ (Bloomberg TV) で、ドナルド・トランプ米国政権が「特に大規模な米国関税が再導入された場合、この先のレイオフの増加や失業率の上昇が見られ始めても意外ではない」と発言し、「米国労働市場が顕著に悪化すれば、FRBの雇用最大化の責務に基づき、措置を講じることが重要だと考えられる」と、高関税により米国企業が更なる人員削減に動く場合には米国労働市場を守るために米国利下げを支持することを示唆した発言が話題になり、「米国関税が7月以前に経済に大きな影響を与えるとは考えていない」としたものの、高関税による失業率上昇への警戒感を見せた一方で、「関税によるインフレへの影響は一時的なものに留まる可能性がある」との見解を示していた。

米国主要企業の決算報告が続いていた米国ニューヨーク株式市場では、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言を受けて米国政策金利の高金利長期化への警戒感がやや緩和された影響などもあり、一時は米中貿易摩擦への警戒感もあってマイナス圏から始まっていた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) が反発上昇してプラス圏で推移し、米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) と米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) も揃って続伸を見せた影響では、米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンで市場高値後の低リスク通貨の円が利益確定持ち高調整などで売られて、ドルは円相場で下げ幅を縮小した。

また、ドナルド・トランプ米国大統領が、「我々は中国と会談している」と発言したことで、夕方の報道を受けた米中貿易戦争懸念がやや緩和されたことでも、米国主要株価三指数が上昇して揃って前日比で大幅続伸の終値に向かう中で、低リスク通貨の円売りとドル買いの影響があり、午前3時2分頃に対ドル円相場は一時142円84銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、二転三転するトランプ発言を受けては、市場高値後のドルには利益確定や持ち高調整が入り反落した。

このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の142円28銭付近から、円の安値でドルの高値の142円84銭付近の値幅約56銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は142円63銭付近と、前営業日同時刻の143円45銭付近の前ニューヨーク終値比で約82銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝の世界市場では、米中会談のトランプ発言の影響などが続き、中国を主要貿易先に持つオセアニアとオーストラリアとニュージーランドは休場中であったものの、ドルが買い戻されて上昇していた。

ただし、今朝8時30分に日本の最新経済指標でインフレ指標の4月の日本東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) を日本政府の総務省が発表し、生鮮食料品除く総合コアの前年同月比が前回の2.4%と市場予想の3.2%を上回る3.4%に上昇し、2023年7月以来の3%台に乗せた上振れを見せたことでは、東京都区部の中旬速報値は全国の先行指標と考えられていることなどから、最近の米国関税政策に影響により金融市場が不安定な間は一時様子見予想で後退していた日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げ予想が再びやや意識されたことでは、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時142円86銭付近の始値で、今朝9時8分頃に対ドル円相場は一時142円82銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝早朝には日本政府の加藤勝信財務相が米国首都ワシントンにおける日米財務相会談を終え、「米国から、例えば為替水準の目標や、それに対する枠組みの話は全くなかった」と発言したニュースを受けては、以前に米国政府のハワード・ベッセント財務長官も「特定の通貨目標を求める考えはない」などの発言していた後であったことから円安是正への警戒感は市場で後退していたものの、連日の観測報道の円高後であったことからやや燻っていた警戒感が緩和されて円売りドル買いが起き、ドルは円相場で143円台に向けて上昇した。

今朝までの米国主要株価三指数上昇の影響もあり、今日の東京株式市場で日経平均株価が大幅に上昇したことでも株価上昇時のリスク選好のリスクオンによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入ったほか、午後からの欧州市場の参入では中国が米国に対して柔軟な対応を示すとの見方から米中貿易摩擦への警戒感の緩和が続いたこともドル買いに影響し、午後15時13分にドルは円相場で一時143円85銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

午後15時30分頃には、今日の日経平均株価は3万5705円74銭の終値をつけ、前日比666円59銭高の+1.90%の大幅高で大引けした。

ただし、夕方には中国外務省が、「詳細については、把握していない」と発言し、公式には「中国と米国は関税に関する協議や交渉を行っていない」と再び示唆したほか、「米国は、協議について、国民をミスリードするべきではない」と非難したことでは、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整も相まってドルは円相場で上昇幅を縮小したが、最近の観測報道では報復合戦が続けば米国株式市場への中国株の上場が危なくなることへの警戒感なども示されており、市場では公表前の非公式会談の可能性や米中貿易摩擦緩和への期待感も燻った。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円41銭付近で、昨夜17時の142円58銭付近の前東京終値比では約83銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に4月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値が発表される予定である。

また、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税ディール交渉の行方などを含めた経済と政治影響に加え、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円90銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円34銭付近の前東京終値比で約56銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、日米主要株価指数上昇を受けた株価影響のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られやすく、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円73銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の189円61銭付近の前東京終値比で約1円12銭の大幅な円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1358ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1386ドル付近の前東京終値比で約0.28セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米中貿易摩擦をめぐっては、欧州ユーロ圏主要国のドイツなどが中国を主要取引先に持っているため、米中貿易摩擦緩和への期待感が燻っていたことが影響を及ぼしていたほか、日米財務相会談が終了し結果的に円安是正が公式に求められなかったことを受けてドルが円相場で上昇していた外貨影響の波及なども為替相場に影響を及ぼしていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月25日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時2分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時2分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。

通貨ペア JST 19:02の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 143.54 〜 143.55 +0.96 (円安)
ユーロ/円 162.92 〜 162.93 +0.58 (円安)
ユーロ/ドル 1.1348 〜 1.1350 −0.0038 (ドル高)
英ポンド/円 190.92 〜 190.98 +1.31 (円安)
スイスフラン/円 172.93 〜 172.99 +0.47 (円安)
豪ドル/円 91.55 〜 91.59 +0.53 (円安)

注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。