FXニュース:今週の日銀金融会合控え
2025年4月28日
東西FXニュース – 2025年04月28日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日米関税交渉合意近づく
- 米関税交渉進展に期待感
- 米消費者態度指数上振れ
- 日米主要株価指数が続伸
- 日米金利維持予想が優勢
- 米中関税交渉発言の違い
今日2025年4月28日月曜日の日本の東京外国為替市場の今朝9時頃から今夜17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の143円29銭付近から、円の安値でドルの高値の143円90銭付近の値幅約61銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円66銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の143円41銭付近の前東京終値比で約25銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) マーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円38銭付近の始値で、米中貿易摩擦緩和への期待感が一時高まったことに対し、夕方に中国政府の外務省が、「米国は、協議について国民をミスリードするべきではない」と発言をした影響の下押しでは、先週金曜日の夜21時6分頃に一時143円30銭付近と、米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、米国市場では、日米関税交渉は日米双方か「合意に近づいている」と前向きに報じられていたことや、日米財務相会談後に「為替目標や枠組みの話は出なかった」と日本政府の加藤勝信財務相が発言していた影響では円安ドル高是正への警戒感が後退しており、ドルが円相場で反発後の上昇を見せていた。
また、米国メディアの「中国は米国製品に対する報復関税について、一部輸入品の適用除外を検討」という報道に続き、米国政府のドナルド・トランプ大統領が、「中国の習近平国家主席から電話があった」と発言したニュースが話題になり、米中貿易摩擦緩和期待が再び高まり、低リスク通貨の円売りとドル買いが起きた。
さらに、先週金曜日の夜23時に発表された最新米国経済指標の4月米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値が、前回と市場予想の50.8を上回る52.2に上振れし、発表時の先週金曜日の夜23時頃にドルは円相場で 一時143円91銭付近に上昇したほか、深夜24時25分頃には、同時進行中の英国市場のロンドン・フィキシング (London Fixing) の影響もあり、対ドル円相場は一時144円3銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、一時144円台の市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたほか、米国ニューヨーク債券市場では一時4.296%付近に上昇後の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が安全資産の米国債の買い戻しの影響などにより、市場終盤の一時4.240%付近に向けて反落していたことを受けては、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが起き、先週土曜日の午前2時57分頃にドルは円相場で一時143円44銭付近に反落した。
この値動きの一因には、世界市場における米中関税貿易摩擦緩和への期待感が燻る中でも、ドナルド・トランプ米国大統領が、「対中米国関税は何らかの譲歩がない限りは引き下げない」と発言したり、中国以外の米国関税交渉に前向きな報道がある中でも、「米国関税を再び一時停止することはないだろう」などとやや抵抗となるコメントを発信していたニュースなどが、安全資産の米国債価格や低リスク通貨の円などの為替相場に影響を与えていた。
しかし、米国主要企業の決算報告の影響が続いていた米国ニューヨーク株式市場では、非公式会談などを含めた米中貿易摩擦緩和への期待感が燻っており、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (DJIA / Dow Jones Industrial Average) と米国S&P 500種株価指数 (S&P500 / Standard and Poor’s 500 index) がマイナス圏からプラス圏に転じて前営業日比で小幅高の終値に向けたほか、米国ナスダック総合株価指数 (NASDAQ / National Association of Securities Dealers Automated Quotations Composite) は前営業日比で大幅続伸の終値に向けたことでは、米国主要株価三指数が揃って上昇していた株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られたことでは、ドルも円相場で底堅い値動きを見せていた。
このため、先週金曜日の夜21時頃から先週土曜日の朝5時55分頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円30銭付近から、円の安値でドルの高値の144円3銭付近の値幅約73銭で、先週土曜日の朝5時55分頃のニューヨーク終値は143円67銭付近と、前営業日同時刻の142円63銭付近の前ニューヨーク終値比で約1円4銭の大幅な円安ドル高をつけて、先週末を迎えていた。
週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、 二転三転するドナルド・トランプ米国大統領の発言の影響などがあり、ドルは円相場で早朝の窓開け下落から窓埋め上昇を見せた。
また、今週4月30日~5月1日に開催予定の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では、米国関税政策の影響の様子見で政策金利が据え置かれる市場予想が優勢であった影響では、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時143円85銭付近の始値と、前東京終値比の円安ドル高から始まった。
今朝の日本市場は、今週から大型連休のゴールデンウィークが始まるため、市場流動性が減少する中で、日本企業の輸入実需と準備金の円売りドル買いよりも国内輸出企業の円買いドル売りが優勢であったことでは、今朝10時9分頃にドルは円相場で一時143円34銭付近に反落した。
ただし、同時進行中の時間帯が近い世界市場では、米中貿易摩擦緩和への期待感が再び燻っており、関税影響の米国景気減速は回避可能との期待感もあったことでは、主要通貨に対するドルの買い戻しが入り、午前11時13分頃にドルは円相場で一時143円86銭付近に反発上昇した。
また、東京株式市場では、日米関税交渉への期待感もあって今日の日経平均株価が続伸し、先週末の米国主要株価三指数上昇もあってプラス圏の推移を続けたことも低リスク通貨の円売りドル買いに影響を与えたが、今朝は前営業日比の大幅高から始まった後に、ゴールデンウィークの大型連休前の利益確定や持ち高調整の影響もあって午後の部では上昇幅を縮小したことでは低リスク通貨の円の買い戻しも入り、午後14時頃にドルは円相場で一時143円29銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、時間外の米国債券市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇していたことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いが入り、ドルは円相場で反発したほか、午後15時30分頃に今日の日経平均株価が3万5839円99銭の終値をつけて前営業日比134円25銭高で大引けしたことでは、再びドルが円相場で上昇しており、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の影響もあって、夕方16時0分頃に対ドル円相場は一時143円90銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
米国関税政策の影響の不透明性からは、今週の日銀金融政策決定会合で日本の政策金利が据え置きされる市場予想が優勢だったことに対し、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の次回5月6〜7日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) でも金利据え置き予想が優勢で、米国政府の政治圧の中でもFRBのジェローム・パウエル議長などが米国追加利下げに慎重な姿勢を示していたことなどから、当面の間の日米金利差拡大予想の円売りドル買いが影響を及ぼしていた。
今日の夕方にもまた、先週金曜日の夜にドナルド・トランプ米国大統領が、「中国の習近平国家主席から電話があった」と発言したことに対し、中国政府が「中国は最近いかなる電話会談もしていない」と質問回答したことが話題になり、ドルは円相場で上昇幅を縮小し始めた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円66銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の143円41銭付近の前東京終値比で約 25銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では、特に注目度の高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、世界の株式市場と債券市場やコモディティ市場などの為替相場への影響や、米国関税ディール交渉の行方などを含めた経済と政治影響に加えて、世界情勢と要人発言などのファンダメンタル分析向けのニュースは、テクニカル分析と共に世界のFXトレーダー達の値動き予想材料になっている。
なお、日本市場のゴールデンウィークの祝日中にも、世界FX市場には平日開場予定の市場が多数あることから、日本市場の祝日休場中の市場流動性や値動きにも注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円1銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の162円90銭付近の前東京終値比で約11銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、日米主要株価指数続伸時のリスク選好のリスクオン市場では低リスク通貨の円が売られやすかったことで欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかったほか、今週の日銀金利据え置き予想も円相場に影響を及ぼしていた。
そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円16銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の190円73銭付近の前東京終値比で約43銭の円安ポンド高であった。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1347ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1358ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米中貿易摩擦緩和期待の一方で、中国政府のコメントとドナルド・トランプ米国大統領の発言の相違を巡っては不透明感が漂うものの、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) に追加利下げ予想が出ている一方で、米国連邦準備制度理事会 (FRB) には金利据え置き予想が優勢であることでは、米国債券市場で米国長期金利上昇時のドル買いの影響が観測されていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2025年4月28日の日本時間(JST / Japan Standard Time)の19時32分(チャート画像の時間帯は英国夏時間 (BST / British Summer Time / JST-8) の英国ロンドン外国為替市場時間の11時32分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。なお、米国市場は2025年3月9日から11月2日まで米国夏時間 (DST / Daylight Saving Time / JST-13) に日本との時差が1時間短縮に調整されており、欧州英国市場も2025年3月30日から10月26日まで英国夏時間のサマータイム (BST / British Summer Time / JST-8) に時差調整されたことには注意が必要である。
通貨ペア | JST 19:32の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 143.46 〜 143.47 | +0.05 (円安) |
ユーロ/円 | 162.89 〜 162.91 | ±0.0000 (レンジ) |
ユーロ/ドル | 1.1353 〜 1.1355 | −0.0005 (ドル高) |
英ポンド/円 | 191.41 〜 191.47 | +0.68 (円安) |
スイスフラン/円 | 172.99 〜 173.05 | +0.35 (円安) |
豪ドル/円 | 91.79 〜 91.83 | ±0.0000 (レンジ) |
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