マーケットコメント:日本企業でドル建て債券の発行が急増!その理由とは?
2024年10月02日東西FXマーケットコメント – 2024年10月02日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。本日は、急増している日本企業のドル建て社債発行について、その背景と為替への影響について解説します。メインテーマは、日本企業のドル建て社債発行急増の背景とTOPIXの値動き分析。
日本企業でドル建て社債の発行が急増!マーケットへの影響は?
10月2日、日本企業のドル建て社債の発行が急増しているとBloomberg Newsから発表された。
Bloomberg Newsによれば、九州電力や明治安田生命保険、丸紅など、ドル建て社債を追加発行する日本企業が急増しており、前年同期比ベースで40%以上増えている。ここまでの増加は約3年ぶりで、英国やカナダなどの増加率を上回っているとのこと。
背景としては、中央銀行の金利政策の違いが考えられる。FRBを中心とした世界各国の中央銀行が利下げに動いている中で、日銀だけが利上げに動いている。この動きによる日米金利差の縮小によって、ドル建て資金を調達しやすくなったことと考えられる。
FRBと日銀の逆方向的な金利政策は当面継続すると思われ、円高トレンドになる可能性が高い。現行の円高トレンドが日本企業のドル建社債の増加につながっていると思われる一方で、日本企業のドル建社債増加が為替に与える影響は限定的であると思われる。
TOPIXテクニカル分析〜値動きと今後のトレンド〜
上記の図(Investing.comより)はTOPIXの日足チャートである。
以下の図を見れば、TOPIXは年明けに入ってからレンジ相場を形成している。
75日移動平均線は下向きに変化しつつあり、現状ローソク足が75日移動平均線にぶつかって反発している状況である。8月の大きな下落以降、この75日移動平均線が重要なレジスタンスとなっている。
オシレーター指標を見ると、RSI、MACD共に今後のトレンドを示唆するようなシグナルは出していない。
ファンダメンタル的には、日経平均と同じく、円高によるリスクオフ、金融課税の強化を主張する石破茂氏の次期首相内定もあって、逆風状態にあると言える。
テクニカル的には短期的な下落が予測されるものの、長期的には方向感が乏しい。よって、現状では様子見するのがベストであると思われる。
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