マーケットコメント:米雇用統計は予想をすべて上回る!景気懸念後退?

2024年10月07日
米雇用統計は予想をすべて上回る!景気懸念後退?

 

東西FXマーケットコメント – 2024年10月07日

文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム

東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。

本日は、10月4日に発表された9月の米国雇用統計について、全面的にポジティブなその内容とマーケットへの影響について解説します。メインテーマは全面的に市場予想を上回った雇用統計と米経済の堅調さに裏打ちされたドル高の進展。

米雇用統計は市場予想を全面的に上回る!景気懸念は後退か?

10月4日9月の米国雇用統計が発表された。

全面的に市場予測を上回り、米国経済の堅調さを象徴する結果となったと言える。非農業部門雇用者数は前月比から約25万4千人増加し、失業率は予想4.2%に対して4.1%となった。平均時給も市場予想3.8%増加に対して、4%増加といずれも市場予想を上回った。

この大幅な増加により、米国労働者市場の後退懸念は減衰し、次回のFOMCでFRBが0.5ptという大幅な利下げを行う必要性はなくなったと考えられる。一方で、依然として現状の政策金利は中立金利に対して高く、0.25ptの利下げは自然であるとエコノミストは見ているようだ。

米国経済の堅調さを受けて、為替市場ではドル高が進展。ドル円は146円後半から148円を上回り、対欧州通貨で見ても、ポンドドルは1.32725から1.3135まで下落、ユーロドルは1.103から1.097まで下落する展開となった。

ドルインデックステクニカル分析〜値動きと今後のトレンド〜

上記の図(IG.comより)はドルインデックスの日足チャートである。これを見れば、ドルインデックスは6月以降下落トレンドであったものの、直近上昇トレンドに入っていることがわかる。

9月中に起きていたレンジ相場のレジスタンスラインを上抜け、市場では一気にドル高が進展した形である。ドルインデックスは為替市場におけるドルの相対的な強さを示す指標であり、これが上昇するとドル高が進展していることを意味する。

ファンダメンタル的観点で見れば、先週金曜日の雇用統計の結果から米国経済は予想以上に底堅く、順当にソフトランディングに向かっていると考えられる。よって、FRBの利下げサイクルのスピードは遅くなり、市場では今後とも米国経済の堅調性に裏打ちされたドル高の進展が予測される。

これらのことから、少なくとも中央銀行が利下げに積極的な動きを見せている対欧州通貨ベースでは、ドル高の進展が今後とも予測される。一方で、対円ベースで見ても、 日銀の利上げに消極的な姿勢からドル円は上昇すると考えられる。


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