マーケットコメント:米半導体国別輸出規制?バイデン政権が導入検討

2024年10月15日
米半導体国別輸出規制?バイデン政権が導入検討

 

東西FXマーケットコメント – 2024年10月15日

文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム

東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。

本日は、バイデン政権が半導体の国別輸出規制を検討している可能性が報じられた件について、11月の米国大統領選挙を踏まえつつ、その内容とマーケットへの影響を考察していきます。メインテーマは米中対立による輸出規制と市場ボラティリティの拡大。

米国AI半導体の国別輸出規制を導入?バイデン政権が検討

10月14日、バイデン政権がNvidiaやAMDなど米国の半導体メーカーの製品に関して、国別の輸出規制を検討していることがBloombergにて報じられた。

Bloombergによれば、バイデン政権は国家安全保障の観点から、情報セキュリティの保全を目的とした米メーカーの国別輸出規制導入を検討しているとのこと。関係者によれば、AIデータセンターへの需要増大に答えるだけの資金力を持つペルシャ湾岸諸国に注目しているそうだ。

輸出規制や輸入品目に対する関税の導入は、11月に行われる米国大統領選挙において、共和党トランプ氏と民主党ハリス氏の政策が大きく異なっている点でもある。

ハリス氏は現状の関税政策を維持する方針である一方で、トランプ氏は、特に対中国に関して、関税を大幅に強化するという方針を打ち出している。具体的には、EVを中心とした中国からの輸入品全てに60%超の関税をかける方針である。

このように、関税は米国選挙を左右する大きな争点の一つであり、その動向次第ではマーケットの大きな変動が予測される。特に、米国選挙直前では、毎年ボラティリティは拡大する傾向にあるため、注意する必要がある。

S&P500 VIX先物テクニカル分析〜大統領選挙におけるボラティリティ考察〜

上記のチャート(Investing.comより)はS&P500のVIX先物の週足チャートを示している。青いラインで囲まれた部分が過去の大統領選挙時期におけるVIXの推移を示している。

このチャートを見れば、2020年以降、米国大統領選挙時にはVIXは上昇傾向にあることがわかる。

VIXは恐怖指数とも呼ばれ、S&P500のオプションマーケットの値動きから推察される市場ボラティリティの理論値を示している。そのため、VIXの上昇は市場ボラティリティの拡大を意味しており、相場の大きな下落シグナルとなる。

米国選挙は関税や財政政策の方針を大きく左右する。その方針によっては、海外に大きな売り上げを持つ多国籍企業や海外の輸入品を原材料とするメーカーは大きな影響を受ける可能性がある。よって、それに伴う株式市場の乱高下は非常に自然である。

11月上旬の米国大統領選挙にかけてまだ3週間近くある。VIXが今上昇トレンドにあることを踏まえても、この3週間は特に市場の乱高下に注意する必要があるだろう。


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