マーケットコメント:米消費者の支払い停滞予想拡大!米国消費は軟調?
2024年10月16日東西FXマーケットコメント – 2024年10月16日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、NY連銀から発表された米消費者の債務支払い停滞予想に関して、マクロ経済の状況を踏まえながら、その内容とマーケットへの影響を考察していきます。メインテーマは拡大する米消費者債務とToC向けセクターの動向。
米消費者の債務予想拡大!To C向けビジネスは軟調化する?
10月15日、米国消費者の債務停滞予想が2022年4月と同じレベルの高水準に達していることがNY連銀の調査で分かった。
NY連銀の9月消費者期待調査によると、今後3ヶ月で債務停滞に陥る確率を14.2%と消費者が予測しているとのこと。Bloombergによれば、この確率はここ数ヶ月上昇傾向にあり、その中でも中年層の上昇は特に顕著であるそう。
米国消費は堅調であるものの、消費者の債務停滞拡大を考えれば、この堅調性が持続的であるかどうかには疑問が残る。実際、Bloombergでも家計状況の二極化が指摘されている。特に、支払い停滞に陥りやすい低所得者〜中間層にかけては、今後の消費持続性に疑問が残る。
こうした現状を鑑みると、米国株式市場におけるTo Cセクター、特に必需品ではない嗜好品をメインとするビジネスセクターは今後軟調になる可能性がある。
米国株式市場セクター分析〜軟調なConsumer Discretionary〜
上記のチャート(Trading Viewより)はS&P500のセクター別、期間別のパフォーマンスを示した表である。
ここ3ヶ月のパフォーマンスに注目すると、一般消費財であるConsumer Discretionaryはかなり軟調であることが分かる。一方で、米国大統領選挙を考慮したリスクヘッジの観点から、UtilityやReal EstateなどのDefensive銘柄が高いパフォーマンスを発揮している。
ファンダメンタル的にも、2023年までの深刻なインフレによる物価高騰や、消費者の債務停滞拡大などを考えれば、嗜好品メインのTo Cビジネスは厳しい状況に陥る場合もあると容易に推測できる。
以下の表が直近3ヶ月のパフォーマンスであり、NY連銀の調査が昨日発表されたものであることを踏まえると、米国消費の持続性は不透明感を強くしたと言えるだろう。そうした意味で、To B向けビジネスや利下げの恩恵を受けられるReal Estate、Financialsなどのセクターはより魅力的であるように思われる。
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