マーケットコメント:ECB要人発言!欧州経済減速で物価上昇は後退?
2024年10月23日東西FXマーケットコメント – 2024年10月23日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、ECB政策委員会のメンバーであるレーン・フィンランド中銀総裁が欧州経済の成長減速が物価上昇を弱める可能性があると発言したことについて、現在の欧州経済を踏まえつつ、その内容と今後のユーロのトレンドについて分析していきます。メインテーマは軟化する欧州経済と下落するユーロ。
ECB要人発言!欧州経済減速で物価上昇も後退?
10月22日、ECB政策委員会のメンバーであるレーン・フィンランド中銀総裁が欧州経済と物価に関して言及した。
Bloombergによれば、レーン氏はピーターソン国際研究所での講演で、欧州のディスインフレは順調に進んでいるものの、経済成長の鈍化はこのディスインフレをさらに加速させる可能性があると指摘し、アンダーシュートへの警戒の必要性について説いた。
こうした経済成長の鈍化を懸念して、ECBは直近の10月政策会合でも今年3回目となる0.25ptの追加利下げを決定した。このように、ユーロ経済の軟化は深刻であり、密接な関連のある中国経済の不振も考慮すると、その先行きはハッキリしない。
一方で、米国経済のみが堅調である現状を鑑みると、為替マーケットではますますユーロやポンドなどの欧州通貨が売られ、ドルが買われる展開が予測される。一方で、現在の米国経済の堅調性、US Exceptionalismの持続性については疑問の声も多く、長期的な展望は依然として不透明であると言えるだろう。
ユーロインデックステクニカル分析〜現在の値動き分析と今後のトレンド予測〜
上記(Investing.comより)のチャートはユーロインデックスの日足チャートを示している。
この図を見れば、2024年以降、ユーロは全体として上昇トレンドにあったものの、10月に入ってからは下落基調となっていることがわかる。
テクニカル分析の観点で見ると、ローソク足は75日移動平均線を下回り、その75日移動平均線も現在では下向きに転換しつつある。一方で、RSIは売られすぎラインに達しており、短期的には上昇する可能性もある。
ファンダメンタル的な観点で言えば、欧州経済が不況であること、ECBが利下げに積極的な姿勢を見せていることを考えれば、為替マーケットでは今後もユーロ安が進展する可能性が高い。FRBの利下げに消極的な姿勢も踏まえると、ユーロドルは長期的にも下落すると予測される。
こうした状況を踏まえれば、一時的に上昇した場合には、ユーロドルは絶好の売り場となる可能性がある。
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。