マーケットコメント:データセンター需要拡大!Utilityは依然魅力的?
2024年10月29日東西FXマーケットコメント – 2024年10月29日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、直近でテキサス州におけるデータセンター需要の拡大に関して、米国株式市場全体の趨勢を踏まえつつ、現在の状況と今後のトレンドについて考察していきます。メインテーマは拡大する電力・データセンター需要と依然として強いUtilityセクター。
データセンター需要拡大!Utilityは依然魅力的?
10月28日、テキサス州においてデータセンター電力需要が拡大しているとの報道がBloombergから上がった。
Bloombergによれば、米主要電力会社であるセンターポイント・エナジーが提供している送配電サービスにおいて、ここ数ヶ月の電力申請件数が8倍近くになっていることがわかった。ヒューストン都市圏内における接続町電力容量は、夏前の1GWから、8GWまで増大したとのこと。
センターポイント・シナジーのCEOであるウェルズ氏はこれに関して、人工知能(AI )関連の施設における供給増加が背景にあると決算説明会の場で明らかにした。ウェルズ氏は、この夏以降、データセンター需要における抜本的な変革を確認したとし、こうしたAI需要の爆発は、同社の堅調な長期成長ストーリーのカタリストになると述べた。
このように、実経済では引き続き、データセンターや電力に関して、AIを背景に強い需要が確認されている。AIの一般消費者に向けた具体的なプロダクトが不透明であり、結果としてAIソフトウェア企業が不振の中、AIの研究開発において利用されるこれらの施設への需要は、長期的に高い水準を保つことが予測される。
これらを踏まえると、Utilityセクターは現在も米国株式市場においてトップパフォーマーであるものの、これからも長期的に良好なパフォーマンスを発揮する可能性が高いだろう。
米国株式市場セクター分析〜Utilityセクターの現況と今後のトレンド予測
以下の図表1は、3カ月のパフォーマンスが高い順にソートした米国株式市場におけるセクターランキングである。この図を見れば、ここ3カ月、公益事業(Utility)セクターは12.92%と通信に続いて2番目に高いパフォーマンスを発揮していることがわかる。
1~3位までは通信、公益事業、電子テクノロジーと、テクノロジー関連の需要は引き続き堅調であり、持続的な高いパフォーマンスがこれからも予測される。
一方で、1カ月単位で見ると、電子テクノロジーは依然として高いパフォーマンスを発揮しているものの、それ以外には金融や工業サービスが並んでいる。ただ、これらのセクターもAI利用が積極的に考えられている領域であり、AI関連需要は短期的にもかなり強いと言えるだろう。
これらのことを踏まえると、AIセクター(電子テクノロジー)と関連セクター(Utility、Financials、Industrial)はこれからも長期的に株価が上昇していくと予測される。AIによる抜本的な社会変革が実現するまで、AIセクターの強い需要は変わらず、株価市場の歴史に残る一大的なテーマ投資となる可能性があるだろう。
図表1(Trading Viewより)3カ月のパフォーマンスが高いセクターランキング
図表2(Trading Viewより)1カ月のパフォーマンスが高いセクターランキング
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