マーケットコメント:米国債ETFに大量の資金流入?金利ピークか?
2024年11月12日東西FXマーケットコメント – 2024年11月12日
文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、米国債ETFに資金が大量に流れている件について、その具体的な内容と背景動向について分析します。メインテーマは米国債券の下げ止まりを予測するデイトレーダーによるETF購入と米国金利の動向。
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11月11日、米国株式市場では米国債券ETFに集中的に資金が流れているとの報道があった。
Bloombergによれば、ディレクションデイリー米国際債券ブル3倍ETFにおいて、先週過去最高となる6億2500万ドルの資金が流入したとのこと。このETFはデリバティブを用いてリターン変動が米国債券価格の3倍となるように設計されており、ボラティリティ増加を狙う短期トレーダーに人気だそうだ。
また、それだけでなく、iシェアーズ米国債20年物超ETFにも先週、14億ドルの資金が流入したとのこと。
これらはすべて、米国債の下げ止まり=金利がピークに達したと考えているトレーダーが増えていることを意味する。
もしこれが本当であれば、米国債の価格上昇、金利低下に伴って、ドルの需要が減少する可能性がある。もしそうなれば、現状の為替市場におけるドル高トレンドは転換する可能性もある。
米国10年金利テクニカル分析〜米国金利の現況と今後の推移予測
上記の図(Investing.comより)は米国債10年利回りの日足チャートである。
この図を見れば、米国債10年利回りは直近上昇しており、それ以前の下落トレンドの大半を戻した形となっている。
テクニカル分析の観点で言えば、25日移動平均線が75日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生しているものの、MACDを見ればデッドクロスが起こっており、RSIもかなり高い位置で推移おり、短期的に反落する可能性が想定される。
ファンダメンタルの観点では、米国大統領選挙においてトランプ氏が勝利したことで、株高と債権の利回り上昇が続いている状況である。トランプ氏の動向にもよるが、もしトランプ氏が選挙中に掲げた財政支出拡大の方針を貫くのであれば、財政懸念から米国債の利回りはさらに上昇する可能性がある。
これらを踏まえると、長期的な利回り上昇トレンドへこれからも継続し、もし一時的に下落するようであれば、米国債10年利回りは絶好の買い場となる可能性がある。
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