マーケットコメント:マクロトレーディング収益激減!コロナ以来最低?
2024年11月29日東西FXマーケットコメント – 2024年11月29日 文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム
東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。
本日は、各外資系投資銀行におけるマクロトレーディングの収益が激減している件について、その背景と今後の動向を詳しく分析します。メインテーマは、マクロトーレディングの収益減少とドルフランのテクニカル分析。
【11月29日】マクロトレーディングの収益が激減!コロナ以来最低か?
11月28日、2024年度はマクロトレーダーにとって、パンデミック以降最悪の年となったようだ。
Bloombergによれば、利鞘縮小と厳しいマクロ環境によって、新型コロナ以降収益は最小となる見込みとのこと。実際にゴールドマンサックスやJPモルガンを含む250社以上のG10トレーディングからの収益合計は2024年度320億ドル、通貨トレーディングに限定すれば167億ドルとなる予定だそうだ。これらの数値は昨年から17%、9%減少した数値であり、本年度におけるマクロトレーディングの厳しさが浮き彫りとなった。
コーリションのグローバルマクロ責任者であるアンガド・チャトワル氏は「2024年は待つべきだった」と指摘した上で、「ヘッジファンドは例年と比べて継続的な活動は少なかった」と指摘。
確かに、今年度初めはFRBによる7回の利下げが予測されていたにもかかわらず、実際には米国経済が予想以上に堅調となり、FRBの利下げは数回にとどまっている。こうした市場の織り込みと実際の経済動向のずれが、マクロトレーディングの収益減少につながったのではないかと考えられる。
ドルフランテクニカル分析〜ドルフランの現況と今後の推移予測
上記の図(Yahoo Finance.comより)はドルフランの日足チャートである。
この図を見れば、ドルフランは短期的に緩やかな上昇トレンドに入っていることがわかる。
テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線は上向きに転じているものの、直近は0.9のレジスタンスラインにぶつかって反落している。RSIは中立であるものの、MACDでは日足レベルでデッドクロスが発生している。
ファンダメンタルの観点では、前回のFOMCにてFRBは0.25ptの追加利下げを行っている一方で、依然として欧州経済は非常に弱い状態にある。ユーロドルなどが一時的に反発する中で、このトレンドが継続的になるかは不透明である。
ドルフランは欧州の深刻な景気軟化に陥る中で、リスクオフ資産として需要が高まっている。本格的に今までのドル高トレンドから反発するとすれば、ドルフランはユーロやポンドよりも対ドルベースで上昇するかもしれない。
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