マーケットコメント:トランプ氏によるドルの武器化!基軸通貨維持目的?

2024年12月03日
12月3日、本ページでは、トランプ氏がドルを武器化しようとしている件についてその内容と背景を徹底的に考察します。


東西FXマーケットコメント – 2024年12月03日

文/宇佐美幸弥 – 東西FXリサーチチーム

東西FXではFXとマクロ経済リサーチを担当しております宇佐美と申します。

本日は、トランプ氏がドルを基軸通貨とする通貨体制を維持しようと圧力をかけている件について、現在のマクロ経済の状況を踏まえつつ、その内容と背景について分析します。メインテーマはドルの武器化と原油のテクニカル分析。

【12月3日】トランプ氏によるドルの武器化!基軸通貨維持目的か?

トランプ氏は12月3日、ドルを基軸通貨とする金融体制を維持しようとドルを武器化しようとしている。

現在、トランプ氏は世界各国に対してドルを基軸通貨とする社会体制を維持するよう圧力をかけている。具体的には、トランプ氏はBRICSを中心とする主要新興国に対して、米ドルの代わりの新通貨を発行しないよう確約することを求めると自身のSNSである「Social Truth」で明らかにした。

Bloombergによれば、これに対して、アメリカで40年間為替政策に従事していたマーク・ソベル氏は「何もしなくてもドルが今後とも世界の経済体制の中心であり続ける可能性は高く、新興国が新通貨を発行するという考えはナンセンスだ」とコメント。

さらに、ブラッド・ゼッファー氏もこのドルの武器化発言に対して、「ドルの信頼を損なう、良い印象を与えない」と否定的なコメント。市場では、今回の口先介入が新興国を刺激し、ドルを中心とした現在の通貨体制に影響があるのではないかと危惧されている。

現在の経済状況では米国の独歩高であると言え、何もしなくても、今後数十年米国経済が世界経済の中心であり続ける可能性は高い。そのため、トランプ氏のこうした発言は突発的な地政学的リスクとして、市場ではネガティブに評価される可能性がある。

原油テクニカル分析〜原油の現況と今後の推移予測

上記の図(Investing.comより)は原油(WTI)の日足チャートである。

この図を見れば、原油先物は日足レベルのレンジ相場で動きつつも、一定の並行なレジスタンスラインで安値も維持している。

テクニカル分析の観点で言えば、75日移動平均線下向きで推移している。RSIやMACDなどのオシレーター系指標は上昇圧力が弱いことを示唆しており、このまま安値を更新して切り下がることが予測される。

ファンダメンタルの観点では、ウクライナとロシアの戦争や中東の地政学的リスクがある一方で、トランプ氏は石油をどんどん掘って今以上に原油価格を押し下げようとしており、各カタリストの大きさとマーケットへの影響具合によって、価格が乱高下することが予測される。

上記の突発的な地政学リスクを考えれば、原油は急騰するリスクはありつつも、基本的には米国次期大統領であるトランプ氏の影響で、さらに安値を更新する可能性がある。その場合には持続的な下落トレンドが発生する可能性が高い。


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